JPH0515132Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、シフトレバーがパーキングレンジな
どの停止レンジに位置して而も車体が非制動状態
にあるときに、シフトレバーが停止レンジから走
行レンジへ操作されることを規制する自動車用自
動変速装置のシフトレバーロツク機構に関するも
のである。

（従来の技術） 一般に、オートマチツクトランスミツシヨン
（以下、自動変速機という）付きの自動車にあつ
ては、第６図〜第８図に示すように、自動変速機
１のレンジ変換操作用のシフトレバー２に、シフ
トレバー２を所望レンジに固定するためのポジシ
ヨンピン３が設けられており、ポジシヨンピン３
はシフトレバー２の握り部分４に設けられた操作
釦４ａとバネ５によつて上下動可能とされてい
る。そして、操作釦４ａを押してロツド６を下方
に変位させると、シフトレバー２のレンジ位置６
ａを固定する車体側のポジシヨンプレート７とポ
ジシヨンピン３との係合が解除され、シフトレバ
ー２をパーキングレンジＰからその他のレンジＲ
〜へ変換することが可能となつている。操作釦
４ａを離すと、バネ６の付勢力でポジシヨンピン
３がポジシヨンプレート７と係合してシフトレバ
ー２をパーキングレンジＰからその他のレンジＲ
〜に操作することが出来ないようになつている
が、ブレーキを踏んでいなくても操作釦４ａを押
すことによつて、シフトレバー２をパーキングレ
ンジＰからその他のレンジＲ〜へ操作出来るよ
うになつている。

そこで、最近では、シフトレバー２に回転ブツ
シユを設け、この回転ブツシユを回転ブツシユス
トツパでを支承し、回転ブツシユにポジシヨンピ
ン３を挿入用の溝を設け、回転ブツシユストツパ
近傍にアクチユエータを配設し、シフトレバー２
が非走行レンジに位置し且つ車体が制動状態にあ
るときに限つて、アクチユエータにより回転ブツ
シユの溝内にポジシヨンピン３を挿入可能とし、
これによつて、シフトレバー２がパーキングレン
ジＰなどの非走行レンジに位置して而も車体が非
制動状態にあるときに、シフトレバー２がパーキ
ングレンジＰからその他のレンジＲ〜へ操作さ
れることを規制するようにしたものが研究されて
いる。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、これらのような従来の自動車用
自動変速機のシフトロツク機構では、シフトレバ
ー２に回転ブツシユストツパが溶接固定されると
共に、シフトレバー２には更にアクチユエータ取
付け用のブラケツトが別個に固着されるなど、小
さな部品を多数取付ける作業が多いため、作業に
時間がかかつて単位時間当たりの自動車の生産効
率の向上及びコストの低廉化の促進に不利である
という問題がある。

（考案の目的） 本考案は、上記問題点に着目してなされたもの
で、単位時間当たりの自動車の生産効率の向上及
びコストの低廉化を極力促進することの出来る自
動車用自動変速機のシフトロツク機構を提供する
ことを目的としている。

（問題点を解決するための手段） 本考案にかかる自動車用自動変速機のシフトレ
バーロツク機構は、この目的を達成するために、
車幅方向に延びる揺動軸に、車体上下方向に延び
る中空のシフトレバーと、このシフトレバーの傾
斜角度を車体の走行状態・停止状態の選択要素と
して自動変速機に伝達するロアレバーとを固着
し、 前記シフトレバー内に上方に付勢されたロツド
を上下動可能に内蔵すると共に、シフトレバーに
長手方向に延びる長孔を開口してこの長孔からロ
ツドに形成したポジシヨンピンを突出させ、 前記揺動軸近傍の車体に前記シフトレバーの揺
動方向に延びるポジシヨンプレートを取付け、こ
のポジシヨンプレートに、車体の停止時並びに車
体の走行時に前記ポジシヨンピンを係合させて前
記シフトレバーの傾斜状態を維持させる放射状の
レンジ孔を開口し、 前記シフトレバーの周面に、上端部に前記ポジ
シヨンピンの保持用の割り溝を設けたブツシユを
回動自在に装着し、前記ブツシユに、前記シフト
レバーと一体に揺動して、前記ポジシヨンピンが
車体停止用のレンジ孔に保持され且つ車体の制動
装置が非操作状態のときに、前記割り溝への前記
ポジシヨンピンの進入を阻止するアクチユエータ
を設けた自動変速機のシフトレバーロツク機構に
おいて、 前記ロアレバーの固着板部を前記揺動軸の上方
に延在させ、この固着板部の上端部を前記シフト
レバーに向かつて折り曲げて前記ブツシユの支持
部を形成すると共に、前記固着板部の側面部を折
り曲げて前記アクチユエータを固定する固定部を
形成したことを特徴とする。

（作用） 本考案にかかる自動車用自動変速機のシフトレ
バーロツク機構によれば、ロアレバーにブツシユ
の支持部とアクチユエータの固定部とが折り曲げ
て一体に形成されているので、ロアレバーを揺動
軸に固着することによりブツシユの支持部とアク
チユエータの固定板の取り付けが完了する。

（実施例） 以下、本考案にかかる自動車用自動変速機のシ
フトレバーロツク機構の一実施例を図面を参照に
して説明する。

第１図は、本実施例にかかるシフトレバーロツ
ク機構の全体構成を示しており、１０は図示しな
い自動変速機を変速操作するシフトレバーであ
る。シフトレバー１０は中空の筒状に形成され、
シフトレバー１０の中間部には長孔としての挿通
孔１０ｃが開口しており、この挿通孔１０ｃから
は、シフトノブ１０ａの操作釦１０ｂの押圧操作
によつて上下動するポジシヨンピン１１が突設さ
れている。このポジシヨンピン１１は、シフトレ
バー１０内に設けたバネの弾発付勢力によつて車
体上方に向かつて常時付勢されており、車体側に
取付けられたポジシヨンプレート１２のレンジ設
定用のレンジ孔１２ａに常時係合するように付勢
されている。放射状に開口されたレンジ孔１２ａ
には、第５図に示すように、パーキングレンジＰ
（停止レンジ）、リアレンジＲ（走行レンジ）、ニユ
ートラルレンジＮ（停止レンジ）、ドライブレンジ
Ｄ（走行レンジ）、セカンドレンジ２（走行レン
ジ）、ローレンジ１（走行レンジ）が形成されて
おり、シフトノブ１０ａの操作釦１０ｂを押す
と、操作釦１０ｂに押されたロツドを介してポジ
シヨンピン１１が下方に下がり、これによつてシ
フトレバー１０の傾動が許容されるようになつて
いる。

このシフトレバー１０には、ポジシヨンピン１
１の下側に位置するようにブツシユ１３が装着さ
れている。ブツシユ１３はシフトレバー１０の周
回り方向に回転可能とされており、第４図に示す
ように、ポジシヨンピン１１を挿入する割り溝１
４が形成されている。この割り溝１４は、ポジシ
ヨンピン１１が挿入されるとシフトレバー１０が
パーキングレンジＰからその他のレンジＲ〜に
レンジ変換出来るようになつており、通常は、ポ
ジシヨンピン１１を挿入出来る位置に位置してい
る。ポジシヨンピン１１が割り溝１４内に挿入出
来ない場合には、シフトレバー１０をパーキング
レンジＰからその他のレンジＲ〜にレンジの変
換操作を出来ないようになつている。ブツシユ１
３の外周面には、ブツシユ１３を回転させるため
のフランジ１５が突設されている。フランジ１５
には長孔１５ａが開口されており、長孔１５ａに
は、このブツシユ１３を回転させるアクチユエー
タ１６の先端部１６ａが遊挿されている。ブツシ
ユ１３はシフトレバー１０が突設される揺動軸と
してのクロスシヤフト１７に固着されたブラケツ
ト１８に支承されている。

アクチユエータ１６は、シフトレバー１０がパ
ーキングレンジにあり、且つ、ブレーキが働いて
車体の静止状態を容易に維持出来ることを検知し
た場合、及び、シフトレバー１０がパーキングレ
ンジ以外のレンジにある場合には、割り溝１４内
にポジシヨンピン１１が挿入出来るように、先端
部１６ａの突出量を調整しており、シフトレバー
１０がパーキングレンジＰにあつても、ブレーキ
が働いていず車体の静止状態を容易に維持出来な
いことを検知した場合には、割り溝１４内にポジ
シヨンピン１１を挿入出来ないように、先端部１
６ａの突出量が調整されている。このアクチユエ
ータ１６は、ブツシユ１３を支承するロアレバー
としてのブラケツト１８に固着されている。

本実施例においては、ブラケツト１８は、第３
図に示すように、アクチユエータ１６を固着する
アクチユエータ取付け板部１８ａ（固定部）と、
ブツシユ１３の下方への移動を阻止するブツシユ
支承板部１８ｂ（支持部）と、クロスシヤフト１
７を挿通して溶接固着される固着板部１８ｃと、
自動変速機をリンク操作する連結操作板部１８ｄ
とから一体に形成されている。

クロスシヤフト１７に固着される固着板部１８
ｃにはクロスシヤフト１７と嵌合する嵌合孔１９
が開口しており、ブラケツト１８は、嵌合孔１９
にクロスシヤフト１７を嵌合挿通して溶接固定さ
れるようになつている。アクチユエータ取付け板
部１８ａはこの固着板部１８ｃから略直角に折り
曲げられており、ネジ２２によりアクチユエータ
１６を取付けるようになつている。

ブツシユ支承板部１８ｂはアクチユエータ取付
け板部１８ａに対して反対方向に折り曲げられて
おり、クロスシヤフト１７にブラケツト１８を取
付ける時にシフトレバー１０に向かつて接近する
方向に向けられる。このブツシユ支承板部１８ｂ
の先端部は１８b′はシフトレバー１０の外周形状
に合わせて丸く形成されており、シフトレバー１
０とブツシユ支承板部１８の先端部１８b′との隙
間は、ブツシユ１３が充分に支承出来るように小
さく設定されている。連結操作板部１８ｄには連
結孔１８d′が開口しており、この連結孔１８d′に
自動変速機から延びるリンク機構がリンクされる
ようになつている。

尚、クロスシヤフト１７は自動変速機に対して
一定方向に延在するように配設されており、車体
のフロアパネル（図示省略）に固着されるベース
プレート２０に軸支されている。即ちベースプレ
ート２０のフロア下面側には一対のブラケツト２
１が突設され、クロスシヤフト１７はこの一対の
ブラケツト２１に回転可能に軸支されている。

本実施例にかかる自動変速機のシフトレバーロ
ツク機構によれば、ブラケツト１８が、アクチユ
エータ取付け板部１８ａと、ブツシユ支承板部１
８ｂと、固着板部１８ｃと、連結操作板部１８ｄ
とから一体に形成されているので、クロスシヤフ
ト１７にブラケツト１８を固着することにより、
ブツシユ１３を支承可能になると共に、アクチユ
エータ１６を取付けることが可能となる。しか
も、ブラケツト１８のブツシユ支承板部１８ｂの
先端部１８b′はシフトレバー１０の外周形状に合
わせて丸く形成されているので、クロスシヤフト
１７にブラケツト１８を取付けるときに容易に位
置決めを行うことが出来、自動変速機のシフトレ
バーロツク機構の組付が極めて容易になる。これ
によつて、自動車の製作工程が簡略化され、単位
時間当たりの自動車の生産効率の向上及びコスト
の低廉化を極力促進することが出来ることとな
る。

（考案の効果） 本考案にかかる自動車用自動変速機のシフトレ
バーロツク機構によれば、ロアレバーにブツシユ
の支持部とアクチユエータの固定部とが折り曲げ
て一体に形成されているので、ロアレバーを揺動
軸に固着することによりブツシユの支持部とアク
チユエータの固定部の取り付けが完了することと
なり、部品の組立が容易で且つがたつきのおそれ
もないものとなる。更に、ブツシユとアクチユエ
ータの位置寸法誤差が向上する。このため、各部
品寸法のばらつきによりブツシユとアクチユエー
タの位置寸法がずれてシフトロツク機構の機能を
阻害することがないという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の自動車用自動変速機のシフト
レバーロツク機構の全体構成を示す構成図、第２
図は第１図のシフトレバーロツク機構の要部構成
を示す部分構成図、第３図は第１図にかかるブラ
ケツトの斜視図、第４図は第１図にかかるブツシ
ユの斜視図、第５図は第１図にかかるポジシヨン
プレートの概略図、第６図は従来の自動変速機の
シフト操作機構の概略構成図、第７図は従来の自
動変速機のシフト操作機構の概略説明図、第８図
は第６図のシフトレバーの内部構成を示す断面図
である。 １０……シフトレバー、１１……プジシヨンピ
ン、１２……ポジシヨンプレート、１３……ブツ
シユ、１４……割り溝、１６……アクチユエー
タ、１７……クロスシヤフト（揺動軸）、１８…
…ブラケツト、１８ａ……アクチユエータ取付け
板部（固定部）、１８ｂ……ブツシユ支承板部
（支持部）、１８ｃ……固着板部、１８ｄ……連結
操作板部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車幅方向に延びる揺動軸に、車体上下方向に延
   びる中空のシフトレバーと、このシフトレバーの
   傾斜角度を車体の走行状態・停止状態の選択要素
   として自動変速機に伝達するロアレバーとを固着
   し、 前記シフトレバー内に上方に付勢されたロツド
   を上下動可能に内蔵すると共に、シフトレバーに
   長手方向に延びる長孔を開口してこの長孔からロ
   ツドに形成したポジシヨンピンを突出させ、 前記揺動軸近傍の車体に前記シフトレバーの揺
   動方向に延びるポジシヨンプレートを取付け、こ
   のポジシヨンプレートに、車体の停止時並びに車
   体の走行時に前記ポジシヨンピンを係合させて前
   記シフトレバーの傾斜状態を維持させる放射状の
   レンジ孔を開口し、 前記シフトレバーの周面に、上端部に前記ポジ
   シヨンピンの保持用の割り溝を設けたブツシユを
   回動自在に装着し、前記ブツシユに、前記シフト
   レバーと一体に揺動して、前記ポジシヨンピンが
   車体停止用のレンジ孔に保持され且つ車体の制動
   装置が非操作状態のときに、前記割り溝への前記
   ポジシヨンピンの進入を阻止するアクチユエータ
   を設けた自動変速機のシフトレバーロツク機構に
   おいて、 前記ロアレバーの固着板部を前記揺動軸の上方
   に延在させ、この固着板部の上端部を前記シフト
   レバーに向かつて折り曲げて前記ブツシユの支持
   部を形成すると共に、前記固着板部の側面部を折
   り曲げて前記アクチユエータを固定する固定部を
   形成したことを特徴とする自動車用自動変速機の
   シフトレバーロツク機構。