JPS626899Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車用自動変速機のシフトレバ装
置に関する。

自動車用の自動変速機を操作するためのシフト
レバは、運転室内にあるコンソール部に設けられ
ている。そして、従来のシフトレバはコンソール
の表面から上方へ飛び出た形になつており、この
シフトレバを操作するノブ部の移動軌跡は円弧を
描くものばかりであつた。さらに、シフトレバの
移動範囲には開口部を必要とし、この開口部のた
めにコンソール面が煩雑に見える要因になつてい
た。

この考案は上記にかんがみ、シフトレバの作動
軌跡を円弧から直線に変更することによりシフト
レバの操作を容易にし、又シフトレバのコンソー
ル表面からの突出をなくしてこの部の安全性を向
上することのできる自動変速機用シフトレバ装置
の提供を目的とするものである。

つぎに、この考案を図面に示す実施例にもとづ
いて説明する。

第１図〜第３図において、シフトレバ本体１に
はノブ２があり、このノブ２はその下方にあるス
ライドパネル３と一体に形成されている。このス
ライドパネル３は、後述するブラケツト２８及び
カバー３４を介して、下端のフランジ部７ａ及び
８ａが車体側に取りつけられている左・右の支持
部材７及び８の上端部に固着されたスライドガイ
ド５及び６により前後方向に摺動可能に支承され
ている。コンソールボツクス４の表面パネル４
ａ，４ａはスライドガイド５及び６の上面をそれ
ぞれの側方からおおう形になつており、一つの表
面パネル４ａにはコントロールポジシヨンインジ
ケータ３５が取りつけられている。ノブ２には従
来と同様にノブボタン９を挿入するためのボタン
穴１０があけられている。又、ノブ２の中央下部
には、ノブスリーブ１２をガイドするスリーブ穴
１１があけられており、このスリーブ穴１１の上
部はボタン穴１０に連通している。ノブスリーブ
１２の上部は傾斜面１２ａを有する板状部になつ
ており、又ノブスリーブ１２の下部には、下端部
にデイテントピン取付部材１４を有するロツド１
３が固着されている。このロツド１３は上端がス
リーブ穴１１内に挿入された有底円筒状のシフト
レバ１５内に収容されており、このシフトレバ１
５の底部１５ａとロツド１３のデイテントピン取
付部材１４との間に圧縮コイルばね１６が設けら
れている。シフトレバ１５は左・右の支持部材７
及び８の前後方向に設けられたガイド穴７ｂ及び
８ｂに両端部が挿入されて前後方向に移動可能な
摺動部材１７の中心部に固着されている。

そして、シフトレバ１５の圧縮コイルばね１６
により下端部のデイテントピン取付部材１４を押
し上げられたノブスリーブ１２は、その傾斜面１
２ａをノブボタン９方向に向けてスリーブ穴１１
内に収容されている。又、ノブスリーブ１２はそ
の板状部の傾斜面１２ａと反対側の面をボタン穴
１０内に設けた圧縮ばね１８によりスリーブ１９
を介してノブボタン９方向に押されている。従つ
て、ノブボタン９をボタン穴１０へ押し込むと、
ノブスリーブ１２は圧縮ばね１６の押圧力に抗し
て押し下げられて、デイテントピン取付部材１４
が下降する。デイテントピン取付部材１４には、
ノブボタン９と略平行にデイテントピン２０が取
りつけられている。デイテントピン２０はシフト
レバ１５の周壁１５ｂの上下方向に設けられた長
穴２１から突出しており、ノブスリーブ１２が上
方又は下方へ移動する際、デイテントピン２０が
長穴２１にガイドされて上方又は下方へ移動す
る。

左支持部材７には、そのガイド穴７ｂの下方に
デイテントプレート２２が固着されており、この
デイテントプレート２２にはシフトレバ１５のポ
ジシヨン位置決め用の切欠穴２３が設けられてい
る。そして、この切欠穴２３のデイテントピン２
０を係止する位置は、従来と同様第３図に示すよ
うに左方から、Ｐ，Ｒ，Ｎ，Ｄ，Ｚ及びＬになつ
ている。デイテントプレート２２と反対方向に突
出する爪２４ａを有するリング２４が摺動部材１
７の上方においてシフトレバ１５に固着されてい
る。上端にリング２４の爪２４ａと係合する溝
２６を有するコネクテイングレバ２５は、シフト
レバ１５と略平行に設けられており、左・右の支
持部材７及び８のフランジ７ａ及び８ａより下方
に位置するその下端には、円筒状の軸受２７が固
着されている。この軸受２７は左・右の支持部材
７及び８とともに車体側に取りつけられたブラケ
ツト２８に対して、ボルト２９及びナツト３０に
より取りつけられており、軸受２７はボルト２９
に対して回動可能になつている。軸受２７にはそ
の軸線に対してコネクテイングレバ２５と反対側
の面にアーム３１が固着されている。そしてこの
アーム３１には、自動変速機に連結されてシフト
レバ１５の動きを油圧に変えるマニユアルバルブ
（図示しない）を作動するコントロールロツド３
２がピン３３により枢着されている。カバー３４
は軸受２７を覆う形で車体側に取りつけられてお
り、このカバー３４から突出するアーム３１に固
着されている。カバー３４はアーム３１の動きを
制限することがなく、軸受２７部に異物の入るの
を防いでいる。

なお図示しないが、スライドパネル３の前・後
にはじや腹が取りつけられており、スライドパネ
ル３の摺動時に、スライドパネル３の下方に異物
の入るのを防止している。

つぎに、この実施例の作用について説明する。

デイテントピン２０が第３図に示すようにデイ
テントプレート２２の切欠穴２３のＮ位置にあつ
て自動車が停止している時（この時シフトレバ本
体１はコントロールポジシヨンインジケータ３５
のＮ位置にある。）運転者が自動車を発進させる
には、シフトレバ本体１のノブ２を後方へ引く。
これにより、シフトレバ本体１と一体のスライド
パネル３がスライドガイド５及び６によりガイド
されて後方へ水平移動する。シフトレバ本体１が
後方へ移動することにより、この本体１に取りつ
けられたシフトレバ１５は、その摺動部材１７が
支持部材７及び８のガイド穴７ｂ及び８ｂにガイ
ドされ水平を維持して後方へ移動する。シフトレ
バ１５が移動することにより、このレバ１５に固
着されているリング２４の爪２４ａがコネクテイ
ングレバ２５の上部を後方へ移動させる。このた
め、コネクテイングレバ２５の上部はボルト２９
を軸として後方へ傾斜するとともに、アーム３１
の下部を前方へ傾斜させ、このアーム３１に連結
されているコントロールロツド３２をマニユアル
バルブがＤ位置になるまで移動させる。

つぎに、シフトレバ本体１をＤ位置から２位置
にシフトするには、シフトレバ本体１のノブボタ
ン９を押してボタン穴１０内に押し込み、圧縮ば
ね１６の押圧力に抗してノブスリーブ１２を押し
下げる。これにより、デイテントピン２０はシフ
トレバ１５の長穴２１にガイドされつつ下降し、
デイテントプレート２２の切欠穴２３のＤ位置か
ら離れるのでシフトレバ本体１は移動可能にな
る。そこで、シフトレバ本体１をコントロールポ
ジシヨンインジケータ３５の２位置まで移動し
て、ノブボタン９の押し込みを解除する。ノブボ
タン９の押し込みを解除することにより、ノブス
リーブ１２及びデイテントピン２０は圧縮ばね１
６により押し上げられてデイテントピン２０がデ
イテントプレート２２の切欠穴２３の２位置に係
止する。一方、シフトレバ本体１が移動すること
により、シフトレバ１５も後方へ移動し、そのリ
ング２４の爪２４ａがコネクテイングレバ２５の
上部をＤ位置よりさらに後方へ移動させる。従つ
て、コネクテイングレバ２５の傾斜はＤ位置にお
ける傾斜より大きくなるとともに、コネクテイン
グレバ２５により回動される軸受２７の回転角度
もＤ位置の場合より大きくなる。そして、軸受２
７により回動されるアーム３１がさらに回動し
て、コントロールロツド３２を前方へ移動させ、
コントロールロツド３２に連結されたマニユアル
バルブを２位置にする。

つぎに、シフトレバ本体１をコントロールポジ
シヨンインジケータ３５のＬ位置へ移動する場合
には、Ｄ位置から２位置に移動したのと同様にノ
ブボタン９を押して移動させる。そして、シフト
レバ本体１をＬ位置から前方へ移動させるには、
ノブボタン９を押さずに２位置、Ｄ位置及びＮ位
置まで移動させることができる。さらに、シフト
レバ本体１をＮ位置から前方のＲ位置及びＰ位置
に移動させる場合にはノブボタン９を押してシフ
トレバ本体１を前方へ水平に移動させる。以上の
ようにシフトレバ本体１を操作することにより、
自動変速機の変速が行なわれる。

この考案は上記のように、コンソールボツクス
の表面パネルに沿つて移動可能なスライドパネル
と、ノブに設けられたノブボタンを操作すること
により上・下方向に移動してコンソールボツクス
下方に設けられたデイテントプレートの切欠穴の
シフト位置に係止可能のデイテントピンを有する
シフトレバとを設けたシフトレバ本体と、シフト
レバに設けられた爪の係合する溝を上端部に有し
かつ自動変速機のマニユアルバルブに連結された
コントロールロツドが下端部に連結されデイテン
トプレート下部に位置する固定部材により揺動可
能に支持されたコネクテイングレバとにより自動
変速機のシフトレバ装着を構成したことにより、
下記のような効果がある。

(1) シフトレバを有するシフトレバ本体は水平方
向に移動するので、シフトレバ本体を操作する
手の動きが直線的になり操作が容易になる。

(2) シフトレバはシフトレバ本体内に収納されて
いるため安全性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例を示し、第１図はシフ
トレバ装置の上部の斜視図、第２図は第１図の
−線断面図、第３図は第２図の−線断面図
である。 １……シフトレバ本体、３……スライドパネ
ル、４……コンソールボツクス、４ａ……表面パ
ネル、９……ノブボタン、１５……シフトレバ、
２０……デイテントピン、２２……デイテントプ
レート、２３……切欠穴、２４ａ……爪、２５…
…コネクテイングレバ、２６……溝、２７……
軸受、２８……ブラケツト、２９……ボルト、３
２……コントロールロツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車の運転室内にあるコンソールボツクスの
   表面パネルにより両側を覆われかつこのパネルに
   沿つて前後方向へ移動可能なスライドパネルと、
   ノブボタンを操作することにより上・下方向に移
   動可能となりかつコンソールボツクス下方に設け
   られたデイテントプレートの切欠穴のシフト位置
   に係止可能のデイテントピンを有するシフトレバ
   とを設けたシフトレバ本体と、自動変速機のマニ
   ユアルバルブに連結されたコントロールロツドが
   下端部に連結されかつ前記シフトレバに設けられ
   た爪の係合する溝を上部に有し前記デイテントプ
   レートの下方に位置する固定部材に揺動可能に軸
   着されシフトレバ本体及びシフトレバが前方若し
   くは後方へ移動すると前記軸部を軸として傾斜し
   てコントロールロツドを作動させるコネクテイン
   グレバとからなるを特徴とする自動変速機のシフ
   トレバ装置。