JPH05167211A - プリント回路用積層板及びその製造方法 - Google Patents

プリント回路用積層板及びその製造方法

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JPH05167211A
JPH05167211A JP33097991A JP33097991A JPH05167211A JP H05167211 A JPH05167211 A JP H05167211A JP 33097991 A JP33097991 A JP 33097991A JP 33097991 A JP33097991 A JP 33097991A JP H05167211 A JPH05167211 A JP H05167211A
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JP
Japan
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thermosetting resin
layer
printed circuit
resin
laminate
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Application number
JP33097991A
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English (en)
Inventor
Kenichi Ohori
健一 大堀
Masami Kamiya
雅己 神谷
Yasuyuki Aoki
泰幸 青木
Hidenori Eriguchi
秀紀 江里口
Shunya Yokozawa
舜哉 横澤
Mitsuo Yokota
光雄 横田
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プリント回路用積層板の絶縁体複合化の自由
度を広げ、希望する比誘電率その他の特性を持ったプリ
ント回路用積層板を得る。 【構成】 少なくとも、金属層1と絶縁体層2とからプ
リント回路用積層板を構成する。絶縁体層2を2種以上
の層から構成し、少なくとも、1つの絶縁体層はプラス
チック、無機化合物、金属のいずれかの粉末、もしくは
これらの混合粉末からなる焼結多孔質体4の空隙に熱硬
化性樹脂5を含浸硬化させた複合絶縁体層3である。他
の少なくとも1つの絶縁体層は、厚み10〜100μm
の熱硬化性樹脂単独層6であり、この熱硬化性樹脂単独
層6は、複合絶縁体層に隣接して最外層、または複合絶
縁体層3と最外層の金属層1との中間に位置している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント回路用積層板
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリント回路用積層板は、熱硬化性樹脂
を含浸した繊維基材を積層成形したものが一般に使用さ
れている。
【0003】近年、プリント回路用積層板には、寸法変
化が少ないこと、耐熱性が高いこと、誘電正接(tan
δ)が小さいこと、比誘電率が所望の値であることな
ど、使用目的に合わせて様々な特性が求められている。
しかし、これらの要求に答えるには、従来の使用材料及
び構成では対応が不可能である。そのため、各種エンジ
ニアリングプラスチック(以下エンプラと略称する)、
セラミックなどの無機化合物やその複合体を使用した積
層板の開発が行われている。また、現在基材として使用
されている紙、ガラス繊維織布に変わり、各種エンプ
ラ、無機化合物、もしくはそれらの複合繊維織布や不織
布を使用した積層板が開発されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、それぞ
れ以下に述べるような問題点を持っているため、積層板
の要求特性を満足できず、また製造が非常に困難で、か
つコスト高の製品となっていた。まず、各種エンプラ材
料を使用した場合、高耐熱、良好な誘電特性などが期待
されるが、従来の積層板と同様、機械強度、寸法安定
性、材料コストなどから、各種基材との複合化の必要が
あり、複合化の試みが行われている。この複合化のた
め、従来用いられていた熱硬化性樹脂は、硬化前の粘土
の低い液状状態があるため、成形方法に自由度があり、
他材料との複合成形が良好であった。ところが、エンプ
ラの場合、成形方法が非常に限定されるため、複合化及
び大型積層板の製造が困難で、かつコスト高になってし
まうと同時に、複合化した場合の各材料の混合率が制限
されてしまう欠点がある。
【0005】一方、セラミックを使用した積層板は、焼
成時の寸法収縮が大である、機械加工が劣る、低強度で
ある、金属層との接着性が劣るなどの欠点を有してい
る。とくに、最大の問題である金属層との接着性を改善
するためには、金属層へセラミックをプラズマ溶射して
成形するなどしているが、接着性、コスト面ともに要求
を満足するものが得られていない。
【0006】また、もう1つの例として、金属層に20
〜200μmのセラミックの薄い層をプラズマ溶射成形
した後に、ガラス繊維織布基材の樹脂プリプレグを積層
し、熱圧成形し、金属層に接した部分の一部にセラミッ
クと樹脂の複合体を形成したものがある(特開昭62−
152742号公報参照)。しかし、このものも、熱圧
成形時に、セラミック空孔への樹脂の含浸成形を安定し
て行う熱圧成形条件、樹脂プリプレグ特性の範囲が非常
に限られてしまう。そのため、安定した特性を持つ積層
板の製造が非常に困難である。しかも、セラミックと樹
脂の混合率が制限されてしまうという欠点を有してい
る。
【0007】次に、各種エンプラ、無機化合物もしくは
それらの複合繊維織布や不織布を使用した積層板は、様
々な付加価値を付与できる可能性があり、数多くの検討
がなされているが、いずれも成形上の問題から、混合率
が制限されてしまう。また、混合材料の積層板内の縦、
横、厚み方向での均一分布を実現するのが困難である。
そのため、どうしても異方性を有した積層板になるとい
う欠点がある。
【0008】本発明はこのような欠点のないプリント回
路用積層板及びその製造方法を提供することを目的とす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のプリント回路用
積層板は、金属層と絶縁体層とから構成されており、こ
の絶縁体層はプラスチック粉末の焼結多孔質体の空隙
に、熱硬化性樹脂を含浸硬化させた絶縁体層であること
を特徴とするものである。また、絶縁層を2種以上の絶
縁体層とから構成し、少なくともこの絶縁体層の一つは
プラスチック、無機化合物、金属のいずれかの粉末もし
くは、これらの混合粉末の焼結多孔質体の空隙に、熱硬
化性樹脂を含浸硬化させた複合絶縁体層であり、他の少
なくとも1つの絶縁体層は、前記複合絶縁体層に隣接し
て最外層、または最外層の金属層との中間に位置し、そ
の絶縁体層を厚み10〜100μmの熱硬化性樹脂単独
層又は繊維基と熱硬化性樹脂とからなる層としたことを
特徴とするものである。前記熱硬化性樹脂単独層の組成
は、樹脂単体100重量部に対して、無機充填剤100
〜200重量部が含まれるようにするとよい。
【0010】以下、図を参照して説明する。本発明のプ
リント回路用積層板は、図1に示すように少なくとも金
属層1と絶縁体層2から構成され、この絶縁体層2は、
少なくとも2種以上の層から構成されている。この2種
以上の絶縁体層2の少なくとも1つがプラスチック、無
機化合物、金属のいずれかの粉末もしくは、これらの混
合粉末の焼結多孔質体4の空隙に熱硬化性樹脂5を含浸
硬化させた複合絶縁体層3である。他の少なくとも1つ
の絶縁体層6は、複合絶縁体層3に隣接して、最外層、
または最外層の金属層1との中間に位置している。この
絶縁体層6の厚みは、10〜100μmの熱硬化性樹脂
単独の層である。重い部品を搭載する場合のように、積
層板の強度を上げる必要があるときは、熱硬化性樹脂と
繊維基材とからなる層を絶縁体層6とする。
【0011】ここで使用するプラスチック粉末には、熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも用いられる。これ
らを例示すると、ポリオレフィン系樹脂のポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メ
チルペンテンなどの単独重合体、エチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン
−1−ブテン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体の
ようなポリオレフィン共重合体、フッ素系樹脂のポリテ
トラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン
−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、トリフル
オロクロルエチレン−テトラフルオロエチレン共重合
体、フッ化ビニリデン重合体、フッ化ビニル重合体、ポ
リスチレン、アクリロニトリ−スチレン共重合体、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリカ
ーボネート、ポリメチルメタアクリレートなどの各種ア
クリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマ
ール、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポ
リフェニレンサルファイド、ホリエーテルサルホン、ポ
リサルホン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテルアミ
ド、ポリエーテルイミド、ポリイソブチレン、ポリオキ
シベンジレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリブタ
ジエン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹
脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ホ
ルマリン樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、ジアリルフ
タレート樹脂、ポリイソシアネート樹脂、フェノキシ樹
脂などがあり、これらを適宜変性しても良い。またこれ
らの複合体としての混合物あるいは共重合物などでも良
く、これらを主成分とし必要に応じて架橋剤、硬化剤及
び添加剤を用いてもよい。また、これらのプラスチック
粉末を他樹脂でコートして使用することもできる。
【0012】プラスチック粉末は、数種の混合物として
も使用される。熱硬化性樹脂については、隣接する粒子
と接着するのに支障のない範囲であれば、その硬化度は
問わない。好ましくは、熱可塑性樹脂がよい。それは隣
接する粉末粒子を加熱により融着しやすいという理由に
よる。無機化合物粉末としては、アルミナ、ムライト、
マグネシア、ジルコニア、ベリリア、トリア、スピネ
ル、チタン酸化バリウムなど多種のセラミックを用いる
ことができ、電気絶縁性、熱伝導性の点から、アルミナ
または炭化ケイ素を主成分としたものが好ましく、金属
粉としては、パラジウムなどが使用目的にあわせて使用
される。もちろん前記したように、これらをプラスチッ
クでコートして使用してもよい。
【0013】次に、焼結多孔質体の空隙に含浸硬化させ
る熱硬化性樹脂5としては、尿素樹脂、メラミン樹脂、
ベンゾクアナミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、シリコン樹脂、ホルマリン樹脂、キシレン樹脂、フ
ラン樹脂、エテスル系樹脂、ジアリルフタレート樹脂、
ポリイソシアネート樹脂、フェノキシ樹脂などとし、こ
れらを適宜変性してもよい。
【0014】前記の複合絶縁体層6として、プラチッ
ク、無機化合物、金属など様々な材料を使用する場合、
金属層1との接着性が著しく劣る材料を使用することが
多い。このような場合、金属層1と接着性のすぐれた熱
硬化性樹脂単独層6を設けることにより解決することが
できる。この接着性のすぐれた熱硬化性樹脂としては、
エポキシ樹脂などが好適である。
【0015】また、本発明に使用する熱可塑性樹脂とし
ては、機能性の付与を目的として、無機充填剤を樹脂単
体に混合したものを使用することが非常に有効である。
無機充填剤としては、クレータルク、マイカ、シリカ粉
末、アルミナ、水酸化アルミニウム、ガラス粉末、ワラ
ストナイト、チタンホワイト、三酸化アンチモンなどが
用いられる。例えば、水酸化アルミニウム、アルミナ、
シリカは耐熱性の向上に有効であり、好ましい。
【0016】無機充填剤の粒径としては、平均粒径が5
〜40μmが好ましい。その理由は、5μm以下では粒
子の凝集が起こりやすく、40μm以上では、焼結多孔
質体に含浸硬化させる際に無機充填剤の分布が著しく不
均一になりやすいためである。また、充填量としては、
樹脂100重量部に対し無機充填剤100重量部以下と
することが好ましい。その理由は、焼結多孔質体に含浸
硬化させる際に、無機充填剤の分布が著しく不均一にな
りやすいためである。
【0017】また、本発明の特徴である熱硬化性樹脂単
独層6は、単独層であるが故に、通常、織布、不織布、
焼結多孔質体を基材として熱圧成形し、複合化する場合
に起こる無機充填剤の不均一分布の発生の心配がない。
そのため、無機充填剤の充填量を樹脂100重量部に対
し、200重量部まで充填量を増加することが可能であ
り、100〜200重量部が好ましい。その理由は、2
00重量部以上では、充填剤が含浸硬化前に著しく沈降
してしまい、100重量部未満では、従来、熱圧成形
し、複合化した積層板に対し有位性がないためである。
つまり、100〜200重量部と無機充填剤を大量に充
填した樹脂層の形成が可能となるため、無機充填剤の効
果が従来と比較し、有効に働き、積層板特性の向上が可
能である。
【0018】さらに、本発明で形成する熱硬化性樹脂単
独層6は、機能性の付与のために10μm以上が必要で
あり、100μm以上の熱硬化性樹脂単独層6を形成す
ることは、耐熱性、機械特性の面から好ましくない。そ
のため、10〜100μmの厚みであることが好ましい
ものである。
【0019】次に、プリント回路用積層板の製造方法を
図2〜図5を参照して説明する。まず、第1工程とし
て、図2に示すように金属層7の上に熱硬化性樹脂8を
10〜100μmの一定厚みに塗布し、乾燥してBステ
ージ化する。
【0020】第2工程として、図3に示すように熱硬化
性樹脂8の上に、さらに熱硬化性樹脂9を一定量均一に
塗布し、その上部に焼結多孔質体10を載せる。
【0021】第3工程として、図4に示すように焼結多
孔質体10の上に、さらに熱硬化性樹脂11を一定量均
一に塗布する。ここで各層を形成する熱硬化性樹脂8,
9,11のうち、少なくとも第2、第3工程で塗布する
熱硬化性樹脂9,11は同一の樹脂を使用し、塗布する
量については、所望の複合絶縁体層の厚み、使用する焼
結多孔質体10の空隙率などを考慮し、焼結多孔質体1
0への含浸性により、熱硬化性樹脂9,11の量の比率
を決定する。
【0022】第4工程として、図5に示すように第1工
程で成形したものと同様の金属層1にBステージ化した
熱硬化性樹脂8の付いた材料12を金属層1を上側とし
て、図のように熱硬化性樹脂11の上に載せ、積層板の
構成材料の積み重ねを終了する。
【0023】第5工程では、積層した構成材料を熱圧成
形し、熱硬化性樹脂の含浸硬化を行う。この第1工程〜
第5工程により、図1に示したプリント回路用積層板を
容易に製造することが可能である。なお、プリント回路
用積層板が片面にのみ金属層1を有する場合には、片面
の金属層1の変わりに第1工程で塗布した熱硬化性樹脂
8と容易に離型することが可能なプラスチックフィルム
や金属層1に離型剤を塗布した材料を使用することによ
り製造できる。
【0024】
【作用】このように粉末の焼結多孔質体4の空隙に熱硬
化性樹脂5を含浸硬化させることにより、少なくとも2
種以上の物質が非常に均一に分布した複合絶縁体層を実
現しており、成形も容易である。また、2種以上の物質
の混合率も、要求特性に応じて広い範囲で変化させるこ
とが容易に可能である。例えば、熱膨張係数や誘電率な
どの要求特性として、従来の複合技術で不可能であった
混合率が求められた場合にも十分対応が可能である。焼
結多孔質体と熱硬化性樹脂を所定の比率で混合し、硬化
してなる複合絶縁体層を設けたことにより、積層板に要
求される良好な高寸法安定化、高耐熱化などの特性を満
たすプリント回路用積層板が得られる。
【0025】
【実施例】実施例1 プラスチック粉末として超高分子量ポリオレフィンパウ
ダー(ハイゼックスミリオン240M、三井石油化学工
業株式会社商品名)を使用し、これを厚み0.8mmの
焼結多孔質体シートに成形した。気孔率は約43%であ
った。これをエポキシ樹脂基板用のワニス中を通して塗
工しプリプレグを得た。これを厚み35μmの電解銅箔
で挟み、プレスで加熱加圧して高周波回路用せ積層板を
得た。プレス条件は、170℃、60分、製品面圧0.
5MPaである。この積層板は、プレス圧力0.5MP
aで問題なく成形でき、厚み精度は0.84±0.03
以内であった。また、積層板の比誘電率は3.2(10
MHZ)であつた。
【0026】比較例1 ガラス布基材にエポキシ樹脂ワニスを含浸した厚み0.
2mmのプリプレグを4枚重ね、厚み35μmの電解銅
箔で挟み、実施例1と同じプレス条件で加熱加圧した。
この積層板は、プレス圧力0.5MPaと通常の場合の
1/10以下であったために、絶縁層内に多数の気泡
(ボイド)が発生した。厚み精度は0.84±0.1で
あった。比誘電率は4.1(10MHZ)であつた。な
お、比較例1に用いた材料を通常のプレス条件で成形す
ると、厚み精度は、0.84±0.6程度となる。
【0027】実施例2 実施例1と同じ焼結多孔質体シートを用意し、実施例1
と同様にエポキシ樹脂基板用のワニス中を通して塗工
し、プリプレグを得た。これをガラス布基材、エポキシ
樹脂含浸プリプレグ(厚み0.1m+)2枚で挟むよう
に重ね合わせ、さらにこれを厚み35μmの電解銅箔で
はさみ、加熱加圧し、板厚1.0mm+の高周波回路用
基板を得た。プレス条件は170℃、60分製品面圧、
3.0MPaである。この基板の比誘電率は3.5であ
った。さらに、片面のみ銅箔をエッチングで除去した後
の反り量は、以下に説明する比較例2の基板と同等であ
り、回路加工後の反りも問題無いことがわかった。
【0028】比較例2 実施例2で使用したガラス布基材、エポキシ樹脂含浸プ
リプレグ、(厚み1.0mm+)を10枚重ね合わせ、
これらを厚み35μmの電解銅箔で挟み、実施例2と同
じプレス条件で加熱加圧し、回路用基板を得た。この基
板の比誘電率は4.8であった。
【0029】実施例3 以下、図2〜図5を参照して実施例を説明する。まず、
第1工程では、金属層7として、厚み35μmの電解銅
箔を使用し、その上に熱硬化性樹脂8として、エポキシ
樹脂ワニスを厚み50μmの平面となるようにコンマナ
イフコーターを使用し塗布した。その後、乾燥炉におい
て、160℃、10分の条件で乾燥し、樹脂をBステー
ジ化した。第2工程では、熱硬化性樹脂9として、第1
工程の熱硬化性樹脂8と同様のエポキシ樹脂ワニスを使
用し、図3のように第1工程の成形物のさらに上に、厚
み0・9mmの平面となるようにコンマナイフコーター
により塗布し、その後に、その上に焼結多孔質体10と
して、ポリオレフィン樹脂粉末の焼結多孔質体を使用し
積み重ねた。ここでは、ポリオレフィン樹脂として、ハ
イゼックスミリオン240M(超高分子量ポリオレフィ
ンパウダー、三井石油化学工業株式会社商品名)を使用
し、これを1.4mm厚の焼結多孔質体シートとし、1
50℃、20分乾燥炉で加熱成形した。気孔率は約45
%である。
【0030】次に、第3工程として、さらに上部にエポ
キシ樹脂を塗布するのであるが、粉末の焼結多孔質体1
0へのエポキシ樹脂の含浸性が良好であるため、1分後
にはエポキシ樹脂が上部に透過してきた。そのため、再
塗布の必要がなく実施しなかった。第4工程として、第
1工程で成形したものと同様のものを銅箔を上側とし積
み重ね、これをプレスにより熱圧成形して、絶縁体層に
ボイド、かすれなどの成形不良がないプリント回路用積
層板を得た。なお、熱圧成形条件は、170℃、120
分、製品面圧2MPaとした。
【0031】実施例4 実施例3で使用した熱硬化性樹脂8として、水酸化アル
ミニウムをエポキシ樹脂単体100重量部に対し、20
0重量部充填したエポキシ樹脂ワニスを使用し、その他
は実施例3と同様にして、プリント回路用積層板を得
た。これにより、図1の熱硬化性樹脂単独層6にのみ水
酸化アルミニウムが大量に均一分散したエポキシ樹脂層
が形成されたプリント回路用積層板が得られることを確
認した。
【0032】比較例3 ガラス繊維織布基材に、実施例3で使用した熱硬化性樹
脂8と同一のエポキシ樹脂ワニスを、樹脂分(合計重量
中の割合)45%となるように含浸し、乾燥炉におい
て、160℃、10分の条件で乾燥し、樹脂をBステー
ジ化し、厚み0.43mmのプリプレグを得た。ガラス
繊維織布基材としては、WE−18W(7628Sty
leガラスクロス、日東紡績株式会社商品名)を使用し
た。このプリプレグを4枚重ね35μmの電解銅箔で挟
み、実施例3と同じ熱圧成形条件で成形し、プリント回
路用積層板を得た。
【0033】比較例4 実施例3の熱硬化性樹脂8,9として使用したエポキシ
樹脂に水酸化アルミニウムをエポキシ樹脂単体100重
量部に対し、100重量部充填したエポキシ樹脂ワニス
を、実施例1で使用したポリオレフィン樹脂粉末の焼結
多孔質体と同一で、厚みが1.5mmのものに含浸し、
乾燥炉において160℃、10分の条件で乾燥し、樹脂
をBステージ化し、その後に35μmの電解銅箔で熱圧
成形し、プリント回路用積層板を得た。
【0034】比較例5 比較例4のエポキシ樹脂ワニスに無機充填剤を含まない
ワニスを使用し、その他は比較例2と同様にしてプリン
ト回路用積層板を得た。以上、5種類のプリント回路用
積層板を試作し、特性を測定した結果を表1にまとめ
た。
【0035】
【表1】 PCT プレッシャークッカーテスト 121℃、2.2kg
/cm2 処理 〇:ふくれ発生なし △:軽微なふくれ発生有(面積占有率30%未満) ×:著しいふくれ発生有(面積占有率30%以上) 以上の結果から、本発明は後記するような効果があるこ
とを確認した。
【0036】この実施例によると、従来技術では困難で
あった材料を任意の混合比率で複合化でき、所望の特性
を持つ複合材料を得ることが可能となり、この複合材料
を用いたプリント回路用積層板を製作できる。例えば実
施例1は、比較例1に対し、従来複合化が困難であり、
誘電特性の優れたポリオレフィン樹脂との複合化を実現
していることにより、同一のエポキシ樹脂を使用して、
ほぼ同一の樹脂分であるにもかかわらず、比誘電率εr
〔1MHz〕を4.31→3.21と大幅に低誘電率化
すことに成功している。また、比較例3に対しては、エ
ポキシ樹脂単独の層を設けることにより、銅箔引き剥が
し強さを0.8→2.6KN/mと大幅に向上させるこ
とに成功している。
【0037】また、無機充填剤を樹脂単体100重量部
に対して、無機充填剤200重量部混合したエポキシ樹
脂単独の層を設けることにより、無機充填剤なしの実施
例2に対しても、また全体に100重量部充填し、エポ
キシ樹脂単独層を持たない比較例2に対しても、耐熱性
の向上が認められた。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、基板層が構成枚数が少
なく、したがって、製造工数が少なくてすむ。また、材
料の選択によって誘電率の調整が容易であり、低誘電率
とすることができるので、高周波回路用として適した回
路用基板を容易に得ることができる。また、従来複合化
が困難であった複数の材料を任意の混合比率で複合化で
き、こうして得た複合材料を用いて所望の特性を持つプ
リント回路用積層板を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリント回路用積層板の断面図で
ある。
【図2】本発明を実施する第1工程の断面図である。
【図3】同上、第2工程の断面図である。
【図4】同上、第3工程の断面図である。
【図5】同上、第4工程の断面図である。
【符号の説明】
1,7 金属層 2 絶縁体層 3 複合絶縁体層 4,10 焼結多孔質体 5,8,9 熱硬化性樹脂 6 熱硬化性樹脂単独層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江里口 秀紀 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 横澤 舜哉 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 横田 光雄 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック粉末焼結シートに熱硬化性
    樹脂ワニスを含浸硬化してなる層を1層以上含む誘電体
    と、回路用金属層とからなるプリント回路用積層板。
  2. 【請求項2】 プラスチック粉末焼結シートに熱硬化性
    樹脂ワニスを含浸硬化してなる層及び繊維質基材に熱硬
    化性樹脂ワニスを含浸硬化してなる層とからなる誘電体
    並びに回路用金属層からなるプリント回路用積層板。
  3. 【請求項3】 少なくとも金属層と絶縁体層から構成さ
    れるプリント回路用積層板において、絶縁体層が2種以
    上の層から構成されており、少なくとも1つの絶縁体層
    が、プラスチック、無機化合物、金属のいずれかの粉
    末、もしくはこれらの混合粉末からなる焼結多孔質体の
    空隙に熱硬化性樹脂を含浸硬化させた複合絶縁体層であ
    り、他の少なくとも1つの絶縁体層が、前記複合絶縁体
    層に隣接して最外層、または最外層の金属層との中間に
    位置し、その絶縁体層が厚み10〜100μmの熱硬化
    性樹脂単独層であることを特徴とするプリント回路用積
    層板。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂単独層の組成は、樹脂単体
    100重量部に対して無機充填剤100〜200重量部
    が含まれていることを特徴とする請求項1のプリント回
    路用積層板。
  5. 【請求項5】 金属層の上に熱硬化性樹脂を10〜10
    0μmの一定厚に塗布し、乾燥する第1工程と、前記熱
    硬化性樹脂の上にさらに熱硬化性樹脂を一定量均一に塗
    布し、その上に焼結多孔質体を載せる第2工程と、前記
    焼結多孔質体の上に熱硬化性樹脂を一定量均一に塗布
    し、少なくともこの熱硬化性樹脂と、第2工程の熱硬化
    性樹脂は同一樹脂を使用し、それぞれの使用量の比率を
    所定の複合絶縁体層の厚みと焼結多孔質体の空隙率、焼
    結体への含浸性により決定するようにした第3工程と、
    第1工程で得た積層物と同一の積層物を金属層を上側と
    して熱硬化性樹脂の上に載置する第4工程と、前記積層
    物を熱圧成形し、焼結多孔質体の空隙への熱硬化性樹脂
    の含浸硬化を行う第5工程とからなるプリント回路用積
    層板の製造方法。
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