JPH05170663A - カルシトニン点鼻用医薬組成物 - Google Patents

カルシトニン点鼻用医薬組成物

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JPH05170663A
JPH05170663A JP3339074A JP33907491A JPH05170663A JP H05170663 A JPH05170663 A JP H05170663A JP 3339074 A JP3339074 A JP 3339074A JP 33907491 A JP33907491 A JP 33907491A JP H05170663 A JPH05170663 A JP H05170663A
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JP
Japan
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calcitonin
nasal
present
benzethonium chloride
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JP3339074A
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Teizou Hiradate
悌三 平舘
Tatsuhiko Shono
辰彦 庄野
Yumiko Iida
裕三子 飯田
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】塩化ベンゼトニウム及びヒドロキシプロピルセ
ルロース、キサンタンガム等の負の電荷を持たない増粘
剤から成るカルシトニン点鼻用医薬組成物 【効果】本願組成物は鼻粘膜に対する障害性、不快な匂
い等がなく、しかもカルシトニン類の生物学的利用能を
向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカルシトニン点鼻用医薬
組成物に存し、詳しくは、鼻腔投与した時に効率良く鼻
粘膜より吸収し、更に効果が持続する点鼻用医薬組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】カルシ
トニンはカルシウム代謝の恒常性に関するポリペプタイ
ドホルモンで骨粗鬆症や、高カルシウム血症等の治療薬
とし汎用されている。しかし、カルシトニンは分子量が
大きく、蛋白分解酵素によって分解されやすいため経口
投与では吸収されにくく有効に薬理効果を発揮できず、
従って注射剤としての投与が行われているのが現状であ
る。しかしながら、注射剤による投与は苦痛を伴うた
め、経腟、口腔などの投与方法が試みられているが、現
在において実用化に到っているものはほとんどない。一
方、鼻腔内投与に関する試みとして、吸収促進剤として
界面活性剤を用いたカルシトニンの点鼻投与用液剤が知
られている(特開昭59−130820号公報)。しか
し、界面活性剤は鼻粘膜を破壊するので実用化には問題
がある。また、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを
用い投与液剤の鼻粘膜からの流出を防止したヒトカルシ
トニンの点鼻投与用液剤が開示されているが、その効果
は充分とは言えない(特開昭63−166832号公
報)。また、特開昭59−89619号公報では塩化ベ
ンザルコニウムを併用した点鼻投与製剤でカルシトニン
の生物学的利用能が向上することを開示しているが、こ
の効果も満足のいくものとは言い難い。本発明は上記問
題に対処してなされたもので、カルシトニン類を有効成
分とする点鼻投与用医薬組成物に関し鼻粘膜に対し刺激
性がなく、更に持続性を示す製剤を提供することにより
従来技術における問題点を解決するものである。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らはカルシトニ
ンの点鼻投与用医薬組成物に関し、種々検討した結果、
先に防腐剤として鼻腔に使用実績のある塩化ベンゼトニ
ウムが、酸性領域でカルシトニンの生物学的利用能を向
上させることを見出した(特願平3−226243
号)。そして、更に驚くべきことに、このものに負の電
荷をもたない増粘剤を添加することにより、塩化ベンゼ
トニウム、あるいは増粘剤単独添加時より著しく吸収性
を増強させることを見出し、本発明に到った。すなわ
ち、本発明はカルシトニン類、塩化ベンゼトニウム及び
負の電荷をもたない増粘剤からなるカルシトニン点鼻用
医薬組成物に存する。
【0004】本発明の有効成分であるカルシトニン類と
は血清カルシウム低下作用を有するペプチドであれば良
く、種々の天然型カルシトニンまたは、そのペプチド類
似体をいう。天然型カルシトニンの例としてはニワトリ
カルシトニン、ウナギカルシトニン、ヒトカルシトニ
ン、サケカルシトニン、またはブタカルシトニン等が挙
げられる。また、ペプチド類似体の例としては[ASU
1−7]ニワトリカルシトニン、[ASU1−7]ウナ
ギカルシトニン(WHO一般名:エルカトニン)、[A
SU1−7]ヒトカルシトニン、[ASU1−7]サケ
カルシトニン、{ASU1−7]ブタカルシトニン等が
挙げられる。
【0005】本発明のカルシトニン類の濃度としては一
般に、1単位/m1〜10000単位/m1で、好まし
くは5単位/m1〜5000単位/m1である。投与量
は0.01m1/回〜0.5m1/回が好ましく、投与
回数は1〜3回が適当である。本発明の点鼻投与用医薬
組成物は、鼻腔内に投与された時適度に分散し増粘剤に
より鼻腔内に適度に滞留することによって、塩化ベンゼ
トニウムの吸収促進効果が増強かつ持続されたものと考
えられる。本発明の組成物中の塩化ベンゼトニウムの構
造式は
【0006】
【化1】
【0007】で表わされる。本発明の組成物中の塩化ベ
ンゼトニウムの濃度は一般に0.001%(重量/容
量)〜10%(重量/容量)が好ましい。本発明の組成
物中の負の電荷を持たない増粘剤としては、例えばメチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、プロピレングリコー
ル、ゼラチン、グリセリン、ヒドロキシプロピルスター
チ、キサンタンガム、アラビアゴム、カラヤガム、グア
ーガム等が挙げられる。一方、負の電荷を持つカルボキ
シメチルセルロースナトリウム、コンドロイチン硫酸ナ
トリウム等は、塩化ベンゼトニウムの吸収促進効果を明
らかに減弱するので本発明では用いない。
【0008】本発明の組成物中の増粘剤は単独で用いて
も良く併用して用いても良い。また増粘剤の濃度は一般
に0.01%(重量/容量)〜20%(重量/容量)で
ある。通常、点鼻剤には水性基剤が加えられる。本発明
で用いる鼻粘膜に適用するに適した水性基剤としては、
水、生理食塩水又は緩衝剤溶液が挙げられる。緩衝剤溶
液として用いられる代表的な緩衝剤としては、例えばク
エン酸塩緩衝剤、リン酸塩緩衝剤、酢酸塩緩衝剤、酒石
酸塩緩衝剤、コハク酸塩緩衝剤、乳酸塩緩衝剤等が挙げ
られる。
【0009】本発明の組成物はそれ自体公知の方法に従
って製造できる。例えばカルシトニン類及び塩化ベンゼ
トニウムを、上記の増粘剤を溶解して適当な粘度を有す
るように調製した水、生理食塩水又は緩衝剤溶液に溶
解、懸濁あるいは乳化することによって製造することが
できる。
【0010】本発明の点鼻用医薬組成物を投与する方法
としては、例えば該組成物(液剤)を点鼻容器、スプレ
ー容器あるいはこのような液剤を鼻腔内に適用するのに
適した同様な容器に入れ、鼻腔内に滴下あるいは噴霧投
与する方法、あるいは鼻腔内に容易かつ定量的に投与で
き得る挿入具を用い、それに液剤を規定量とって鼻腔内
に投与する方法などがある。
【0011】
【発明の効果】塩化ベンゼトニウムと負の電荷を持たな
い増粘剤及びカルシトニン類から成る本発明の点鼻投与
用水性液剤は、鼻粘膜に対する刺激性が低く、不快な匂
いもないため鼻腔内投与に極めて適している。
【0012】
【実施例】以下に実施例及び試験例を挙げて、本発明を
更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0013】実施例1 製剤1 [ASU1−7]ニワトリカルシトニンを300単位/
mlになるように0.02%塩化ベンゼトニウム及び
1.5%ヒドロキシプロピルセルロースを含むクエン酸
−クエン酸ナトリウム溶液に溶解した。得られる組成物
のpHは5.5とした。
【0014】製剤2 [ASU1−7]ニワトリカルシトニンを300単位/
mlになるように0.02%塩化ベンゼトニウム及び
1.0%キサンタンガムを含むクエン酸−クエン酸ナト
リウム溶液に溶解した。得られる組成物のpHは5.5
とした。
【0015】比較例1 [ASU1−7]ニワトリカルシトニンを300単位/
mlになるように生理食塩水に溶解した。
【0016】比較例2 [ASU1−7]ニワトリカルシトニンを300単位/
mlになるように0.02%塩化ベンゼトニウムを含む
クエン酸−クエン酸ナトリウム溶液に溶解した。得られ
る組成物のpHは5.5とした。
【0017】比較例3 [ASU1−7]ニワトリカルシトニンを300単位/
mlになるように1.5%ヒドロキシプロピルセルロー
スを含むクエン酸−クエン酸ナトリウム溶液に溶解し
た。得られる組成物のpHは5.5とした。
【0018】比較例4 [ASU1−7]ニワトリカルシトニンを300単位/
mlになるように0.02%塩化ベンゼトニウム及び
1.0%コンドロイチン硫酸ナトリウムを含むクエン酸
−クエン酸ナトリウム溶液に溶解した。得られる組成物
のpHは5.5とした。
【0019】試験例1 前記実施例1及び比較例1〜4で調製した製剤を用い
て、試験動物を使用し鼻腔に投与してカルシトニンによ
る血中カルシウム降下率を測定した。試験動物としてN
ZW系雄性ウサギ(平均体重2.5kg)を一夜絶食し
て使用した。なお、水は自由に摂取させた。0.1ml
/羽の投与量で実施例1の製剤1〜2及び比較例1〜4
の製剤をゾンデ付注射筒を用いてウサギ5羽の片側の鼻
腔に点鼻投与を行った。試料を投与する直前及び投与後
30分、1時間、1.5時間、2時間、3時間、4時間
の計7点において、耳静脈より1回150μl採血しキ
ャピラリーに集めた。更に、遠心分離(3500rp
m、15分、4℃)後血清を分取し、血清中カルシウム
濃度を測定した。血清中カルシウム濃度の測定は、カル
シウムC−テストワコー(和光純薬)を用いて行った。
【0020】結果を、図1に示した。図1に示した値
は、5羽のウサギの平均値である。図1から明らかな如
く本発明の点鼻用組成物はカルシトニンの吸収性が高
く、更に効果が持続している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の製剤1〜2及び比較例1〜4を用
いた血中カルシウム降下率を示す。図中、製剤1は黒
丸、製剤2は黒三角、比較例1は白丸、比較例2は白三
角、比較例3は白四角、比較例4は黒四角で結果を示
す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルシトニン類、塩化ベンゼトニウム
    及び負の電荷をもたない増粘剤からなるカルシトニン点
    鼻用医薬組成物。
  2. 【請求項2】 増粘剤が、メチルセルロース、ヒドロ
    キシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセ
    ルロース、プロピレングリコール、ゼラチン、グリセリ
    ン、ヒドロキシプロピルスターチ、キサンタンガム、ア
    ラビアゴム、カラヤガムまたはグアーガムであることを
    特徴とする請求項1記載の組成物。
JP3339074A 1991-12-20 1991-12-20 カルシトニン点鼻用医薬組成物 Pending JPH05170663A (ja)

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Cited By (5)

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