JP2001095482A - 発酵乳食品の製造方法および発酵乳食品 - Google Patents

発酵乳食品の製造方法および発酵乳食品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 果物などの固形物が安定して分散された発酵
乳食品を能率的に製造する。 【解決手段】 原料乳と乳酸菌とネイティブジェランガ
ムと固形食品とを含む混合原料を発酵させて発酵乳食品
を製造することで、発酵時に分離や凝集などの問題を生
じず、固形食品を混合原料中に安定して分散させておく
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、発酵乳食品の製造方
法および発酵乳食品に関し、詳しくは、乳原料を乳酸菌
で発酵させて製造し、一般にヨーグルトと呼ばれる発酵
乳に、果物やゼリーなどの固形食品を混合したりして製
造されるヨーグルトデザートとも呼ばれる発酵乳食品と
その製造方法を対象にしている。
【0002】
【従来の技術】発酵乳(ヨーグルト)は、原料乳に乳酸
菌を加えて適当な温度環境を一定時間保存することによ
り、原料乳を乳酸菌発酵させることで製造される。発酵
乳に果物やゼリーの小片を添加して、発酵乳の単体では
得られない食味を加えたヨーグルトデザートとも呼ばれ
る発酵乳食品も知られている。
【0003】発酵乳の食感を改善したり保形性を高めた
りするために、発酵乳に増粘剤や安定剤として寒天やゼ
ラチン、澱粉、ガム類などを添加することも行われてい
る。発酵乳の工業的な製造方法としては、原料乳と乳酸
菌などを混合した混合原料を、カップ状の合成樹脂成形
品やガラス瓶、紙容器等からなる小売用包装容器に充填
したあと、この包装容器のままで発酵を進行させて、包
装容器内で発酵乳にする方法(後発酵タイプ)と、前記
混合原料を大きなタンクなどに入れて発酵させたあと、
製造された発酵乳を前記のような小売用包装容器に充填
する方法(前発酵タイプ)が、一般的に採用されてい
る。
【0004】ハードヨーグルト(固形ヨーグルト)には
後発酵方式を、ソフトヨーグルト(攪拌ヨーグルト)に
は前発酵方式を採用するのが一般的である。特開平11
−32673号公報には、発酵乳を原料の一つに用いた
デザート製品の製造技術として、予め製造された発酵乳
とクリームチーズなどを含むデザート製品に、増粘剤と
して高アシルジェランガムを加えた状態で容器に充填す
る技術が記載されている。高アシルジェランガムを用い
ることで、デザート製品を容器に充填する際の充填性が
向上するとされている。但し、この技術では、予め発酵
させて得られた発酵乳を高アシルジェランガムとともに
デザート製品に配合しており、発酵乳そのものの製造段
階では、高アシルジェランガムは全く配合されていな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】果物やゼリーなどの固
形物を発酵乳に添加した食品を製造する場合には、前記
した後発酵タイプの製造方法が採用し難いという問題が
ある。後発酵タイプでは、混合原料に果物などの固形物
を混合したものを包装容器に充填してから発酵させる。
発酵前の原料乳は液体であり、混合原料も比較的に粘性
の少ない液体状である。そのため、固形物は液体状の混
合原料中で底に沈んでしまったり液面に浮いてしまった
りして、発酵によって固まった発酵乳の底あるいは表面
のみに固形物が偏在した状態の製品が得られる。このよ
うな発酵乳食品を食すると、例えば、最初は発酵乳だけ
のものと何ら変わりがなく、最後になって果物などの固
形物ばかりを食べることになってしまう。これでは、発
酵乳と固形物との食感や食味の組み合わせを楽しむこと
ができない。
【0006】この問題を解消するには、混合原料に増粘
剤を配合して混合原料の粘性を高くしておき、固形物を
混合原料中で浮かせた状態で均等に分散させることが考
えられる。しかし、食品用の増粘剤のうち、ジェランガ
ムやローカストビーンガム、グアーガム等を使用した場
合、発酵前の混合原料に添加した時点では、固形物を混
合原料中に分散させておくことができるが、発酵工程に
おいて、乳固形分が分離したり凝集を起こしたりしてし
まうという問題が生じる。また、発酵が十分に行われ
ず、混合原料の粘度も低下して、固形物は混合原料の底
に沈んだり表面に浮かび上がってしまう。このような現
象は、原料乳を構成する蛋白質とジェランガム等の多糖
類とが何らかの反応を起こしているものと推定できる。
【0007】増粘剤として寒天やゼラチンを使用する
と、前記した分離や凝集の問題は起こり難いが、寒天や
ゼラチンのゲル化温度は低いため、発酵温度である40
℃付近の温度では寒天やゼラチンの粘度が十分に得られ
ず、固形物は混合原料の底に沈むか液面に浮いてしまう
ので、固形物を混合原料中で分散させておくという目的
の機能が発揮できない。
【0008】前記した前発酵タイプの製造方法では、発
酵乳を製造したあとで、固形物とともにゼラチンやガム
類などの増粘剤を配合して攪拌混合し、増粘された発酵
乳の中に固形物を安定して分散させた状態で容器に充填
すれば、発酵中の分離や凝集の問題を回避することがで
きる。しかし、この場合には、一旦製造された発酵乳
に、予め殺菌しておいた固形物と増粘剤とを配合して、
さらに無菌的に攪拌混合するという手間がかかり、作業
性があまり良くない。
【0009】本発明の課題は、果物などの固形物が安定
して分散された発酵乳食品を能率的に製造することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる発酵乳食
品の製造方法は、原料乳と乳酸菌とネイティブジェラン
ガムと固形食品とを含む混合原料を発酵させる。 〔混合原料〕基本的には、通常の発酵乳食品における混
合原料と同様の材料を組み合わせて使用することができ
る。
【0011】主原料は原料乳である。通常の液体状の全
乳のほか、脱脂乳、粉乳、生クリームなども使用され
る。通常、製造された発酵乳食品の全体に対して、無脂
乳固形分が8%以上になるように、混合原料に対する原
料乳の配合量を決める。配合する固形物の量に応じて、
最終的に得られる発酵乳食品の全体に対して乳固形分が
8%以上になるように、乳原料中の無脂乳固形分を調整
することが好ましい。
【0012】乳酸菌は、通常の発酵乳と同様の菌類ある
いはスターターが使用される。砂糖などの甘味料や香
料、着色料なども配合される。フルーツシロップやジュ
ース、蜂蜜などが配合できる。固形食品としては、梨や
ミカン、ナタデココなどの果物の果肉や野菜を細かく切
ったものや、果肉のシロップ付け、ナッツ類、チョコレ
ート、ゼリーなどが使用できる。
【0013】混合原料は、発酵工程の前に殺菌工程を行
っておくことができる。殺菌工程としては、通常の食品
製造と同様の手段が採用される。発酵乳の食感等を改善
するために、寒天、ゼラチン、LMペクチン、澱粉など
の増粘性あるいは食感改善性のある多糖類を配合してお
くことができる。但し、固形食品の安定分散はネイティ
ブジェランガムによって果たすので、ここで配合する多
糖類は、発酵中における固形食品の安定分散には関与し
なくてもよい。これらの多糖類としては、発酵中に分離
や凝集などの問題を起こし難い材料を用いる。多糖類の
配合量は、使用する材料によっても異なるが、通常は
0.05〜1.5重量%が好ましい。
【0014】〔ネイティブジェランガム〕ジェランガム
は、特定の微生物(Pseudomonas elodea)が産生する高
分子多糖類である。但し、従来一般的に利用されていた
ジェランガムは、前記微生物の培養物に対して脱アシル
化処理を行ったあと回収されたものである。この脱アシ
ル化処理は、ジェランガムを、ゲル化剤や増粘剤などに
利用する際のゲル化温度やゲル強度などの特性を使用し
易い範囲に調整するために行われていたものである。
【0015】これに対し、本発明で使用するネイティブ
ジェランガムは、前記微生物の培養物を脱アシル化せず
に、そのまま回収したものである。その化学構造は、前
記特開平11−32673号公報にも記載されている。
従来の通常のジェランガムに比べてアシル基を多く含ん
でいるため、高アシルジェランガムとも呼ばれる。ネイ
ティブジェランガムは、ゲル化温度が約70℃であり、
通常のジェランガムの約30℃に比べて、はるかに高
い。また、ジェランガムに比べて柔らかいゲルを形成す
る。また、濃度を薄くすると、低温にしても完全なゲル
化を起こさず、チキソトロピー性を示す。このチキソト
ロピー性によって、混合原料の液中に固形食品を安定し
て分散させておくことができる。チキソトロピー性は、
前記ゲル化温度付近から発酵乳の発酵温度付近までの広
い範囲で発現する。
【0016】ネイティブジェランガムの配合量は、使用
する原料乳や固形食品などの原料の種類や配合、必要と
する機能によって異なるが、通常、混合原料に対して
0.04〜0.16重量%を配合しておく。配合量が少
ないと、固形食品の安定分散などの効果が達成できず、
配合量が多すぎると、ネイティブジェランガムがゲル化
を起こして流動性が失われ、混合原料の粘度が高くなり
すぎて、固形食品の分散作業が困難になる。
【0017】〔後発酵タイプの製造工程〕以下の工程
(a) 、(b) を経て発酵乳食品を製造することができる。 工程(a) :原料乳と乳酸菌とネイティブジェランガムと
固形食品とを含む混合原料を包装容器に充填する 工程(b) :前記包装容器内の混合原料を発酵させる 混合原料は、十分に攪拌混合して、固形食品が混合原料
中で安定に分散した状態にしてから充填するのが好まし
い。
【0018】包装容器は、通常の流通用あるいは小売用
の包装容器が使用できる。例えば、合成樹脂でカップ状
に成形された容器が使用できる。紙製の容器や、紙と合
成樹脂の複合材料からなる容器も使用できる。ガラスや
陶器、金属などからなる容器も使用できる。混合材料を
包装容器に充填したあと、包装容器に蓋をして容器内を
密封しておくことができる。密封状態でも次の発酵工程
には支障はない。密封しておくことで、容器内に雑菌や
異物が侵入することが防止できる。
【0019】包装容器の密封手段としては、容器と同様
の材料からなる蓋材を、嵌合あるいはねじ込みなどの手
段で取り付けることができる。フィルムまたはシート状
の蓋材を包装容器の開口部に接着することができる。発
酵工程は、通常の発酵乳製造と同様の装置および処理条
件を採用することができる。混合原料の配合や乳酸菌の
種類などの条件によっても異なるが、通常、20〜45
℃で6〜24時間程度かけて発酵させる。
【0020】発酵が十分に行われた後で、急速に冷却す
ることなどで発酵を停止させることができる。冷却温度
として、5℃程度が採用される。上記した後発酵タイプ
の製造方法では、特別な発酵タンクなどの設備を必要と
しない。従来、固形物などを含まない、いわゆるプレー
ンヨーグルトの製造に利用されていた一般的な製造設備
がそのまま利用できる。そのため、設備コストが安価で
作業性も良く、工業生産に適した方法となる。
【0021】〔前発酵タイプの製造工程〕以下の工程を
(f) 〜(j) を経て発酵乳食品を製造することができる。 工程(f) :原料乳とネイティブジェランガムと固形食品
とを含む混合原料を調製する。 工程(g) :混合原料を殺菌する。 工程(h) :殺菌された混合原料に乳酸菌を配合する。 工程(i) :乳酸菌が配合された混合原料を発酵させる。 工程(j) :発酵した混合原料を包装容器に充填する。
【0022】混合原料の調整は、基本的には、前記した
後発酵タイプの製造条件と同様である。最初の工程(f)
は、混合原料のうち乳酸菌だけは配合しない。殺菌工程
の具体的処理条件は、通常の発酵乳製造と同様で良い。
乳酸菌の配合は、殺菌工程のあとで、乳酸菌に悪影響を
与えない環境になってから行う。例えば、殺菌工程で高
温加熱を行った場合には、混合原料がある程度まで冷却
してから乳酸菌を配合する。
【0023】乳酸菌が配合された混合原料は、発酵タン
クなどに収容した状態で発酵させる。発酵条件は、前記
した後発酵タイプと同様でよい。発酵工程を行う前に、
混合原料を十分に攪拌混合して、固形食品を全体に均等
に分散させておくのが好ましい。これにより、固形物が
発酵中に均一分散した状態が保たれる。
【0024】発酵が終了して製造された発酵乳食品を、
流通あるいは小売用の包装容器に充填する。包装容器
は、前記した後発酵タイプの製造方法と同様のものが使
用できる。但し、包装容器のままで発酵させるのではな
いため、発酵の問題を考慮して包装容器を選択する必要
はない。上記した前発酵タイプの製造方法では、乳酸菌
を除いて固形食品やネイティブジェランガムなどの材料
が全て配合された混合原料を一度にまとめて殺菌するこ
とができるため、殺菌工程が簡略化できる。
【0025】〔発酵乳食品〕本発明の製造方法で得られ
た発酵乳食品は、原料乳が発酵した発酵乳に固形食品が
偏在することなく分散している。偏在することなく分散
とは、完全に均一な分散状態でなくてもよいが、発酵乳
の中に固形食品が全く存在しない個所と固形物が固まっ
て存在する個所とが明確に区別できるような状態ではな
いことを意味する。
【0026】〔ソース材料層〕発酵乳食品として、前記
混合原料から製造された発酵乳からなる本体部分と、ソ
ース材料層とが積層された構造のものも提供できる。ソ
ース材料層は、果物のジャムやマーマレード、カラメ
ル、シロップ、クリームなどで構成される。
【0027】前記した後発酵タイプの製造方法の場合、
混合原料を包装容器に充填したあと、その上にソース材
料を供給してソース材料層を形成しておくことができ
る。混合原料にはネイティブジェランガムが配合されて
保形されているので、混合原料層の上にソース材料を供
給しても互いに混ざり合ってしまうことはない。混合原
料層の上にソース材料層が積層された状態のままで、混
合原料層を発酵させることができる。
【0028】前記した前発酵タイプの製造方法であれ
ば、混合原料から製造された発酵乳を容器に充填したあ
と、その上にソース材料を供給してソース材料層を形成
すればよい。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明を具体的に実施して、その
性能を評価した結果を示す。 〔実施例1〕以下の配合で発酵乳食品を製造した。
【0030】
【表1】 配 合 重量% ────────────────── 脱脂粉乳 10 砂糖 7 安定剤 下記表2参照 ナタデココ果肉 20 乳酸菌 適量 水 残量 ────────────────── 合計 100 脱脂粉乳、砂糖、安定剤を粉体混合してから水に分散
し、90℃で10分間加熱して溶解および殺菌を行った
溶液を、攪拌しながら42℃まで冷却した。ここに、乳
酸菌とナタデココ果肉とを加えて攪拌し、ナタデココ果
肉を混合原料中に均等に分散させた。
【0031】混合原料を、容器に充填・密封したあと、
42℃に調整した恒温器中で7時間発酵させた。7時間
後に5℃まで冷却して発酵を停止させた。得られた発酵
乳食品の評価結果を下に示す。
【0032】
【表2】 ────────────────────────────────── 安定剤の種類 性 能 評 価 添加量% 発酵後の状態 果肉の分散 食感 ────────────────────────────────── ネイティブジェランガム 分離や凝集なし 均一分散 非常に良い 0.08 ジェランガム 0.1 完全に凝集 全て沈降 −−− ローカストビーンガム 完全に凝集 全て沈降 −−− 0.3 グアーガム 0.3 完全に凝集 全て沈降 −−− ゼラチン 0.5 わずかに凝集 全て沈降 ざらつき 寒天 0.5 わずかに凝集 全て沈降 ざらつき 寒天 1.0 わずかに凝集 全て沈降 固い、ざらつき LMペクチンA 0.3 分離や凝集なし 全て沈降 ざらつき LMペクチンB 0.3 完全に凝集 全て沈降 −−− HMペクチン 0.3 完全に凝集 全て沈降 −−− 加工澱粉 2.0 分離や凝集なし おおむね分散 重く糊っぽい ────────────────────────────────── 以上の結果、発酵中に凝集反応を起こさないのは、寒
天、ゼラチン、加工澱粉と一部のLMペクチンであっ
た。但し、寒天やゼラチン、LMペクチンは果肉が沈降
してしまい、加工澱粉は食感が悪かった。
【0033】なお、果肉としてナタデココを使用した場
合、ナタデココの酸性によって、凝集が起き易くなるた
め、寒天やゼラチンでは、わずかに凝集が起こった。し
かし、ネイティブジェランガムの場合には、ある程度の
酸性環境でも凝集を起こし難いという利点があることが
判る。 〔実施例2〕ネティブジェランガムの配合量を変えて、
その性能を評価した。
【0034】
【表3】 配 合 重量% ────────────────── 脱脂粉乳 10 砂糖 7 ネイティブジェランガム 0〜0.18 ナタデココ果肉 20 乳酸菌 適量 水 残量 ────────────────── 合計 100 実施例1と同様の工程を経て発酵乳食品を製造した。得
られた発酵乳食品の評価結果を下に示す。
【0035】
【表4】 ──────────────────────────────── ネイティブジェランガム 製造時の作業性 発酵後の 添加量 % 果肉の分散状態 ──────────────────────────────── 0 充填時に果肉が沈降 沈降 均一充填困難 ──────────────────────────────── 0.02 良好 沈降 0.04 良好 ほとんど沈降なし 0.06 良好 均一分散 0.08 良好 均一分散 0.10 良好 均一分散 0.12 良好 均一分散 0.14 良好 均一分散 0.16 冷却時の粘度が高い − 果肉の混合が困難 ──────────────────────────────── なお、ネイティブジェランガム無添加の場合、果肉が完
全に沈降するとともに、凝集・分離が発生した。ネイテ
ィブジェランガムの添加量が0.16%を超えると、混
合原料を冷却したときの増粘が著しく、42℃まで冷却
した段階では餅様の物性を示し、果肉を均一に混合する
ことが極めて難しくなってしまった。
【0036】適切な配合量でネイティブジェランガムを
添加した場合には、発酵後の発酵乳食品に固形物である
果肉が均一に分散された状態となった。 〔実施例3〕前記実施例1、2の結果をもとに、実用的
に好ましいと考えられる発酵乳食品の具体例を示す。
【0037】
【表5】 配 合 重量% ──────────────────── 全脂粉乳 11.00 脱脂粉乳 2.80 砂糖 9.00 寒天 ※1 0.10 ゼラチン ※2 0.50 ネイティブジェランガム ※3 0.08 ナタデココ果肉 20.00 乳酸菌 適量 水 残量 ──────────────────── 合計 100.00 ※1:AG−7(商品名、新田ゼラチン株式会社製) ※2:FYB−150S(商品名、新田ゼラチン株式会
社製) ※3:ケルコゲルLT−100(商品名、大日本製薬株
式会社製) ナタデココ果肉と乳酸菌を除く原料を水に分散させ、7
0℃まで攪拌加熱したあと、150kg/cm2(約14.7
MPa)でホモゲナイズ処理を行った。つぎに、プレー
ト殺菌機を用いて、130℃、4秒間の条件で瞬間殺菌
を行ったあと、42℃まで冷却した。この混合原料に、
別途殺菌処理を行った5〜10mm角のナタデココ果肉と
乳酸菌を加えて十分に攪拌した。果肉は混合原料中に均
一に分散した状態になった。この分散液を、容器に充填
・密封した。容器毎、42℃の発酵室で7時間発酵させ
た。発酵終了後、5℃まで冷却して発酵を停止させた。
【0038】その結果、得られた発酵乳食品は、ナタデ
ココ果肉が発酵乳中に均一に分散しており、テクスチャ
ーも良好なハードヨーグルト食品であった。
【0039】
【発明の効果】本発明にかかる発酵乳食品の製造方法
は、原料乳と乳酸菌と固形食品を含む混合原料にネイテ
ィブジェランガムを配合した状態で混合原料を発酵させ
て発酵乳食品を製造することにより、発酵中に固形食品
を混合原料中に均一に分散させた状態を維持することが
でき、製造された発酵乳食品は、発酵乳の中に固形食品
が均一に分散されていて、食味の優れたものとなる。
【0040】しかも、ネイティブジェランガムは、発酵
時に混合原料中に存在していても、原料乳を分離させた
り凝集させたりする問題が起こらず発酵を阻害すること
もない。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料乳と乳酸菌とネイティブジェランガム
    と固形食品とを含む混合原料を発酵させる発酵乳食品の
    製造方法。
  2. 【請求項2】前記ネイティブジェランガムを、混合原料
    の全体に対して0.04〜0.16重量%配合しておく
    請求項1に記載の発酵乳食品の製造方法。
  3. 【請求項3】前記寒天、ゼラチン、LMペクチン、澱粉
    からなる群から選択される少なくとも1種の材料を、混
    合原料の全体に対して0.05〜1.5重量%配合して
    おく請求項1または2に記載の発酵乳食品の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3の何れかに記載の発酵乳食品
    の製造方法において、 原料乳と乳酸菌とネイティブジェランガムと固形食品と
    を含む混合原料を包装容器に充填する工程(a) と、 前記包装容器内の混合原料を発酵させる工程(b) とを含
    む発酵乳食品の製造方法。
  5. 【請求項5】前記工程(a) が、前記混合原料とソース材
    料とを順次包装容器に充填して、包装容器内に混合原料
    層とソース材料層とを分割配置する請求項4に記載の発
    酵乳食品の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜3の何れかに記載の発酵乳食品
    の製造方法において、 原料乳とネイティブジェランガムと固形食品とを含む混
    合原料を調製する工程(f) と、 混合原料を殺菌する工程(g) と、 殺菌された混合原料に乳酸菌を配合する工程(h) と、 乳酸菌が配合された混合原料を発酵させる工程(i) と、 発酵した混合原料を包装容器に充填する工程(j) とを含
    む発酵乳食品の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜5の何れかに記載の方法で製造
    され、 前記原料乳が発酵した発酵乳に前記固形食品が偏在する
    ことなく分散している発酵乳食品。
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