JPH05163634A - シルキー織物の製造方法 - Google Patents
シルキー織物の製造方法Info
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Abstract
フィラメント糸使いのシルキーな風合い(ドライ感、ふ
くらみ感)及び深みのある色合いを有する高品位なシル
キー織物を安価に製造する方法を提供する。 【構成】 サイドバイサイド型複合ポリエステルマルチ
フィラメント糸に、ドライサイズ剤、オイルサイズ剤、
ホットメルトサイズ剤等の非水系糊剤をローラータッチ
方式で付着させ、その糸を経糸に用いて織成する。
Description
チフィラメント糸を用いた織物の製造方法に関する。更
に詳しくは、シルクの持つドライ感、ふくらみ感、深み
のある色合いを有する高品位なシルキー織物の製造方法
に関する。
つ優れた風合いに近付けるべく数多くの提案がなされて
いる。中でも、シルクの持つドライ感、ふくらみ感、深
みのある色合いを有するシルキー織物の製造方法とし
て、鞘芯型、サイドバイサイド型などの複合ポリエステ
ルマルチフィラメント糸、特に、サイドバイサイド型複
合ポリエステルマルチフィラメント糸を用いることが有
効な手段であることが知られている。
ント糸、特にサイドバイサイド型複合ポリエステルマル
チフィラメント糸に水溶性糊剤を用い120〜130℃
の熱風と90〜100℃のシリンダーで乾燥するいわゆ
る従来のサイジング方法で糊付けした場合、乾燥熱エネ
ルギーをサイドバイサイド型複合ポリエステルマルチフ
ィラメント糸が吸収することになり、低収縮成分と高収
縮成分との収縮差が顕在化して、糊付け糸にカールが発
生してしまう。そのため、カールした糊付け糸を経糸に
用いた織物は経品位が悪く、風合い的にもふくらみ感に
欠け、満足できる織物ができていない。
リエステルマルチフィラメント糸に水溶性糊剤を用いて
も100℃以下の熱風で乾燥する、いわゆる低温サイジ
ング方法で糊付けをして織成しているのが現状である。
ところが低温サイジング方法の場合、乾燥効率が悪くな
るのでサイジング速度も当然ながら低くする必要があ
る。例えば95℃の熱風で乾燥する低温サイジング方法
の場合、サイジング速度は従来のサイジング方法に比べ
約1/2と大幅に低くする必要があり、生産性がきわめ
て悪いという問題がある。
点を解決し、複合ポリエステルマルチフィラメント糸を
用いて、シルクの持つドライ感、ふくらみ感、深みのあ
る色合いを有するシルキー織物を生産性を損なうことな
く安価に提供することを目的とする。
のポリマーからなる複合ポリエステルマルチフィラメン
ト糸を用いた織物の製造方法において、上記複合ポリエ
ステルマルチフィラメント糸に非水系糊剤を付着させ、
その糸を経糸に用いることを特徴とするシルキー織物の
製造方法、である。
チフィラメント糸とは低収縮成分と高収縮成分が接合さ
れたポリエステルのマルチフィラメントをいう。サイド
バイサイド型複合ポリエステルマルチフィラメント糸と
は、例えば、特公昭63−219628号公報で示され
る収縮特性の異なるポリエステル系重合体を幅方向に貼
り合わせて形成した繊維をいい、断面形状はいかなるも
のであってもよい。
いる場合、低収縮成分と高収縮成分の接合比が1:1で
あると、シルクの持つドライ感、ふくらみ感、深みのあ
る色合いを有するシルキー織物を得ることができ好まし
い。本発明でいう非水系糊剤とは、有機溶剤に合成高分
子を溶解してなるいわゆるドライサイズ剤、アクリル酸
エステル又はメタクリル酸エステルとアクリル酸又はメ
タクリル酸を油剤成分中で溶液重合してなるいわゆるオ
イルサイズ剤、加熱溶融するポリマー又はポリマー/ワ
ックス系のいわゆるホットメルト型の非水系糊剤をい
う。乾燥を必要としない非水系糊剤であればいかなるも
のであってもよい。
滑性が必要であり、織成効率の点に於いて、本発明に用
いる非水系糊剤は浸透性と平滑性に優れたホットメルト
非水系糊剤が好ましい。ホットメルト型非水系糊剤は、
ポリマー系がワックス系より少ない割合であることが好
ましい。
リエステルマルチフィラメント糸をシート状でロールに
接触させて付着させる。1本のロールで付着させた場
合、多量の糊剤を均一に付着させることが難しく、図1
に示すように2本以上のロールに接触させることが好ま
しい。本発明で用いられる非水系糊剤の付着量は2〜7
%が好ましく、4〜6%が更に好ましい。
制限はない。織成条件についても通常、ポリエステルマ
ルチフィラメント糸条に適用される条件であればいずれ
でもよい。本発明は、複合ポリエステルマルチフィラメ
ント糸、特に、サイドバイサイド型複合ポリエステルマ
ルチフィラメント糸に、乾燥を必要としない非水系糊剤
を付着させて織成するので、サイジング工程では、複合
ポリエステルマルチフィラメント糸に抱合力のみを与え
熱は加えない。
分との収縮差が織成されるまで顕在化することがないの
でカールが発生せず、また、織物にした場合、風合い的
にも従来のサイジング方法で糊付けした経糸で織成され
た織物に比べ、シルクの持つドライ感、ふくらみ感、深
みのある色合いを有するものが得られる。更に、本発明
は複合ポリエステルマルチフィラメント糸、特に、サイ
ドバイサイド型複合ポリエステルマルチフィラメント糸
に、非水系糊剤をローラータッチ方式で付着させるの
で、従来の水溶性糊剤を用いるサイジング方法の装置よ
りもコンパクトな装置で糊付けが可能である。また、乾
燥工程を必要としないので、サイジング速度も大幅に向
上させることができる。
明する。なお、織物の評価は次の通りに行った。 (1)経品位については、経筋がなしを1級、軽微を2
級、目立つを3級、著しく目立つを4級、の4段階で官
能判定で評価した。 (2)風合いについては、ふくらみ感に富み非常に良好
を○、ややふくらみ感に欠けるを△、ふくらみ感がなく
ペーパーライクを×、の3段階で官能判定で評価した。 (3)織物の厚み測定はJIS L1079に基づいて
行った。
収縮率が7.8%)として粘度0.70(35℃、オル
ソクロロフェノールの1%溶液粘度)のポリエチレンテ
レフタレートと、他方の成分(高収縮成分、100℃ボ
イル収縮率が24%)として、2,2−ビス(4−β−
ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンを10モル%共
重合した粘度0.73の共重合ポリエチレンテレフタレ
ートとを、1:1で溶融押し出しし、サイドバイサイド
型にした後、最終吐出孔形をW型とした紡糸口金から吐
出させ、1500m/分の速度でいったん巻取り、次い
で延伸工程にて、85℃で加熱された第1ロールと第2
ロールの間で延伸し、100℃ボイル収縮率が23%、
75d/18fのサイドバイサイド型複合ポリエステル
マルチフィラメント糸を得た。
テルマルチフィラメント糸を1169本のシート状で、
100mmφ直径の2本のホットロールを有する津田駒
工業(株)製TW−N型ワーパー(荒巻整経機)を用い
て、エチレンのメタクリル酸共重合体とα−オレフィン
とからなり、その比率が、45:55のホットメルトサ
イズ型非水系糊剤を表1に示す条件で糊付けを行った。
前述のサイドバイサイド型複合ポリエステルマルチフィ
ラメント糸をそのまま用い、経糸密度が84本/イン
チ、緯糸密度が84本/インチの羽二重を日産自動車
(株)製LW−43型ウォータージェットルームを用い
て、500rpmの織機回転数で100疋織成した。次
に、織成した織物を通常のポリエステル織物の場合と同
様に80℃で精錬を行った後、95℃でアルカリ減量加
工を施し、10%減量し、液流染色機を用いて130
℃、30分で染色を行い、170℃1分の熱処理をし経
糸密度113本/インチ、緯糸密度109本/インチに
仕上げた。
合ポリエステルマルチフィラメント糸を河本製機(株)
製EX−3型サイジング機を用いて、市販の水溶性アク
リル系糊剤(松本油脂製薬(株)製商品名マーポゾール
W−E2)を90m/分の速度で8.5%付着させ、乾
燥チャンバー温度120℃、乾燥シリンダー温度95℃
で乾燥し巻き取る、いわゆる従来のサイジング方法で糊
付を行った。
述のサイドバイサイド型複合ポリエステルマルチフィラ
メント糸を用い、実施例1と同一規格、同様の条件で織
成した。次に、実施例1と同様の条件で染色、仕上げを
行った。
合ポリエステルマルチフィラメント糸を河本製機(株)
製EX−3型サイジング機を用いて、市販の水溶性アク
リル系糊剤(マーポゾールW−E2)を65m/分の速
度で、8.3%付着させ、乾燥チャンバー温度95℃、
乾燥シリンダー温度90℃で乾燥し、巻取る、いわゆる
低温サイジング方法で糊付を行った。
前述のポリエステルマルチフィラメント糸を用い、実施
例1と同一規格、同様の条件で織成した。次に、実施例
1と同様の条件で染色、仕上げを行った。実施例1、比
較例1及び比較例2の織物品位、風合いについて判定し
た結果を表2に示した。
経品位、風合いとも良好な結果が得られた。一方、比較
例1に於いては、経糸のカールによる経筋が発生し織物
の経品位は極めて不良であった。しかも織物風合いにつ
いてもシルクの持つドライ感、ふくらみ感に欠け、満足
のできる織物が得られなかった。また、比較例2の低温
サイジング方法の場合、サイジング速度が65m/分と
生産性に劣り、経品位、風合いとも満足のできる結果は
得られなかった。
感、ふくらみ感)及び深みのある色合いを有する高品位
なシルキー織物を安価に製造することができる。
マルチフィラメント糸の経糸準備方法の一例を示す模式
図である。
ルチフィラメント糸 2 第1サイジングロール 3 第2サイジングロール 4 ガイドロール 5 巻取りビーム
Claims (1)
- 【請求項1】 2種類のポリマーからなる複合ポリエス
テルマルチフィラメント糸を用いた織物の製造方法にお
いて、上記複合ポリエステルマルチフィラメント糸に非
水系糊剤を付着させ、その糸を経糸に用いることを特徴
とするシルキー織物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3299046A JP3012054B2 (ja) | 1991-11-14 | 1991-11-14 | シルキー織物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP3299046A JP3012054B2 (ja) | 1991-11-14 | 1991-11-14 | シルキー織物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05163634A true JPH05163634A (ja) | 1993-06-29 |
JP3012054B2 JP3012054B2 (ja) | 2000-02-21 |
Family
ID=17867513
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP3299046A Expired - Fee Related JP3012054B2 (ja) | 1991-11-14 | 1991-11-14 | シルキー織物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3012054B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102920531A (zh) * | 2012-11-08 | 2013-02-13 | 东华大学 | 一种机织人造血管的制备方法 |
KR101721800B1 (ko) * | 2016-05-09 | 2017-03-30 | 도정석 | 원사의 다색 염색장치 및 이를 이용한 원사의 다색 염색방법 |
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CN103898761B (zh) * | 2014-03-24 | 2016-05-25 | 西安工程大学 | 涤棉用纺织热熔浆料的制备方法 |
-
1991
- 1991-11-14 JP JP3299046A patent/JP3012054B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JP3012054B2 (ja) | 2000-02-21 |
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