JPH0515390U - 電界発光素子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電界発光素子のみで所望の形状の表示がなさ
れ、しかも、製造に際し、各層の膜厚管理が行い安く、
容易に所望の電界発光素子を得られる。 【構成】 透明電極フィルム（透明電極）５，発光層
４，絶縁層２及び背面電極１とを積層してなる電界発光
素子において、透明電極１と発光層４との間に物性値の
異なる誘電体層３を所望の形状にて設ける。物性値の差
により、誘電体層を設けた個所とそれ意外の個所とで輝
度の濃淡が生じ、誘電体層の形状に応じた表示がなされ
る。 【効果】 電界発光素子のみで所望の形状の表示がなさ
れる。しかも、誘電体層の選択及び形状の設定は容易に
選択できるため、製造が容易である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、分散型の電界発光素子に関し、特に点灯時に所望の形状の表示を輝 度の濃淡で行うものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種電界発光素子は、大面積の表示素子として近年実用化されており、電界 表示素子のみで所望の形状を表示するものとして、例えば、図３で示すように、 実公平１−３５４４０号公報がある。同図において、１はアルミ板等でなる背面 電極、２は表示されるべき所望の形状が印刷等の手段により背面電極１上にエポ キシ樹脂等の絶縁物質を用いて形成されてなる絶縁層、３は背面電極１または絶 縁層２上にチタン酸バリウムなどの高誘電体物質をシアノエチル化等により誘電 率を高めた熱可塑性バインダ−に分散せしめ溶媒によりペ−スト状にしたものが 印刷の後乾燥されてなる誘電体層、４は硫化硫黄等の螢光体を熱可塑性バインダ −に分散せしめペ−スト状にしたものが塗布されてなる発光層、５は酸化インジ ウム等の透明導電材料が蒸着されたポリエステル等でなる透明電極フィルム、６ は背面電極１または透明電極フィルム５を被覆するナイロン系の補水層フィルム 、７は素子全体を被覆するフッ素系フィルム、８は背面電極１または透明電極フ ィルム５に接続されたリ−ド端子である。

【０００３】 かかる電界発光素子は、リ−ド端子８を介して背面電極１および透明電極フィ ルム５に電界を加えると、絶縁層２の表示形状に従って発光層４が発光し、背面 電極１上に絶縁層２が形成されていない部分の発光層４は地部分として発光しな い。従って、電界発光素子のみで絶縁層２によって所望の形状で表示を行うこと ができる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、絶縁層２は通常20〜30ミクロンで、パタ−ン印刷は困難である。し かも、その上に形成される誘電体層３は通常２〜３ミクロンで、これを絶縁層２ と同程度の厚さで印刷することは困難である。すなわち、誘電体は粘度が低いた めキヤステイング時に流れやすく、粘度を上げると気泡が入りやすい。従って、 前記従来技術による電界発光素子の製造は極めてむずかいしいものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記問題に着目し、本考案は、透明電極，発光層，絶縁層及び背面電極とを積 層してなる電界発光素子において、前記透明電極と前記発光層との間に、前記発 光層のバインダ−と比べて前記透明電極との接着性が良い誘電体層を所望の形状 にて設けた。更に、他の構成として、透明電極，発光層，絶縁層及び背面電極と を積層してなる電界発光素子において、前記透明電極と前記発光層との間に、前 記発光層のバインダ−と比べて誘電率の異なる誘電体層を所望の形状にて設けた 。

【０００６】

【作用】

電界発光素子のみで所望の形状の表示がなされ、しかも、製造に際し、各層の 膜厚管理が行いやすく、容易に所望の電界発光素子を得ることができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付図面に基づき説明するが、図３で示した前記従来 例と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。

【０００８】 図１は、本考案の一実施例を示しており、絶縁層２と発光層４とを積層形成し た後、誘電体層３を所望の形状にて形成するが、絶縁層２と発光層４とのバイン ダ−としてシアノエチル化プルラン、誘電体層３のバインダ−としてシアノエチ ル化ポバ−ルを用いている。

【０００９】 この構成によれば、透明電極フィルム（透明導電材料）５に対して、シアノエ チル化プルランは接着性が良くないが、シアノエチル化ポバ−ルは良好である。 従って電界強度に差が生じ、誘電体層３に応じた形状で輝度の濃淡の差による表 示がなされる。

【００１０】 なお、バインダ−として前記実施例では接着性の異なるものを用いたが、誘電 率の異なるものの組合せでも前記実施例と同様に誘電体層３に応じた形状で輝度 の濃淡の差による表示を行うことができる。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は、透明電極，発光層，絶縁層及び背面電極とを積層してなる電界発光 素子において、透明電極と発光層との間に、発光層のバインダ−と比べて透明電 極との接着性が良い、あるいは、発光層のバインダ−と比べて誘電率の異なる、 物性値の異なる誘電体層を所望の形状にて設けることにより、電界発光素子のみ で所望の形状の表示がなされ、しかも、製造に際し、各層の膜厚管理が行いやす く、容易に所望の電界発光素子を得ることができる電界発光素子を提供すること ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の要部断面図。

【図２】同上実施例の正面図。

【図３】従来例の要部断面図。

【符号の説明】

１ 背面電極 ２ 絶縁層 ３ 誘電体層 ４ 発光層 ５ 透明電極フィルム

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 透明電極，発光層，絶縁層及び背面電極
   とを積層してなる電界発光素子において、前記透明電極
   と前記発光層との間に、前記発光層のバインダ−と比べ
   て前記透明電極との接着性が良い誘電体層を所望の形状
   にて設けることを特徴とする電界発光素子。
2. 【請求項２】 透明電極，発光層，絶縁層及び背面電極
   とを積層してなる電界発光素子において、前記透明電極
   と前記発光層との間に、前記発光層のバインダ−と比べ
   て誘電率の異なる誘電体層を所望の形状にて設けること
   を特徴とする電界発光素子。