JP2911616B2 - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物

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JP2911616B2
JP2911616B2 JP2266291A JP2266291A JP2911616B2 JP 2911616 B2 JP2911616 B2 JP 2911616B2 JP 2266291 A JP2266291 A JP 2266291A JP 2266291 A JP2266291 A JP 2266291A JP 2911616 B2 JP2911616 B2 JP 2911616B2
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリカーボネート樹脂組
成物に関し、さらに詳しくは従来のポリカーボネート樹
脂組成物の機械的特性を有しながら、流動性を改善し、
成形性,特にブロー成形性に優れたポリカーボネート樹
脂組成物に関する
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、フロログルシンやトリメリト酸を分岐剤として用い
るポリカーボネートの製造方法は知られており、例えば
特公昭44−17149号公報,同60−11733号
公報等に開示されている。しかしながら、これらの分岐
剤を用いると、微量の未反応物による着色が生じ易いと
いう問題点があった。また、特開昭59−45318号
公報には、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタンを分岐剤として用いることが提案されてい
る。しかしながら、米国特許第4, 415, 723号明
細書には、その比較例Aにおいて、この分岐剤を用いる
と、得られるポリマーは淡緑黄色に着色することが記載
されていると共に、1,1,2−トリス(4−ヒドロキ
シフェニル)エタン;1,1,2−トリス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンなどの分岐剤を用いることが提
案されている。しかしながら上記米国特許明細書に記載
された方法でも、なお、着色の問題が完全には解決され
ていなかった。また、ブロー成形用にポリカーボネート
を分岐させると、耐衝撃性が低下することが知られてお
り、耐衝撃性に優れた分岐ポリカーボネートの開発が求
められている。そこで、本発明者らは、かかる観点から
研究を続けた結果、色相の問題点を解決するとともに、
アセトン可溶分が3. 5重量%以下となり、耐衝撃性も
改善され、ブロー成形に好適な分岐ポリカーボネート及
びその効率のよい製造方法を開発することに成功した
特開平3−182524号公報)。さらに、本発明者
らは上記の分岐ポリカーボネートの成形性及び流動性を
一層改善すべく鋭意研究を重ねた。
【0003】
【課題を解決するための手段】その結果、特定のポリカ
ーボネートにスチレン系樹脂を特定量配合することによ
り、従来のポリカーボネート樹脂組成物の機械的特性を
損なうことなく、目的とする性状を備えたポリカーボネ
ート樹脂組成物を得ることができることを見出した。本
発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。す
なわち本発明は、(A)一般式(I)
【0004】
【化2】
【0005】〔ここで、Rは水素あるいは炭素数1〜5
のアルキル基であり、R1 〜R6 はそれぞれ水素,炭素
数1〜5のアルキル基あるいはハロゲンである。〕で表
わされる分岐剤から誘導された分岐核構造を有し、かつ
粘度平均分子量が15,000〜40,000であって、そ
のアセトン可溶分が3.5重量%以下である分岐ポリカー
ボネート1〜99重量%及び(B)スチレン系樹脂99
〜1重量%からなるポリカーボネート樹脂組成物を提供
するものである。本発明の成分(A)である分岐ポリカ
ーボネートは、上記の如く一般式(I)
【0006】
【化3】
【0007】で表わされる分岐剤から誘導された分岐核
構造を有する。ここで、Rは水素あるいは炭素数1〜5
のアルキル基、例えばメチル基,エチル基,n−プロピ
ル基,n−ブチル基,n−ペンチル基などである。ま
た、R1 〜R6 は水素,炭素数1〜5のアルキル基(例
えばメチル基,エチル基,n−プロピル基,n−ブチル
基,n−ペンチル基など)あるいはハロゲン原子(例え
ば塩素原子,臭素原子,フッ素原子など)である。一般
式(I)の分岐剤は、さらに具体的には1,1,1−ト
リス(4−ヒドロキシフェニル)−メタン;1,1,1
−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−エタン;1,
1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパ
ン;1,1,1−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)−メタン;1,1,1−トリス(2−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)−エタン;1,1,1−ト
リス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−メタ
ン;1,1,1−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)−エタン;1,1,1−トリス(3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)−メタン;1,1,
1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−エタン;1,1,1−トリス(3−クロロ−4−
ヒドロキシフェニル)−メタン;1,1,1−トリス
(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン;1,
1,1−トリス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフ
ェニル)−メタン;1,1,1−トリス(3,5−ジク
ロロ−4−ヒドロキシフェニル)−エタン;1,1,1
−トリス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−メ
タン;1,1,1−トリス(3−ブロモ−4−ヒドロキ
シフェニル)−エタン;1,1,1−トリス(3,5−
ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−メタン;1,
1,1−トリス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフ
ェニル)−エタンなどである。この分岐ポリカーボネー
トは、上記一般式(I)で表わされる分岐剤から誘導さ
れた分岐核構造を有し、具体的には下記の式で表わされ
るものである。
【0008】
【化4】
【0009】〔ここで、m,n及びoは整数であり、P
Cはポリカーボネート部分を示す。なお、RおよびR1
〜R6 は前記と同じである。〕PCは、例えば原料成分
としてビスフェノールAを使用した場合には、下記の式
の繰り返し単位を示す。
【0010】
【化5】
【0011】成分(A)である分岐ポリカーボネート
は、上記のような特定の分岐核構造を有するとともに、
15,000〜40,000の粘度平均分子量を有するもの
である。粘度平均分子量が15,000未満のものでは、
耐衝撃性が低下し、一方40,000を超えると、成形性
が悪くなる。また、この分岐ポリカーボネートは、アセ
トン可溶分が3.5重量%以下のものである。アセトン可
溶分が3.5重量%を超えると、耐衝撃性が著しく低下す
る。なお、ここでアセトン可溶分とは、対象とするポリ
カーボネートからアセトンを溶媒としてソックスレー抽
出される成分を意味する。
【0012】このような分岐ポリカーボネートは、各種
の方法により製造することができる。例えば特開平3−
182524号公報に開示されている方法、即ち、芳
香族二価フェノール類,一般式(I)で表わされる分岐
剤及びホスゲンから誘導されるポリカーボネートオリゴ
マー,芳香族二価フェノール類及び末端停止剤を、
これらを含む反応混合液が乱流となるように撹拌しなが
ら反応させ、反応混合液の粘度が上昇した時点で、アル
カリ水溶液を加えると共に反応混合液を層流として反応
させる方法により効率よく製造することができる。
【0013】本発明の成分(B)であるスチレン系樹脂
としては、例えばポリスチレン樹脂,耐衝撃ポリスチレ
ン樹脂(HIPS),スチレン−無水マレイン酸共重合
体およびアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(A
BS)樹脂等が挙げられる。上記ポリスチレン樹脂の具
体的な例としては、スチレン,α−メチルスチレン,ビ
ニルトルエン,2,4−ジメチルスチレン,クロロスチ
レン及びその他の置換したモノビニル芳香族単量体から
なる重合体等が挙げられる。耐衝撃ポリスチレン樹脂
は、モノビニル芳香族単量体にゴム状弾性体を溶解また
は混合し重合して得られる重合体である。上記ゴム状弾
性体の具体的な例としては、ポリブタジエン,アクリレ
ートおよび/またはメタクリレートを含有するゴム状弾
性体,スチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)樹
脂,アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン(AS
B)樹脂,アクリロニトリル・スチレン(AS)樹脂,
スチレン・ブタジエンゴム(SBR),ブタジエン・ア
クリルゴム,イソプレンゴム,イソプレン・スチレンゴ
ム,イソプレン・アクリルゴム,エチレン・プロピレン
ゴム等が挙げられる。このうち、特に好ましいものは、
ポリブタジエンである。ここで用いるポリブタジエンは
低シスポリブタジエン(例えば1,2−ビニル結合を1
〜30モル%、1,4−シス結合を30〜42モル%含
有するもの),高シスポリブタジエン(例えば1,2−
ビニル結合を20モル%以下、1,4−シス結合を78
モル%以上含有するもの)のいずれを用いても良く、混
合物であっても良い。また、アクリレートおよび/また
はメタクリレートを含有するゴム状弾性体としては具体
的にはMAS樹脂(60〜80重量%のn−ブチルアク
リレートとスチレン,メタクリル酸メチルとのグラフト
共重合体),メタクリル酸メチル・スチレン共重合体
(MS樹脂),MABS樹脂(オクチルアクリレートと
ブタジエンとを重量比7:3の割合で共重合させて得ら
れるゴムラテックスにスチレン及びメタクリル酸メチル
を添加し、グラフト重合させて得られる共重合体),M
BS樹脂(メタクリル酸メチルとブタジエンとを共重合
させて得られるゴムラテックスにスチレンを添加し、グ
ラフト重合させて得られる重合体)等が挙げられる。上
記スチレン−無水マレイン酸共重合体における2成分の
割合は広範囲に変えることができ、分子量についても同
様である。スチレン−無水マレイン酸共重合体は、一般
に無水マレイン酸とスチレンとを過酸化触媒の存在下に
おいて昇温下で反応させることによって作ることができ
る(米国特許第2,866,771 号及び同第2,971,939 号参
照)。このスチレン−無水マレイン酸共重合体は、スチ
レンそのものの代わりとしてα−メチルスチレン,ビニ
ルトルエン,2,4−ジメチルスチレン,クロロスチレ
ン及びその他の置換したスチレンを含有してもよい。こ
のスチレン−無水マレイン酸共重合体の分子量は広範囲
で、例えば20,000〜300,000 が好ましく、さらに好まし
くは約80,000〜200,000 である。スチレン−無水マレイ
ン酸共重合体は、無水マレイン酸を好ましくは5〜50
重量%、さらに好ましくは5〜30重量%、特に好まし
くは8〜15重量%の量で含有する。ここにおいて、ゴ
ム変成されたスチレン−無水マレイン酸共重合体とは、
連鎖移動剤,ラジカル発生剤の存在下に、ゴム成分を用
いてスチレンモノマーと無水マレイン酸とを熱重合せし
めて得られるものを指標するものである。前記ゴム成分
として代表的なものを例示すればブタジエンゴム,60
〜95重量%のブタジエンを含むブタジエン−スチレン
ゴムもしくはブタジエン−アクリルゴム,イソプレンゴ
ム,60〜95重量%のイソプレンを含むイソプレン−
スチレンゴムもしくはイソプレン−アクリルゴム,60
〜95重量%のブタジエンを含むブタジエン−スチレン
のA−B型ブロックゴムもしくはA−B−A型ブロック
ゴム、あるいはエチレン−プロピレン共重合体(EP
T)などであり、一種または二種以上の混合物として使
用される。そして、このゴム成分が最終的に得られる当
該ゴム変成共重合樹脂中に2〜25重量%、好ましくは
5〜12重量%ほど含有されているものがよい。本発明
に用いられるABS樹脂とは、共役ジエン系ゴムの存在
下、芳香族ビニル単量体,ビニルシアン単量体及び不飽
和カルボン酸アルキルエステル単量体から選ばれた2種
以上の化合物を乳化重合法,塊状重合法,塊状−懸濁重
合法,乳化−懸濁重合法等の公知の重合方法で重合して
なるグラフト重合体である。なお、このグラフト重合体
はグラフト重合時に生成する未グラフト共重合体または
別途製造された上述の化合物2種以上から成る共重合体
を含むことができる。このABS樹脂の組成比には何ら
制限はないが最終組成物の物性を実用上価値のあるもの
にするためには、組成比として、共役ジエン系ゴム5〜
70重量%,芳香族ビニル単量体70〜20重量%,ビ
ニルシアン単量体及び/または不飽和カルボン酸アルキ
ルエステル単量体10〜50重量%であることが好まし
い。ABS樹脂を構成する共役ジエン系ゴムとは、ポリ
ブタジエン,ブタジエン−スチレン共重合体,ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体,ポリイソプレン等であ
り、これらを組み合わせて使用しても何ら問題はない。
芳香族ビニル単量体とは、スチレン,α−メチルスチレ
ン,p−メチルスチレン等である。またビニルシアン単
量体とは、アクリロニトリル,メタクリロニトリル等で
あり、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体とはメ
チルアクリレート,エチルアクリレート,メチルメタク
リレート及びヒドロキシエチルアクリレート等である。
【0014】本発明の組成物において、成分(A)であ
る分岐ポリカーボネート樹脂の割合は、(A),(B)
両成分の合計量に対して1〜99重量%、好ましくは3
0〜95重量%である。また、成分(B)であるスチレ
ン系樹脂の割合は99〜1重量%、好ましくは70〜5
重量%である。この分岐ポリカーボネートの割合が99
重量%を超えると、流動性の改善効果が充分に現れな
い。一方、上記分岐ポリカーボネートの割合が1重量%
未満では、機械的強度及び成形性(特にブロー成形性)
が低下し分岐性の効果が現れなくなる。
【0015】本発明のポリカーボネート樹脂組成物に
は、本発明の目的を阻害しない限り、各種の無機質充填
剤,添加剤またはその他の合成樹脂、エラストマー等を
必要に応じて配合することができる。まず、ポリカーボ
ネート樹脂組成物の機械的強度,耐久性または増量を目
的として配合される前記無機充填剤としては、例えばガ
ラス繊維(GF),ガラスビーズ,ガラスフレーク,カ
ーボンブラック,硫酸カルシウム,炭酸カルシウム,ケ
イ酸カルシウム,酸化チタン,アルミナ,シリカ,アス
ベスト,タルク,クレー,マイカ,石英粉等が挙げられ
る。また、前記添加剤としては、例えばヒンダードフェ
ノール系,リン系(亜リン酸エステル系,リン酸エステ
ル系等),アミン系等の酸化防止剤、例えばベンゾトリ
アゾール系,ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤、例えば
脂肪族カルボン酸エステル系,パラフィン系の外部滑
剤,常用の難燃化剤,離型剤,帯電防止剤,着色剤等が
挙げられる。上記のヒンダードフェノール系酸化防止剤
としては、BHT(2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾ
ール),チバガイギー社製の「イルガノックス107
6」(商品名)「イルガノックス1010」(商品
名),エチル社製の「エチル330」(商品名),住友
化学(株)製の「スミライザーGM」(商品名)などが
好ましく用いられる。また、その他の合成樹脂として
は、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリメチルメタク
リレート及び上記分岐ポリカボネート以外のポリカボネ
ート等の各樹脂を挙げることができる。また、エラスト
マーとしては、イソブチレン−イソプレンゴム,スチレ
ン−ブタジエンゴム,エチレン−プロピレンゴム,アク
リル系エラストマー等が挙げられる。
【0016】本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、
上記の各成分を配合し、混練することにより得ることが
できる。配合,混練は通常の方法を採用することがで
き、例えばリボンブレンダ,ヘンシェルミキサー,バン
バリーミキサー,ドラムタンブラー,単軸スクリュー押
出機,2軸スクリュー押出機,コニーダ,多軸スクリュ
ー押出機により行なうことができる。混練に際しての加
熱温度は通常250〜300℃が適当である。かくして
得られたポリカーボネート樹脂組成物は既知の種々の成
形方法、例えば射出成形,中空成形,押出成形,圧縮成
形,カレンダー成形,回転成形等を適用して自動車用バ
ンパーなど自動車分野の成形品や家電分野等の成形品を
製造することができる。特に中空成形及び押出成形に適
しており、また、シートフィルムでの真空成形性,圧空
成形性,熱曲げ成形性(特にブロー成形性)に優れてい
る。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によりさら
に詳しく説明する。 参考例 (1)ポリカーボネートオリゴマーAの合成 400リットルの5%水酸化ナトリウム水溶液に60k
gのビスフェノールAを溶解し、ビスフェノールAの水
酸化ナトリウム水溶液を調製した。次いで、室温に保持
したこのビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を
138リットル/時間の流量で、また、塩化メチレンを
69リットル/時間の流量で、内径10mm,管長10
mの管型反応器にオリフィス板を通して導入し、これに
ホスゲンを並流して10.7kg/時間の流量で吹き込
み、3時間連続的に反応させた。ここで用いた管型反応
器は二重管となっており、ジャケット部分には冷却水を
通して反応液の排出温度を25℃に保った。また、排出
液のpHは10〜11を示すように調整した。このよう
にして得られた反応液を静置することにより、水相を分
離除去し、塩化メチレン相(220リットル)を採取し
て、これにさらに塩化メチレン170リットルを加え、
充分に撹拌したものをポリカーボネートオリゴマーA
(濃度317g/リットル)とした。ここで得られたポ
リカーボネートオリゴマーの重合度は3〜4であった。
【0018】 (2)ポリカーボネートオリゴマーBの合成 400リットルの5%水酸化ナトリウム水溶液に60k
gのビスフェノールA及び0.58kgの1,1,1−ト
リス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを溶解し、水酸
化ナトリウム水溶液を調製した。その後はポリカーボネ
ートオリゴマーAと同様に操作し、ポリカーボネートオ
リゴマー(ポリカーボネートオリゴマーBという)(濃度
321g/リットル)を得た。
【0019】合成例1(ポリカーボネートの合成) ポリカーボネートオリゴマーB5.61リットルに、塩化
メチレン3.39リットルを加えて溶液Iとした。一方、
水酸化ナトリウム173.4g及びビスフェノールA 48
2.9 gを水2.9リットルに溶解して溶液IIとした。前記
溶液Iと溶液IIとを混合し、触媒としてトリエチルアミ
ン0.856g及び末端停止剤としてp−tert−ブチ
ルフェノール37.6gを加え、600rpmで10分間
乱流状態に攪拌した。その後、水酸化ナトリウム水溶液
(濃度48重量%)167mlを加え、室温下200r
pmで60分間層流状態に攪拌して反応を行った。反応
後、水5リットルと塩化メチレン5リットルとを加え、
塩化メチレン相と水相とに分離させ、その塩化メチレン
相を、0.01N水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカ
リ洗浄した後、さらに0.1N塩酸を用いて酸洗浄をし
た。その後水洗を行って塩化メチレンを除去して、フレ
ーク状のポリマーであるポリカーボネートを得た。この
ようにして得られたフレーク状のポリマーのアセトン可
溶分をソックスレー抽出で8時間かけて測定した。得ら
れたポリカーボネートの粘度平均分子量は2.7×1
4 、アセトン可溶分は2.0重量%であった。このポリ
カーボネートをA−1とした。
【0020】合成例2(ポリカーボネートの合成) ポリカーボネートオリゴマーA5.68リットルに、塩化
メチレン3.32リットルを加えて溶液III とした。この
溶液III と合成例1で用いた溶液IIとを混合し、触媒と
してトリエチルアミン0.856g、末端停止剤としてp
−tert−ブチルフェノール37.6g及び分岐剤とし
て1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン15.0gを加え、600rpmで10分間乱流状態に
攪拌した。その後、水酸化ナトリウム水溶液(濃度48
重量%)167mlを加え、室温下200rpmで60
分間層流状態に攪拌して反応を行った。反応後、水5リ
ットルと塩化メチレン5リットルとを加え、塩化メチレ
ン相と水相とに分離させ、その塩化メチレン相を0.01
N水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカリ洗浄した
後、さらに0.1N塩酸を用いて酸洗浄した。その後水洗
を行って塩化メチレンを除去して、フレーク状ポリマー
であるポリカーボネートを得た。得られたポリカーボネ
ートの粘度平均分子量は2.7×104 、アセトン可溶分
は2.0重量%であった。このポリカーボネートをA−2
とした。
【0021】合成例3(ポリカーボネートの合成) 合成例1において、p−tert−ブチルフェノール3
7.6gに代えて、p−クミルフェノール53.2gとした
こと以外は、合成例1と同様にして実施した。得られた
ポリカーボネートの粘度平均分子量は2.7×104 、ア
セトン可溶分は2.1重量%であった。このポリカーボネ
ートをA−3とした。
【0022】合成例4(ポリカーボネートの合成) 合成例1において、p−tert−ブチルフェノール4
5.5gとしたこと以外は、合成例1と同様にして実施し
た。得られたポリカーボネートの粘度平均分子量は2.1
×104 、アセトン可溶分は2.0重量%であった。この
ポリカーボネートをA−4とした。
【0023】実施例1〜15及び比較例1〜7 ポリカーボネート樹脂,スチレン系樹脂及びその他添加
物等の所定量をドラムタンブラーで予備混合した後、押
出機に供給し、温度250℃で混練し、ペレット化し
た。さらに得られたペレットを120℃,6時間乾燥し
た後、金型温度80℃,成形温度250℃で射出成形し
て試験片を得た。ペレットについては溶融特性(流れ
値,MIR,スウェル比,溶融張力)を、試験片につい
ては引張強度を測定した。得られた結果を第1表−1〜
第1表−4に示す。溶融特性,引張強度の測定条件を以
下に示す。 1)流れ値 JIS K−7210に準拠した(測定温度280
℃)。 2)MIR(ブロー成形性の指標、50以上が望まし
い。)メルトインデックス比〔MI(11kg)/MI
(325g)〕,280℃で測定した。 3)スウェル比(ブロー成形性等の指標 1.2以上が望
ましい。)メルトインデックスの測定において、溶融樹
脂に対して、11kgの荷重を加えた場合に押出された
ストランド断面積をオリフィス断面積で除した値を求め
た。 4)溶融張力(ブロー成形性等の指標 2(g)以上が
好ましい。)引張速度9.42m/分,オリフィスL/D
=8/21で生じるストランドの張力を280℃で測定
した。 5)引張強度(kg/cm2 )JIS K−7113に準拠
した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【発明の効果】叙上の如く、本発明によれば、本来のポ
リカーボネートの機械的特性を有しながら、流動性に優
れ、成形性の良好なポリカーボネート樹脂組成物が得ら
れる。このポリカーボネート樹脂組成物は、とりわけブ
ロー成形に適したものである。したがって、このポリカ
ーボネート樹脂組成物を素材として得られるブロー成形
品は、従来のものに比べて流動性が著しく向上したもの
となる。それ故、本発明のポリカーボネート樹脂組成物
は、各種の成形品(例えば、自動車,家電,OA等の工
業材料)、特にブロー成形品の素材として有効に利用さ
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 25/00 - 25/18 C08L 69/00 C08L 64/14 CA(STN) REGISTRY(STN) REGISTRYで本願で特定される分 岐単位をもつポリカーネートを検索し、 CAにクロスオーバーした。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式(I) 【化1】 〔ここで、Rは水素あるいは炭素数1〜5のアルキル基
    であり、R1 〜R6 はそれぞれ水素,炭素数1〜5のア
    ルキル基あるいはハロゲンである。〕で表わされる分岐
    剤から誘導された分岐核構造を有し、かつ粘度平均分子
    量が15,000〜40,000であって、そのアセトン可
    溶分が3.5重量%以下である分岐ポリカーボネート1〜
    99重量%及び(B)スチレン系樹脂99〜1重量%か
    らなるポリカーボネート樹脂組成物。
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