JPH05170916A - ポリアリ−レンサルファイドとポリエステルとのグラフト共重合体の製法 - Google Patents

ポリアリ−レンサルファイドとポリエステルとのグラフト共重合体の製法

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JPH05170916A
JPH05170916A JP35439191A JP35439191A JPH05170916A JP H05170916 A JPH05170916 A JP H05170916A JP 35439191 A JP35439191 A JP 35439191A JP 35439191 A JP35439191 A JP 35439191A JP H05170916 A JPH05170916 A JP H05170916A
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JP
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polyester
group
pps
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acid
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JP35439191A
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English (en)
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Naohiro Mikawa
直浩 三川
Satoshi Inoue
井上  敏
Ichigen Watanabe
一玄 渡辺
Tadao Ikeda
忠生 池田
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】側鎖および/または末端にアミノ基を有するポ
リアリ−レンサルファィド(PPS)とテトラカルボン
酸二無水物とを一旦極性有機溶媒中で反応させて、イミ
ド化され酸無水物基を有するイミド化PPSを得、次い
で、当該酸無水物基を有するイミド化PPSと末端に水
酸基を有するポリエステルとを極性有機溶媒中で反応さ
せるか、または、側鎖および/または末端にアミノ基を
有するPPSと末端に水酸基を有するポリエステルと
を、テトラカルボン酸二無水物の存在下で、極性有機溶
媒中で、反応させるグラフト共重合体の製法。 【効果】PPSの耐熱性など優れた性質を維持しつつ、
機械的性質を改善出来ると共に、他ポリマ−との相溶性
の向上において優れたものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアリ−レンサルフ
ァィドとポリエステルとのグラフト共重合体の製法に関
し、詳しくは、カルボン酸無水物構造を分子中に導入し
たイミド化ポリアリ−レンサルファィドとポリエステル
とのグラフト共重合体の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアリ−レンサルファィド(以下、P
PSということもある。)樹脂は、耐熱性など優れた性
質を有しているが、その欠点として(1)耐衝撃性が低
いこと(2)金属等無機材との接着性が必ずしも十分で
ないこと、(3)他ポリマ−との相溶性が低いことなど
が挙げられる。PPS樹脂の耐衝撃性を向上させたり、
他の特性を付与する目的で、従来から、PPS樹脂と他
のプラスチックとのポリマ−ブレンドが数多く提案され
ている。例えばポリアミドとのブレンド(特開昭53−
69255号、同59−155462号公報)、ポリカ
−ボネ−トとのブレンド(特開昭51−59952号、
同59−155461号公報)、ポリエステルとのブレ
ンド(特開昭59−64657号公報)、熱可塑性エラ
ストマーとのブレンド(特開昭61−207462号公
報)が挙げられる。しかし、いずれの場合も、単純ブレ
ンドであり、別種のポリマ−を化学的に結合した共重合
体と比べ明らかに相溶性や力学的性質が劣っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の有する欠点を解消して、特に、PPSの耐熱性な
ど優れた性質を維持しつつ、機械的性質を改善出来ると
共に、他ポリマ−との相溶性の向上を図ることのできる
技術を提供することを目的としたものである。本発明の
他の目的および新規な特徴は以下の記載からも明らかに
なるであろう。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、側鎖および/
または末端にアミノ基を有するポリアリ−レンサルファ
ィド(I)と次の化1で示されるテトラカルボン酸二無
水物(II)との極性有機溶媒中での反応により得られ
る酸無水物基を有する変性ポリアリ−レンサルファィド
(III)と末端に水酸基を有するポリエステル(I
V)とを極性有機溶媒中で反応させることを特徴とする
ポリアリ−レンサルファィドとポリエステルとのグラフ
ト共重合体の製法、
【化1】 (但し、化1において、R1は少なくとも2個の炭素原
子を含む四価の有機基であり、化1中のカルボニル基の
2個以下は当該四価の有機基のいずれか1個の炭素原子
に結合している。)並びに、側鎖および/または末端に
アミノ基を有するポリアリ−レンサルファィド(I)と
次の化1で示されるテトラカルボン酸二無水物(II)
と末端に水酸基を有するポリエステル(IV)とを極性
有機溶媒中で反応させることを特徴とするポリアリ−レ
ンサルファィドとポリエステルとのグラフト共重合体の
製法に係るものである。
【化1】 (但し、化1において、R1は少なくとも2個の炭素原
子を含む四価の有機基であり、化1中のカルボニル基の
2個以下は当該四価の有機基のいずれか1個の炭素原子
に結合している。)
【0005】本発明は、側鎖および/または末端にアミ
ノ基を有するPPS(I)と上記化1で示されるテトラ
カルボン酸二無水物(II)とを一旦極性有機溶媒中で
反応させて、イミド化され酸無水物基を有するイミド化
PPS(III)を得、次いで、当該酸無水物基を有す
るイミド化PPS(III)と末端に水酸基を有するポ
リエステル(IV)とを極性有機溶媒中で反応させる
か、または、側鎖および/または末端にアミノ基を有す
るPPS(I)と末端に水酸基を有するポリエステル
(IV)とを、上記化1で示されるテトラカルボン酸二
無水物(II)の存在下で、極性有機溶媒中で、反応さ
せるグラフト共重合体の製法である。
【0006】当該反応の反応例は下記のように示され
る。 (1)側鎖に酸無水物基を有するPPS(III)と分
子末端に水酸基を有するポリエステル(PE)(IV)
とを極性有機溶媒中でグラフト反応させる製法。 (2)側鎖にアミノ基を有するPPS(I)とテトラカ
ルボン酸二無水物(II)と分子末端に水酸基を有する
ポリエステル(PE)(IV)を極性有機溶媒中でグラ
フト反応させる製法。
【0007】本発明は、極性有機溶媒中で行うグラフト
反応であること、イミド化され酸無水物基を有するイミ
ド化PPSとポリエステルとのグラフト反応生成物であ
ること、当該グラフト反応生成物は、PPSの耐熱性な
ど優れた性質を維持しつつ、機械的性質を改善出来ると
共に、他ポリマ−との相溶性の向上において優れたもの
となる。
【0008】本発明における上記アミノ基を有するPP
S(I)の合成方法は、例えば、次の(a)成分と
(b)成分とを反応させることにより行なうことができ
る。 (a)アルカリ金属サルファイド(代表的には硫化ソ−
ダ) (b)ジハロゲン化物とアミノ基を置換基として有する
ハロゲン化物の混合体 上記の製法において、原料として使用されるジハロゲン
化物の例としては、下記の化2で示されるジハロゲン化
ベンゼンが挙げられる。
【化2】 (化2の式中Rは炭素原子1〜3個のアルキルもしくは
アルコキシ基を示し、nは0〜3の整数を示し、Xはハ
ロゲン原子を示す)その具体例としては、次の化3〜化
13で示される化合物が挙げられる。但し、化3〜化1
3中、X1 の例としては、ClまたはBrが挙げられ
る。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】 また、上記において、原料として使用されるアミノ基を
置換基として有するハロゲン化物の例としては、次の化
14で示されるハロゲン化アミノベンゼンが挙げられ
る。
【化14】 (化14の式中、Rおよびnは前述したものと同一意義
を有し、R2 は水素原子または炭素原子1〜3個のアル
キル基を示し、Yはハロゲン原子を示し、mは1または
2を示す)その具体例としては、下記の化15〜化22
の式で示されるハロゲン化アミノベンゼン化合物が挙げ
られる。但し、化15〜化22中、Y1の例としては、
ClまたはBrが挙げられる。
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【0009】上記において、他のポリマ−との相溶性の
向上を図るなど本発明所望の目的を達成させる為には、
アミノ基を置換基として有するハロゲン化物は、当該混
合体中に0.2〜25モル%含有されていることが好ま
しい。また、混合物中パラ体のジハロゲン化物が85モ
ル%以上含有されていることが好ましい。
【0010】本発明においては、上記反応において、必
要に応じて、ジハロゲン化物に対し5モル%以下の範囲
内で、トリクロルベンゼンなどのトリハロゲン化物を添
加してもよい。重合反応は、極性溶媒中で、好ましく
は、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセト
アミドなどのアミド系溶媒やスルホラン等のスルホン系
溶媒中で行なうとよい。この際に、重合度を調節するた
めに、カルボン酸やスルホン酸のアルカリ金属塩、水酸
化アルカリなどを添加するのが望ましい。好ましい重合
反応の温度および時間は、およそ120〜300℃で2
〜10時間である。反応は不活性ガスの雰囲気下に行な
うのが望ましい。反応終了後、固体生成物をロ別し、脱
イオン水で十分洗浄、乾燥してアミノ基を有するPPS
樹脂(I)を得る。当該アミノ基を有するPPS樹脂
(I)と前記化1で示されるテトラカルボン酸二無水物
(II)とを、極性溶媒例えば、N−メチルピロリド
ン、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒中で、反
応させると側鎖に酸無水物基を有するPPS(III)
を得ることが出来る。この際の反応温度は、室温〜30
0℃、望ましくは150〜280℃で、通常30分間〜
50時間行なわれる。PPS(I)と当該酸無水物(I
I)との使用割合は、得られる側鎖に酸無水物基を有す
るPPS(III)中の酸無水物基単位が0.1〜25
モル%となるように両者を用いればよく、その範囲は、
PPS(I)100重量部に対して当該酸無水物(I
I)が、通常0.5重量部以上、望ましくは1〜70重
量部である。反応終了後、反応生成物をロ別し、アセト
ン等で洗浄したのち、加熱乾燥し、所望のPPS分子鎖
中にカルボン酸無水物構造を導入したポリアリ−レンサ
ルファイド(III)を得る。
【0011】本発明において使用される化1で示される
テトラカルボン酸二無水物(II)の具体例としては、
ピロメリット酸二無水物、3,4,3´,4´−ジフェ
ニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,4,3
´,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
3,4,3´,4´−ジフェニルジメチルメタンテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテト
ラカルボン酸二無水物、3,4,3´,4´−ジフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3´,4´−ジ
フェニルエ−テルテトラカルボン酸二無水物、3,4,
3´,4´−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水
物が挙げられる。
【0012】本発明における側鎖に酸無水物基を有する
PPS(III)は、次の化23で示されるポリアリ−
レンサルファィド結合以外に、次の化24で示されるエ
−テル結合、次の化25で示されるスルホン結合、次の
化26で示されるビフェニル結合、次の化27で示され
る置換フェニルスルフィド結合(但し、式中、Rはアル
キル、ニトロ、フェニル、アルコキシ、カルボキシル基
を示す。)、次の化28で示される3官能結合で例示さ
れるような共重合成分を含有していてもよい。但し、当
該共重合成分は、30モル%未満であることが好まし
い。
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【0013】本発明で使用される末端に水酸基を有する
ポリエステル(IV)としては、例えば、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸、4,4 ´−ジフェニルジカルボン酸、ジフェニ
ルエーテルジカルボン酸、χ,βービス(4ーカルボキ
シフェノキシ)エタン、アジピン酸、セバシン酸、アゼ
ライン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等のジカ
ルボン酸、またはそのエステル形成性誘導体とエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサン
ジオール、オクタンジオール、デカンジオール、シクロ
ヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、ビスフェノー
ルA、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)プロパン、キシリレングリコール、ポリエチレンエ
ーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコ
ール、両末端が水酸基である脂肪族ポリエステルオリゴ
マー等のグリコール類との重縮合、あるいはグリコール
酸、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシ
フェニル酢酸、ナフチルグリコール酸のようなヒドロキ
シカルボン酸の重縮合、あるいはプロピオラクトン、ブ
チロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトンのよう
なラクトン化合物の重縮合、および上記ジカルボン酸と
ジオールとヒドロキシカルボン酸とラクトン化合物との
共重合により得られるポリエステルが挙げられる。ま
た、コモノマー成分として熱可塑性を保持しうる範囲で
トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリ
セリン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、ピロ
メリット酸のような多官能性エステル形成性成分を含ん
でいてもよい。また、ジブロモテレフタル酸、テトラブ
ロモテレフタル酸、テトラブロモフタル酸、ジクロロテ
レフタル酸、テトラクロロテレフタル酸、1,4−ジメ
チロールテトラブロモベンゼン、テトラブロモビスフェ
ノールA、テトラブロモビスフェノールAのエチレンオ
キサイド付加物のような芳香族核に塩素や臭素のごとき
ハロゲン化合物を置換基として有し、かつ、エステル形
成性基を有するハロゲン化合物を共重合した熱可塑性ポ
リエステル樹脂も含まれる。特に好ましいポリエステル
としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、
ポリ(エチレン・ブチレンテレフタレート)、ポリ(シ
クロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリ(ブチ
レン・テトラメチレン・テレフタレート)、2,2−ビ
ス(β−ヒドロキシキエトキシテトラブロモフェニル)
プロパンとの共重合ポリブチレンテレフタレート等が挙
げられる。上記ポリエステル(IV)は、少なくとも一
方の末端に水酸基を有することが必要である。
【0014】本発明で使用される極性溶媒としては、例
えば、Nーメチルー2ーピロリドン(NMP)、N,N
ージメチルアセトアミド(DMAC)、N,Nージメチ
ルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(D
MSO)などの有機極性溶媒が挙げられる。
【0015】本発明の第1の方法である酸無水物基を有
するPPS(III)とポリエステル(IV)との反応
は、150〜300℃、好ましくは230〜280℃
で、通常30分間〜10時間行われる。PPS(II
I)とポリエステル(IV)の使用割合は、任意に設定
できるが、PPS(III)が通常1〜99重量%、好
ましくは5〜95重量%、ポリエステル(IV)が通常
99〜1重量%、好ましくは95〜5重量%である。次
に、本発明の第2の方法であるアミノ基を有するPPS
(I)、テトラカルボン酸無水物(II)及びポリエス
テル(IV)との反応は、室温〜300℃で、好ましく
は230〜280℃で通常30分間〜50時間行なわれ
る。それら三者の使用割合に関し、PPS(I)とテト
ラカルボン酸無水物(II)の使用割合は、PPS
(I)100重量部に対して、テトラカルボン酸無水物
(II)が0.5重量部以上、望ましくは1〜70重量
部である。また、ポリエステル(IV)は、PPS
(I) が通常1〜99重量%、好ましくは5〜95重
量%、ポリエステル(IV)が99〜1重量%、好まし
くは95〜5重量%となるように用いられる。かくする
ことにより、PPS単位にポリエステル単位が0.5モ
ル%以上グラフト(グラフト率)した共重合体が得られ
るが、1〜70モル%のグラフト率のものが望ましい。
グラフト率が0.5モル%未満では、本発明の所期の目
的が達成し得ない。本発明の方法で得られたグラフト共
重合体は、諸特性を付与する目的から、必要に応じガラ
ス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、繊維状チ
タン酸カリウム、アスベストおよび炭化ケイ素や窒化ケ
イ素等を初めとする各種のウイスカー等の繊維状無機充
填剤、グラファイト、炭カル、マイカ、シリカ、チッ化
ホウ素、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリン、ク
レー、バイロフィライト、ベントナイト、セリサイト、
ゼオライト、雲母、ネフェリンシナイト、フェライト、
アタルパルジャイト、ウオラストナイト、ケイ酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、三酸化アンチモ
ン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化
鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、石膏、ガラス粉、ガラス
ビーズ、石英、石英ガラス、鉄、亜鉛、銅、アルミニウ
ム、ニッケル等の金属粉等の無機充填剤を一種又は二種
以上配合することも可能である。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて更に説明す
る。合成例1.(アミノ基を有するPPSの合成例) 容量1リットルの撹拌機付のオ−トクレ−ブ中に、NM
Pを250ccとNa2 S(含水量40wt%)を12
7g(0.98モル)と0.31grのNaOHを仕込
み、窒素雰囲気中で撹拌しながら約2時間かけて205
℃にまで徐々に昇温させて脱水した。その後、反応系を
150℃にまで冷却し、反応系に140grのパラジク
ロルベンゼン(0.95モル)、8grのP−ジクロル
アニリン(0.05モル)と0.5grの1,2,4−
トリクロルベンゼン(0.003モル)を80grのN
MP中に溶解した溶液を加え、更に1時間かけて250
℃にまで昇温し、2時間反応を行った。反応終了後、オ
−トクレ−ブを室温にまで冷却し、内容物をロ別し、反
応生成物であるロ過ケ−キを50℃で脱イオン水で3回
洗浄し、副生した食塩やその他の未反応物を除き100
℃で乾燥してアミノ基を有するPPS樹脂を得た。
【0017】合成例2.(側鎖に酸無水物基を有するP
PSの合成例) 上記PPS樹脂15grとピロメリット酸二無水物2.
0grを、NMP100ミリリットルに添加し、180
℃で1時間撹拌を行いながら反応させた。室温にまで冷
却した後反応スラリ−をロ過して得たケ−キを、アセト
ンで十分洗浄した後、150℃で一晩乾燥し、反応生成
物を得た。その生成物について、フィルム法で赤外吸収
スペクトルを測定した結果、反応前のアミノ基を有する
PPSに見られた3400cm-1付近のアミノ基に帰因
する赤外吸収が減少し、酸無水物基およびイミド基に基
づく吸収が1780,1730cmー1付近に見られた。
そして、次の方法により、得られた生成物中の酸無水物
基の量を算出した。すなわち、PPS単独重合体と無水
フタル酸を数種の割合で混合した粉末からホットプレス
によりフイルムを作成し、赤外分光(IR)分析法によ
り、ベンゼン環C=C伸縮振動の1400cm-1と酸無
水物基C=O伸縮振動の1780cm-1のIRを分析
し、1400cm-1と1780cm-1の吸光度比を求め
て検量線を作成し、その検量線から得られた変性PPS
の酸無水物基量を算出したところ、0.8モル%であっ
た。
【0018】実施例1〜6.合成例2で得た側鎖に酸無
水物基を有するPPSと側鎖に水酸基を有するポリエス
テル(PBT)(帝人社製商品名TRB−K)をNMP
100ミリリットル中に表1に示す量を仕込み、表1に
示す条件下で加熱反応を行った、反応終了後、スラリー
をロ別し、ロ過ケーキをアセトンで充分洗浄した後、減
圧下150℃で一晩乾燥した。乾燥後のパウダーを、ポ
リエステルの選択的な溶媒である1,1,1,3,3,
3,ーヘキサフルオロー2ープロパノ−ル(HFIP)
でソックスレ−抽出を行ない、その不溶分のIR測定を
行ったところ、PPSの吸収の他にPBTに起因する吸
収が2970、1730、1280、900cm-1付近
などに見られ、グラフト共重合体の生成が確認された。
グラフト率(グラフトしたPBTの重量/幹のPPSの
重量X100%)は次ぎの方法により不溶分のIR測定
から求めた。あらかじめ、未変性のPPSとPBTを種
々の割合でブレンドしたものから作成した検量線を用い
て、PBTのC=O伸縮振動に基づく1720cm-1
ベンゼン環の伸縮振動に基づく1580cm-1の吸光度
の比からグラフト率を算出した。また、乾燥後の反応生
成物をホットプレスでフイルム状に成形し、長さ80m
m、幅10mm,厚み50ミクロンの試験片について、
チャツク間距離40mm,引張速度20mm/分で引張
試験を行い、引張強度及び引張伸度を求めた。その結果
を表1に示す。
【0019】実施例7〜9.合成例1で得たアミノ基を
有するPPSと実施例1〜6で使用のポリエステルを、
ピロメリット酸二無水物を溶解してあるNMP100ミ
リリットル中に表2に示す量添加し、加熱溶解させ、反
応させた他は実施例1〜6と同様にしてグラフト率を算
出し、また、乾燥後の反応生成物をホットプレスでフイ
ルム状に成形し、引張試験を行い、引張強度及び引張伸
度を求めた。その結果を表2に示す。
【0020】比較例1 合成例1で得たアミノ基を有するPPSと実施例1〜6
で使用のポリエステルのみを、パウダー状(PBTはペ
レットを粉砕)のまま、ヘンシェルミキサーでドライブ
レンドし、混合物を熱プレスしてフイルム状(厚み:5
0ミクロン)に成形し、引張試験を行い、引張強度及び
引張伸度を求めた。グラフト率を算出したところ、HF
IP抽出の不溶分にPBTのIR吸収スペクトルが見ら
れず、グラフト共重合反応が起こっていないと推測され
る。その結果を表1及び表2の両者に共通して示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】実施例10 合成例2と同様にして得た酸無水物基を有するPPS
0.5kgと実施例1で用いたポリエステル0.5kg
をNMP10リットルに加え、240℃で3時間撹拌し
て反応を行なった。次いで、スラリーをロ過し、得られ
たケーキをアセトンで充分に洗浄した後、減圧下150
℃で一晩乾燥した。PPS(トープレン社製、商品名:
Tー4AG)2.8kgに、上記で得たポリエステルグ
ラフトPPS0.7kgを加え、ヘンシェルミキサーで
ドライブレンドした後、異方同軸押出機を用いて、30
0℃で溶融混練してペレツトを得た。ペレツトからフイ
ルムに成形した試験片について、実施例1と同様にして
引張試験を行なった所、引張強度5.0kgf/mm2
、伸度6.2%であった。
【0024】比較例2 実施例10で用いたPPS2.8kg、合成例1と同様
にして得たアミノ基を有するPPS0.35kg、無水
ピロメリット酸0.05kg及び実施例1で用いたポリ
エステル0.35kgを実施例10と同様にしてドライ
ブレンド及び溶融混練してペレツトを得た。次いで、実
施例1と同様にして引張試験を行なった所、引張強度
5.2kgf/mm2 、伸度1.0%であった。これ
ら実施例10と比較例の結果から、本発明の方法で得ら
れるPPS共重合体は、伸びがよく、従って、もろさが
大幅に改良されることが分る。
【0025】
【発明の効果】以上本発明によれば、従来技術の有する
欠点を解消して、PPSの有する耐熱性を維持したまま
で、機械的性質を改善することができるとともに、耐溶
剤性が向上し、PPSとポリエステルあるいはその他の
樹脂のブレンド時に少量添加し、相溶化剤として使用で
き、すなわち、ポリマ−アロイ製造時に有効な相溶化剤
となり得るグラフト共重合体を得ることができた。
フロントページの続き (72)発明者 池田 忠生 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡一丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】側鎖および/または末端にアミノ基を有す
    るポリアリ−レンサルファィドと次の化1で示されるテ
    トラカルボン酸二無水物との極性有機溶媒中での反応に
    より得られる酸無水物基を有する変性ポリアリ−レンサ
    ルファィドと末端に水酸基を有するポリエステルとを極
    性有機溶媒中で反応させることを特徴とするポリアリ−
    レンサルファィドとポリエステルとのグラフト共重合体
    の製法。 【化1】 (但し、化1において、R1 は少なくとも2個の炭素
    原子を含む四価の有機基であり、化1中のカルボニル基
    の2個以下は当該四価の有機基のいずれか1個の炭素原
    子に結合している。)
  2. 【請求項2】側鎖および/または末端にアミノ基を有す
    るポリアリ−レンサルファィドと次の化1で示されるテ
    トラカルボン酸二無水物と末端に水酸基を有するポリエ
    ステルとを極性有機溶媒中で反応させることを特徴とす
    るポリアリ−レンサルファィドとポリエステルとのグラ
    フト共重合体の製法。 【化1】 (但し、化1において、R1 は少なくとも2個の炭素原
    子を含む四価の有機基であり、化1中のカルボニル基の
    2個以下は当該四価の有機基のいずれか1個の炭素原子
    に結合している。)
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1060492C (zh) * 1996-12-30 2001-01-10 中国科学院长春应用化学研究所 聚芳醚酮/聚苯硫醚合金材料的制备
JP2005263958A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Dainippon Ink & Chem Inc 熱可塑性樹脂組成物
KR20160096041A (ko) 2015-02-04 2016-08-12 제이엑스금속주식회사 구리 합금조 및 그것을 구비하는 대전류용 전자 부품 및 방열용 전자 부품

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