JP5669577B2 - 仮撚加工糸およびその製造方法ならびにそれを用いた芯地用基布の製造方法 - Google Patents

仮撚加工糸およびその製造方法ならびにそれを用いた芯地用基布の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、仮撚加工糸およびその製造方法ならびに仮撚加工糸を用いた芯地用基布の製造方法に関する。
従来から、ポリエステル仮撚加工糸は、ストレッチ芯地用の基布に用いられている。通常、ポリエステル仮撚加工糸を用いると、伸長性には優れるものの、ソフト感、薄地感、透明性等を得るためにはそれぞれに適する工夫が必要になる。
例えば、特許文献1ではソフトでドレープ性に優れた芯地を得ることを目的として、単糸繊度が1.0d以下のポリエステル仮撚加工糸を用いた織物に、アルカリ減量加工を施して芯地用基布を得る方法が、提案されている。
特許第2893848号公報
しかしながら、特許文献1の芯地用基布は、基布を構成する仮撚加工糸のトータル繊度が、20〜150dであるため中肉〜厚地向きの芯地となり、単糸数も多く透明性に欠けるという問題があった。
一方、近年は衣料用素材が徐々に薄地化して透けやすくなってきており、薄くて透明な芯地用基布が要求されてきている。このような薄地化に対応するためには仮撚加工糸のトータル繊度を10dtex未満の細繊度にする等の方法があるが、このような細繊度の仮撚加工糸を製造するのは容易ではない。また薄い芯地用基布を製造するために、仮撚加工糸のトータル繊度を細くしたり、織編物の構成本数を少なくすると、織編物の製造工程や加工工程において糸切れや目よれ(織糸がずれる欠点)が発生しやすく、生産性や品質が低下し、工業的に安定して芯地用基布を製造することが困難である。
したがって、本発明は、上記のような問題を解決し、薄地衣料用素材に適した透明性に優れ、薄くてソフトな芯地用基布を、工業的に安定して製造するために好適に用いることができる仮撚加工糸を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、以下のことを見出し本発明に至った。すなわち本発明は、溶解性の異なる2成分を複合した特定の複合繊維からなる仮撚加工糸を用いて製編織した織編物に、溶解処理を行い、一方の成分を溶解除去して、芯地用基布を構成する糸のトータル繊度を細くすることにより、製編織性および透明性に優れ、薄く、ソフトな芯地用基布を得ることができることを見出した。
すなわち、第1の発明はホモポリエステルからなる第1成分と下記(a)〜(c)から選択される第2成分とからなる複合繊維マルチフィラメントからなり、トータル繊度が10〜20dtexの仮撚加工糸である。
(a)金属スルホネート基含有イソフタル酸を3モル%以上共重合した共重合ポリエステル
(b)ポリアルキレングリコールおよび金属スルホネート基含有イソフタル酸を共重合したポリエステル
(c)熱水により溶解する水溶性熱可塑性樹脂
第2の発明は第1成分と第2成分がサイドバイサイドに複合している第1の発明記載の仮撚加工糸である。
第3の発明は第2成分が(b)であって、金属スルホネート基含有イソフタル酸が、5−金属スルホイソフタル酸ジメチル又は5−金属スルホイソフタル酸ジメチルのジメチル基をエチレングリコールでエステル化させた化合物である第1の発明または第2の発明記載の仮撚加工糸である。
第4の発明は第1成分と第2成分の重量比が、10:90〜90:10である上記仮撚加工糸である。
第5の発明はポリエステルからなる第1成分と上記(a)〜(c)から選択される第2成分とからなり、トータル繊度が15〜30dtexの複合繊維マルチフィラメントからなる高速紡糸法により得られた半延伸糸を、延伸仮撚してトータル繊度が10〜20dtexの仮撚加工糸を製造する方法である。
第6の発明は上記の仮撚加工糸を製織して織物を得る工程(1)、および前記工程(1)により得られた織物の第2成分を溶解除去して、トータル繊度5〜10dtex、単糸繊度0.2〜1.7dtexの織物を得る工程からなる透明芯地用基布の製造方法である。
本発明の仮撚加工糸は、取り扱い易く、トータル繊度の細い織編物を得ることができる。芯地用基布として用いる場合は、透明性に優れ、薄く、ソフトな風合いのものを得ることができる。
本発明の第1の発明によれば、ポリエステルからなる第1成分と上記(a)〜(c)から選択される第2成分とからなる複合繊維マルチフィラメントからなるトータル繊度が10〜20dtexの仮撚加工糸であるため、この仮撚加工糸を製編織した後、第2成分を溶解して、仮撚加工糸のトータル繊度を細いものにでき、従来よりも透明性に優れ、薄くてソフトな芯地用基布を得ることができる。この場合、製編織の時には第2成分が溶解前のため、トータル繊度10〜20dtexの仮撚加工糸を用いることができ、製編織性にも優れている。
本発明の第2の発明によれば、第1成分と第2成分がサイドバイサイドに複合している仮撚加工糸であることにより、第2成分を容易に溶解させて仮撚加工糸のトータル繊度を細いものとすることができ、従来よりも、より透明性に優れ、薄く、ソフトな芯地用基布を得ることができる。
本発明の第3の発明によれば、第2成分が(b)であって、金属スルホネート基含有イソフタル酸が、5−金属スルホイソフタル酸ジメチル又は5−金属スルホイソフタル酸ジメチルのジメチル基をエチレングリコールでエステル化させた化合物であることにより、特に、第2成分を容易に溶解させて仮撚加工糸のトータル繊度を細いものとし易く、従来よりも、より透明性に優れ、薄くかつソフトな芯地用基布を得ることができる。
本発明の第4の発明によれば、第1成分と第2成分の重量比を10:90〜90:10にすることで第2の成分を溶解除去するときに、目的にあった薄さ、ソフト感を得ることができる。
本発明の第5の発明によれば、15〜30dtexの半延伸糸を用いて仮撚加工してトータル繊度を10〜20dtexとするので、もとから細い延伸糸を用いて仮撚加工するよりも仮撚加工性が優れたものとなり、品位の優れた仮撚加工糸を、容易に得ることができる。
本発明の第6の発明によれば、トータル繊度が10〜20dtexの仮撚加工糸を用いて、製編織を行うので、製編織時の糸切れを減少させることができ、さらに製編織した後、第2成分を溶解除去して、基布を構成する糸(溶解後の仮撚加工糸)のトータル繊度を5〜10dtexとするので、これまでにないような薄くてソフトな風合いの基布を工業的に安定して得ることができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の仮撚加工糸は、ポリエステルからなる第1成分と第1成分より溶解性の大なる熱可塑性樹脂からなる第2成分とからなる複合繊維マルチフィラメントからなる。
上記第1成分に用いるポリエステルとしてはジカルボン酸成分とジヒドロキシ成分からなるものであり、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートなどが挙げられる。なかでも、熱収縮率や湿熱収縮などの熱による寸法安定性がよく、安価なポリエチレンテレフタレートを好適に用いることができる。
本発明の第2成分は、第1成分より溶解性の大なる熱可塑性樹脂からなる。
上記第2成分は、第1成分より溶解性が大きいものであれば特に限定するものではないが、共重合ポリエステルや水溶性熱可塑性樹脂を好適に用いることができる。
上記共重合ポリエステルとしては、例えば、(1)ポリアルキレングリコール類を5〜16重量%添加した共重合ポリエステル、(2)金属スルホネート基含有イソフタル酸を3モル%以上共重合した共重合ポリエステル、(3)ポリアルキレングリコールおよび金属スルホネート基含有イソフタル酸を共重合したポリエステル等が好適に挙げられる。
上記(1)の好適な態様として、ポリエチレングリコールを5〜16%共重合したポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
上記(2)の好適な態様として、5−ソジウムスルホイソフタレートを3モル%以上共重合したポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
上記(3)の好適な態様として、酸成分中に2.0〜3.0モル%の金属スルホネート基含有イソフタル酸成分および、平均分子量が1000〜10000のポリアルキレングリコール9.0〜13.0重量%を共重合した共重合ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。この共重合ポリエチレンテレフタレートに含まれるジエチレングリコールは、グリコール成分中4.7〜5.7モル%であることが好ましい。またポリエチレンテレフタレートの極限粘度の最大値[η]maxと最小値[η]minの比は、1.0≦[η]max/[η]min≦1.02であることが好ましい。
なお、上記(3)のポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコールが好ましく、上記(3)の金属スルホネート基含有イソフタル酸としては、5−金属スルホイソフタル酸ジメチル(以下、SIPMと呼ぶことがある)又はSIPMのジメチル基をエチレングリコールでエステル化させた化合物(以下SIPEと呼ぶことがある)が好ましい。
上記共重合ポリエステルとしては、アルカリ溶解性に優れる点から、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであり、SIPMまたはSIPEを酸成分中に2.0〜3.0モル%と、平均分子量が1000〜10000のポリエチレングリコールをポリエステル中に9.0〜13.0モル%とを共重合し、グリコール成分中4.7〜5.7モル%のジエチレングリコールを含有した共重合ポリエステルを、特に好ましく用いることができる。
上記水溶性熱可塑性樹脂としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースやポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリメチルビニルエーテル、ポリイソプロピルアクリルアミドなどが挙げられ、溶解性および取扱性の点から、ポリビニルアルコールが好ましい。
また好適なポリマーの組み合わせとして、第1成分がホモポリエステル、第2成分が共重合ポリエステルからなるものが挙げられる。なかでも、第1成分がポリエチレンテレフタレート、第2成分が共重合ポリエチレンテレフタレートからなるものが汎用的で好ましい。
別の好適なポリマーの組み合わせとして、第1成分がポリエチレンテレフタレート、第2成分が水溶性熱可塑性樹脂からなるものが挙げられる。
本発明の複合繊維マルチフィラメントの繊維横断面形状は第2成分の熱可塑性樹脂が少なくとも一部剥き出しになっている形状が好ましい。例えば、図1に示すものが挙げられる。図1(a)は、第1成分のポリエステルが芯部で第2成分の溶解性の大なる熱可塑性樹脂が鞘部である芯鞘形状のものであり、図1(b)は第1成分のポリエステルと第2成分の溶解性の大なる熱可塑性樹脂が並列に並んだサイドバイサイド形状のものであり、図1(c)は第2成分の溶解性の大なる熱可塑性樹脂を第1成分のポリエステルで挟んだハンバーガー形状のものである。なかでも2つの熱可塑性樹脂が並列に並んでいるサイドバイサイド形状が溶解性および取扱性の点から好ましい。
なお、溶解性の大なる第2成分は、繊維表面に露出の大きい方が、後工程で溶解除去しやすく、具体的には第2成分が繊維表面に30%以上露出していることが好ましい。芯地用基布の生産性およびコストの点からは、第2成分の繊維表面の露出の上限は90%程度がより好ましい。
第1成分と第2成分の比率(重量比)は、仮撚加工性の点から、10:90〜90:10が好ましい。後工程でトータル繊度を細くし易い点から、25:75〜85:15がより好ましく、特に、40:60〜60:40が好ましい。
次に本発明の仮撚加工糸について説明する。
本発明の仮撚加工糸のトータル繊度は、10〜20dtexである。この範囲であれば、後工程で溶解除去して薄くてソフトな芯地用基布を得やすい上、仮撚加工性も製編織性も優れたものとなる。またこの仮撚加工糸の単糸数は、ソフトな風合いを得るという点からは、単糸数が多い方が好ましいが、透明性を高めるには単糸数が少ない方が好ましく、具体的には6〜12本程度が好ましい。また仮撚加工糸の単糸繊度は、0.6〜3.5dtexが好ましく、0.8〜1.8dtexがより好ましい。
上記仮撚加工糸は、延伸糸を仮撚しても、半延伸糸を仮撚してもよい。なかでも高速紡糸法により得られた半延伸糸を仮撚するのが好ましい。すなわち、高速紡糸法により得られた半延伸糸を仮撚することで生産性良く、安定して、バルキー性および伸縮性の高い仮撚加工糸が得られるので、製編織して第2成分を溶解除去した後の芯地用基布はよりソフトな風合いを得られることになる。
上記仮撚加工糸の引張強さは、1.8〜3.8cN/dtexが好ましく、伸び率は、15〜35%が好ましい。また伸縮復元率(以下、CRということがある)は、20〜40%が好ましく、より好ましくは25〜35%である。このような範囲のものであれば、製編織の操業性および芯地用基布の品位が優れたものとなる。
次に、本発明の仮撚加工糸の製造方法の好適な例を示す。
上記第1成分と上記第2成分とを高速紡糸法により上記の繊維横断面形状をもつように複合紡糸して、トータル繊度15〜30dtex、フィラメント数6〜12本の半延伸糸を得る。
次いで、得られた半延伸糸に延伸仮撚加工を施して、トータル繊度が10〜20dtexの仮撚加工糸を得る。尚、仮撚加工の条件は、糸速度が、400〜700m/分、延伸倍率が1.3〜1.8倍、ヒーター温度は、150〜240℃が好ましい。
また得られた仮撚加工糸に流体交絡などの交絡処理を適宜施してもよい。交絡処理を施す場合、交絡数は40個/m以上が好ましく、60個/m以上がより好ましい。
次に、本発明の仮撚加工糸を用いた芯地用基布の製造方法の例を示す。
上記で得られた仮撚加工糸を少なくとも一部に使用し、製編織して生機を得る。
ここで、本発明の芯地用基布は織物でも編物でも構わないが、芯地に必要なハリ・コシを保ったまま薄地化が容易な点で織物が好ましい。織物の場合、織組織は特に限定するものではないが、平織、綾織、朱子織が好ましく、特に平織が他の織組織に比べ経糸・緯糸の交差点が多いために、薄地でありながら目よれがし難く好ましい。
生機のカバーファクター(以下CFという)は400〜900が好ましく、500〜700がより好ましい。この範囲であると、薄さ、透明性に優れた基布を得やすい。CFが小さすぎると、透明性は増すが粗い織物になり経糸や緯糸がずれやすく、目よれして品質の安定した基布を得られ難くなる。またCFが大きすぎると緻密な織物となり、薄さと透明性を得ることが困難になる。この範囲のCFをもつ生機を、後述のように第2成分を溶解除去することにより、薄くて軽くて透明性に優れたソフトな芯地用基布を容易に得られやすくなり、好ましい。なお、カバーファクターは下式で求められる。
Figure 0005669577
次いで解反−ソフサー−プレセットを行った後、第2成分を除去し、必要に応じて染色加工を施し芯地用基布に仕上げる。
第2成分が、共重合ポリエステルの場合は、第2成分をアルカリ水溶液に浸漬して、アルカリ溶解して除去することが好ましい。例えば、2〜4%のNaOH水溶液に、95℃以上で、30〜50分程度、アルカリ処理することが好ましい。
第2成分が水溶性熱可塑性樹脂からなる場合は、熱水により溶解除去することが好ましい。
第1成分と第2成分とからなる上記複合繊維マルチフィラメントからなる仮撚加工糸を製編織した後、第2成分を溶解除去することにより、製織編時にも、操業や品質に問題なく容易に生機を製造することができ、得られた芯地用基布は、従来にない薄くて透明なものが得られる。
また、このようにして得られた芯地用基布のカバーファクター(CF)は、300〜800、なかでも、400〜600が好ましい。この範囲であると、薄さ、透明性に優れた基布となり易い。CFが小さすぎると、透明性は増すが粗い織物になり経糸や緯糸がずれやすく、目よれして品質の安定した製品を得られ難くなる。またCFが大きすぎると緻密な織物となり、薄さと透明性を得ることが困難になる。また、このように製造して得られた芯地用基布において、CFがこの範囲であると、透明性を保つことが容易なうえ、接着用芯地とする際に接着剤のドッをのせやすく、表地に接着した際の剥離強度も維持でき、芯地として必要な機能が得られやすくなり、好ましい。
このようにして得られた芯地用基布の目付は4〜10g/mであることが、薄さ、軽量化の点から好ましい。この範囲であると、本発明の製造方法によれば、薄地でありながら目よれし難い芯地用基布を得ることができる。
上記芯地用基布の伸度は10〜50%であることが表地への追随性がよく好ましい。この範囲であると、表地と芯地を接着した場合、カール現象を起こしたり、部分剥離を生じてふくれやしわになることが少ない。
本発明の芯地用基布を構成する糸(第2成分を溶解除去後の仮撚加工糸)のトータル繊度は、透明性に優れ、薄くソフトなものとするためには5〜10dtexが好ましい。また芯地用基布を構成する糸の単糸数は、ソフトな風合いを得るという点からは、単糸数が多い方が好ましいが、透明性を高めるには単糸数が少ない方が好ましく、具体的には6〜12本程度が好ましい。また単糸繊度は、透明性に優れソフトな風合いを得る点から、0.2〜1.7dtexが好ましく、0.4〜1.0dtexがより好ましい。
このような方法によれば、透明性、ソフト性、寸法追随性に優れた細物の芯地用基布を安定して製造することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。なお、本発明は以下に述べる実施例に限定されるものではない。
なお、測定方法は下記に従った。
〔引張強さ・伸び率〕
JISL1013 8.5.1に準拠して、低速伸長形の試験機を用いてつかみ間隔50cm、引張速度300mm/分の条件で測定した。
〔伸縮復元率〕
JISL1013 8.12に準拠して伸縮復元率を算出した。
〔実施例1〕
極限粘度[η]=0.630の酸化チタンを0.4%含むポリエチレンテレフタレートと、極限粘度[η]=0.770で、SIPEを酸成分に対し2.3モル%および平均分子量8000のポリエチレングリコール10重量%を共重合させたジエチレングリコールの含有量が5.5モル%であるポリエチレンテレフタレートとをそれぞれ別々に溶融し、紡糸口金から複合比50重量%:50重量%の27dtex/12fの複合サイドバイサイドマルチフィラメントを複合糸として高速紡糸法により紡糸して、温度295℃で吐出後、冷却して油剤を付与して3200m/分で巻き取って半延伸糸を得た。得られた半延伸糸を、高速仮撚機にて糸速600m/分、DR1.60、D/Y1.80、ヒーター温度180℃の条件で延伸仮撚し、繊度:17.3dtex、引張強さ:2.10cN/dtex、伸び率:18.9%、伸縮復元率:31.9%の仮撚加工糸を得た。
得られた仮撚加工糸を経糸および緯糸に用い、ウォータージェットルーム織機により、経密度が85本/2.54cm、緯密度が54本/2.54cmの平織組織を機上乾燥して織り上げて生機を得た。得られた生機を解反、ソフサー、乾燥した後、高減量処理(NaOH2%水溶液、30分、95℃以上)を行って、共重合ポリエステル部分である50重量%を除去し、染色、仕上げセットし、芯地用基布を得た。得られた基布は、目付け6g/m、伸度20%、経密度106本/2.54cm、緯密度66本/2.54cm、CFが480で、経・緯共、トータル繊度が8.5dtexの仮撚加工糸から構成され、透明度が高く、極めて薄くて軽量のものだった。またこの基布は目よれもなく、ソフトで、ドレープ性に優れたものであった。
(実施例2)
仮撚加工に用いる半延伸糸の繊度を、20dtex/12fに変更した以外は実施例1と同様に仮撚加工を施して、繊度:12.8dtex、引張強さ:2.17cN/dtex、伸び率:19.2%、伸縮復元率:28.4%の仮撚加工糸を得た。得られた仮撚加工糸を経糸および緯糸に用い、実施例1と同様に芯地用基布を得た。得られた基布は、経・緯共、トータル繊度が6dtexの仮撚加工糸から構成され、透明度が高く、極めて薄くて軽量のものだった。またこの基布は目よれもなく、ソフトでドレープ性も良好であった。
(実施例3)
芯成分として、極限粘度[η]=0.630の酸化チタンを0.4%含むポリエチレンテレフタレート、鞘成分として、極限粘度[η]=0.770で、SIPEを酸成分に対し2.3モル%および平均分子量8000のポリエチレングリコール10重量%を共重合させたジエチレングリコールの含有量が5.5モル%であるポリエチレンテレフタレートとをそれぞれ別々に溶融し、紡糸口金から複合比50重量%:50重量%の27dtex/12fの芯鞘複合型マルチフィラメントを複合糸として高速紡糸法により紡糸して、半延伸糸を得た。得られた半延伸糸を、高速仮撚機にて糸速600m/分、DR1.60、D/Y1.80、ヒーター温度170℃の条件で延伸仮撚し、繊度:17.1dtex、引張強さ:2.05cN/dtex、伸び率:17.4%、伸縮復元率:26.8%の仮撚加工糸を得た。得られた仮撚加工糸を経糸および緯糸に用い、実施例1と同様に芯地用基布を得た。得られた基布は、目付け6g/m、伸度18%、経密度105本/2.54cm、緯密度62本/2.54cm、CFが463で、経・緯共、トータル繊度が8.5dtexの仮撚加工糸から構成され、透明度が高く、極めて薄くて軽量のものであった。またこの基布は目よれもなく、ソフトでドレープ性も良好であった。
(比較例1)
27dtex/12fのポリエチレンテレフタレートの半延伸糸を、高速仮撚機にて糸速680m/分、DR1.60、D/Y1.80、ヒーター温度190℃の条件で延伸仮撚し、繊度:17.4dtex、引張強さ:3.82cN/dtex、伸び率:21.4%、伸縮復元率:35.3%の仮撚加工糸を得た。
得られた仮撚加工糸を経糸および緯糸に用い、ウォータージェットルーム織機により、経密度が85本/2.54cm、緯密度が54本/2.54cmの平織組織を機上乾燥して織り上げて生機を得た。得られた生機を解反、ソフサー、乾燥した後、染色、仕上げセットを行って、芯地用基布を得た。得られた基布は、経密度110本/2.54cm、緯密度68本/2.54cm、CFが704であった。得られた基布は、肉厚なものとなり、軽量の芯地は得られなかった。
(比較例2)
17dtex/12fのポリエチレンテレフタレートの半延伸糸を、高速仮撚機にて糸速550m/分、DR1.65、D/Y1.80、ヒーター温度190℃の条件で延伸仮撚し、繊度:10.1dtex、強度:3.51cN/dtex、伸度:16.2%、伸縮復元率:31.3%の仮撚加工糸を得た。
得られた仮撚加工糸を経糸および緯糸に用い、比較例1と同様に芯地用基布を得た。得られた基布は、経密度113本/2.54cm、緯密度70本/2.54cm、CFが552であった。得られた基布は、軽量ではあるが、目よれが生じ、実用に耐え得るものではなかった。
(比較例3)
11dtex/12fのポリエチレンテレフタレートの延伸糸を、高速仮撚機にて糸速500m/分、DR1.04、D/Y2.0、ヒーター温度190℃の条件で仮撚加工を試みたが、仮撚加工が困難であり、仮撚加工糸を製造することができなかった。
実施例1〜3のものは、紡糸操業性、仮撚操業性および製織性のいずれも優れたものであった。また得られた基布は、透明性に優れ、薄くて軽く、目よれもなくソフトでドレープ性に優れたものだった。紡糸操業性については実施例1が、透明性については、実施例2が特に優れていた。比較例1は、仮撚操業性および製織性に優れていたが、得られた基布は肉厚なもので、実施例品と比べて、透明性にも劣るものであった。比較例2は、製織に用いる仮撚加工糸が細いため、仮撚操業性が悪く、製織性や生機の品位にも問題があった。また基布としては、薄いものではあるが、目よれがあり実用的なものでなく、ソフト性にも劣っていた。比較例3は、仮撚する対象の延伸糸が細いため、仮撚ができず、芯地用基布を得ることができなかった。
実施例1〜3、比較例1〜3の結果を、表1に示す。
Figure 0005669577
なお、表1において、仮撚操業性およびソフト性は、良好なものから順に○、△、×とした。紡糸操業性および透明性は、優れたものから順に、◎、○、△、×とした。目よれは、得られた基布に目よれがないものを○、少しあるものを△、あるものを×とした。
本発明に用いる複合繊維マルチフィラメントの横断面形状の例を示す。
1 第1成分
2 第2成分

Claims (6)

  1. ホモポリエステルからなる第1成分と下記(a)〜(c)から選択される第2成分とからなる複合繊維マルチフィラメントからなり、トータル繊度が10〜20dtexの仮撚加工糸。
    (a)金属スルホネート基含有イソフタル酸を3モル%以上共重合した共重合ポリエステル
    (b)ポリアルキレングリコールおよび金属スルホネート基含有イソフタル酸を共重合したポリエステル
    (c)熱水により溶解する水溶性熱可塑性樹脂
  2. 第1成分と第2成分がサイドバイサイドに複合している請求項1記載の仮撚加工糸。
  3. 第2成分が(b)であって、金属スルホネート基含有イソフタル酸が、5−金属スルホイソフタル酸ジメチル又は5−金属スルホイソフタル酸ジメチルのジメチル基をエチレングリコールでエステル化させた化合物である請求項1または2記載の仮撚加工糸。
  4. 第1成分と第2成分の重量比が、10:90〜90:10である請求項1または2記載の仮撚加工糸。
  5. ホモポリエステルからなる第1成分と下記(a)〜(c)から選択される第2成分とからなり、トータル繊度が15〜30dtexの複合繊維マルチフィラメントからなる高速紡糸法により得られた半延伸糸を、延伸仮撚してトータル繊度が10〜20dtexの仮撚加工糸を製造する方法。
    (a)金属スルホネート基含有イソフタル酸を3モル%以上共重合した共重合ポリエステル
    (b)ポリアルキレングリコールおよび金属スルホネート基含有イソフタル酸を共重合したポリエステル
    (c)熱水により溶解する水溶性熱可塑性樹脂
  6. 請求項1または2記載の仮撚加工糸を製織して織物を得る工程(1)、および前記工程(1)により得られた織物の第2成分を溶解除去して、トータル繊度5〜10dtex、単糸繊度0.2〜1.7dtexの織物を得る工程(2)からなる芯地用基布の製造方法。
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