JPH0514927Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、自動車のベンチタイプシートのシー
トベルトバツクルの格納装置に関するものであ
る。

〈従来の技術〉 自動車のベンチタイプシート（特にリヤシー
ト）のシートベルトはシートクツシヨンのスリツ
ト等を貫通してシートクツシヨン上面に取り出さ
れる。従つて、シートベルトのバツクルがシート
クツシヨンの上面に置かれるため、見苦しいばか
りでなく、停車中等のシートベルトの着用を必要
としない場合には着座の邪魔になる不具合があ
る。

この問題を解決するために、バツクルをシート
内に格納させる装置が実開昭58−86755号、実開
昭59−119846号、実開昭61−24346号で提供され
ている。

〈考案が解決しようとする課題〉 上記実開昭59−119846号はシートベルトに取り
付けたゴムバンドによりバツクルを収納ケース内
に引き込んでいる構造であるが、ゴムバンドが経
時変質して裂断する恐れがある。

実開昭58−86755号はバツクルをシート上に突
出させるために、着座重量によつて機械的又は電
気的に作動する複雑な特別の駆動装置を必要とし
ている。

実開昭61−24346号もバツクルをシート上に突
出させるために、着座重量によつてモータ、ラツ
クピニオン機構あるいはエアシリンダによる空気
圧機構で作動する複雑な特別の駆動装置を必要と
している。

殊に着座重量で作動するものにあつては、必要
がない時でも、着座したり荷物を置いたりすると
バツクルが突出する不都合があり、また、着座位
置や重量によつては作動しないことも発生する問
題がある。

〈課題を解決するための手段〉 本考案は、上記従来の問題点を解消したバツク
ルの格納装置を提供するものであり、その特徴と
する構成は、自動車のベンチタイプシートにおい
て、シートクツシヨンに開設した貫通穴に配置さ
れた筒状のホルダカバーと、このホルダカバー内
に昇降摺動可能に案内された支持部材と、この支
持部材の上端に設けられたシートベルトのバツク
ルを着脱自在に保持するホルダと、前記支持部材
の下端面と前記ホルダカバー内底面との間に介装
され、前記支持部材を上昇方向に押動付勢するス
プリングと、前記支持部材に設けた略ハート形状
のガイド溝と、前記ホルダカバー内に下端を摺動
可能に枢支し、上端に前記ガイド溝に嵌合したス
トツパピンを設け、スプリングにより常に直立位
置に弾機復元力が付勢されたストツパアームとに
よる前記支持部材の上昇端及び下降端の位置決め
停止機構とを備えたものである。

〈作用〉 上記の構成により、シートベルトの着用必要の
ない場合には、バツクルをホルダに差し込んでホ
ルダを押し下げてシートクツシヨンの上面より下
方に格納し、着用を必要とする場合は、ホルダを
ある一定の位置まで引き上げると上昇端及び下降
端の位置決め停止機構によつて自動的にシートク
ツシヨン上面に突出するものである。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図及び第２図において、１はシートベル
トであり、その下端はフロアに固設したシートベ
ルトアンカ２に固着され、上端にはバツクル３が
取り付けられている。４は本考案によるシートベ
ルトバツクルの格納装置である。

この格納装置４は第２図で示すように、フロア
に固定されているシートベルトアンカ２にホルダ
カバー５を共締めによつて固着し、このホルダカ
バー５内に支持部材６を昇降摺動可能に案内す
る。支持部材６の上端にはバツクル３を着脱自在
に保持するホルダ７が設けられ、また支持部材６
の下端面とホルダカバー５内底面との間にスプリ
ング８が介装され、支持部材６を上昇方向に押し
上げてホルダ７をシートクツシヨン１４に開設し
た貫通穴１５を介してシートクツシヨン１４の上
面又は上面と略同一面位置に上昇する。

前記支持部材６は上記スプリング８による押し
上げ上昇端位置と、押し下げによる下降端位置と
に位置決め係止される。その機構は次の通りであ
る。

前記支持部材６に略ハート形状のガイド溝９を
設ける。またホルダカバー５内にストツパアーム
１０の下端をピン１１で揺動可能に枢着し、スト
ツパアーム１０の上端に前記ガイド溝９内に嵌ま
り込むストツパピン１３を設け、スプリング１２
によりストツパアーム１０を常に直立の中立位置
に弾機復元力が付勢されている。

上記の実施例ではホルダカバー５をフロアに固
設したシートベルトアンカ２に固着した構造であ
るが、第３図イで示すようにホルダカバー５をシ
ートクツシヨン１４に開設した貫通穴１５に挿通
してシートクツシヨン１４に固定してもよい。

次に上記構成の作用を第３図で説明する。第３
図イはホルダ７に差し込んだバツクル３をシート
ベルトの着用により取り出せる状態である。すな
わち、支持部材６はスプリング８によつて押し上
げられた上昇端位置であり、ホルダ７に差し込ま
れているバツクル３はシート１４の上面により突
出され、ホルダ７より容易に取り外しが可能であ
る。この状態ではストツパピン１３はハート形状
のガイド溝９の下端部に係合し、支持部材６の上
昇端の位置決めを行つている。

前記第３図イの状態は着用していたシートベル
トを外してバツクル３をホルダ７に差し込んだ状
態でも同じである。この状態ではバツクル３はシ
ート１４の上面より突出しているのでシート１４
の下面に格納する必要がある。そのためには、バ
ツクル３を押し下げる。これにより支持部材６が
下降しストツパピン１３がガイド溝９に沿つて第
３図ロで示すポイントＡに移動する。そしてバツ
クル３より手を離すと、スプリング８によつて支
持部材６が押し下げられると同時に、ストツパア
ーム１０はスプリング１２により第３図ロにおい
て右方へ旋回し、第３図ハで示すようにストツパ
アーム１０が中立位置に復元する。これによりス
トツパピン１３はガイド溝９のポイントＢに当接
し支持部材６の上昇移動を係止した固定状態とす
る。このときホルダ７に差し込まれているバツク
ル３はシート１４より下面に没入し格納される。

この格納状態によりバツクル３を第３図イのよ
うにシート１４の上面に突出させるときは、バツ
クル３を上から押し下げるとガイド溝９に沿つて
ストツパピン１３がポイントＣに移動して支持部
材６の係止を解除する。従つて、バツクル３より
手を離すとスプリング８によつて支持部材６が押
し上げられ第３図イで示す上昇端に位置し、バツ
クル３はシート１４より上面に突出するのであ
る。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によると、ベンチタイプシ
ートのシートクツシヨンに開設した貫通穴に配置
された筒状のホルダカバーと、このホルダカバー
内に昇降摺動可能に案内された支持部材と、この
支持部材の上端に設けられたシートベルトのバツ
クルを着脱自在に保持するホルダと、前記支持部
材の下端面と前記ホルダカバー内底面との間に介
装され、前記支持部材を上昇方向に押動付勢する
スプリングと、前記支持部材に設けた略ハート形
状のガイド溝と、前記ホルダカバー内に下端を摺
動可能に枢支し、上端に前記ガイド溝に嵌合した
ストツパピンを設け、スプリングにより常に直立
位置に弾機復元力が付勢されたストツパアームと
による前記支持部材の上昇端及び下降端の位置決
め停止機構とを備えた構成であるから、特別で複
雑な駆動装置を必要とすることなくバツクルを確
実に格納及び突出させることができる。

また、シートクツシヨン上に荷物を置いても支
持部材の上昇端及び下降端の位置決め停止機構に
よる停止作用によつてバツクルが突出することが
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の斜視図、第２図は同正面
図、第３図は本考案装置の作動状態を示す側面断
面図である。 １……シートベルト、３……バツクル、４……
格納装置、５……ホルダカバー、６……支持部
材、７……ホルダ、８……スプリング、９……ガ
イド溝、１０……ストツパアーム、１２……スプ
リング、１３……ストツパピン、１４……シート
クツシヨン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車のベンチタイプシートにおいて、シート
   クツシヨンに開設した貫通穴に配置された筒状の
   ホルダカバーと、このホルダカバー内に昇降摺動
   可能に案内された支持部材と、この支持部材の上
   端に設けられたシートベルトのバツクルを着脱自
   在に保持するホルダと、前記支持部材の下端面と
   前記ホルダカバー内底面との間に介装され、前記
   支持部材を上昇方向に押動付勢するスプリング
   と、前記支持部材に設けた略ハート形状のガイド
   溝と、前記ホルダカバー内に下端を摺動可能に枢
   支し、上端に前記ガイド溝に嵌合したストツパピ
   ンを設け、スプリングにより常に直立位置に弾機
   復元力が付勢されたストツパアームとによる前記
   支持部材の上昇端及び下降端の位置決め停止機構
   とを備えたことを特徴とするシートベルトバツク
   ルの格納装置。