JPH05151788A - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置

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JPH05151788A
JPH05151788A JP31668291A JP31668291A JPH05151788A JP H05151788 A JPH05151788 A JP H05151788A JP 31668291 A JP31668291 A JP 31668291A JP 31668291 A JP31668291 A JP 31668291A JP H05151788 A JPH05151788 A JP H05151788A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】コントロールゲート電圧とドレイン電圧の印加
タイミングを適切化して、ゲーテッドジャンクション電
圧に相当する高いドレイン電圧の発生を回避し、常に、
アバランシェブレークダウン電圧に相当する適正なドレ
イン電圧とすることを目的とする。 【構成】コントロールゲート電圧、ソース電圧およびド
レイン電圧の関係に従ってドレインからフローティング
ゲートへと電子を注入する書き込み動作、または、フロ
ーティングゲートからソースへと電子を引き抜く消去動
作を実行するMOS型記憶素子を有する不揮発性半導体
記憶装置において、前記書き込み動作時には、コントロ
ールゲート電圧の立ち上りから僅かに遅れてドレイン電
圧を立ち上げ、且つ、所定時間後にドレイン電圧が立ち
下ると、該立ち下りの時点から僅かに遅れてコントロー
ル電圧を立ち下げることを特徴とし、好ましくは、前記
コントロール電圧とドレイン電圧の間に与える遅れ時間
は、少なくとも各々の電圧の伝播遅延差に相当する時間
を越える時間であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不揮発性半導体記憶装
置、特にFLOTOX(フローティングゲート・トンネ
ルオキサイド)型やMNOS(メタル・ナイトライドオ
キサイド・セミコンダクタ)型の記憶素子を使用する不
揮発性半導体記憶装置に関する。一般に、CPU等の外
部記憶装置として磁気ディスクが多用されるが、磁気デ
ィスクは機械的にヘッドをシークさせてデータの読み書
きを行うために、読み書きの速度向上に限界がある。そ
こで、純電気的に読み書きができるとともに、電源バッ
クアップがなくても長期間のデータ保持が可能な不揮発
性半導体記憶装置が求められる。
【0002】
【従来の技術】図5は、かかる不揮発性半導体記憶装置
に使用して好適なスタックゲート型フラッシュメモリの
記憶素子の構造図であり、1は一導電型(例えばp導電
型)の半導体基板、2はトンネル酸化膜、3はフローテ
ィングゲート(以下、FGとも言う)、4は絶縁膜、5
はコントロールゲート、6は他導電型(例えばn導電
型)のソース、7は同じく他導電型のドレインであり、
コントロールゲート5、ソース6およびドレイン7から
は、それぞれコントロールゲート電極G、ソース電極S
およびドレイン電極Dが引き出されている。なお、図で
は1個の記憶素子を示しているが、実際には、多数個の
記憶素子が行(ロウ)方向と列(コラム)方向にならべ
られ、行ごとのコントロールゲート電極同士、列ごとの
ドレイン電極同士、およびすべてのソース電極同士が共
通に接続されている。
【0003】このような構造を有する記憶素子は、各電
極に与える電圧を制御することにより、ドレイン7から
フローティングゲート3へと電子を注入する「書き込み
動作」やフローティングゲート3からソース6へと電子
を引き抜く「消去動作」を実行することができ、フロー
ティングゲート3の電荷に応じてしきい電圧Vthを変
化させることができる。
【0004】「読み出し動作」は、SにVSS、GにVCC
(例えば+5V)、Dに読み出し電圧(例えば+1V)
を与え、そのときのドレイン−ソース間の導通を調べて
そのオン/オフの状態を読み出し論理(0/1)に対応
させる。すなわち、フローティングゲート3が負電荷を
帯びている(しきいVthが高い)場合にはドレイン−
ソース間がオフとなって論理0が読み出され、一方、負
電荷を帯びていない(しきい値Vthが低い)場合には
ドレイン−ソース間がオンとなって論理1が読み出され
る。
【0005】今、基板1とSにVSS(例えば0V)を与
えると共に、GにVPP(例えば+12V)、Dに書き込
み電圧(例えば+6V)を与えると、ドレイン7と基板
1のpn接合にいわゆるアバランシェブレイクダウン
(電子雪崩降伏)が発生し、ドレイン7近傍に多量に生
じた高エネルギーの電子と正孔のうちの電子の一部がト
ンネル酸化膜2を通り抜けてフローティングゲート3に
注入される。これにより、フローティングゲート3が負
の電荷(例えば−2V)を帯び、しきい値Vthが高く
なる。
【0006】一方、基板1とGにVSS、Dをオープン、
Sに消去電圧(例えば+12V)を与えると、いわゆる
トンネル現象によって、フローティングゲート3の電子
がソース6に引き抜かれる。電子の引抜き量を適正化す
れば、フローティングゲート3の電荷がほぼゼロとな
り、しきい値Vthが低くなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フローティ
ングゲート3下の膜厚、すなわちトンネル酸化膜2の厚
さは、消去時の電子の通り抜け(トンネル)を円滑にす
るために、極めて薄く(例えば120オングストロー
ム)作られる。しかしながら、トンネル酸化膜2が薄く
なると、書き込み動作中の記憶素子のドレイン電圧によ
って既に書き込み済みの記憶素子のドレイン電圧が上昇
し、当該書き込み済みの記憶素子のフローティング蓄積
電荷がドレイン側に引き抜かれるといった現象、いわゆ
るドレインディスターブを招きやすくなるという不具合
がある。
【0008】特に、書き込み時におけるドレイン電圧が
ドレイン−基板間のゲーテッドジャンクション電圧V
JCTによって決まる場合には、この電圧VJCTが適正なド
レイン電圧(アバランシェブレークダウン電圧VABD
よりも高くなる(一般に1V程度)ために、上記のドレ
インディスターブが起きやすくなり、したがって、トン
ネル酸化膜2を十分に薄くすることができなくなるとい
った問題点がある。
【0009】図6は上記記憶素子のドレイン電流ID
ドレイン電圧VDの特性図であり、実線は好ましい動作
状態における特性である。VDを上昇していくと、
(1)まず、チャネル電流が流れ出し、このチャネル電
流に応じた量のドレイン電流IDが流れる。(2)次い
で、フローティングゲートへの電子の注入が始まり、そ
の注入量に応じたIDの落ち込みが発生し、(3)その
後、VDがアバランシェブレークダウン電圧VABDを越え
た時点でIDが急激に流れ出す。この場合のドレイン電
圧VDはVABDを越えることはない。
【0010】一方、破線は好ましくない動作状態におけ
る特性であり、ゲーテッドジャンクション電圧VJCT
越えた時点でIDが急激に流れ出している。VJCTは上記
のVA BDよりも1V程度大きい電圧である。したがっ
て、このVJCTによってドレイン電圧VDが規定されるか
ら、VJCTとVABDの電圧差の分だけドレインディスター
ブが起きやすくなる。
【0011】そこで、本発明は、コントロールゲート電
圧とドレイン電圧の印加タイミングを適切化して、ゲー
テッドジャンクション電圧に相当する高いドレイン電圧
の発生を回避し、常に、アバランシェブレークダウン電
圧に相当する適正なドレイン電圧とすることを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、コントロールゲート電圧、ソース電圧お
よびドレイン電圧の関係に従ってドレインからフローテ
ィングゲートへと電子を注入する書き込み動作、また
は、フローティングゲートからソースへと電子を引き抜
く消去動作を実行するMOS型記憶素子を有する不揮発
性半導体記憶装置において、前記書き込み動作時には、
コントロールゲート電圧の立ち上りから僅かに遅れてド
レイン電圧を立ち上げ、且つ、所定時間後にドレイン電
圧が立ち下ると、該立ち下りの時点から僅かに遅れてコ
ントロール電圧を立ち下げることを特徴とし、好ましく
は、前記コントロール電圧とドレイン電圧の間に与える
遅れ時間は、少なくとも各々の電圧の伝播遅延差に相当
する時間を越える時間であることを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明では、ドレイン電圧よりも「前に」コン
トロールゲート電圧が立ち上がるとともに、ドレイン電
圧よりも「後に」コントロールゲート電圧が立ち下が
る。したがって、ドレイン電圧の印加期間中は、常にコ
ントロールゲート電圧が加えられているために、ゲーテ
ッドジャンクション電圧を生じることがなく、アバラン
シェブレークダウン電圧に相当する適正なドレイン電圧
とすることができ、ドレインディスターブを回避でき
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1〜図4は本発明に係る不揮発性半導体記憶装
置の一実施例を示す図である。まず、図1を参照しなが
ら本実施例の原理構成を説明する。10はMOS型記憶
素子(多数個の1つを示す)であり、記憶素子10のコ
ントロールゲート電極Gにはコントロールゲート電圧V
Gが、ドレイン電極Dにはドレイン電圧VDが、また、ソ
ース電極Sにはソース電圧VSが、それぞれ所定のタイ
ミングで印加される。なお、FGはフローティング電極
である。
【0015】コントロールゲート電圧VGは、第1の制
御信号PGMRの論理1期間にゲート電圧生成手段11
によって作られ、また、ドレイン電圧VDは、第2の制
御信号PGMCの論理1期間にドレイン電圧生成手段1
2によって作られる。13は、第1および第2の制御信
号PGMR、PGMCを発生する信号発生手段であり、
この信号発生手段13は、書き込み制御信号PGMから
上記第1および第2の制御信号PGMR、PGMCを作
り出す。
【0016】図2は信号発生手段13の具体的な回路図
である。13aはPGMの論理反転信号(PGMX)を
作る第1のインバータゲート、13bはPGMRの論理
反転信号(PGMRX)を作る第2のインバータゲー
ト、13cはPGMCの論理反転信号(PGMCX)を
作る第3のインバータゲート、13dはPGMXとPG
MCXの否定論理積(NAND)をとってPGMRを出
力する2入力のナンドゲート、13eはPGMXとPG
MRXの否定論理和(NOR)をとってPGMCを出力
する2入力のノアゲートである。
【0017】図3は図2の動作波形図である。時点ta
でPGMが立ち上がると、PGMRすなわちナンドゲー
ト13dの出力が「直ち」に立ち上がるが、PGMCす
なわちノアゲート13eの出力は時点taから所定の遅
延時間td1の後に立ち上がる。これは、ノアゲート1
3eの2つの入力、すなわちPGMXとPGMRXが共に
論理0に揃う必要があるからで、ナンドゲート13dの
出力(PGMR)が論理1になった後、第2のインバー
タゲート13bの出力(PGMRX)が論理0に変化す
るまでの間に、微小な時間のずれ(td1)が生じるか
らである。時間td1(立ち上がりスキュー)は、第2
のインバータ13bのドライブ能力を変えることにより
調節できる。
【0018】他方、時点tbでPGMが立ち下がると、
PGMCすなわちノアゲート13eの出力が「直ち」に
立ち下がるが、PGMRすなわちナンドゲート13dの
出力は時点tbから所定の遅延時間td2の後に立ち下
がる。これは、ナンドゲート13dの1つの入力、すな
わち第3のインバータゲート13cの出力(PGM
X)が論理0に変化するまでの間に、微小な時間のず
れ(td2)が生じるからである。時間td2(立ち下が
りスキュー)は、第3のインバータ13cのドライブ能
力を変えることにより調節できる。
【0019】したがって、本実施例によれば、信号発生
手段13によって作られたPGMRおよびPGMCが、
それぞれ適切なスキュー(td1、td2)をもって立ち
上がり、且つ、立ち下がるため、書き込み時における記
憶素子10のコントロールゲート電圧VGとドレイン電
圧VDも、VGの立ち上り時点(taに相当)からtd1
に相当する僅かな時間だけ遅れてVDが立ち上がり、且
つ、VDの立ち下がり時点(tbに相当)からtd2に相
当する僅かな時間だけ遅れてVGが立ち下がる。
【0020】その結果、書き込み時における記憶素子1
0の電極電圧を適正化し、ゲーテッドジャンクション電
圧に相当する高いドレイン電圧の発生を回避して、常
に、アバランシェブレークダウン電圧に相当する適正な
ドレイン電圧とすることができ、トンネル酸化膜を十分
に薄くした場合のドレインディスターブを回避すること
ができる。
【0021】図4はゲート電圧生成手段、ドレイン電圧
生成手段および記憶素子を含む具体的な構成図である。
20はPGMRの論理1期間に所定のコントロールゲー
ト電圧VGを発生するロウ電源回路、21はロウアドレ
ス信号に従って複数のワード線WL1〜WLnの1つを選
択し、その選択ワード線をロウ電源回路20の出力(コ
ントロールゲート電圧VG)で駆動するロウデコータで
あり、これらのロウ電源回路20とロウデコータ21は
ゲート電圧生成手段を構成する。また、22はPGMC
の論理1期間にドレイン電圧VDを発生するドレイン電
圧供給回路、23は同じくPGMCの論理1期間にコラ
ム選択電圧を発生するコラム電源回路、24はコラムア
ドレス信号に従って複数のビット線BL1〜BLmごとに
設けられたトランジスタT1〜Tmを選択し、その選択ト
ランジスタのゲートにコラム電源回路23の出力(コラ
ム選択電圧)を与えるコラムデコータであり、これらの
ドレイン電圧供給回路22、コラム電源回路23および
コラムデコータ24はドレイン電圧生成手段を構成す
る。
【0022】さらに、M1,1〜Mn,mはそれぞれが記憶素
子であり、これらの記憶素子は、n行(ロウ)×m列
(コラム)のマトリクス状に配列されており、各行の記
憶素子のコントロールゲート電極がワード線WL1〜W
nによって共通接続され、また、各列の記憶素子のド
レイン電極がビット線BL1〜BLmによって共通接続さ
れ、さらに、すべての記憶素子のソース電極がソースラ
インSLによって共通接続されている。なお、25はソ
ース電圧を発生するためのソース電源回路、26はセン
スアンプである。
【0023】PGMRが立ち上がると、コントロールゲ
ート電圧VGが直ちに出力された後にドレイン電圧VD
出力され、また、PGMRが立ち下がると、ドレイン電
圧VDが直ちに止められた後にコントロールゲート電圧
Gが止められる。すなわち、選択された記憶素子にド
レイン電圧VDが印加されている間は、そのコントロー
ルゲート電極に必ずコントロールゲート電圧VGが印加
されているため、常にアバランシェブレークダウン電圧
に相当する適正なドレイン電圧とすることができる。し
たがって、ビット線につながる他の記憶素子(書き込み
済み)のドレインディスターブを回避でき、トンネル酸
化膜を十分に薄くすることができる。
【0024】なお、コントロールゲート電圧とドレイン
電圧の伝播遅延は、コントロールゲート電圧の方が比較
的に大きい。これは、コントロールゲート電圧を供給す
るための線路(ワード線)の時定数が大きいからであ
る。前述の遅延時間td1およびtd2を設定する際に
は、両電圧の線路時定数の差(すなわち両電圧の伝播遅
延差)を十分に考慮して適切な値に設定することが望ま
しい。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、コントロールゲート電
圧とドレイン電圧の印加タイミングを適切化したので、
ゲーテッドジャンクション電圧に相当するコントロール
ゲート電圧の発生を回避でき、常にアバランシェブレー
クダウン電圧に相当した正規のコントロールゲート電圧
を発生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の原理図である。
【図2】一実施例の信号発生手段の構成図である。
【図3】一実施例の信号発生手段の波形図である。
【図4】一実施例の具体的な構成図である。
【図5】スタックゲート型フラッシュメモリの記憶素子
の構造図である。
【図6】記憶素子のドレイン電流IDとドレイン電圧VD
の特性図である。
【符号の説明】
G:コントロールゲート電圧 VS:ソース電圧 VD:ドレイン電圧 3:フローティングゲート 6:ソース 7:ドレイン 10:記憶素子(MOS型記憶素子)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/792 H01L 29/78 371

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コントロールゲート電圧、ソース電圧およ
    びドレイン電圧の関係に従ってドレインからフローティ
    ングゲートへと電子を注入する書き込み動作、または、
    フローティングゲートからソースへと電子を引き抜く消
    去動作を実行するMOS型記憶素子を有する不揮発性半
    導体記憶装置において、 前記書き込み動作時には、コントロールゲート電圧の立
    ち上りから僅かに遅れてドレイン電圧を立ち上げ、 且つ、所定時間後にドレイン電圧が立ち下ると、該立ち
    下りの時点から僅かに遅れてコントロール電圧を立ち下
    げることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  2. 【請求項2】前記コントロール電圧とドレイン電圧の間
    に与える遅れ時間は、少なくとも各々の電圧の伝播遅延
    差に相当する時間を越える時間であることを特徴とする
    請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS626494A (ja) * 1985-03-18 1987-01-13 Nec Corp 半導体記憶装置
JPH0294097A (ja) * 1988-09-29 1990-04-04 Nec Corp 不揮発性半導体記憶装置

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