JPH05150438A - 感光材料乾燥装置 - Google Patents

感光材料乾燥装置

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Publication number
JPH05150438A
JPH05150438A JP31808391A JP31808391A JPH05150438A JP H05150438 A JPH05150438 A JP H05150438A JP 31808391 A JP31808391 A JP 31808391A JP 31808391 A JP31808391 A JP 31808391A JP H05150438 A JPH05150438 A JP H05150438A
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JP
Japan
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film
roller
heat roller
photosensitive material
temperature
Prior art date
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Application number
JP31808391A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiichi Isozaki
栄一 磯崎
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Priority to US07/984,487 priority patent/US5337499A/en
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 搬送不良が発生することなく感光材料を均一
に乾燥させることができる感光材料乾燥装置を得る。 【構成】 乾燥装置78内に送り込まれたフィルム20
を、赤外線ヒータ92によって加熱された第1のヒート
ローラ84の外周面に乳剤層が形成された面が接触する
ように巻掛けると共に、第1のヒートローラ84の外周
に配置したスプレーパイプ104からの乾燥風を供給し
て乾燥させる。次に前記フィルム20を、赤外線ヒータ
94によって加熱された第2のヒートローラ86の外周
面に乳剤層が形成された面と反対の面が接触するように
巻掛けて乾燥させる。またフィルム20の処理量等の処
理情報に応じてパラメータを切換えるPID制御を適用
し、第1のヒートローラ84の温度が第2のヒートロー
ラ86の温度よりも低くなり、かつ各々のローラの温度
の変動幅が所定値以内となるように赤外線ヒータ92、
94を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は少なくとも一方の面に乳
剤層が形成された感光材料を乾燥させる感光材料乾燥装
置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
ヒータによって加熱されたヒートローラに感光材料を巻
き掛け、前記感光材料を加熱して乾燥させる乾燥装置が
提案されている。このヒートローラの温度調節は、ヒー
トローラの表面温度を検出し設定温度に対する高低でヒ
ータをオンオフしてヒートローラの表面温度が所定温度
となるように制御する所謂オンオフ制御によって行って
いた。しかしながら、この方法では感光材料との接触で
熱が奪われてヒートローラ表面の温度が低下したり、温
度が低下した後に過度に温度が上昇したりすることによ
り、ヒートローラの表面温度が大きく変動し、目標温度
に対する偏差が大となり複数枚の感光材料に亘って安定
した乾燥ができないことがあるという欠点があった。
【0003】また、従来のオンオフ制御では感光材料の
処理条件、例えば複数枚の感光材料を処理する場合の感
光材料の挿入タイミング等によって乾燥後の感光材料の
仕上がりが変動することがあった。すなわち、複数枚の
感光材料が連続して間隔を開けずに挿入された場合と、
任意の時間間隔を開けて挿入された場合と、では表面温
度の変動の度合いが異なり、目標温度に対する偏差が異
なるので乾燥後の仕上がりが一定しない。さらに、種類
の異なる複数枚の感光材料、例えば乾燥性の異なる複数
種類の感光材料が混じって挿入された場合にも、感光材
料の種類に応じて乾燥後の仕上がりが異なることがある
という問題があった。
【0004】さらに、エレクトロニクス分野の進歩に伴
い、ハロゲン化銀写真分野においても処理の迅速性が要
求されるようになっている。特にグラフィックアーツ感
材、スキャナー用感材、X−レイ用感材のような感光材
料に対する迅速処理の要求は益々高くなってきている。
ここで言う迅速処理とは、例えば感光材料の先端が自動
現像機等の感光材料処理装置に挿入されてから現像槽、
定着槽、水洗槽等からなる処理部と乾燥部とを通過し
て、感光材料の先端が乾燥部から排出されるまでの時間
が20秒〜60秒であるような処理を言う。処理部及び
乾燥部の処理時間を短縮するために単に感光材料の搬送
速度を速くしただけでは、定着不良、乾燥不良等種々の
問題が生じる。
【0005】定着不良に関しては、定着速度を速めるた
めに定着液中のチオ硫酸塩の濃度を増加させることは公
知である。また、感光材料の膜面を硬膜化させ乾燥性を
良くするために、定着液中に水溶性アルミニウム塩等の
硬膜剤を含有させることも公知であり広く用いられてい
る。しかし水溶性アルミニウム塩等の硬膜剤を含む定着
液で感光材料を処理すると、硬膜作用のため定着速度を
遅らせてしまうので、定着速度を速めるために定着液中
に実質的に硬膜剤を含まないようにすると、感光材料に
塗布されている乳剤の膨潤率が大となり乾燥性が悪くな
るという問題があった。このように、定着液中の硬膜剤
である水溶性アルミニウム塩を減らすことにより定着速
度は向上するが、迅速処理において重要な乾燥時間の短
縮に関しては不利に作用するため、従来、実質的に硬膜
剤を含まない定着液を用いて感光材料を処理する試みは
殆ど行われなかった。
【0006】ここで、迅速処理を実現するためには、実
質的に硬膜剤を含まない定着剤により処理した感光材料
をヒートローラを用いて乾燥を行うと効果的であるが、
ヒートローラの温度調節を、ヒートローラの表面温度を
検出し設定温度に対する高低でヒータをオンオフしてヒ
ートローラの表面温度が設定温度となるように制御する
所謂オンオフ制御によって行おうとすると、前述と同様
の欠点が生ずる。
【0007】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、感光材料を安定して乾燥させることができる感光材
料乾燥装置を得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明は、処理液によって処理した感光
材料を搬送しながら乾燥する感光材料乾燥装置であっ
て、前記感光材料の搬送路に設けられ前記感光材料を搬
送するローラと、前記ローラを加熱する加熱手段と、前
記ローラの表面温度を検出する温度検出手段と、前記温
度検出手段によって検出された表面温度の時間的変化に
基づいて前記ローラの表面温度の変動幅が所定値以内と
なるように前記加熱手段を制御する制御手段と、を有し
ている。
【0009】請求項2記載の発明は、処理液によって処
理した感光材料を搬送しながら乾燥する感光材料乾燥装
置であって、前記感光材料の搬送路に設けられ前記感光
材料を搬送するローラと、前記ローラを加熱する加熱手
段と、前記ローラの表面温度を検出する温度検出手段
と、前記温度検出手段によって検出された表面温度の時
間的変化及び前記感光材料の処理情報に基づいて前記ロ
ーラの表面温度の変動幅が所定値以内となるように前記
加熱手段を制御する制御手段と、を有している。
【0010】また、制御手段は、ローラの表面温度の変
動幅が所定値以内となるようにPID制御によって加熱
手段を制御することが好ましい。
【0011】
【作用】本発明では、感光材料を搬送するローラを加熱
手段によって加熱し、温度検出手段によってこのローラ
の表面温度を検出し、検出された表面温度の時間的変化
に基づいて制御手段によって加熱手段を制御し、ローラ
の表面温度の変動幅が所定値以内となるようにしてい
る。この表面温度の変動幅を所定値以内とするために
は、例えばPID制御を適用して加熱手段を制御手段に
よって制御する。また、ローラの表面温度の変動幅を所
定値以内とすることにより、感光材料が常に略一定の温
度で加熱されるので、感光材料を安定して乾燥させるこ
とができる。
【0012】また、ヒートローラの表面温度の変動幅が
所定値以内となるように、温度検出手段によって検出さ
れたヒートローラの表面温度の時間的変化と感光材料の
処理情報とに基づいて、ヒートローラを加熱する加熱手
段を制御手段によって制御することもできる。
【0013】なお、前記感光材料の処理情報としては、
感光材料の挿入タイミング、挿入される感光材料の種類
を表す情報等を用いることができる。このような処理情
報を用いることによって、例えば挿入タイミングに基づ
いてローラの表面温度の変動幅が所定値以内になるよう
に温度を制御する。また、感光材料の種類に拘わらず一
定の仕上がりが得られるように、挿入される感光材料の
種類に応じて制御を切換えることができる。このよう
に、感光材料の処理情報に基づいてローラの表面温度を
制御することにより、複数枚の感光材料を乾燥させる場
合であっても各感光材料を安定して乾燥することができ
る。
【0014】また前述のように本発明では、乳剤層の膜
面が硬膜化していない感光材料であっても、短時間で乾
燥させることができる。すなわち、実質的に硬膜剤を含
有しない定着液を用いて処理した感光材料を迅速に乾燥
できる。もちろん硬膜剤を含む定着液によって処理した
感光材料を乾燥することもできる。
【0015】次に、本発明の乾燥装置を備えた感光材料
処理装置で使用し得る定着剤及び硬膜剤について説明す
る。
【0016】例えば、本発明に使用される定着剤として
は、チオ硫酸塩、チオシアン酸塩のほか、定着剤として
の効果が知られている有機硫黄化合物を用いることがで
きる。
【0017】また、定着液中の硬膜剤として水溶性アル
ミニウム塩をあげることができるが、水溶性アルミニウ
ム塩としては硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアン
モニウム、硫酸アルミニウムカリウム、塩化アルミニウ
ムなどがる。
【0018】ここで、前述した実質的に硬膜剤を含有し
ない定着液による処理とは、定着液に浸漬された感光材
料の乳剤層の硬膜が実質的に生じないようにすることを
意味し、より具体的には、定着液に添加される水溶性ア
ルミニウム塩の量を好ましくは0〜0.01モル/リッ
トルでさらに好ましくは0〜0.005モル/リットル
にすることを意味する。これにより、定着処理の処理時
間を短縮することができ、水洗の効率があがるので処理
後の感光材料の残色を少なくすることができる。定着液
のpHとしては、5.3以上が好ましく、さらに5.5
〜7.0がより好ましい。
【0019】また、定着液中の亜硫酸塩の量としては好
ましくは0.05〜1.0モル/リットル、より好まし
くは0.07〜0.8モル/リットルである。
【0020】本発明に使用できる定着液の定着剤には前
記化合物の他、種々の酸、塩、キレート剤、界面活性
剤、湿潤剤、定着促進剤等の添加物を含有させることが
できる。
【0021】酸としては、例えば硫酸、塩酸、硝酸、ホ
ウ酸の如き無機酸類、蟻酸、プロピオン酸、シュウ酸、
フタル酸等の有機酸類が挙げられる。
【0022】塩としては、例えばこれらの酸のリチウ
ム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム等の塩が挙げ
られる。
【0023】キレート剤としては、例えば硫酸化物、ス
ルフォン化合物などのアニオン界面活性剤、ポリエチレ
ングリコール系、エステル系などのノニオン界面活性
剤、特開昭57−6840号公報(発明の名称、写真用
定着液)記載の両性界面活性剤が挙げられる。
【0024】湿潤剤としては、例えばアルカノールアミ
ン、アルキレングリコール等が挙げられる。
【0025】定着促進剤としては、例えば特公昭45−
35754号、特開昭58−122535号、同58−
122536号の各号公報に記載のチオ尿素誘導体、分
子内に三重結合を有したアルコール、米国特許4,12
6,459号明細書に記載のチオエーテル等が挙げられ
る。
【0026】前記添加剤の中で、ホウ酸、アミノポリカ
ルボン酸類などの酸及び塩は本発明の目的を助長する効
果があるため好ましい。さらに好ましくはホウ酸(塩)
を含有する定着剤である。ホウ酸(塩)の好ましい添加
量は0.5〜20g/リットルである。さらに好ましく
は4〜5g/リットルとなるに足りる量である。
【0027】本発明は印刷用、X−レイ用等各種の感光
材料に適用することができる。
【0028】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1には本発明に係る感光材料乾燥装置を
備えた感光材料処理装置10の概略側面図が示されてい
る。
【0029】感光材料処理装置10の筐体18の上部に
は、外部からの光を遮光する開閉可能な本体カバーの一
部である蓋体12、14、16が設けられている。筐体
18の一端側には感光材料であるフィルム20を挿入す
るための挿入台22が取付けられており、他端側には処
理済みフィルムを貯めておくフィルムストッカ24が取
付けられている。また、筐体18の挿入台22の近傍に
はフィルム20が挿入される挿入口26が形成されてお
り、この挿入口26の近傍には挿入されたフィルム20
を検出する検出器28が取付けられている。
【0030】検出器28は、フィルム搬送路を挟んで対
向配置された発光素子と受光素子との対がフィルム挿入
口26近傍にフィルム幅方向に沿って複数配列されて構
成されており、発光素子から照射された光線がフィルム
20によって遮光されることより各受光素子は挿入され
たフィルムの幅及び長さに応じてオン、オフする。検出
器28は制御回路122の入出力ポート130に接続さ
れている(図3参照)。なお、検出器28はフィルムに
よって反射した発光素子の光を受光素子が受光すること
によりオン、オフする種類の検出器でも良い。
【0031】筐体18の内部には、上方が開口された箱
体形状の処理槽本体30が配置されている。この処理槽
本体30内は隔壁32によって仕切られており、現像槽
34、定着槽36、水洗槽38が順に形成されている。
現像槽34の深さは定着槽36及び水洗槽38の深さよ
り深くされている。また定着槽36の深さは水洗槽38
の深さと同じ深さとされている。現像槽34内には搬送
ラック40が挿入配置され、定着槽36、水洗槽38内
には搬送ラック42が配置されている。
【0032】図1に示されるように、搬送ラック40は
一対の側板(但し、図1では一方の側板のみ図示)44
を備え、側板44間には回転可能に支持された複数の搬
送ローラ46が配設されている。搬送ローラ46は、図
示しない駆動手段の駆動力が伝達されて回転しフィルム
20を搬送する。また側板44の下方にはフィルム20
の搬送方向を反転させるガイド48が配置されている。
搬送ラック40は、現像槽34内へ挿入されたフィルム
20を底部へ下降搬送した後に反転させ、現像槽34の
上部へ向けて上昇搬送して、現像槽34内から送り出
す。これにより、フィルム20は現像槽34内に貯留さ
れた現像液によって現像処理される。
【0033】搬送ラック42は一対の側板(但し、図1
では一方の側板のみ図示)50を備え、側板50間には
上下に配置された2つのローラ52と、ローラ52の下
部に配置された大径のローラ54と、ローラ52、54
に当接するように配置された小径のローラ56と、が回
転可能に支持されている。また側板50の下部にはフィ
ルム20を反転させるガイド58が配置されている。ロ
ーラ52、54、56は図示しない駆動手段の駆動力が
伝達されてフィルム20を挟持搬送する。この搬送ラッ
ク42は定着槽36又は水洗槽38内へ送り込まれたフ
ィルム20を底部へ向けて下降搬送した後に反転させて
上昇搬送し、定着槽36または水洗槽38内から送り出
す。これにより定着槽34内を搬送されたフィルム20
は定着槽36内に貯留された定着液で定着される。また
水洗槽36内を搬送されたフィルム20は水洗槽38内
に貯留された水洗水で水洗される。
【0034】また現像槽36内には挿入口26側に搬送
ローラ対60が配置されている。挿入口26を介して筐
体18内部に挿入されたフィルム20は、この搬送ロー
ラ対60に挟持されて現像槽34内へ向けて送り込まれ
る。さらに現像槽34と定着槽36との間には現像槽3
4内から送り出されたフィルム20を下方へ向けて反転
させ、定着槽36へ向けて案内するための上部反転ガイ
ド62が配置されている。 また定着槽36と水洗槽3
8の間には定着槽36内から送り出されたフィルム20
を水洗槽38内へ向けて反転させると共に水洗処理する
フィルムが挿入されるクロスオーバーラック68が配置
されている。
【0035】図1に示されるように、水洗槽38のフィ
ルム20の搬送方向下流側にはスクイズ部66が設けら
れており、スクイズ部66の下流側には本発明に係る乾
燥装置78が配置されている。スクイズ部66にはスク
イズラック70が配置されている。このスクイズラック
70には一対の側板72(但し、図1では一方の側板の
み図示)と、これらの側板72間に配置されて回転可能
に支持された搬送ローラ対74、76が配設されてい
る。これらの搬送ローラ対74、76は図示しない駆動
手段の駆動力が伝達されて回転し、水洗槽38内から送
り出されたフィルム20を乾燥装置78へ向けて挟持搬
送する。これによってフィルム20に付着している水洗
水が絞り取られる。
【0036】図1及び図2に示すように、乾燥装置78
の乾燥室78A内には、挿入口80を介してフィルム2
0が挿入される。乾燥室78A内には一対の側板96
(図1及び図2には一方の側板のみ図示)が配置されて
おり、一対の側板96の間には、フィルム20の搬送路
に沿ってスクイズローラ82、第1のヒートローラ8
4、第2のヒートローラ86及び排出ローラ88等が回
転可能に支持されている。スクイズローラ82はフィル
ム20を挟持搬送しながらフィルム20に付着した水分
をスクイズし、さらに、これらのスクイズローラ82の
下流側に設けられたガイド90によってフィルム20を
第1のヒートローラ84外周周縁へ案内している。
【0037】第1のヒートローラ84及び第2のヒート
ローラ86は乾燥室78A内に略上下に配置されてお
り、各々の外周面に沿って巻掛けられたフィルム20を
搬送するフィルム搬送路が形成されている。第1のヒー
トローラ84の軸心部には加熱手段としての棒状の赤外
線ヒータ92が同軸的に配設されており、第2のヒート
ローラ86の軸心部には加熱手段としての棒状の赤外線
ヒータ94が同軸的に配設されている。赤外線ヒータ9
2、94は各々ドライバ136、138(図3参照)に
接続されており、各ドライバから電力が供給されると作
動し、放射熱によって各ヒートローラのローラ本体98
を加熱する。
【0038】また第1のヒートローラ84及び第2のヒ
ートローラ86の外周周縁には、複数のニップローラ1
00が配設されている。ニップローラ100はヒートロ
ーラ84、86に巻掛けられたフィルム20をヒートロ
ーラ84、86の外周面との間で挟持する。フィルム2
0は、赤外線ヒータ92、94に加熱されたヒートロー
ラ84、86の外周面と接触することによって、熱伝導
によって加熱されて乾燥される。
【0039】ヒートローラ84、86のフィルム20の
搬送方向の下流側には、一端が第1のヒートローラ84
または第2のヒートローラ86の外周面に当接し、他端
が側板64に軸支された剥離ガイド102が配設されて
おり、ヒートローラ84、86に巻掛けられたフィルム
20を所定の位置で、ヒートローラ84、86の外周面
から剥離するようになっている。また、剥離ガイド10
2の中間部は、搬送路の下流側へ向けて突出され、ヒー
トローラ84、86の外周面から剥離されたフィルム2
0を搬送路に沿って下流側へ案内するようになってい
る。
【0040】また、ニップローラ100のヒートローラ
84、86と反対側には、内部が中空とされたスプレー
パイプ104が配設されている。図2に示すように、こ
れらのスプレーパイプ104には、フィルム20の搬送
路へ向けて内部と連通するスリット107がフィルム2
0の幅方向に沿って形成されている。スプレーパイプ1
04の内部に乾燥風が供給されることにより、この乾燥
風がフィルム20へ向けてフィルム20の幅方向に沿っ
て均一に吐出されるようになっている。
【0041】図1及び図2に示すように、各々のヒート
ローラ84、86の下流側及び排出ローラ88の間に
は、ガイド108が各々配置されている。このガイド1
08は、ヒートローラ84、86あるいは排出ローラ8
8によって搬送されたフィルム20を下流側のヒートロ
ーラ86あるいは排出ローラ88へと案内するようにな
っている。また、図2に示されるように、各々のガイド
108は、内部が中空とされていると共に、案内される
フィルム20の幅方向に沿ってスリット110が形成さ
れている。ガイド108は内部に乾燥風が供給されるこ
とにより、この乾燥風がフィルム20へ向けてフィルム
20の幅方向に沿って均一に吐出されるようになってい
る。
【0042】これらのスプレーパイプ104、ガイド1
08の各々から吐出される乾燥風によってフィルム20
の表面近傍に滞留した高湿度の空気が排除され、フィル
ム20の乾燥が促進される。このフィルム20の表面近
傍から排除された高湿度の空気はファン117によって
機外へ排出される。乾燥室78A内で乾燥処理されたフ
ィルム20は、排出口112から感光材料処理装置10
の筐体18外へ排出される。
【0043】乾燥室78Aの下方には、乾燥風を発生す
るファン114及びヒータ116が設けられ、乾燥風を
発生するようになっている。この乾燥風は図示しないダ
クトを介して、前記スプレーパイプ104及びガイド1
08の内部へ供給されるようになっている。なお、ヒー
タ116を設けずに、ファン114によって感光材料処
理装置10の機外の空気をスプレーパイプ104及びガ
イド108を介して乾燥室78A内へ供給するか、ファ
ン114によって大部分の乾燥室78A内の空気を循環
させ、機外の空気を一部取り入れてスプレーパイプ10
4及びガイド108を介して乾燥室78A内に供給する
ようにしてもよい。また、この乾燥室78A内の第1の
ヒートローラ84の外周周縁の近傍には温度センサ11
8が配設されており、第2のヒートローラ86の外周周
縁の近傍にも温度センサ120が配設されている。温度
センサ118により第1のヒートローラ84の外周面の
表面温度θH1が検出され、温度センサ120により第2
のヒートローラ86の外周面の表面温度θH2が検出され
る。
【0044】赤外線ヒータ92、94は各々A/D変換
器132、134を介して制御回路122の入出力ポー
ト130に接続されている。制御回路122は、CPU
124、ROM126、RAM128、入出力ポート1
30がバス等を介して互いに接続されて構成されてい
る。ROM126には第1のヒートローラ84の設定温
度θ1 及び第2のヒートローラ86の設定温度θ2 が予
め記憶されている。また入出力ポート130にはドライ
バ136、138が接続されており、制御回路122
は、第1のヒートローラ84の温度が設定温度θ1 とな
るようにドライバ136を介して赤外線ヒータ92の作
動を制御すると共に、第2のヒートローラ86の温度が
設定温度θ2 となるようにドライバ138を介して赤外
線ヒータ94の作動を制御する。
【0045】ここで、第1のヒートローラ84の表面温
度の設定値θ1 は、フィルム20を乳剤層が形成された
面を下にして挿入口26から挿入したときに、フィルム
20の乳剤層が形成された面が第1のローラに、また乳
剤層が形成された面と反対の面がニップローラ100に
貼り付かない程度の温度(約70℃)に設定される。フ
ィルム20が第2のヒートローラ86に巻き掛けられる
ときは、フィルム20の乳剤層が形成された面及び反対
側の面がある程度乾燥されている。そこで第2のヒート
ローラ86表面温度の設定値θ2 は第1のヒートローラ
84の表面温度の設定値θ1 よりも高温に設定すること
ができ、本実施例では第2のヒートローラ86の表面温
度θ2 は約80℃に設定される。このように、第1のヒ
ートローラ84及び第2のヒートローラ86の表面温度
を設定することによって、フィルム20が第1のヒート
ローラ84、第2のヒートローラ86に貼り付くことな
く、しかも迅速に乾燥することができる。
【0046】次に本実施例の作用を説明する。挿入口2
6を介して筐体18内部にフィルム20が挿入される
と、検出器28によって挿入されたフィルム20が検出
され、検出信号が制御回路122へ入力される。挿入さ
れたフィルム20は搬送ローラ対60に挟持されて現像
槽34内へ搬送され、搬送ラック40によって下降搬送
された後に上昇搬送されて現像槽34から送り出され
る。これにより現像槽34内の現像液に浸漬されて現像
処理される。現像槽34内から送り出されたフィルム2
0は上部反転ガイド62によって下方へ向けて反転され
て定着槽36内へ送り込まれる。
【0047】定着槽36内へ送り込まれたフィルム20
は搬送ラック42によって下降搬送された後に上昇搬送
されて定着槽36内から送り出される。これにより定着
槽36内の定着液中へ浸漬されて定着処理される。定着
槽36から送り出されたフィルム20はクロスオーバー
ラック68によって下方へ向けて反転されて水洗槽内4
6内へ送り込まれる。水洗槽38内へ送り込まれたフィ
ルム20は搬送ラック42によって下降搬送された後に
反転されて上昇搬送されて水洗水によって水洗処理さ
れ、スクイズ部66へ搬送される。
【0048】スクイズ部66へ搬送されたフィルム20
は水洗槽38で付着した水分が絞り取られて、乾燥装置
78内へ搬入される。水洗槽32で水洗処理が完了した
フィルム20は、乾燥装置78の乾燥室78A内へ挿入
され、乾燥室78A内を搬送されて乾燥処理される。
【0049】すなわち、フィルム20の乳剤層が形成さ
れた面を下にしてフィルム20が挿入口24から挿入さ
れたとき、乾燥室78A内に挿入されたフィルム20
は、スクイズローラ82によってスクイズされた後に乳
剤層が形成された面が第1のヒートローラ84の外周面
に接触するように第1のヒートローラ84に巻掛けられ
る。第1のヒートローラ84は赤外線ヒータ92によっ
て加熱され、第2のヒートローラ86の温度よりも低
く、かつフィルム20の乳剤層が形成された面及びその
反対の面が第1のヒートローラ84及びニップローラ1
00に貼り付かない所定温度(例えば第1のヒートロー
ラ84の表面温度が約70℃)となるように制御されて
いる。このため、フィルム20は乳剤層が形成された面
が第1のヒートローラ84に貼り付くことなく加熱乾燥
される。フィルム20が第1のヒートローラ84に巻き
掛けられた状態で、乳剤層が形成された面と反対の面は
第1のヒートローラ84から供給された熱が伝導されて
加熱され、また第1のヒートローラ84の外周に配置さ
れたスプレーパイプ104から吐出される乾燥風が吹き
付けられて乾燥される。
【0050】第1のヒートローラ84を通過してある程
度乾燥されたフィルム20は、乳剤層が形成された面と
反対の面が第2のヒートローラ86の外周面と接触する
ように第2のヒートローラ86に巻き掛けられる。第2
のヒートローラ86は赤外線ヒータ94によって加熱さ
れ、後述する温度制御によって第1のヒートローラ84
の温度よりも高い所定温度(例えば第2のヒートローラ
86の表面温度が80℃)となるように制御されてい
る。前述のように乳剤層が形成された面と反対の面は第
1のヒートローラ84を通過した時点である程度乾燥さ
れているので、第2のヒートローラ86が第1のヒート
ローラ84よりも高温とされていてもフィルム20が第
2のヒートローラ86に貼り付くことはない。フィルム
20の乳剤層が形成された面は、第1のヒートローラ8
4によって予め加熱されており、第2のヒートローラ8
6から供給された熱が伝導されて加熱され、さらに第2
のヒートローラ86の外周に配置されたスプレーパイプ
104から吐出される乾燥風が吹付けられることにより
乾燥される。
【0051】ここで、第2のヒートローラ86より第1
のヒートローラ84の表面温度を低くするように加熱手
段を制御したが、これに代えて、フィルム20の第1の
ヒートローラ84への巻掛け量を第2のヒートローラ8
6への巻掛け量よりも少なくすることによってフィルム
20が受ける熱量を調整するようにしてもよい。
【0052】また、フィルム20はヒートローラ84、
86から熱伝導により熱を受けて加熱されるため、フィ
ルム20へ効率よく熱が伝わり、実質的に硬膜剤を含ま
ない定着液によって処理されたフィルムでも迅速な乾燥
処理ができる。さらに、第1のヒートローラ84及び第
2のヒートローラ86のローラ本体106はアルミニウ
ム製の円筒にテフロンコーティングしたもので製作さ
れ、厚さも略一定とされており、局部的に熱容量が大き
くなっているという欠陥もないので、後述する温度制御
によってローラ本体106の表面温度を容易に略一定と
することができる。従って、フィルム20は、乾燥ムラ
が生じることなく均一に乾燥される。乾燥装置78によ
って乾燥されたフィルム20は、排出ローラ88によっ
て挟持搬送されて排出口112を介して感光材料処理装
置10の機外へ排出され、フィルムストッカ24内に収
容される。
【0053】次に、第1のヒートローラ84及び第2の
ヒートローラ86の温度制御を図4のフローチャートを
参照して説明する。なお、図4のフローチャートは一定
のサンプリング周期TS (例えば500msec )毎に実行さ
れる。
【0054】ステップ200では、温度センサ118に
よって検出される第1のヒートローラ84の温度θH1
表すデータをA/D変換器132を介して取り込む。ス
テップ204では、温度センサ120によって検出され
る第2のヒートローラ86の温度θH2を表すデータをA
/D変換器134を介して取り込む。ステップ208で
はステップ200及びステップ204で取り込んだデー
タをRAM128に記憶する。
【0055】ステップ210では所定数のサンプリング
が終了したか否か判定する。ステップ210の判定が否
定された場合にはフローを終了してステップ200へ戻
る。本実施例ではヒートローラの温度を4回取り込むと
ステップ210の判定が肯定され、ステップ212以降
で赤外線ヒータ92、94のオン時間の制御を行う。こ
こで、本実施例においては制御周期TC =4×TSであ
る。ステップ212では検出器28からの検出信号に基
づいてフィルム20の挿入タイミング等の処理情報の取
込みを行う。例として、図5(A)に示すタイミングで
フィルム20A、フィルム20B、フィルム20Cが挿
入口26を介して挿入された場合、検出器28からは図
5(B)に示すような検出信号が出力される。フィルム
20が検出器28配設部位から乾燥装置78の挿入口8
0に到達するまでの時間をt0 とすると、図5(C)に
示すタイミングでフィルム20A、20B、20Cが挿
入口80を通過することになる。
【0056】図5(C)より明らかなように、フィルム
20Aの後端が挿入口80を通過してから次のフィルム
20Bの先端が挿入口80に到達するまでの時間は短く
(t L :小)、フィルム20Bの後端が挿入口を通過し
てから次のフィルム20Cの先端が挿入口80に到達す
るまでの時間は長い(tL :大)。本実施例の制御回路
122では、乾燥装置78がフィルム20の乾燥を行っ
ている場合には、第1のヒートローラ84及び第2のヒ
ートローラ86の温度が設定温度を維持するように図5
(D)の「処理モード」が選択されてPID制御(後
述)を行う。また、フィルム20の乾燥を行っていない
スタンバイ時には、第1のヒートローラ84及び第2の
ヒートローラ86の温度が設定温度よりも低い所定温度
θa となるようにスタンバイモードが選択される。しか
しながら、前述のフィルム20Aとフィルム20Bの処
理間隔のようにフィルムの間隔が短い場合(例えば3分
間以内)には、「処理モード」が選択されてPID制御
による設定温度の維持を継続して行う。
【0057】また、制御回路122はフィルム20の先
端が乾燥装置78に到達する所定時間前(図5(D)の
B )から第1のヒートローラ84及び第2のヒートロ
ーラ86の温度が設定温度となるように「処理モード」
が選択されPID制御を開始して予熱を行い、フィルム
20の後端が挿入口80を通過してからフィルム20の
後端が乾燥装置80の排出口112を通過する所定時間
(図5(D)のtA )が経過するまで、前述の処理モー
ドのPID制御を継続して行う。検出器28からのフィ
ルム検出信号を処理情報として取込み、図5(D)に示
すように処理モードかスタンバイモードかの選択が行わ
れPID制御とスタンバイ時の制御との切替えの時期を
設定する。
【0058】また、本ステップでは処理情報として、図
示しないスイッチまたはキーボードを操作することによ
って乾燥処理を行うフィルム20の種類(例えば速乾タ
イプ、標準タイプ等)を表す情報を入力して、RAM1
28に記憶させ、この情報を基にステップ224(後
述)のパラメータ変更を行うようにしてもよい。
【0059】次のステップ214では、現在の制御とし
てスタンバイ時の制御が設定されているか否か判定す
る。ステップ214の判定が肯定された場合には、ステ
ップ216で赤外線ヒータ92、94のオン時間とし
て、予め定められているスタンバイ時のオン時間tS
設定する。ステップ230では設定したオン時間tS
ドライバ136、138へ出力する。これにより、赤外
線ヒータ92、94は制御周期TC 内でスタンバイ時の
オン時間tS だけオンされ、ヒートローラ84、86の
表面温度が設定温度θ1 、θ2 よりも低い所定温度θa
に維持される。
【0060】また、ステップ214の判定が否定された
場合には、ステップ218以降で処理モードのPID制
御によるヒータオン時間の設定を行う。ステップ218
ではパラメータの変更が必要か否か判定する。このパラ
メータの意味とその変更については後述する。ステップ
218の判定が否定されるとステップ220へ移行し、
例としてヒートローラ表面温度への影響が少ない速乾タ
イプのフィルムをローラにより乾燥する場合、図6
(A)に示すように、ヒートローラの表面温度を測定す
る温度センサによって測定される測定ノイズが次の制御
周期に影響を及ぼさないようにするために、ステップ2
08で記憶したデータ(例えばサンプルS1 、…、
4 )の平均値を演算し、この値を基にヒートローラ8
4、86の表面の設定温度θ1 、θ2 との偏差E1 を各
ヒートローラ毎に演算する。次のステップ222では演
算した偏差E1 に基づいてヒートローラ毎に操作量Yn
を求める。操作量Yn は以下の(1)式によって求めら
れる。
【0061】
【数1】
【0062】であり、 En :n回目のサンプリングの際の偏差 Pb :比例帯(%) Ti :積分時間(sec) Td :微分時間(sec) TC :制御周期(sec) YS :偏差E=0のときの操作量 上記(1)式に各ヒートローラ毎のデータを代入するこ
とにより、赤外線ヒータ92、94の操作量Yn が算出
される。この操作量Yn をステップ230でドライバ1
36、138へ制御周期当りのヒータオン時間tP とし
て出力することにより、赤外線ヒータ92が設定温度θ
1 となり、赤外線ヒータ94が設定温度θ2 となるよう
に赤外線ヒータ92、94がオンされる。
【0063】これにより、フィルム20がヒートローラ
の表面に接触したときのヒートローラ表面温度θH の変
動は、図7(A)に示すように従来のオンオフ制御と比
較してハンチングが小さくなるように抑制される。例え
ば従来のオンオフ制御ではフィルム20を処理する前に
おいては第1のヒートローラ84及び第2のヒートロー
ラ86の表面温度がそれぞれ70℃、80℃のとき偏差
がそれぞれ2℃であったものを、PID制御によって制
御することにより、それぞれの偏差を1℃以内とするこ
とができ、目標温度に対する偏差を半減させることがで
きる。
【0064】フィルム20を処理するとき、第1のヒー
トローラ84と第2のヒートローラ86は、従来のオン
オフ制御では70℃、80℃のとき偏差がそれぞれ4℃
であったものを、PID制御による制御によってそれぞ
れの偏差を2℃以内にすることができ、やはり偏差を半
減することができる。また、ヒートローラの表面温度を
スタンバイ時の温度θa から設定温度(θ1 または
θ2 )へ上昇させるときにも、ヒートローラ表面温度θ
Hの変動を図7(B)に示すように短時間で設定温度に
収束させることができる。
【0065】また、乾燥処理を行うフィルム20が標準
的な乾燥速度で乾燥する標準タイプの場合には、短時間
で乾燥する速乾タイプのフィルム20を乾燥させる場合
と比較して熱的負荷が大きいためヒートローラの表面温
度θH の変化速度が速い。このため、標準タイプのフィ
ルム20を乾燥させる場合にはヒートローラの表面温度
の変化に対する応答が速くなるように制御するが、速乾
タイプのフィルム20を乾燥させる場合に同様の制御を
行うと表面温度の変化に対して操作量が過度に変化し、
ヒートローラの表面温度の変動が大きくなる。このた
め、本実施例ではステップ218でローラ表面温度θH
の時間当りの変動量Lを、例えば経過時間T(T1 、T
2 、T3 、T4 )におけるヒートローラ表面温度θ(θ
1 、θ2 、θ3 、θ4 )の各サンプルS1 、S2
3 、S4 について下記(2)式によって算出し、
【0066】
【数2】
【0067】この変動量Lを基に速乾タイプのフィルム
20か標準タイプのフィルム20かを判定し、前記
(1)式のパラメータの値の変更が必要か否か判定して
いる。なお、本実施例ではパラメータの標準値として、
速乾タイプのフィルムの乾燥に適したパラメータが設定
されている。なお、上記パラメータは、比例帯(%)P
b 、積分時間(sec) Ti 、微分時間(sec) Td のことを
いう。
【0068】ステップ218でパラメータの変更が必要
であると判断した場合にはステップ224で適切なパラ
メータを選択する。例えば、図5(A)に示すように、
速乾タイプのフィルム20A、標準タイプのフィルム2
0B、速乾タイプのフィルム20Cが順に挿入された場
合には、図5(E)に示すようにフィルム20Bの乾燥
処理によるローラ表面温度θH の時間当りの変動量によ
りステップ218の判定が肯定され、ステップ224で
応答性を重視した標準タイプのフィルムの乾燥に適した
パラメータが選択される。また、フィルム20Cの乾燥
処理によるローラ表面温度θH の時間当りの変動量によ
りステップ218の判定が否定され、パラメータの標準
値として速乾タイプのフィルムの乾燥に適したパラメー
タが選択されることになる。
【0069】次のステップ226では、前述のステップ
220における平均値の演算に代えて応答性を重視して
各ヒートローラ毎に補正演算を行う。例としてヒートロ
ーラ表面温度への影響が大きい標準タイプのフィルムを
ヒートローラにより乾燥する場合、図6(B)に示すよ
うに、経過時間T(T1 、T2 、T3 、T4 )における
ヒートローラ表面温度θ(θ1 、θ2 、θ3 、θ4 )の
各サンプルS1 、S2 、S3 、S4 について、
【0070】
【数3】
【0071】(2)式から上記(3)式を導き、この上
記(3)式を基に制御時の経過時間TS におけるヒート
ローラ表面温度θ5 を予想し、このθ5 から設定温度θ
1 、θ2 に対する偏差E1 を求める。このようにして、
上記(3)式を用いてヒートローラ表面温度θ5 を求め
ることによりヒートローラ表面温度の測定ノイズによる
次の制御周期への影響を小さくすることができる。
【0072】次のステップ228では(3)式を使った
補正演算の結果E1に基づいて、前記(1)式を用いて
各ヒートローラ毎の操作量の演算を行い、ステップ23
0でこの操作量を制御周期当りのヒータオン時間に換算
し、ドライバ136、138へ出力する。このときの操
作量はパラメータの変更、補正演算等により、ヒートロ
ーラの表面温度の変動が小さくなるようにフィルム20
の種類に応じた温度制御がされることになる。
【0073】このように本実施例では、最初に赤外線ヒ
ータ92によって加熱された第1のヒートローラ84の
外周面に、乳剤層が形成された面が接触するようにフィ
ルム20を巻掛けると共に、第1のヒートローラ84の
外周に配置したスプレーパイプ104からの乾燥風を供
給して乾燥させ、次に赤外線ヒータ94によって加熱さ
れた第2のヒートローラ86の外周面に、乳剤層が形成
された面と反対の面が接触するようにフィルム20を巻
掛けて乾燥させる。また第1のヒートローラ84の表面
温度を、フィルム20の乳剤層が形成された面及びその
反対の面が第1のヒートローラ84及びニップローラ1
00に貼り付かない程度の約70℃に設定し、第2のヒ
ートローラ86の表面温度については、第1のヒートロ
ーラ84と同程度の温度とした場合にフィルム20が第
2のヒートローラ86に貼り付かない程度にフィルム2
0の両面が乾燥されているので、第1のヒートローラ8
4の温度よりも高温で、フィルム20に悪影響を及ぼさ
ない程度の約80℃に設定している。これによってフィ
ルム20はヒートローラ84、86及びニップローラ1
00に貼り付くことなく、しかも迅速に乾燥される。
【0074】また、ヒートローラ84、86の表面温度
変動のオーバシュートをPID制御によって微小に抑え
ることができるので、フィルム20の乳剤層が、実質的
に硬膜が形成されていない乳剤層であっても損傷するこ
となく、しかも迅速な乾燥を複数の感光材料に亘って実
現することが可能である。
【0075】なお、処理情報としては、検出器28から
の検出信号に基づくフィルム20の挿入タイミングの他
に、ステップ212においてスイッチまたはキーボード
が操作されることによって入力され、RAM128に記
憶されるフィルム20の種類(例えば速乾タイプ、標準
タイプ等)を表す情報でもよく、また、上記以外にもフ
ィルム20を最適な状態で乾燥するのに必要な種々の情
報を処理情報として用いることができる。
【0076】また、本実施例では感光材料としてフィル
ム20について説明したが、これに限らず他の感光材料
でも良い。
【0077】また、本実施例ではフィルムの乳剤層が形
成された面が下方を向くように感光材料処理装置10の
挿入口26から挿入するようにしたが、フィルム20の
乳剤層が最初にヒートローラに接触し、その後乳剤層と
反対の面がヒートローラと接触するようにするならば、
フィルム20の乳剤層が形成された面が上方を向くよう
に挿入口26からフィルム20を挿入してもよい。
【0078】また、本実施例では第1のヒートローラ8
4と第2のヒートローラ86とを同じ大きさ、すなわち
同じ半径としていたが、半径が異なっていてもよい。第
1のヒートローラ84及び第2のヒートローラ86は各
々独立して温度制御を行っているため、半径が異なるも
のであっても適用が可能である。さらに、本実施例で
は、第1のローラ及び第2のローラを、各々単一のヒー
トローラによって構成していたが、2本以上のヒートロ
ーラによって構成するようにしてもよい。
【0079】また、本実施例ではPID制御を用いてヒ
ートローラ84、86の温度を制御するようにしていた
が、メンバシップ関数を用いた制御によりメンバシップ
関数そのものを変化させてヒートローラ84、86の温
度を制御してもよい。
【0080】また、温度のサンプリング周期を短くし
(例えば100msec以下)、サンプリング周期毎にオンオ
フの判断基準を変化させるオンオフ制御を行うようにし
てもよい。
【0081】また、本実施例において感光材料処理装置
10の排出口から排出された後のフィルム20の含水量
がフィルム20の露光時の含水量と略同一となるよう
に、第1のヒートローラ84及び第2のヒートローラ8
6の温度を予め実験等によって求め、それに従って制御
することにより、露光時と乾燥処理後のフィルム20の
寸法を略同一とすることもできる。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、感光材
料を搬送するローラが加熱手段にとって加熱され温度検
出手段によって検出される表面温度の時間的変化または
感光材料の処理情報の少なくとも一方に基づいて制御手
段によって加熱手段を制御し、ローラの表面温度の変動
幅を所定値以内となるようにしたので、複数枚の感光材
料に亘って略均一に乾燥することができ、感光材料を安
定して乾燥させることができる、という優れた効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る感光材料処理装置を概略構成を
示す側面図である。
【図2】乾燥装置の概略構成を示す側面図である。
【図3】制御回路周辺の概略ブロック図である。
【図4】本実施例の作用を説明するフローチャートであ
る。
【図5】(A)乃至(E)は、感光材料処理装置に挿入
されたフィルムと、挿入されたフィルムに対する処理を
説明するタイミングチャートである。
【図6】(A)は平均値演算、(B)は補正演算を説明
する線図である。
【図7】本実施例と従来とのローラ表面温度の変動を比
較する線図である。
【符号の説明】
10 感光材料処理装置 78 感光材料乾燥装置 84 第1のヒートローラ 86 第2のヒートローラ 92 赤外線ヒータ 94 赤外線ヒータ 104 スプレーパイプ 118 温度センサ 120 温度センサ 122 制御回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理液によって処理した感光材料を搬送
    しながら乾燥する感光材料乾燥装置であって、前記感光
    材料の搬送路に設けられ前記感光材料を搬送するローラ
    と、前記ローラを加熱する加熱手段と、前記ローラの表
    面温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段に
    よって検出された表面温度の時間的変化に基づいて前記
    ローラの表面温度の変動幅が所定値以内となるように前
    記加熱手段を制御する制御手段と、を有する感光材料乾
    燥装置。
  2. 【請求項2】 処理液によって処理した感光材料を搬送
    しながら乾燥する感光材料乾燥装置であって、前記感光
    材料の搬送路に設けられ前記感光材料を搬送するローラ
    と、前記ローラを加熱する加熱手段と、前記ローラの表
    面温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段に
    よって検出された表面温度の時間的変化及び前記感光材
    料の処理情報に基づいて前記ローラの表面温度の変動幅
    が所定値以内となるように前記加熱手段を制御する制御
    手段と、を有する感光材料乾燥装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記ローラの表面温度
    の変動幅が所定値以内となるようにPID制御によって
    前記加熱手段を制御することを特徴とする請求項1また
    は請求項2記載の感光材料乾燥装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006139043A (ja) * 2004-11-12 2006-06-01 Noritsu Koki Co Ltd 写真処理装置
KR200448375Y1 (ko) * 2009-03-12 2010-04-07 한솔검사엔지니어링(주) 방사선투과검사용 필름의 열풍건조장치

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