JPH05168426A - 流動物封入ゲル状食品の製造方法 - Google Patents

流動物封入ゲル状食品の製造方法

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JPH05168426A
JPH05168426A JP4160925A JP16092592A JPH05168426A JP H05168426 A JPH05168426 A JP H05168426A JP 4160925 A JP4160925 A JP 4160925A JP 16092592 A JP16092592 A JP 16092592A JP H05168426 A JPH05168426 A JP H05168426A
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gel
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frozen
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JP4160925A
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Masataka Hattori
真孝 服部
Yuki Kurata
由紀 倉田
Tadao Kawamura
忠男 川村
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Nitta Gelatin Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゲル状本体の中にソース類すなわち流動物が
封入されたゲル状食品を製造する方法において、ソース
類のゲル化剤としてアミロペクチンを使用する必要がな
く、ゲル状食品を高熱で加熱殺菌しても、流動物とゲル
状本体とが混ざり合わず、長期保存しても風味劣化等の
老化を生じず、安定した品質性能を維持することのでき
る流動物封入ゲル状食品の製造方法を提供する。 【構成】 凍結された流動物31の周囲を、ジェランガ
ムを含むゾル状の本体材料11で覆い、凍結流動物31
でゾル状の本体材料11を冷却固化させて、凍結流動物
を囲む本体材料のゲル層12を形成した後、全体を加熱
殺菌する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、流動物封入ゲル状食
品の製造方法に関し、例えば、透明なゼリーの中に、フ
ルーツソースが封入されたデザートのように、ソースや
クリーム等の流動物がゼリーやプリン等のゲル状食品に
封入されてなる流動物封入ゲル状食品を製造する方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゼリー、プリン、水羊羹、ムース、ババ
ロア等のデザートもしくは菓子として、多くのゲル状食
品が利用されている。これらの食品をさらに美味しく食
べるために、フルーツソースやクリーム等をかけて食べ
ることも行われている。このような、ゲル状食品とソー
ス類を販売する際には、ソース類だけを別の包装体に収
納しておき、食べるときにソース類をゲル状食品にかけ
るようにしていたが、ゲル状食品とソース類とを別々に
包装する手間およびコストがかかり、食べる前にいちい
ちソース類を包装体から取り出す面倒もあった。そこ
で、製造されたゲル状食品の上に、予めソース類をかけ
たり塗布したりした状態で密封包装して販売に供するこ
とが考えられた。
【0003】しかし、ゲル状食品は、食品衛生上の問題
から、加熱殺菌しなければならない。この加熱殺菌工程
において、高熱によりゲル状食品がゾル化してしまうた
め、前記ソース類とゲル状食品とが混ざってしまう。こ
の状態で冷却すると、ソース類とゲル状食品が混ざった
ままでゲル化された食品ができ、味や外観を損ない品質
も悪くなってしまい、食品としての商品価値が低下して
しまう。
【0004】ゲル状食品の加熱殺菌は、例えば、酸性の
デザートの場合には、80〜85℃以上で行い、中性の
デザートの場合は、もっと高い110〜120℃以上の
温度で加熱殺菌しなければ、確実な殺菌作用が果たせ
ず、特に、製造されたゲル状食品を長期保存したり常温
流通に供することは出来ない。しかし、従来使用されて
いた通常のゲル化剤では、そのような高熱までの耐熱性
があるものはなかった。
【0005】例えば、一般的なゲル化剤のうち、カラギ
ーナン、ゼラチン、ローカストビーンガムとキサンタン
ガムの併用ゲル等は、上記のような加熱条件では、ゲル
が溶融してしまい、ソース類と周囲のゲル材料が混ざり
合わないように保形しておくことができない。寒天は、
80℃程度の加熱温度であればゲルは溶融しないが、そ
れ以上の温度では溶融してしまうので、加熱殺菌温度に
バラツキがあったり、前記した中性のデザートでは、や
はりソース類を保形しておくことができない。
【0006】そこで、ソース類とゲル状食品とが混ざり
合わないようにする方法が提案されており、例えば、特
公昭64−6745号公報、特開昭63−279758
号公報等に開示された方法がある。このうち、特公昭6
4−6745号公報の方法は、シロップ等の溶液を凍結
させて容器に収容しておき、その上にゼリー溶液を流し
込むと、凍結されたシロップ等が溶解してゼリー容器に
混ざる前にゼリー溶液がゲル化する結果、ゲル化したゼ
リーの内部にシロップ等の溶液を閉じ込めたゼリー食品
が得られるというものである。しかし、この方法でも、
得られたゼリー食品を加熱殺菌すると、前記同様に、ゼ
リーがゾル化してしまって、内部のシロップ等と混ざり
あってしまう。
【0007】一方、特開昭63−279758号公報の
方法では、ジャム状物またはクリーム状物からなるソー
ス類を一旦凍結させた状態で、ゲル化食品を構成する液
状ゼリー物中に浸漬する。そうすると、凍結したソース
類の周囲の液状ゼリー状物が冷却されて薄いゲル層が形
成される。この状態で、液状ゼリー状物およびソースル
類を加熱殺菌すると、高熱によりソース類が溶けて流動
状態に戻っても、ソース類の周囲が薄いゲル層で覆われ
ているため、ソース類と液状ゼリー状物とが混ざり合う
ことがない。その後、液状ゼリー状物全体を冷却してゲ
ル化させれば、内部にソース類が封入された液状ゼリー
状物からなるゲル状食品が得られるというものである。
【0008】しかし、この方法でも、ソース類を覆うゲ
ル層の耐熱性が低いと、加熱殺菌中に、ゲル層が溶けて
しまって、ソース類と液状ゼリー状物が混ざってしまう
ことになる。この先行技術では、液状ゼリー状物のゲル
化剤については、密封加熱する際の温度以上の溶融点を
もつゲル化剤としているだけで、具体的なゲル化剤が挙
げられていないが、前記したような一般的なゲル化剤を
使用しているのであれば、高温による加熱殺菌に耐えら
れるものではない。そこで、前記先行技術では、ソース
類のゲル化剤としてアミロペクチンを使用しており、ア
ミロペクチンは比較的耐熱性に優れているので、加熱殺
菌時におけるソース類の流動性が小さくなり、前記ゲル
層の形成とあいまって、ソース類と液状ゼリー状物とが
混ざり合うのを防いでいるものと考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記先行技
術では、ソース類のゲル化剤としてアミロペクチンを使
用しているために、保存性が悪いという欠点を有してい
た。アミロペクチンは、澱粉からなるものであるため、
経時的に老化現象が起こるのを避けられず、老化に伴っ
て風味劣化や離水現象が発生するのである。そのため、
長期保存を目的とする食品には好ましくなく、特に、常
温流通を行うことは不可能であった。ゲル化剤として、
アミロペクチンのように老化し易いものを使用しなけれ
ば、上記問題は生じないのであるが、前記した一般的な
ゲル化剤は何れも耐熱性が不充分であるため、老化現象
を起こさず、しかも耐熱性に優れたゲル化剤は見当たら
ない現状であった。
【0010】そこで、この発明の課題は、前記したよう
に、ゲル状本体の中にソース類すなわち流動物が封入さ
れたゲル状食品を製造する方法において、ソース類のゲ
ル化剤としてアミロペクチンを使用する必要がなく、ゲ
ル状食品を高熱で加熱殺菌しても、流動物とゲル状本体
とが混ざり合わず、長期保存しても風味劣化等の老化を
生じず、安定した品質性能を維持することのできる流動
物封入ゲル状食品の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、こ
の発明にかかる流動物封入ゲル状食品の製造方法は、ゲ
ル状本体に流動物が封入されてなる流動物封入ゲル状食
品を製造する方法であって、凍結された流動物の周囲
を、ジェランガムを含むゾル状の本体材料で覆い、凍結
流動物でゾル状の本体材料を冷却固化させて、凍結流動
物の周囲に本体材料のゲル層を形成させた後、全体を加
熱殺菌する。
【0012】この発明の実施例を示す図面にしたがって
説明する。流動物封入ゲル状食品は、例えば、図4に示
すような構造をしており、合成樹脂、金属、合成樹脂を
コートした紙等からなるカップ状容器20等に、果汁ゼ
リー等のゲル状本体10が充填され、ゲル状本体10の
中央に浮遊した状態で、フルーツソース等の流動物30
が封入されている。容器20の上面は、合成樹脂フィル
ム40等で密封されている。この状態で、輸送販売に供
されるようになっている。
【0013】ゲル状本体10は、通常のゲル状食品と同
様のものが用いられ、果汁等を含むゾル状の本体材料
を、適当なゲル化剤を用いてゲル状に固化させて製造す
る。具体的には、フルーツゼリー、コーヒーゼリー、ワ
イン洋酒ゼリー等のゼリー類、乳製品や油脂類を用いた
プリンおよびムース類、ヨーグルトやチーズを用いた酸
乳ゼリー類等が挙げられる。
【0014】ジェランガムは、シュードモナス・エロデ
ア菌により、糖質から醗酵によって生産される高分子多
糖類の1種であり、食品のゲル化剤として使用できるこ
とが知られている。ジェランガムは耐熱性に優れ、12
0℃以上の加熱によってもゲルが溶融しない。ゲル状本
体10のゲル化剤としては、少なくとも上記ジェランガ
ムを用いる必要があるが、ジェランガムを単独で使用し
てもよいし、その他のゲル化剤を併用することもでき
る。具体的には、寒天、カラギーナン、ローカストビー
ンガム、キサンタンガム、ペクチン、ゼラチン等のゲル
化剤を併用することもできる。
【0015】流動物30としては、果汁や果肉からなる
フルーツソース類、野菜ソース類、乳製品や卵類から作
られるクリーム、ピーナッツやアーモンドから作られる
ナッツ系クリーム、チョコレートソース等、前記ゲル状
本体10と組み合わせて食する液状もしくは糊状の材料
が用いられる。これらの流動物30に増粘剤を添加する
場合、アミロペクチンは、前記したような老化現象を起
こすので好ましくなく、この発明では使用しない。通常
の増粘剤のうち、ペクチン、カラギーナン、ローカスト
ビーンガム、グアーガム、キサンタンガム、タマリンド
種子多糖類、寒天等が好ましく、前記ジェランガムを使
用することもできる。流動物30は、粘性の少ない液状
のものでも使用できるが、特に、ジェランガム等の耐熱
性に優れたゲル化剤を用いて、流動性を失わない程度の
ゲル性を付与しておけば、加熱殺菌工程における流動物
30の保形安定性が一層良好になり、好ましいものとな
る。流動物30の形状は、球状のものが製造容易で外観
上も好ましいが、その他、円柱状や角柱状など、任意の
形状を採用することができる。
【0016】ゲル状食品全体の形状や包装形態は、前記
したようなカップ状容器20に充填して上面をフィルム
40で密封した形態のもののほか、通常の各種デザート
食品や菓子類と同様の形状および包装形態を採用するこ
とができる。つぎに、上記のような流動物封入ゲル状食
品を製造する、この発明の方法を、ひとつの実施例を製
造工程順に示す図1〜図4にしたがって詳しく説明す
る。
【0017】図1に示すように、ゾル状、すなわちゲル
化する前の流動状態の本体材料11を適当な容器20等
に充填した状態で、このゾル状本体材料11に、凍結さ
せた流動物31を浸漬すると、図2に示すように、凍結
流動物31の周囲のゾル状本体材料11が凍結流動物3
1で冷却されて固化すなわちゲル化し、薄いゲル層12
が形成される。なお、凍結流動物31が収容された容器
20に、ゾル状本体材料11を充填したりしても同じこ
とである。すなわち、凍結された流動物の周囲を、ジェ
ランガムを含むゾル状の本体材料で覆い、凍結流動物の
周囲で、低温の凍結流動物に接触したゾル状の本体材料
を冷却固化させて、後工程で溶けた流動物を保持してお
くのに充分な程度に流動物を囲むゲル層が形成できれ
ば、この発明の作用効果は達成できる。
【0018】ゾル状本体材料11は、前記したゲル状本
体10を構成する各種材料からなるものである。ゾル状
本体材料11のゲル化温度は、果汁等の原料成分や添加
するゲル化剤の種類によって異なるが、通常30〜50
℃程度である。ゾル状本体材料11の温度が低すぎる
と、粘性が高くなったりして作業性が悪く、ゾル状本体
材料11を容器20等に充填する際に、ゾル状本体材料
11がゲル化してしまって充填出来なくなったり、凍結
流動物31が本体材料11の中央の適当な位置まで浸入
できなくなってしまう。また、ゾル状本体材料11の温
度が高すぎると、凍結流動物31に接触して冷却されて
も、充分な厚みのゲル層12が形成しきれず、後述する
加熱殺菌工程における流動物30の保形作用が果たせな
くなる。このような点から、ゾル状本体材料11をゲル
化温度よりも5〜15℃高い温度に維持しておくことが
好ましく、より好ましくは、5〜10℃高い温度に維持
しておく。
【0019】流動物30は、前記したような所望の形状
に応じて、適当な型に流しこんだりして成形した後、所
定の温度で凍結される。凍結温度が高いと、凍結流動物
31の周囲に充分にゲル層12が形成されず、凍結温度
が低い程、良好なゲル層12が形成される。そこで、凍
結温度としては、−10℃以下が好ましく、より望まし
くは、−15℃以下である。
【0020】流動物30とゾル状本体材料11の糖度の
差が、ゾル状本体材料11に対する流動物30の封入位
置に影響を与える。すなわち、糖度の違いは比重の違い
に影響するので、流動物30およびゾル状本体材料11
の糖度を調整して互いの比重を近づけておくことによっ
て、凍結流動物31をゾル状本体材料11の中央に浮遊
した状態で浸漬することができる。そのために、流動物
30とゾル状本体材料11の糖度の差を4°以内にする
のが好ましく、より好ましくは2°以内で実施する。特
に、上記範囲内で、ゾル状本体材料11の糖度が流動物
30の糖度よりも小さいほうが、ゲル層12の形成が良
好に行われる。
【0021】製造されたゾル状本体材料11と流動物3
0の比重を測定して、両者の比重が近づくように、糖等
を添加して調整するすることもできるが、ゾル状本体材
料11や流動物30を製造した後で、いちいち比重の調
整作業を行うのは手間がかかって煩雑であるため、上記
のように、予め糖度を調整しておくほうが好ましい。ゾ
ル状本体材料11の中央に確実に凍結流動物31を配置
するために、回転レトルト機を用いて、回転力もしくは
遠心力で、凍結流動物31の位置を安定させながら、加
熱殺菌を行う方法を併用すれば、凍結流動物31の位置
決めがより確実に行える。
【0022】凍結流動物31の周囲にゲル層12が形成
された後、図3に示すように、例えば、容器20の上面
開口を合成樹脂フィルム40等で密封した状態で加熱殺
菌を行う。加熱殺菌によって、凍結した流動物31は再
び流動状態に戻る。加熱殺菌工程は、従来の通常のゲル
状食品に対する加熱殺菌工程と同様の手段で行え、その
加熱温度は、前記したように、ゲル状食品の材料によっ
て違うが、前記したジェランガムを含むゲル層12が溶
融しない範囲の温度であれば自由に設定することがで
き、具体的には80〜120℃程度で行う。
【0023】加熱殺菌が完了したゾル状本体材料11お
よび流動物30は、ゾル状本体材料11のゲル化温度以
下まで冷却され、図4に示すように、ゲル状本体10の
中に流動物30が浮遊した状態のゲル状食品が得られ
る。なお、流動物30の周囲を覆っていたゲル層12は
ゲル状本体10と一体化されてしまう。なお、上記した
具体的製造条件以外にも、この発明の範囲内で、通常の
ゲル状食品の製造技術などを組み合わせて、具体的な製
造条件を変更することが可能である。
【0024】
【作用】ゲル状本体10の材料にジェランガムを含んで
いると、凍結流動物31の周囲に形成されるゲル層12
の耐熱性能が非常に高くなり、高熱による加熱殺菌を行
っても、ゲル層12が溶融する心配がなくなる。したが
って、凍結流動物31にアミロペチクンを添加しておか
なくても、流動物30とゲル状本体10との混ざり合い
が起こらない。アミロペクチンを使用しなければ、流動
物封入ゲル状食品の経時的な老化が起こることはなく、
長期間にわたって良好な品質性能を維持できることにな
り、常温流通を適用することも可能になる。
【0025】
【実施例】つぎに、この発明の具体的実施例について説
明する。 −実施例1− (a) ゲル状本体10の配合成分(単位は重量%) 砂糖 …所定の糖度まで添加 ゲル化剤 …下記表1〜表10 クエン酸ナトリウム …0.2 クエン酸 …0.25 香料 …0.1 (b) 流動物30の配合成分(単位は重量%) 砂糖 …所定の糖度まで添加 増粘剤 …下記表1〜表10 温州果汁 …10 クエン酸ナトリウム …0.1 クエン酸 …0.2 香料 …0.1 (c) 加熱殺菌条件 85℃、30分 以上の材料および条件のほか、表1〜表10に示す条件
でゲル状食品を製造した。なお、表1〜表5は、この発
明の範囲にある実施例を示し、表7〜表10は、この発
明の範囲外である比較例を示している。また、これらの
製造条件で製造されたゲル状食品の性能を、各表に示し
ている。表中、※をつけたジェランガムを用いたゲル状
本体のゲル化剤には、乳酸カルシウム0.05重量%を
併用した。
【0026】
【表1】 ────────────────────────────────── 実 施 例 1.1 実 施 例 1.2 ────────────────────────────────── 本体のゲル化剤 重量% ジェランガム※ 0.25 ジェランガム※ 0.25 流動物の増粘剤 重量% LMペクチン 1.0 LMペクチン 1.0 流動物の凍結温度 ℃ −10 −15 本体のゲル化温度 A℃ 35 35 本体の充填温度 B℃ 43 42 温度差 B−A℃ 8 7 流動物の糖度 M° 24 24 本体の糖度 N° 26 26 糖度差 N−M° 2 2 ────────────────────────────────── 流動物の保形性 △ ◎ 流動物の経時変化 ◎ ◎ 備 考 加熱殺菌中にわずかに 良 好 流動物が崩れた ──────────────────────────────────
【0027】
【表2】 ────────────────────────────────── 実 施 例 1.3 実 施 例 1.4 ────────────────────────────────── 本体のゲル化剤 重量% ジェランガム※ 0.25 ジェランガム※ 0.25 流動物の増粘剤 重量% LMペクチン 1.0 LMペクチン 1.0 流動物の凍結温度 ℃ −15 −15 本体のゲル化温度 A℃ 35 35 本体の充填温度 B℃ 42 43 温度差 B−A℃ 7 8 流動物の糖度 M° 22 26 本体の糖度 N° 26 24 糖度差 N−M° 4 −2 ────────────────────────────────── 流動物の保形性 ○ ○ 流動物の経時変化 ◎ ◎ 備 考 ほぼ良好 ほぼ良好 ──────────────────────────────────
【0028】
【表3】 ────────────────────────────────── 実 施 例 1.5 実 施 例 1.6 ────────────────────────────────── 本体のゲル化剤 重量% ジェランガム※ 0.25 ジェランガム※ 0.25 流動物の増粘剤 重量% LMペクチン 1.0 LMペクチン 1.0 流動物の凍結温度 ℃ −15 −20 本体のゲル化温度 A℃ 35 35 本体の充填温度 B℃ 44 50 温度差 B−A℃ 9 15 流動物の糖度 M° 25 24 本体の糖度 N° 25 26 糖度差 N−M° 0 2 ────────────────────────────────── 流動物の保形性 ◎ ◎ 流動物の経時変化 ◎ ◎ 備 考 良 好 良 好 ──────────────────────────────────
【0029】
【表4】 ────────────────────────────────── 実 施 例 1.7 実 施 例 1.8 ────────────────────────────────── 本体のゲル化剤 重量% ジェランガム※ 0.25 ジェランガム※ 0.25 流動物の増粘剤 重量% ローカストビーンガム グアーガム 0.3 0.3 流動物の凍結温度 ℃ −20 −18 本体のゲル化温度 A℃ 35 35 本体の充填温度 B℃ 48 50 温度差 B−A℃ 13 15 流動物の糖度 M° 24 24 本体の糖度 N° 26 26 糖度差 N−M° 2 2 ────────────────────────────────── 流動物の保形性 ◎ ◎ 流動物の経時変化 ◎ ◎ 備 考 良 好 良 好 ──────────────────────────────────
【0030】
【表5】 ────────────────────────────────── 実 施 例 1.9 実 施 例 1.10 ────────────────────────────────── 本体のゲル化剤 重量% ジェランガム※ 0.15 ジェランガム※ 0.25 カラギーナン 0.3 ローカストビーンガム 0.2 キサンタンガム 0.1 流動物の増粘剤 重量% LMペクチン 0.7 ローカストビーンガム ローカストビーンガム 0.2 0.2 ジェランガム 0.05 流動物の凍結温度 ℃ −20 −15 本体のゲル化温度 A℃ 41 42 本体の充填温度 B℃ 50 52 温度差 B−A℃ 9 10 流動物の糖度 M° 24 23 本体の糖度 N° 26 26 糖度差 N−M° 2 2 ────────────────────────────────── 流動物の保形性 ◎ ◎ 流動物の経時変化 ◎ ◎ 備 考 良 好 良 好 ──────────────────────────────────
【0031】
【表6】 ────────────────────────────────── 比 較 例 1.1 比 較 例 1.2 ────────────────────────────────── 本体のゲル化剤 重量% カラギーナン 0.5 寒 天 0.25 流動物の増粘剤 重量% アミロペクチン 5.0 アミロペクチン 5.0 流動物の凍結温度 ℃ −15 −15 本体のゲル化温度 A℃ 33 33 本体の充填温度 B℃ 40 40 温度差 B−A℃ 7 7 流動物の糖度 M° 24 24 本体の糖度 N° 26 26 糖度差 N−M° 2 2 ────────────────────────────────── 流動物の保形性 × × 流動物の経時変化 − − 備 考 加熱殺菌中に流動物が 加熱殺菌中に流動物の 崩れた 上部が崩れて混ざった ──────────────────────────────────
【0032】
【表7】 ────────────────────────────────── 比 較 例 1.3 比 較 例 1.4 ────────────────────────────────── 本体のゲル化剤 重量% ジェランガム 0.25 ジェランガム 0.25 流動物の増粘剤 重量% アミロペクチン 5.0 アミロペクチン 5.0 流動物の凍結温度 ℃ −15 −15 本体のゲル化温度 A℃ 35 35 本体の充填温度 B℃ 43 43 温度差 B−A℃ 8 8 流動物の糖度 M° 24 26 本体の糖度 N° 26 20 糖度差 N−M° 2 −6 ────────────────────────────────── 流動物の保形性 ◎ × 流動物の経時変化 × − 備 考 組織的に流動物が 加熱殺菌中に流動物が 老化した 下部に崩れた ──────────────────────────────────
【0033】
【表8】 ────────────────────────────────── 比 較 例 1.5 比 較 例 1.6 ────────────────────────────────── 本体のゲル化剤 重量% ジェランガム 0.25 ジェランガム 0.25 流動物の増粘剤 重量% LMペクチン 1.0 LMペクチン 1.0 流動物の凍結温度 ℃ −5 −15 本体のゲル化温度 A℃ 35 35 本体の充填温度 B℃ 42 39 温度差 B−A℃ 7 4 流動物の糖度 M° 24 24 本体の糖度 N° 26 26 糖度差 N−M° 2 2 ────────────────────────────────── 流動物の保形性 × × 流動物の経時変化 − − 備 考 加熱殺菌中に流動物が 本体溶液が充填中に 崩れた ゲル化してしまった ──────────────────────────────────
【0034】
【表9】 ────────────────────────────────── 比 較 例 1.7 比 較 例 1.8 ────────────────────────────────── 本体のゲル化剤 重量% ジェランガム※ 0.25 ジェランガム※ 0.25 流動物の増粘剤 重量% LMペクチン 1.0 LMペクチン 1.0 流動物の凍結温度 ℃ −15 −15 本体のゲル化温度 A℃ 35 35 本体の充填温度 B℃ 42 43 温度差 B−A℃ 7 8 流動物の糖度 M° 26 21 本体の糖度 N° 21 26 糖度差 N−M° −5 5 ────────────────────────────────── 流動物の保形性 × × 流動物の経時変化 − − 備 考 加熱殺菌中に流動物が 加熱殺菌中に流動物が 崩れた 下部で崩れた ──────────────────────────────────
【0035】
【表10】 上記の結果から、この発明の実施例にかかるゲル状食品
は、何れも、流動物30がゲル状本体10の中に良好に
封入された品質の高い製品であることが実証できた。
【0036】なお、比較例1.1 および1.2 は、ゲル状本
体10のゲル化剤として、耐熱性に劣るものを用いたた
め、加熱殺菌中に流動物30の形状が崩れてしまった。
比較例1.3 は、流動物30の保形性は良好であったが、
流動物30の増粘剤としてアミロペクチンを用いたため
老化が起きてしまった。比較例1.4 は、ゾル状本体材料
11より流動物30の糖度が大きすぎるために、ゾル状
本体材料11内で凍結流動物31が沈んでしまってゲル
層12が充分に形成されず、加熱殺菌中に流動物30が
下部に崩れてしまった。比較例1.5 は、流動物30の凍
結温度が高いために、ゾル状本体材料11の冷却による
ゲル層12の形成が充分に行われず、加熱殺菌中に流動
物30が崩れてしまった。比較例1.6 は、ゾル状本体材
料11の充填温度がゲル化温度に近かったために、充填
中にゾル状本体材料11がゲル化してしまって、流動物
30を入れることができなかった。比較例1.7 は、ゾル
状本体材料11の充填温度がゲル化温度よりも高すぎた
ために、凍結流動物31による冷却ではゲル層12が充
分に形成されず、加熱殺菌中に流動物30が崩れた。比
較例1.8 は、流動物30の糖度がゾル状本体材料11の
糖度よりも高すぎるために、前記比較例1.4 とは同様
に、流動物30の下部が崩れ、比較例1.9 は、流動物3
0の糖度がゾル状本体材料11の糖度よりも低すぎるた
めに、比較例1.4 ,1.9 と逆に、流動物30がゾル状本
体材料11から浮き上がってしまって、ゲル層12が充
分に形成されず、加熱殺菌中に、流動物30の上部が崩
れた。
【0037】−実施例2− 流動物30として、砂糖20(重量%、以下も同じ)、
温州果汁30、LNペクチン1.0、クエン酸ナトリウ
ム0.1、クエン酸0.15、香料0.1からなるオレ
ンジソースを用いた。このオレンジソースの糖度は2
4.2°であった。このオレンジソースを丸型容器に入
れて成形し、−20℃で凍結処理した。
【0038】ゲル状本体10として、砂糖24、りんご
果汁10、ジェランガム0.25、乳酸カルシウム0.
05、クエン酸ナトリウム0.2、クエン酸0.25、
香料0.1からなるフルーツゼリーミックスを加熱して
調製した。こうして得られたフルーツゼリーの糖度は2
5.8°であり、ゲル化温度は35℃であった。フルー
ツゼリーを45℃で容器に充填し、その中に直ちに、先
に調製された凍結オレンジソースを投入した。つぎに、
容器の開口部を密封し、85℃、20分の加熱殺菌処理
を行った後、冷却してフルーツゼリー全体を固化させ、
ソース入りフルーツゼリーを得た。
【0039】得られたソース入りフルーツゼリーは、フ
ルーツゼリーの中央に丸いオレンジソースが、混ざり合
うことなく封入されており、外観および味の何れの点で
も良好なものであった。これを2ヵ月間、常温で保存し
たが、ソースの老化等の品質劣化は認められなかった。 −実施例3− 流動物30として、全脂加糖練乳25(重量%、以下も
同じ)、砂糖7、ヤシ油7、卵黄2.1、カラギーナン
0.2、LMペクチン0.6、香料0.1からなるカス
タードクリームを製造し、前記実施例2と同様の丸型容
器で成形し、−20℃にて凍結処理した。このカスター
ドクリームの糖度は25.9°であった。
【0040】ゲル状本体10として、全脂加糖練乳25
砂糖7、生クリーム5、カラギーナン0.3、ローカス
トビーンガム0.05、香料0.2を加熱調製して、ホ
ワイトムースを製造した。このホワイトムースの糖度は
26.7°であり、ゲル化温度は45℃であった。この
ホワイトムースを、56℃で容器に充填し、その中に直
ちに、先に調製されたカスタードクリームを投入した。
つぎに、容器の開口部を密封し、120℃、20min の
加熱殺菌処理を行った後、冷却してホワイトムースを固
化させて、クリーム入りムースを得た。
【0041】このクリーム入りムースも、前記実施例2
と同様に、外観および味の何れの点でも良好なものであ
った。これを1ヵ月間、常温で保存したが、ソースの老
化等の品質劣化は認められなかった。
【0042】
【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかる流動物
封入ゲル状食品の製造方法によれば、ゲル状本体の材料
に、耐熱性に優れたジェランガムを含んでいるので、高
熱により加熱殺菌を行っても、流動物の周囲を覆うゲル
層が溶融せず、流動物の保形安定性が良い。したがっ
て、従来のもののように、ゲル層が溶融して流動物と本
体材料とが混ざり合ってしまうという問題が生じず、ゲ
ル状本体の中に明確に分離された状態で流動物が封入さ
れた流動物封入ゲル状食品が得られる。
【0043】しかも、ソース類のゲル化剤としてアミロ
ペクチンを使用する必要がないので、老化現象を起こさ
ず、長期保存に適したゲル状食品を提供することがで
き、製品を常温流通させることも可能となる。上記のよ
うに、この発明によれば、ゲル状食品の製造工程におい
て不可欠な加熱殺菌工程において、流動物を安定して保
形しておけるので、流動物封入ゲル状食品の味や風味を
格段に向上させて、外観等の品質性能をも向上させて、
商品価値の高い製品を提供できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例となる製造工程の第1段階
を示す概略断面図
【図2】 図1の次の段階を示す概略断面図
【図3】 図2の次の段階を示す概略断面図
【図4】 図3の次の段階を示す概略断面図
【符号の説明】
10 ゲル状本体 11 ゾル状本体材料 12 ゲル層 20 容器 30 流動物 31 凍結流動物

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲル状本体に流動物が封入されてなる流
    動物封入ゲル状食品を製造する方法であって、凍結され
    た流動物の周囲を、ジェランガムを含むゾル状の本体材
    料で覆い、凍結流動物でゾル状の本体材料を冷却固化さ
    せて、凍結流動物の周囲に本体材料のゲル層を形成させ
    た後、全体を加熱殺菌することを特徴とする流動物封入
    ゲル状食品の製造方法。
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