JPH05151824A - 耐熱電線 - Google Patents

耐熱電線

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JPH05151824A
JPH05151824A JP3342276A JP34227691A JPH05151824A JP H05151824 A JPH05151824 A JP H05151824A JP 3342276 A JP3342276 A JP 3342276A JP 34227691 A JP34227691 A JP 34227691A JP H05151824 A JPH05151824 A JP H05151824A
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JP
Japan
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heat
electric wire
metal alkoxide
varnish
heat resistance
Prior art date
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Pending
Application number
JP3342276A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazufumi Hamabuchi
一文 濱渕
Shinichi Oda
愼一 小田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP3342276A priority Critical patent/JPH05151824A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 金属導体が、分子中にシロキサン結合を有す
るポリアミドイミドと、金属アルコキシドとの重縮合物
を主成分とする複合ポリマーで被覆されている。 【効果】 被覆層を構成する複合ポリマーがイミド化合
物に由来する柔軟性と金属アルコキシドに由来する耐熱
性,絶縁性を併せもつため、得られる耐熱電線は耐熱
性,絶縁性に富み、しかも加工性に富んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐熱電線に関し、特
に高温度の環境下において用いられる配線用電線や巻線
用電線等の耐熱電線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】耐熱電線は、加熱設備や火災報知器など
の高温下における安全性が要求される設備によく使用さ
れる。また、自動車内の高温雰囲気環境下においても使
用される。従来から、このような耐熱電線としては、金
属導体をポリイミドやフツ素樹脂等の耐熱性有機樹脂で
被覆した絶縁電線が使用されている。
【0003】しかしながら、このような絶縁電線は、耐
熱性がなく高温で使用するとガスを発生したり、絶縁層
が剥離して絶縁性が低下する等の問題がある。火力発電
所内の高温にさらされる部位の配線や、原子炉の制御用
機器に用いられる電線、ロケツト,ミサイル等の部品に
使用される電線は、特に耐熱性が要求される。また、モ
ーターや変圧器などは、最近、小形軽量化が進み、部分
的に発熱して高温部位が発生する。このような小形機器
の分野においても、薄膜で被覆され耐熱性を有する絶縁
電線の開発に対する要求が多い。
【0004】
【課題を解決するための手段】従来、このような用途に
は、主として、耐熱性の有機ポリマーであるポリイミド
が被覆樹脂として用いられていた。しかし、このような
ポリイミドを被覆樹脂として用いた絶縁電線は、絶縁
性,耐熱性,巻線加工性等について優れているが高価で
あるため、コスト面での問題が大きかつた。
【0005】一方、耐熱性を向上させるために、セラミ
クスを用いて絶縁層を形成するという研究が行われてい
るが、セラミクスで被覆すると耐熱性は充分であるが、
そのもろさのために、被覆層が、巻線加工の際に割れた
りクラツクを発生したりしやすい。
【0006】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、耐熱性が高く、しかも加工性にも優れた耐熱
電線の提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の耐熱電線は、分子中にシロキサン結合を
有するポリアミドイミドと、金属アルコキシドとの重縮
合物を主成分とする複合ポリマーで被覆されているとい
う構成をとる。
【0008】
【作用】上記ポリアミドイミドと金属アルコキシドとの
重縮合物は、イミド化合物に由来する柔軟性と、金属ア
ルコキシドに由来する耐熱性,絶縁性を併せもつため、
これで被覆されて形成された耐熱電線は、耐熱性,絶縁
性に富み、しかも加工性にも富んでいる。
【0009】つぎに、この発明を詳しく説明する。
【0010】この発明は、分子内にシロキサン結合を有
するポリアミドイミドと金属アルコキシドとの重縮合物
を形成する材料と、金属導体とを用いて耐熱電線を形成
する。
【0011】上記分子中にシロキサン結合を有するポリ
アミドイミドと金属アルコキシドとの重縮合物を形成す
る材料としては、例えば、上記特定のポリアミドイミド
と金属アルコキシドとを用いて形成されたワニスがあげ
られる。上記分子中にシロキサン結合を有するポリアミ
ドイミドとしては、例えば、下記の繰り返し単位を有す
るポリアミドイミドシロキサン樹脂があげられ、好適に
用いられる。
【0012】
【化1】
【0013】上記特定のポリアミドイミドとともに用い
られる金属アルコキシドは、一般にM(OR)x なる式
で表され、Mとしては、Si,Zr,Al,Mg,Ti
などが好適であり、Rとしては、CH3 ,C2 5 ,i
so−C3 7 ,C4 9 などが好適である。また、x
は1,2,3,4,5,6である。これらのアルコキシ
ドを2種以上混合して用いてもよい。使用量は、上記ポ
リアミドイミド100重量部(以下「部」と略す)に対
して、10〜500部であり、好ましくは100部であ
る。すなわち、10部未満では、生成被覆層が高温で熱
変形しやすくなり、逆に500部を超えると、ポリマー
が脆くなり被覆層が剥離しやすくなるからである。
【0014】上記特定のポリイミドアミドと金属アルコ
キシドとを用いて得られるワニスには、溶媒が用いられ
る。その溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミ
ド,ジメチルアセトアミド,N−メチルピロリドンなど
があげられ、単独でもしくは併せて用いられる。これら
のなかでも、特にN−メチルピロリドン(MMP)が好
ましい。このような溶媒の使用量は、通常、ポリアミド
イミドおよび金属アルコキシドの合計量100部に対し
て20〜800部である。
【0015】なお、上記ワニスには、反応性を調整する
ための触媒も配合することができる。上記触媒として
は、例えば、三級アミン,アンモニア,水,塩酸,硫
酸,硝酸等のゾル−ゲル法に用いられる一般的なものが
あげられ、単独でもしくは併せて用いられる。
【0016】上記ワニスは、上記原料を用い、例えば、
つぎのようにして製造される。まず、上記特定のポリア
ミドイミドと金属アルコキシドとを、N−メチルピロリ
ドン等の溶媒に溶解させる。これによりワニスが得られ
る。
【0017】この発明に用いられる金属導体としては、
例えば銅線,銀線,銀メツキ銅線,ニツケルメツキ銅
線,ニクロム線,白金線などが用いられる。
【0018】この発明の耐熱電線は、上記ワニスと金属
導体とを用い、ゾル−ゲル法を応用し、つぎのようにし
て製造される。すなわち、金属導体の外周面に従来公知
の方法により、上記ワニスを塗布して乾燥させる。この
乾燥により、金属アルコキシドとポリアミドイミドとの
重縮合が進行する。この塗布,乾燥操作を数回くり返し
て行うことによりピンホール等の不具合が解消され、絶
縁性がよくなる。つぎに、上記ワニスを塗布,乾燥した
金属導体を、100〜600℃の温度で10秒から20
分間加熱する。これによつて金属導体が、金属アルコキ
シドとポリアミドイミドの重縮合物を主成分(ここで主
成分とは全体が主成分のみからなる場合も含める趣旨で
ある)とする被覆層で被覆される。上記ワニスの塗布な
いし被覆層の形成についてより詳しく説明すると、上記
ワニスを金属導体の外周面に塗布すると、ワニス中の金
属アルコキシドが大気中の水分で加水分解されてアルコ
キシドが−OH基になる。さらに、−OH基同士で脱水
縮合がおこる。そして、加熱によりこの反応は促進され
てしだいに金属酸化物に成長する。この過程で、ポリア
ミドイミドと金属アルコキシドとの重縮合物からなる複
合ポリマーが金属導体の外周面に被覆形成される。この
被覆層は、イミド化合物の柔軟性と、金属アルコキシド
の耐熱性,絶縁性を併せもち、加工性,耐熱性,絶縁性
に優れている。このようにして、この発明の耐熱電線が
得られる。
【0019】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0020】
【実施例1】下記の構造式(1)で表される化合物86
gと、下記の構造式(2)で表される化合物11gと、
NMP330gとを1リツトルの四つ口フラスコ中にお
いて50℃で30分間攪拌混合した。ついで、これに、
下記の構造式(3)で表される化合物58gを添加し、
140℃まで昇温させ、140℃で2時間反応させて、
ポリアミドイミドウレアシロキサンポリマーを含む溶液
を得た。この溶液を200℃×2時間で乾燥させたとき
の固型分は30.0重量%(以下「%」と略す)であつ
た。つぎに、上記溶液100部に対して、Si(OC2
5 4 100部とNMP900部とを加え、室温で1
時間攪拌混合しワニスを得た。このワニスを直径0.6
mmのニツケルメツキ銅線上に塗布し、ついで200〜
450℃の範囲に制御された炉内に入れて硬化させ、ニ
ツケルメツキ銅線上に14μmの厚みの複合ポリマーか
らなる被覆層を形成し目的とする耐熱電線を得た。
【0021】
【化2】
【化3】
【化4】
【0022】
【実施例2】下記の構造式(4)で表される化合物86
gと、下記の構造式(2)で表される化合物20gと、
NMP370gとを1リツトルの四つ口フラスコ中にお
いて50℃で30分間攪拌混合した。ついで、これに、
下記の構造式(3)で表される化合物60gを添加し、
140℃まで昇温させ、140℃で2時間反応させて、
ポリアミドイミドウレアシロキサンポリマーを含む溶液
を得た。この溶液を200℃×2時間で乾燥させたとき
の固型分は30.2%であつた。つぎに、上記溶液10
0部に対して、Zr(OC4 9 4 50部、NMP6
00部を加え、室温で1時間攪拌混合しワニスを得た。
このワニスを直径0.6mmのニツケルメツキ銅線上に
塗布し、ついで200〜450℃の範囲に制御された炉
内に入れて硬化させ、ニツケルメツキ銅線上に16μm
の厚みの複合ポリマーからなる被覆層を形成し目的とす
る耐熱電線を得た。
【0023】
【化5】
【化6】
【化7】
【0024】
【比較例】下記の構造式(1)で表される化合物86g
と、下記の構造式(2)で表される化合物65gと、N
MP330gとを140℃×2時間攪拌混合しポリアミ
ドイミドを含む溶液を得た。この溶液を200℃×2時
間で乾燥させたときの固型分は30.1%であつた。つ
ぎに、上記溶液100部に対して、NMP600部を加
え、室温で1時間攪拌混合しワニスを得た。このワニス
を直径0.6mmのニツケルメツキ銅線上に塗布し、つ
いで200〜450℃の範囲に制御された炉内に入れて
硬化させ、ニツケルメツキ銅線上に15μmの厚みのポ
リアミドイミドからなる被覆層を形成し耐熱電線を得
た。
【0025】
【化8】
【化9】
【0026】以上の実施例1,2および比較例の耐熱電
線について、それぞれ可撓性,耐熱性試験を行つた。そ
の結果を下記の表1に示す。
【0027】なお、上記可撓性試験は、つぎのようにし
て行つた。
【0028】エナメル銅線およびエナメルアルミニウム
線試験方法 JIS−C−3003−1984の(8)
項に従つた。
【0029】また、上記耐熱性試験は、つぎのようにし
て行つた。
【0030】JIS−C−3003−1984記載の
(11)項に従い、試料作製は330℃劣化前/後で
B.D.V.測定した。
【0031】
【表1】
【0032】上記表1から明らかなように、実施例品は
いずれも比較例品よりも優れていることがわかる。
【0033】
【発明の効果】以上のように、この発明の耐熱電線は、
分子中にシロキサン結合を有するポリアミドイミドと、
金属アルコキシドとの重縮合物を主成分とする複合ポリ
マーで被覆されており、上記複合ポリマーがイミド化合
物に由来する柔軟性と金属アルコキシドに由来する耐熱
性,絶縁性を併せもつため、耐熱性,絶縁性に富み、し
かも加工性に富んでいる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中にシロキサン結合を有するポリア
    ミドイミドと、金属アルコキシドとの重縮合物を主成分
    とする複合ポリマーで被覆された耐熱電線。
JP3342276A 1991-11-30 1991-11-30 耐熱電線 Pending JPH05151824A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3342276A JPH05151824A (ja) 1991-11-30 1991-11-30 耐熱電線

Applications Claiming Priority (1)

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JP3342276A JPH05151824A (ja) 1991-11-30 1991-11-30 耐熱電線

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JPH05151824A true JPH05151824A (ja) 1993-06-18

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JP3342276A Pending JPH05151824A (ja) 1991-11-30 1991-11-30 耐熱電線

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100797762B1 (ko) * 2007-03-19 2008-01-24 주식회사 코멕 폴리아미드이미드계 절연 도료 조성물을 도포하여 형성된절연피막을 포함하는 절연 전선
KR100945207B1 (ko) * 2008-09-08 2010-03-03 한국전기연구원 불소기 실란 처리된 고점적 코일용 코팅재의 제조방법 및 이에 의해 제조된 코팅재 그리고 그 코팅재가 피복된 코일

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KR100797762B1 (ko) * 2007-03-19 2008-01-24 주식회사 코멕 폴리아미드이미드계 절연 도료 조성물을 도포하여 형성된절연피막을 포함하는 절연 전선
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