JPH0126144Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、高周波回路等の電子回路ブロツクを
シールド板を介して接続するための電子回路ブロ
ツクの接続構造の改良に関する。

高周波機器たとえばUHF帯の電波をVHF帯に
変換するコンバータは複数の高周波回路ブロツク
により構成されている。かゝる高周波機器の収納
ケースとしては箱形の金属ケース内部をシールド
板により仕切り、これにより各高周波回路ブロツ
ク毎に区画室が形成されたシールドケースが用い
られている。そして、高周波機器の組立はまず回
路基板上にコンデンサ、抵抗、トランジスタなど
の高周波回路部品を組込んでなる高周波回路ブロ
ツクを各区画室の中に実装し、ついでシールド板
を貫通する接続端子にてこれら高周波回路ブロツ
ク間を電気的に接続し、あるいはシールドケース
の外枠を貫通する端子により外部と電気的に接続
し、最後にシールドケースに金属カバーを取付け
ることにより行われる。

この様な高周波回路ブロツクのシールド板間を
介する接続構造として従来第１図の構造が知られ
ていた。図中、１は箱形の金属ケース枠体で、２
は区画室を形成するシールド板、３，６は各々高
周波回路ブロツクの一部、４は接続端子としての
貫通コンデンサ、５は金属カバーであり、シール
ド板２を介して高周波回路ブロツク３，６を、シ
ールド板２の取付穴２ａに取付けられた貫通コン
デンサ４の端子に各々接続するものであつた。こ
の従来の接続構造では、シールド板２の取付穴２
ａに横方向から貫通コンデンサ４を嵌合し、次に
貫通コンデンサ４をシールド板２に接着剤等で固
定し、更にリード線を用いてハンダ付けにより高
周波回路ブロツク３，６の各々と貫通コンデンサ
４とを接続する必要がある。

このため、従来の接続構造では、貫通コンデン
サ４をシールド板２の取付穴２ａに横方向から挿
入するため、人手に頼らざるを得ず、又固定のた
めに接着剤等を塗布する作業が必要で、取付け作
業性が悪く、又自動化も困難であるという欠点が
あつた。しかも電気的接続にリード線を半田付け
しているため、これまた人手に頼らざるを得ず、
半田付け作業も手間がかかるという欠点もあつ
た。更に高価な貫通コンデンサを接続端子に用い
ているので、コスト低下が図れないという欠点も
生じていた。

従つて、本考案の目的は、取付けが容易で半田
付けも容易で自動化に適した電子回路ブロツクの
接続構造を提供するにある。

以下、本考案を実施例に従い詳細に説明する。

第２図は本考案の一実施例全体図、第３図は第
２図実施例構成の部分断面図、第４図は第２図実
施例構成の要部斜視図であり、図中第１図と同一
のものは同一の記号で示してある。図において、
金属ケース枠体１は３個のシールド板２により４
個の区画室が形成され、各々の区画室に高周波回
路ブロツク３０，６０……が収納される。各シー
ルド板２の接続部位には、第４図に示す様にその
開放面に凹部２ｃが形成されており、凹部の下に
は固定孔２ｂが形成されている。７は本考案に係
る接続端子であり、第４図に示す様にほぼコ字状
に形成された絶縁物から成る嵌合体７ａが設けら
れ、コ字を形成する３辺の内、対向する２辺の
各々に溝部７ｃ側に突出する固定用爪としての突
出部７ｃが設けられ、他の一辺には接続用の金属
端子７ｄが埋め込まれている。金属端子７ｄはほ
ぼコ字状に形成され、両端には折曲部７ｅが形成
されている。そして嵌合体７ａの巾はシールド板
２の凹部の巾とほぼ等しく設定され、嵌合体７ａ
の溝部７ｂの深さはシールド板２の凹部２ｃの下
端から固定孔２ｂまでの距離に応じて設定され
る。

このように構成された接続構造について作用効
果を説明すると、先づ、接続端子７の溝部７ｂを
下にして、シールド板２の凹部２ｃに接続端子７
の嵌合体７ａを挿入する。嵌合体７ａの突出部７
ｃは第３図の如くシールド板２の固定孔２ｂに嵌
合し、且つ嵌合体７ａの金属端子７ｄの埋め込ま
れた辺はシールド板２の凹部２ｃに嵌合し、嵌合
体７ａの溝部７ｂもシールド板２の凹部２ｃと固
定孔２ｂの間の部位と嵌合し、第３図に示す如く
容易に抜くことが困難となり固定される。即ち、
単に接続端子７の挿入により接続端子７がシール
ド板２に取付け固定され、特に固定のため接続剤
等を要しない。このため、単に上方向からの挿入
動作のみでよいので、インサートマシンによつて
行うことが出来、取付けの自動化が可能となる。
一方、接続端子７の金属端子７ｄは、接続端子７
がシールド板２に挿入された際、その端部の折曲
部７ｅが高周波回路ブロツク３０，６０のリード
端子３０ａ，６０ａに接する様、その長さが設定
されているので、金属端子７ｄの折曲部７ｅは高
周波回路ブロツク３０，６０のリード端子３０
ａ，６０ａと接触する。この状態で折曲部７ｅと
リード端子３０ａ，６０ａとを半田付けすれば高
周波回路ブロツク３０，６０間の電気的接続も終
了する。従つて、従来の如くリード線を巻き付け
たりしなくても、単に接続端子７のシールド板２
への挿入後半田付けすれば良いから、半田付けの
作業性が極めて向上する。第２図の場合、枠体１
の各区画室に高周波回路ブロツクを収納し、次に
各シールド板２の凹部２ｃに接続端子７を挿入し
（これはインサートマシンで自動化出来る）、接続
端子７の金属端子７ｄと各高周波回路ブロツク３
０，６０……のリード端子３０ａ，６０ａ……と
を半田付けし、カバー５を枠体にかぶせて完成す
る。

以上説明した様に、本考案によれば、シールド
板の開放面に凹部を形成し、更に凹部の下に固定
孔を設け、コ字状絶縁物から成る嵌合体に金属端
子を埋込んだ接続端子を備え、接続端子の嵌合体
をシールド板の凹部に挿入し、嵌合体の突出部を
シールド板の固定孔に嵌合せしめて接続端子をシ
ールド板に取付けているので、接続端子の取付け
は単にシールド板開放面から接続端子を挿入すれ
ば良いから、取付け作業が極めて容易となり、製
造コストが低下しうるとともにインサートマシン
等によつて自動化も可能となるという効果を奏す
る。又、接続端子はシールド板に対し、上下方向
は固定孔と突出部の嵌合で、左右方向は凹部と嵌
合体の嵌合で、しつかりと固定され、特に接着剤
等を用いなくても良く、取付け作業の容易化、製
造コストの低下に寄与するという効果も生じる。
更に、接続端子に金属端子が設けられているの
で、容易に回路ブロツクのリード端子と半田付け
が行いうるため、半田付け作業の作業性が向上
し、製造コストの低下を得ることも出来、更に金
属端子の形状は回路ブロツクのリード端子に合わ
せて自由に設定できるため、一層半田付け作業が
容易となるという効果も得られる。しかも接続端
子はインサートモールド等極めて容易にしかも安
価に構成出来、接続端子自体のコストも低下する
という実用上優れた効果も奏するものである。

尚、本考案を一実施例によつて説明したが、本
考案はこれに限られず、本考案の主旨の範囲内で
種々の変形が可能であり、これらを本考案の範囲
から排除するものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の接続構造説明図、第２図は本考
案の一実施例全体図、第３図は第２図構成の部分
断面図、第４図は第２図構成の要部斜視図を示
す。 図中、１……金属ケース枠体、２……シールド
板、２ｂ……固定孔、２ｃ……凹部、３，６，３
０，６０……高周波回路ブロツク、５……カバ
ー、７……接続端子、７ａ……嵌合体、７ｃ……
突出部、７ｄ……金属端子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 一面が開放された枠体のシールド板で区分し
   て形成した複数の区画室にそれぞれ収納された
   電子回路ブロツク間を該シールド板を介して接
   続する電子回路ブロツクの接続構造において、
   該シールド板の開放面に凹部を形成するととも
   に該シールド板の凹部の下に固定孔を設け、且
   つ２つの対向辺の内側に突出部を設けたコ字状
   絶縁物から成る嵌合体の他の一辺に金属端子を
   埋め込んでなる接続端子を有し、該接続端子の
   嵌合体を該シールド板の凹部に挿入するととも
   に該接続端子の突出部を該シールド板の固定孔
   に嵌合せしめ、該接続端子の両端をそれぞれ該
   電子回路ブロツクに接続することを特徴とする
   電子回路ブロツクの接続構造。 (2) 前記接続端子の金属端子は、コ字状に形成さ
   れ且つ両端に折曲部を有することを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の電子回路
   ブロツクの接続構造。