JPH0515337U - 気密端子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 絶縁材タイプの気密端子において、アースを
容易に形成できる構造を提供することを目的とする。 【構成】 金属枠７とこの金属枠の下部に設けられた絶
縁材４とこの金属枠内側および絶縁材で構成される気密
空間５と、気密空間と外部とに貫通するように絶縁材に
封着されたリード端子３とからなる気密端子において、
気密端子は少なくとも一つのアースリード６を有すると
共に、アースリードは気密空間に突出するアースリード
インナー部６１とこのアースリードインナー部に接続
し、気密端子外部に露出するアースリードアウター部６
２を有し、アースリードインナー部は金属枠に形成され
ている。 【効果】 容易に水晶フィルターなどの部品を気密に封
入可能な気密端子を製造することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の技術分野】

本考案は気密端子、さらに詳細には水晶フィルタなど、少なくとも一つがアー スリードとして使用される部品を気密に封入する表面実装式の気密端子に関する 。

【０００２】

【従来技術および問題点】

上述のような気密端子は、図５に示すように金属製の箱状体１の底面１１にリ ード端子挿通孔２を設けると共に、このリード端子挿通孔２にリード端子３を挿 通し、絶縁材４で封着した構造になっている。この種の気密端子は、いわゆる縦 だし（ＤＩＰタイプ）と呼ばれるもので、回路基板に形成されたスルホールに前 記リード端子３を嵌挿し、半田などで固定する。

【０００３】 このような気密端子において、気密空間５に水晶フィルタ等少なくとも一つの アースリード６を必要とする部品を気密に封入する場合、前記アースリード６を リード端子挿通孔２の一つにロー付けする、等の方法で導通的に封着し、アース リード６を形成していた。この場合、アースリード６と箱状体１は電気的に接続 することになるため箱状体１全体がアースとなる。

【０００４】 しかしながら、絶縁材よりなる箱状体の上端面部に金属枠を設け、前記絶縁材 の側壁などにリード端子を封着したタイプの気密端子においては、前記リード端 子を金属枠と電気的に接続しなければならないが、上述のような絶縁材タイプの 気密端子においては金属枠と導通させる方法が困難で、現在においては、上述の ような絶縁材タイプの気密端子はほとんど使用されていない。

【０００５】 本考案は上述の点に鑑みなされたものであり、絶縁材タイプの気密端子におい て、アースを容易に形成できる構造を提供することを目的とする。

【０００６】

【問題点を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案による気密端子は、金属枠とこの金属枠の下 部に設けられた絶縁材とこの金属枠内側および前記絶縁材で構成される気密空間 と、前記気密空間と外部とに貫通するように前記絶縁材に封着されたリード端子 とからなる気密端子において、前記気密端子は少なくとも一つのアースリードを 有すると共に、前記アースリードは気密空間に突出するアースリードインナー部 とこのアースリードインナー部に接続し、気密端子外部に露出するアースリード アウター部を有し、前記アースリードインナー部は前記金属枠に形成されている ことを特徴とするものである。

【０００７】

【実施例】

図１は本考案の実施例の断面図、図２はその実施例の製造工程の一例を示した 図であるが、この実施例より明らかなように、本考案による気密端子は、金属枠 ７の下部に平板状の絶縁材４を設けると共に、鉤状のリード端子３を封着してい る。そして気密空間５は前記金属枠７の内側と前記絶縁材４とにより構成され、 この気密空間５に水晶フィルタなどの部品が装着されると共に、蓋（図示せず） を被せて気密に封入するようになっている。

【０００８】 前記鉤状のリード端子３は気密空間５と外部とに連通するように絶縁材４の表 裏を垂直に貫通し、絶縁材４の裏面に沿って折曲され、横方向に伸長している。

【０００９】 本考案においては図２に示すように、前記金属枠７は上部金属枠７１と下部金 属枠７２を有しており、上記下部金属枠７２には内側に突出する平板状のアース リードインナー部６１が一体的に形成されている。そして上記上部金属枠７１お よび下部金属枠７２はロー付けなどによって接着され、一体化される。

【００１０】 前記アースリードインナー部６１に小孔６１１を穿設した後、同様に貫通孔４ １１を有するガラスブロック４１を下部に重ねると共に、鉤状のアースリードア ウター部６２を前記貫通孔４１１を貫通して前記アースリードインナー部６１の 小孔６１１に嵌入し、ロー付けによって導通的に接着する。この後、ガラスブロ ック４１を溶融し、相互に一体化することにより図１に示すような気密端子を製 造することができる。

【００１１】 あるいはアースリードインナー部６１を小孔６１１に嵌入した後、ガラスブロ ック４１を溶融し、相互に一体化した後、前記アースリードインナー部６１およ びアースリードアウター部６２が導通するように導電性接着剤を使用し、回路部 品を装着することにより、導通的に接着することもできる。

【００１２】 このように構成することにより、アースリードインナー部６１とアースリード アウター部６２よりなるアースリード６が形成され、前記アースリード６は金属 枠７と電気的に導通するため、金属枠７はアースリード６と共にアースとなる。

【００１３】 図３は本考案の第二の実施例の断面図、図４はこの第二の実施例を製造するた めの説明図であるが、この図より明らかなように、上部金属枠７１の下部に重ね られ一体化される下部金属枠７２は下部金属枠７２の内側方向に突出してアース リードインナー部６１が形成されており、枠７２の外部方向に突出してアースリ ードアウター部６２が形成されている。すなわち、アースリード６は下部金属枠 ７２に一体的に設けられている。このアースリードアウター部６２は絶縁材４の 壁面に沿うように、そして外部方向に伸長するように鈎状に折曲されている。

【００１４】 この場合、前記上部金属枠７１と下部金属枠７２を重ね合わせ、下部金属枠７ ２の下部にさらに、ガラスブロック４１を配設して、溶融一体化すればよい。

【００１５】

【作用】

本考案による気密端子によれば、金属枠７の内側に突出してアースリードイン ナー部６１を設け、このアースリードインナー部６１にアースリードアウター部 ６２を絶縁材４によって封着するあるいは前記金属枠外側にアースリードアウタ ー部６２を形成することによって、アースリード６は気密空間５と外部とに貫通 し、かつ金属枠７と導通するようになる。このため、アースリードインナー部６ １をアースとして使用可能になると共に、金属枠もアースとして使用できるよう になる。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、金属枠７と絶縁材４より構成され、か つ前記絶縁材４にリード端子３が封着された気密端子において、金属枠７の内側 に突出してアースリードインナー部６１を一体的に設け、かつ前記アースリード インナー部６１にアースリードアウター部６２を接続するようにしたため、上記 のタイプの気密端子において、容易に水晶フィルターなどの部品を気密に封入可 能な気密端子を製造することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例の断面図。

【図２】 前記実施例の製造を示す説明図。

【図３】 第二の実施例の断面図。

【図４】 前記実施例の製造を示す説明図。

【図５】 従来の気密端子の斜視図。

【符号の説明】

３ リード端子 ４ 絶縁材 ５ 気密空間 ６ アースリード ６１ アースリードインナー部 ６２ アースリードアウター部 ７ 金属枠

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属枠とこの金属枠の下部に設けられた
   絶縁材とこの金属枠内側および前記絶縁材で構成される
   気密空間と、前記気密空間と外部とに貫通するように前
   記絶縁材に封着されたリード端子とからなる気密端子に
   おいて、前記気密端子は少なくとも一つのアースリード
   を有すると共に、前記アースリードは気密空間に突出す
   るアースリードインナー部とこのアースリードインナー
   部に接続し、気密端子外部に露出するアースリードアウ
   ター部を有し、前記アースリードインナー部は前記金属
   枠に形成されていることを特徴とする気密端子。
2. 【請求項２】 前記金属枠は上部金属枠と下部金属枠よ
   りなり、前記下部金属枠にアースリードインナー部が形
   成されていると共に、前記アースリードインナー部に接
   続して鉤状のアースリードアウター部が絶縁材に封着さ
   れていることを特徴とする請求項１記載の気密端子。
3. 【請求項３】 前記金属枠は上部金属枠と下部金属枠よ
   りなり、前記下部金属枠にアースリードインナー部とア
   ースリードアウター部が一体的に形成されていることを
   特徴とする請求項１記載の気密端子