JP4665411B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、機械的特性に優れ、構造材料用又は機械部品等として有用なポリアリーレンサルファイド樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物に関する。
ポリフェニレンサルファイド等のポリアリーレンサルファイド(以下、PASと略記する。)は耐熱性及び耐薬品性に優れているが、耐衝撃性に劣っている。また、PASは分子中に極性基を有していないため、他のエンジニアリングプラスチック等のその他の樹脂との相溶性に劣る。この為、耐衝撃性を向上させる目的で他の樹脂と混合するポリマーアロイ化を行っても、その相溶性の低さに起因し、得られる成形物の機械的特性に優れ、且つその他の物性のバランスが良好であるポリマーアロイが得難いという問題点がある。
この問題に対し、PASにアミノ基を導入することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)が、該相溶性は或る程度改良されるものの、依然として実用レベルではなく、耐衝撃性を有するポリマーアロイである熱可塑性樹脂組成物が求められている。
特開昭61−207462号公報
上記実状に鑑み、本発明の課題は、上記のような従来の技術の欠点を解消し、ポリエステル樹脂及び/又はポリカーボネート樹脂とPASとの相溶性に優れ、ポリマーアロイとした場合に得られる成形物の機械的特性に優れる熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、PASとポリエステル樹脂及び/又はポリカーボネート樹脂との相溶性の改善について検討した結果、ポリアリーレンサルファイド−ポリエステル共重合体、又はポリアリーレンサルファイド−ポリカーボネート共重合体を相溶化剤として使用した熱可塑性樹脂組成物は、両樹脂の相溶性が向上することにより良好なポリマーアロイとなり、成形流動性が良好で、得られる成形物の機械的特性に優れることを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は、ポリアリーレンサルファイド−ポリエステル共重合体と、ポリエステル樹脂及び/又はポリカーボネート樹脂と前記以外のポリアリーレンサルファイド樹脂を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
更に本発明は、ポリアリーレンサルファイド−ポリカーボネート共重合体と、ポリエステル樹脂及び/又はポリカーボネート樹脂と前記以外のポリアリーレンサルファイド樹脂を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物をも提供するものである。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリアリーレンサルファイド−ポリエステル共重合体又は、ポリアリーレンサルファイド−ポリカーボネート共重合体を相溶化剤として用い、ポリアリーレンスルフィド樹脂とポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂とを用いたポリマーアロイであり、相溶性が良好で、得られる成形物の機械的強度に優れている。従って、自動車用部品等の構造材料用に好適に用いることが出来、また成形流動性が良好であるため、特に電気電子部品等の小型の成形部品としても有用である。
以下、本発明を詳細に記載する。
本発明で用いるポリアリーレンスルフィド−ポリエステル共重合体(以下、PAS−PEと略記する。)(A−1)は、1分子内にポリエステル構造とポリアリーレンサルファイド構造を有するものである。その製造方法としては特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−170919号公報等に記載されている(I)アミノ基を有するPASにイソシアネート化合物を反応させて分子内にイソシアネート基を有する変性ポリアリーレンサルファイド(以下、変性PASと略記する。)(a1)を得た後、更に、分子内に水酸基及び/又はカルボキシル基を有するポリエステル(a2)とを極性有機溶媒中で反応させる方法、(II)アミノ基を有するPASとイソシアネート化合物と分子内に水酸基及び/又はカルボキシル基を有するポリエステル(a2)とを極性有機溶媒中で反応させる方法、が挙げられる。これらの中でも、目的とするPAS−PE(A−1)を効率よく得られる点から、(I)の手法が好ましい。これらの方法で得られるPAS−PE(A−1)は、グラフト及び/又はブロック共重合体である。
アミノ基を有するPASの合成方法としては、例えば、p―クロルアニリン等のハロゲン化アミノベンゼンとジクロルベンゼン等のハロゲン化物とを、硫化ソーダ等のアルカリ金属サルファイドと反応させる方法が挙げられる。この時、ハロゲン化アミノベンゼンとハロゲン化物との使用割合としては、特に限定されるものではないが、得られる熱可塑性樹脂組成物の成形物の耐熱性の観点から、両者の混合物中にハロゲン化アミノベンゼンが0.2〜25モル%含まれていることが好ましく、また、パラ体のジハロゲン化物が85モル%以上含まれることが好ましい。
アミノ基を有するPASの骨格としては、下記式(1)
Figure 0004665411
(式中、Rは炭素原子数1〜3個のアルキル基もしくはアルコキシ基を示し、nは0〜3の整数を示す)。
で表わされるアリーレンサルファイド結合からなるか、又は該アリーレンサルファイド結合式(1)を主成分とし、下記式(2)〜(9)
Figure 0004665411
{但し、式(8)中、Rはアルキル、ニトロ、フェニル、アルコキシ、カルボキシル基を示す。}
で表される共重合成分から導かれる結合を副成分として含有していてもよい。但し、当該共重合成分は、30モル%未満であることが好ましい。
前記イソシアネート化合物としては、特に限定されるものではなく、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニルジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルチオエーテルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルスルホンジイソシアネート、4,4’−ベンゾフェノンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルイソプロピリデンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、4−(4−イソシアネートシクロヘキシル)フェニルイソシアネート、4−イソシアネートベンジルイソシアネート、テトラフルオロ−p−フェニレンジイソシアネート、テトラフルオロ−m−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートオクタフルオロ−ビフェニル及びデュレンジイソシアネート;3,3’−ジメチル−4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン及びイソホロンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート及び2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどのアルキレン基、アリーレン基、シクロアルキレン基及びこれらから誘導される基を主鎖とするジイソシアネート化合物、ならびにアルキル基が二価の基もしくは原子で結合されたジ−(3−イソシアネートプロピルエーテル)などの主鎖に脂肪族炭化水素基を有するジイソシアネート化合物を挙げることができ、単独でも、2種以上の混合物としても使用することが出来る。
分子内に水酸基及び/又はカルボキシル基を有するポリエステル(a2)としては、下記式
Figure 0004665411
で示されるエステル結合を繰り返し単位として有する化合物であれば良く、非晶性又は結晶性熱可塑性ポリエステル、未硬化の熱硬化性ポリエステル等が挙げられ、好ましくは熱可塑性ポリエステルである。また、前記ポリエステルとしては分子内のいずれかに水酸基及び/又はカルボキシル基を有することを必須とするが、カルボキシル基の場合、その酸無水物であっても良い。
前記ポリエステル(a2)としては、特に限定されるものではなく、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルカルボン酸、ジフェニルエーテルカルボン酸、α,β−ビス(4−カルボキシフェノキシ)エタン、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸などのジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体とエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、キシリレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、両末端が水酸基である脂肪酸ポリエステルオリゴマーなどのグリコールとの重縮合;グリコール酸、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフェニル酢酸、ナフチルグリコール酸などのようなヒドロキシカルボン酸の重縮合;プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトンのようなラクトン化合物の重縮合ならびに上記ジカルボン酸とジオールとヒドロキシカルボン酸及び/又はラクトン化合物との共重合により得られるポリエステル等が挙げられ、単独でも、2種以上の混合物としても使用することが出来る。
また、ポリエステル(a2)としては、例えば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸のような多官能性エステル形成性成分を含んでいてもよい。また、ジブロモテレフタル酸、テトラブロモテレフタル酸、テトラブロモフタル酸、ジクロロテレフタル酸、テトラクロロテレフタル酸、1,4−ジメチロールテトラブロモベンゼン、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のような芳香族核に塩素や臭素のようなハロゲンを置換基として有し、かつエステル形成性基を有するハロゲン化合物を共重合したポリエステルであっても良い。また、後述するポリエステル樹脂(B−1)と同じ物を用いても良い。
前述の(I)の具体的製法としては、例えば、前記で得られたアミノ基を有するPASに、前記イソシアネート化合物を加え、N−メチル−2−ピロリドン等の極性溶媒中で、一般に0℃〜300℃、好ましくは15℃〜280℃で、0.5〜50時間の範囲で反応させ、分子内にイソシアネート基を有する変性PAS(a1)を合成する。次にこの変性PAS(a1)と前記ポリエステル(a2)とを、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどの極性有機溶媒中で、一般に150℃〜300℃、好ましくは180℃〜280℃で、0.5〜10時間の範囲で反応させる方法が挙げられる。
この反応において、アミノ基を有するPASとイソシアネート化合物との使用割合としては、アミノ基を有するPAS100重量部に対してイソシアネート化合物が通常0.5重量部以上、好ましくは1〜70重量部である。
さらに変性PAS(a1)とポリエステル(a2)の使用割合としては任意に設定できるが、該変性PAS(a1)が通常5〜95重量%、好ましくは40〜60重量%、該ポリエステル(a2)が通常95〜5重量%、好ましくは60〜40重量%である。
また前記(II)の製造方法の例としては、分子内にアミノ基を有するPASとポリエステル(a2)とイソシアネート化合物の3成分を、(I)で例示した極性有機溶媒と同様なものを用い、一般に室温〜300℃好ましくは180℃〜280℃で、0.5〜50時間反応させる方法が挙げられる。
この方法において、アミノ基を有するPAS、ポリエステル(a2)、イソシアネート化合物の使用割合に関し、まず、アミノ基を有するPASとイソシアネート化合物の使用割合としてはアミノ基を有するPAS100重量部に対してイソシアネート化合物が0.5重量部以上、好ましくは1〜70重量部であり、また、アミノ基を有するPASとポリエステル(a2)の使用割合としては該PASが通常5〜95重量%、好ましくは40〜60重量%で、ポリエステル(a2)が通常95〜5、好ましくは60〜40重量%である。
(I)及び(II)の両製造方法において、反応終了後、生成物を濾別し、アセトンなどで洗浄し、次いで加熱乾燥することによってグラフト及び/又はブロック状のPAS−PE共重合体を得ることができる。
この共重合体の生成は、後記実施例に示すように、反応生成物から共重合成分を溶剤で抽出除去した後その不溶部の赤外吸収スペクトルを測定し、ポリエステルに起因する吸収の有無を観察することによって確認される。PAS−PE共重合体(A−1)の構成比としては、得られる熱可塑性樹脂組成物の相溶性に優れる点から、{ポリエステル(a2)由来構造の重量/変性ポリアリーレンサルファイド(a1)由来構造の重量}が3/100〜20/100である。
また、実際の使用に当たっては、該PAS−PE共重合体(A−1)を得る際に使用し、未反応分としてポリエステル(a2)が残っている状態のまま(実際には未反応分が残っていることが多い)、本発明の熱可塑性樹脂組成物における相溶化剤として使用しても差し支えない。また、PAS−PE共重合体(A−1)としては、1種類で用いても、2種以上の混合物として使用しても良い。
本発明で用いるポリエステル樹脂(B−1)としては、特に限定されるものではないが、本発明の効果をより一層示すことが出来る点から、熱可塑性ポリエステル樹脂であることが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレ−ト、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリ(エチレン・ブチレンテレフタレート)、ポリ(シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレン・テトラメチレン・テレフタレート)、2,2−ビス(β−ヒドロキシエトキシテトラブロモフェニル)プロパンとの共重合ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト、液晶ポリエステル等が挙げられる。これらは通常単独で使用されるが、2種以上使用しても差し支えない。また、前述のPAS−PE共重合体の原料として用いたポリエステル(a2)と同一であっても良い。これらの中で特に好ましいポリエステル樹脂(B−1)としてはポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートである。また、ポリエステル樹脂(B−1)の製造方法としては、特に限定されるものではなく、種々の方法が用いられ、本発明においては特にこれを規定するものではない。
好ましいポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと略記する。)、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する。)としては、ベンジルアルコ−ル中で1/50Nの水酸化カリウム・ベンジルアルコ−ル溶液で滴定した酸価が4mgKOH/g以下、好ましくは3mgKOH/g以下であることが、得られる成形物の耐熱性、耐加水分解性を低下させない上で好ましい。
また、PBTの分子量として極限粘度で表した場合には、特に制限されないが、得られる成形物の耐熱性を低下させない点から、30℃のフェノ−ル/テトラクロルエタン=6/4の混合溶媒中で測定した極限粘度〔η〕が0.70dl/g〜1.30dl/g、好ましくは0.80dl/g〜1.20dl/gである。
本発明で用いるポリカーボネート樹脂(B−2)としては、特に限定されるものではなく、種々のものを使用することが出来る。例えば、2,2−ビス(4−オキシフェニル)アルカン系、ビス(4−オキシフェニル)エ−テル系、ビス(4−オキシフェニル)スルホン、スルフィド又はスルホキサイド系などの芳香族ジヒドロキシ化合物からなる重合体、もしくは共重合体等が挙げられ、単独でも、2種以上の混合物として使用しても良い。その製造方法としても特に限定されず、種々の方法が用いられ、本発明においては特にこれを規定するものではない。例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン(通称ビスフェノ−ルA)のポリカーボネートの製造には、ジオキシ化合物として4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパンを用いて、苛性アルカリ水溶液及び溶剤存在下にホスゲンを吹き込んで製造するホスゲン法、又は4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパンと炭酸ジエステルとを触媒存在下でエステル交換させて製造する方法を挙げることができる。
前記芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
エステル交換法に用いられる炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等のジアルキルカーボネート等が挙げられる。これらの炭酸ジエステルとしては、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、ジフェニルカーボネート、置換ジフェニルカーボネートが好ましい。
前記炭酸ジエステルとしては、好ましくはその50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下の量を、ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換してもよい。ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルとしては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル等が挙げられる。このようなジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換した場合には、ポリエステルカーボネートが得られる。
本発明で用いるポリカーボネート樹脂(B−2)の、H―NMRを用いて求めたポリカーボネートの末端OH基としては、得られる成形物の耐湿熱性が良好である点から全末端基に対して1〜30モル%であることが好ましい。
またポリカーボネート樹脂(B−2)の分子量としても特に制限されないが、メルトフローレート(以下、MFRと記す。)で評価した場合、300℃/1200gで測定した値が1〜40g/10分、好ましくは1〜30g/10分が得られる成形物の耐熱性の観点から好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物としては、前述のポリエステル樹脂(B−1)及びポリカーボネート樹脂(B−2)をそれぞれ単独で使用しても、併用しても差し支えない。
本発明で用いる前記(A−1)以外のポリアリーレンサルファイド樹脂(以下、その他のPASと略記する。)(C)としては、前記一般式(1)中で示される繰り返し単位を70モル%以上含有する重合体であることが好ましく、特に構造式〔Ph−S〕(但し、Phはフェニル基)で示される繰り返し単位を70モル%以上含有するポリフェニレンサルファイド(PPS)であることが好ましい。この繰り返し単位が70モル%以上であれば、結晶化ポリマーとしての特性である優れた強度、靱性、耐薬品性などを備えた成形物を得ることが可能である。
一般にポリアリーレンサルファイド(PAS)は、その製造法により、実質上線状で分岐構造や架橋構造を有さないものと、分岐構造や加熱処理により得られる架橋構造を有するものとに大別されるが、本発明に於いてはその何れのタイプのものにも有効であり、特に限定されないが、加熱処理により得られる架橋構造を持たない実質上線状及び/又は分岐構造のPASが耐衝撃性、成形性を保持する上で好ましい。従って、上述のPAS−PE共重合体(A−1)及びその他のPAS(C)がともに、非熱架橋型であることが好ましい。
また、その他のPAS(C)の分子量としては、特に制限はないが、315.6℃、5000gで測定したMFRで評価した場合、好ましくは1〜15000(g/10分)、より好ましくは2〜10000(g/10分)の範囲である。またDSCにより測定された融点が200℃以上、好ましくは240℃以上である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物としては、前述のPAS−PE共重合体(A−1)、ポリエステル樹脂(B−1)及び/又はポリカーボネート樹脂(B−2)、及びその他のPAS(C)を含有するものであり、その混合比としては、目的とする成形物の物性により種々選択されるものであるが、特にそれらの相溶性に優れ、耐衝撃性に優れた成形物を容易に得られる点から、PAS−PE共重合体(A−1)と、ポリエステル樹脂(B−1)及び/又はポリカーボネート樹脂(B−2)と、その他のPAS(C)との混合比(重量比)(A−1)/{(B−1)及び/又は(B−2)}/(C)が2〜15/10〜40/50〜85である、特に3〜10/15〜35/60〜80であることが好ましい。
第2の発明として、相溶化剤としてポリアリーレン−ポリカーボネート共重合体(以下、PAS−PC共重合体と略記する。)(A−2)を使用する場合について述べる。
前記PAS−PC共重合体(A−2)としては、前述のPAS−PE共重合体(A−1)において、ポリエステル(a2)の代わりにポリカーボネート(a3)を用いる以外は、同様の手法によって得ることが出来る。好ましい製造方法としては、分子内にイソシアネート基を有する変性ポリアリーレンサルファイド(a1)と分子内に水酸基を有するポリカーボネート(a3)とを極性有機溶媒中で反応させる方法である。
この時用いるポリカーボネート(a3)としては、分子内に水酸基を有するものであれば、特に制限されるものではなく、さらにイソシアネ−ト基と反応しうる有機官能基を持った単量体又はポリマーで変性した変性ポリカーボネートであっても差し支えない。
具体的なポリカーボネート(a3)としては、前述のポリカーボネート樹脂(B−2)で例示したものを全て挙げる事が出来る。好ましいポリカーボネート(a3)としても、前述のポリカーボネート樹脂(B−2)で好ましいものとして挙げたものをそのまま挙げる事ができる。
この共重合体の生成は、後記実施例に示すように、反応生成物から共重合成分を溶剤で抽出除去した後その不溶部の赤外吸収スペクトルを測定し、ポリカーボネート(a3)に起因する吸収の有無を観察することによって確認される。前記PAS−PC共重合体(A−2)の構成比としては、得られる熱可塑性樹脂組成物の相溶性に優れる点から、{ポリカーボネート(a3)由来構造の重量/変性ポリアリーレンサルファイド(a1)由来構造の重量}が3/100〜20/100である。
また、PAS−PC共重合体(A−2)と組み合わせて用いるポリエステル樹脂(B−1)及び/又はポリカーボネート樹脂(B−2)、及び前記(A−2)以外のポリアリーレンサルファイド(以下、その他のPASと略記する。)(C)としても、前記PAS−PE共重合体(A−1)を用いる場合と同様である。従って、前記と同じ理由から、PAS−PC共重合体(A−2)及びその他のPAS(C)が非熱架橋型であることが好ましい。
また、前述のPAS−PC共重合体(A−2)、ポリエステル樹脂(B−1)及び/又はポリカーボネート樹脂(B−2)、及びその他のPAS(C)を含有するときのその混合比としては、目的とする成形物の物性により種々選択されるものであるが、特にそれらの相溶性に優れ、耐衝撃性に優れた成形物を容易に得られる点から、PAS−PC共重合体(A−2)と、ポリエステル樹脂(B−1)及び/又はポリカーボネート樹脂(B−2)と、その他のPAS(C)との混合比(重量比)(A−2)/{(B−1)及び/又は(B−2)}/(C)が2〜15/10〜40/50〜85である、特に3〜10/15〜35/60〜80であることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて難燃剤(D)を含有することが出来る。特に非ハロゲン系難燃剤を併用することにより、非ハロゲン系の難燃性樹脂組成物とすることが可能である。前記非ハロゲン系難燃剤としては種々のものが使用でき、例えば、赤リン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、含水ホウ酸亜鉛等の無機系難燃剤、メラミン、メラミンシアヌレ−ト、メラム、メレム、メロム、リン酸エステル、縮合系リン酸エステル、リン含有フェノ−ル系樹脂、ポリ燐酸メラミン、ポリ燐酸メラム、ポリ燐酸メレム、硫酸メラミン、グアニジン系難燃剤、ホスファゼン系難燃剤、燐酸アンモニウム等の分子内にリン原子及び窒素原子を含む有機又は無機系難燃剤、シリコ−ン系難燃剤等が挙げられ、単独でも、2種以上の混合物としても使用することが出来る。
さらに、諸物性を付与する目的から、必要に応じて充填剤(E)を併用することが出来る。その配合量としては、特に制限されるものではないが、ポリアリーレンサルファイド−ポリエステル共重合体(A−1)及び/又はポリアリーレンサルファイド−ポリカーボネート共重合体(A−2)と、ポリエステル樹脂(B−1)及び/又はポリカーボネート樹脂(B−2)と、前記(A−1)または(A−2)以外のポリアリーレンサルファイド樹脂(C)と、難燃剤(D)との合計100重量部に対して1〜60重量部であることが好ましい。併用できる充填剤(E)としては、特に制限されるものではなく、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、繊維状チタン酸カリウム、アスベスト及び炭化ケイ素や窒化ケイ素等を初めとする各種のウイスカー等の繊維状無機充填剤、グラファイト、炭酸カルシウム、マイカ、シリカ、窒化ホウ素、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリン、クレー、バィロフィライト、ベントナイト、ヘクトライト、セリサイト、ゼオライト、雲母、合成雲母、ネフェリンシナイト、フェライト、アタパルジャイト、ウォラストナイト、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、石こう、ガラス粉、ガラスビーズ、石英、石英ガラス、鉄、亜鉛、銅、アルミニウム、ニッケル等の無機充填剤を一種又は二種以上を配合することができる。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて、可塑剤、離型剤、カップリング剤、着色剤、滑剤、耐熱安定剤、耐候性安定剤、発泡剤、防錆剤、難燃助剤等の添加剤や、その他の熱可塑性樹脂を本発明の効果を損なわない範囲において併用することが出来る。更に、前記PAS−PE共重合体(A−1)と前記PAS−PC共重合体(A−2)とを併用して用いても構わない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の調製方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、各成分を予めタンブラー、ヘンシェルミキサー等を用いて均一に混合した後、一軸又は二軸の押し出し機等に供給して溶融混練した後、ペレットとして調製する方法が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の用途としても、特に限定されるものではなく、例えば、モノフィラメント、繊維、チューブ、ホース、パイプ、ロッド、フィルム、シート、電線被覆、ワイヤー被覆、光ファイバー被覆、各種ブラシ類、ネット、コンベアベルト、Vベルト、ギア、カム、軸受、ベアリング、パッキング、ガスケット、Oリング、ファスナー、バルブ、ジョイント、グリップ、キャスター、ローラー、スイッチケース、時計バンド、エンブレム、ガソリンタンク、タンク内部のコート剤、バトミントンのシャトルコック、ラケット部品、球技用ボール、スポーツシューズ底、スキー靴、その他各種自動車部品、電気・電子用部品、精密機械部品、電子部品用封止剤、ホットメルト接着剤、塗料用等に用いることが出来、特に、耐衝撃性に優れる点から自動車用部品等の構造材料用に好適に用いることが出来、また成形流動性が良好であるため、特に電気電子部品等の小型の成形部品としても有用である。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。
合成例1(アミノ基を有するPASの合成)
容量100リットルの撹拌機付のオートクレーブ中に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)25リットルとNaS(含水量40重量%)12.7kgとNaOH31gを仕込み、窒素雰囲気中で撹拌しながら約2時間かけて205℃にまで徐々に昇温させて脱水した。その後、反応系を150℃にまで冷却し、反応系にパラジクロルベンゼン14kg、P−ジクロルアニリン800gと1,2,4−トリクロルベンゼン50gをNMP8kg中に溶解した溶液を加え、更に1時間かけて250℃にまで昇温し、2時間反応を行った。反応終了後、オートクレーブを室温にまで冷却し、内容物を濾別し、反応生成物である濾過ケーキを50℃で脱イオン水で3回洗浄し、副生した食塩やその他の未反応物を除き100℃で乾燥してアミノ基を有するPASを得た。
合成例2{イソシアネート基を有する変性PAS(a1)の合成}
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)1210gにNMP50リットルを加え、溶解したのち、合成例1で得られたアミノ基を有するPAS7500gを加え、室温で24時間撹拌を行いながら反応を行った。室温にまで冷却したのち、反応スラリーを濾過して得たケーキをアセトンで十分洗浄し、150℃で1晩減圧乾燥して、変性PAS(a1−1)を得た。
得られた変性PAS(a1−1)のイソシアネート基量はジ−n−ブチルアミンを用い、電位差滴定により求めた。すなわち、秤量した試料1gにNMP50mlとジ−n−ブチルアミン0.5mlを加え、室温で30分間撹拌したのち、イオン交換水10mlを加えた。未反応で残っているジ−n−ブチルアミンを0.5N塩酸を用いて電位差滴定して、滴定値より変性PAS(a1−1)100g中のイソシアネート基量を求めたところ1.2モルであった。
合成例3 {PAS−PE共重合体(A−1−1)の合成}
合成例2の反応で得た変性PAS(a1−1)2.5kgと極限粘度〔η〕=0.90(dl/g)、酸価 1.5(mgKOH/g)のポリブチレンテレフタレート(PBT)2.5kgをNMP25リットル中に表1に示す所定量を加え、表1に示した所定の条件で加熱撹拌して反応を行った。得られた反応スラリーを濾過したのち、得られたケーキをアセトンで洗浄し150℃で1晩減圧乾燥し、PAS−PE共重合体(A−1−1)を得た。
共重合体の構成率{PBT由来構造の重量/変性PAS(a1)由来構造の重量}×100は、赤外吸収スペクトルから求めた。具体的には、予めPASとPBTを種々の割合で混合したブレンド物から作成した検量線を用いてPBTのC=O伸縮振動に基づく1720cm−1とベンゼン環のC=C伸縮振動に基づく1580cm−1の吸光度の比から求めた。結果を表1に示す。
合成例4 {PAS−PE共重合体(A−1−2)の合成}
MDI400gにNMP100リットルを加え溶解したのち、合成例1で得たアミノ基を有するPAS2.5kgと合成例3で使用したPBT2.5kgを加え、所定温度で3時間加熱撹拌して反応を行った。得られた反応スラリーを濾過したのち、得られたケーキをアセトンで洗浄し、150℃で1晩減圧乾燥して、PAS−PE共重合体(A−1−2)を得た。構成率の測定は合成例3と同様に行った。結果を表1に示す。
合成例5 {PAS−PC共重合体(A−2−1)の合成}
合成例3において、PBTをMFR=10g/10分、水酸基濃度=4.90モル%のポリカーボネートとした以外は、合成例3と同様の方法でPAS−PC共重合体(A−2−1)を得た。構成率の測定はポリカーボネートの場合、ポリカーボネートのC=O伸縮振動に基づく1780cm−1とベンゼン環のC=C伸縮振動に基づく1580cm−1の吸光度の比から求めた。結果を表1に示す。
Figure 0004665411
実施例1〜8、及び比較例1〜9
合成例3〜5で得られた共重合体、ポリエステル樹脂(B−1)として、酸価1.1(mgKOH/g)、〔η〕=0.91(dl/g)のポリブチレンテレフタレート(PBT)、酸価1.5(mgKOH/g)、〔η〕=0.81(dl/g)のポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート樹脂(B−2)として合成例4で使用したポリカーボネート(PC)、その他のPAS(C)として、MFR=20(g/10分)の実質的に直鎖状のPPSを用い、表2に示す組成比でブレンドした。得られたブレンド物を2軸押出機(ZSK―25)で280℃〜290℃で、溶融混錬し、押出を行い、ストランドを水冷し、ペレタイザーでペレット上にカッティングし、本発明の熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを140℃で3時間乾燥し、シリンダー温度290℃、金型温度120℃で射出成形を行い、物性測定用の試験片を得、引張試験、アイゾット試験、スパイラルフロー長の測定を行った。結果を表2に示す。
また、比較例として、PPSとPBTのみ、PPSとPCのみの混合物(比較例1、2)、合成例1で得られたアミノ基含有PASとPBT及びPCとの混合物(比較例3、4)、これを相溶化剤として用いた混合物(比較例5、6、7)、更に、ノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業製 EPICLON N−695)を相溶化剤として用いた混合物(比較例8、9)を、実施例と同様にしてペレット化し、それぞれの試験を行った。配合比、及び試験結果を表3に示す。
なお、各試験条件は以下の通りである。
(引張試験)
射出成形にて、ASTM D638に準拠し、厚み1.6mmの4号ダンベルを成形し、引張速度10mm/minで引張試験を行った。
(アイゾット衝撃試験)
ASTM D256に準拠し、厚み3mmの成形ノッチ試験片を射出成形にて成形し、ハンマー荷重30kgf−cmでアイゾット衝撃試験を行った。
(スパイラルフロ−長)
射出成形機(住友重機製 プロマット)に厚み1.6mm、幅6.35mmのスパイラルフロー測定金型を取り付け、下記条件でスパイラルフロー長(SP長)を測定した。
シリンダ−温度 :330℃
金型温度 :150℃
射出速度 :35%
射出圧力 :40%
射出時間/冷却時間 :5/15sec
計量 :40mm
スクリュ−回転数 :40rpm
Figure 0004665411
Figure 0004665411

Claims (10)

  1. ポリアリーレンサルファイド−ポリエステル共重合体(A−1)と、ポリエステル樹脂(B−1)及び/又はポリカーボネート樹脂(B−2)と、前記(A−1)以外のポリアリーレンサルファイド樹脂(C)を含有する熱可塑性樹脂組成物であって、前記ポリアリーレンサルファイド−ポリエステル共重合体(A−1)が、分子内にイソシアネート基を有する変性ポリアリーレンサルファイド(a1)と分子内に水酸基及び/又はカルボキシル基を有するポリエステル(a2)とを極性有機溶媒中で反応させて得られる樹脂であり、該共重合体(A−1)の構成比{ポリエステル(a2)由来構造の重量/変性ポリアリーレンサルファイド(a1)由来構造の重量}が3/100〜20/100であり、かつポリアリーレンサルファイド−ポリエステル共重合体(A−1)と、ポリエステル樹脂(B−1)及び/又はポリカーボネート樹脂(B−2)と、前記(A−1)以外のポリアリーレンサルファイド樹脂(C)との混合比(重量比)(A−1)/{(B−1)及び/又は(B−2)}/(C)が2〜15/10〜40/50〜85であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. ポリアリーレンサルファイド−ポリエステル共重合体(A−1)及び前記(A−1)以外のポリアリーレンサルファイド樹脂(C)が非熱架橋型である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. ポリエステル樹脂(B−1)がポリブチレンテレフタレート及び/又はポリエチレンテレフタレートである請求項記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. ポリエステル樹脂(B−1)の酸価が4mgKOH/g以下である請求項記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 更に難燃剤(D)を含有する請求項1〜の何れか1項記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 更に、ポリアリーレンサルファイド−ポリエステル共重合体(A−1)と、ポリエステル樹脂(B−1)及び/又はポリカーボネート樹脂(B−2)と、前記(A−1)以外のポリアリーレンサルファイド樹脂(C)と、難燃剤(D)との合計100重量部に対して充填剤(E)を1〜60重量部含有する請求項記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. ポリアリーレンサルファイド−ポリカーボネート共重合体(A−2)と、ポリエステル樹脂(B−1)及び/又はポリカーボネート樹脂(B−2)と、前記(A−2)以外のポリアリーレンサルファイド樹脂(C)とを含有する熱可塑性樹脂組成物であって、前記ポリアリーレンサルファイド−ポリカーボネート共重合体(A−2)が、分子内にイソシアネート基を有する変性ポリアリーレンサルファイド(a1)と分子内に水酸基を有するポリカーボネート(a3)とを極性有機溶媒中で反応させて得られる樹脂であり、該共重合体(A−2)の構成比{ポリカーボネート(a3)由来構造の重量/変性ポリアリーレンサルファイド(a1)由来構造の重量}が3/100〜20/100であり、かつポリアリーレンサルファイド−ポリカーボネート共重合体(A−2)と、ポリエステル樹脂(B−1)及び/又はポリカーボネート樹脂(B−2)と、前記(A−2)以外のポリアリーレンサルファイド樹脂(C)との混合比(重量比)(A−2)/{(B−1)及び/又は(B−2)}/(C)が2〜15/10〜40/50〜85であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  8. ポリアリーレンサルファイド−ポリカーボネート共重合体(A−2)及び前記(A−2)以外のポリアリーレンサルファイド樹脂(C)が非熱架橋型である請求項記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 更に難燃剤(D)を含有する請求項7又は8記載の熱可塑性樹脂組成物。
  10. 更に、ポリアリーレンサルファイド−ポリカーボネート共重合体(A−2)と、ポリエステル樹脂(B−1)及び/又はポリカーボネート樹脂(B−2)と、前記(A−2)以外のポリアリーレンサルファイド樹脂(C)と、難燃剤(D)との合計100重量部に対して充填材(E)を1〜60重量部含有する請求項記載の熱可塑性樹脂組成物。
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