JPH0142355Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の分野〕 本考案は気密パツケージ用カバー、さらに詳し
くは、従来の気密パツケージに被せることにより
上下方向の占有容積を低減可能なカバーに関する
ものである。

〔考案の背景〕

第１図は気密パツケージの一部断面斜視図であ
るが、この第１図より明らかなように、気密パツ
ケージは断面凸状のベース１にリード線挿通孔２
を穿設し、このリード線挿通孔２にリード線３を
挿通するとともに、このリード線３をガラスなど
の絶縁材４で封着した気密端子Ｔの前記リード線
３のインナー側先端に回路部品（図示せず）を接
続するとともに、キヤツプ５を被せ、ベース１の
接着フランジ１０およびキヤツプ５の接着フラン
ジ５０を圧接して前記回路部品を気密に封入して
なるものである。

このような気密パツケージを回路基版６に接続
する場合、下方に長く伸長したリード線３を半田
などにより接着するものであつた。

このように回路基板６に気密パツケージを接続
すると上下方向における占有容積が大きくなると
いう欠点があり、したがつてこの回路基板６によ
つて構成される電気機器などが大型になるという
短所を有していた。

〔考案の概要〕

本考案は上述の点に鑑みなされたものであり、
前記のようなリード線が下方に長く伸長する気密
パツケージに被せることにより、リード線の立ち
上がり部分を全くなくすことができるカバーを提
供することを目的とするものである。

したがつて、本考案による気密パツケージ用カ
バーは、絶縁層に気密パツケージのキヤツプに対
応する形状を有し、かつ前記キヤツプ部分を挿入
可能なスリーブを埋設した嵌挿部と、前記キヤツ
プの周縁より外側に張り出した気密パツケージの
フランジを支持するための肩部を有する支持部と
を備えた嵌挿穴と、前記絶縁層の外面に設けられ
たリード接続部とを有し、前記肩部はリード線を
前記リード接続部に接続したときに前記リード線
がフランジに接触しないように絶縁層の嵌挿穴が
開口している面より充分深くなつていることを特
徴とするものである。

〔考案の具体的説明〕

第２図は本考案の気密パツケージ用カバーの斜
視図、第３図は前記一実施例の底面図、第４図は
前記実施例の側断面図である。

これらの図より明らかなように本考案による気
密パツケージ用カバーは、方形状の絶縁材層２０
の角隅部に前記絶縁材層２０の両面に渡たりリー
ド接続部２１が埋設されているとともに、このリ
ード接続部２１のいずれかの下端部は絶縁材層２
０の底部において折曲され、前記絶縁材層２０の
底部に埋設された折曲部２１０を構成している。

さらに前記絶縁材層２０の底面の中央部には前
述の気密パツケージのキヤツプ５とほぼ相似形状
の空隙を有するかん挿穴２２が穿設されている。
このかん挿穴２２はやはり前記キヤツプ５と相似
形のスリーブ２３をかん挿するためのかん挿部２
２０と気密パツケージの圧接されたフランジ５０
および１０を支持するため肩部２２１を形成する
支持部２２２とよりなつている。そして前記スリ
ーブ２３は前記かん挿部２２０にかん挿されてカ
バーに取り付けられている。

前記肩部２２１は絶縁材層２０の底部（絶縁層
の嵌挿穴が開口している面）の水準面に比較して
深く形成されており、フランジ１０，５０を載置
しても前記フランジ１０，５０が前記底部の水準
面より突出しないようになつているとともに、前
記肩部２２１の深さはリード線３を折曲したとき
に前記フランジ１０，５０と接触しないような充
分な深さになつている。

前記スリーブ２３はこの絶縁材層２０を補強す
るとともに、キヤツプ５部分と相似形状の空隙を
構成しやすくするために埋設されるものであり、
実際に本考案によるカバーを製造するに際して
は、前記絶縁材層２０とほぼ同形状のガラスブロ
ツクの前記かん挿穴にスリーブ２３をかん挿し、
溶融してスリーブ２３の外壁に絶縁材層２０を形
成せしめる。

次ぎに本考案による気密パツケージ用カバーの
作用を説明する。

まず、キヤツプ５と相似形状で若干大きめであ
るスリーブ２３が埋設された本考案によるカバー
を用意し、このスリーブ２３に前記気密パツケー
ジのキヤツプ５部分をかん挿する。前記絶縁材層
２０に形成されたかん挿穴２２にはには肩部２２
１があり、このためフランジ１０，５０を有する
気密パツケージはこのフランジ１０，５０が前記
肩部２２１に当接支持されて、気密パツケージは
カバー内に収納される（第５図）。

気密パツケージのリード線３は横方向に折曲さ
れ、リード接続部２１の折曲部２１０に半田など
により接続される。この場合、かん挿穴２２の肩
部２２１の水準面は絶縁材層２０の底部の水準面
よりも、絶縁材層２０内にあるので、リード線３
はフランジ１０，５０に接触することなく、前記
折曲部２１０に接続されるようになる。

リード線３は長く伸長しているが、前記折曲部
２１０に接続した部分より先の部分を切断除去す
ることにより、特に上下方向に於ける占有容積を
減少させた気密パツケージを構成せしめることが
可能になる。

すなわち、第６図に示すように基板６に対して
前記カバーの被せられた気密パツケージを立設す
るとともに、前記絶縁材層２０の角隅部に埋設し
たリード線接続部２１に半田７を盛り上げること
により回路基板６に接続することが可能になるか
らである。

以上の説明においては、スリーブ２３の形状は
楕円柱状のものについて例として説明したが、本
考案においてこのスリーブ２３の形状は種々変化
することができ、このスリーブ２３の形状を変化
させることにより、カバー形状の種々異なる気密
パツケージに適用可能なカバーを提供できること
は明らかである。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案による気密パツケ
ージ用カバーによれば、従来のリード線が下方に
長く伸長した、いわゆる縦型気密パツケージにカ
バーを被せるだけで、リード線が伸長しない、い
わゆるリードレスの気密パツケージして使用可能
になるという利点がある。したがつて、占有容積
を低減できるリードレスの気密パツケージの需要
が高まつている現在、縦型気密パツケージをリー
ドレス型にすることが可能な本考案によるカバー
は、極めて実用的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は気密パツケージの一例を示す一部断面
斜視図、第２図は本考案による気密パツケージ用
カバーの一実施例の斜視図、第３図は前記実施例
の底面図、第４図は前記実施例の断面図、第５図
は気密パツケージを装着したカバーの断面図、第
６図は前記気密パツケージを装着した本考案によ
るカバーを基板に接着したときの側面図である。 １……ベース、２……リード線挿通孔、３……
リード線、４……絶縁材、５……キヤツプ、６…
…回路基板、７……半田、２０……絶縁材層、２
１……リード接続部、２３……スリーブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絶縁層に気密パツケージのキヤツプに対応する
   形状を有し、かつ前記キヤツプ部分を挿入可能な
   スリーブを埋設した嵌挿部と、前記キヤツプの周
   縁より外側に張り出した気密パツケージのフラン
   ジを支持するための肩部を有する支持部とを備え
   た嵌挿穴と、前記絶縁層の外面に設けられたリー
   ド接続部とを有し、前記肩部はリード線を前記リ
   ード接続部に接続したときに前記リード線がフラ
   ンジに接触しないように絶縁層の嵌挿穴が開口し
   ている面より充分深くなつていることを特徴とす
   る気密パツケージ用カバー。