JPH0731465U - 補助シート部材の飛び出し防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 センタアームレストやチャイルドシートなど
の補助シート部材とこれを格納するリヤシートバック
に、それぞれ着脱がワンタッチで行うことのできるバッ
クルを設けることにより、上記の課題を解決した補助シ
ート部材の飛び出し防止装置を提供する。 【構成】 リヤシートバック２に格納されたアームレス
ト１、チャイルドシート１１などの補助シート部材をリ
ヤシートバック２に枢着し、シートクッション５側に傾
倒可能とする。アームレスト１、チャイルドシート１１
などの補助シート部材の外側にワンタッチで係脱可能の
バックルを構成するバックル部材１０ａまたは１０ｂを
ストラップ８ａを介して設ける。リヤシートバック２の
頂部９にはこのバックル部材１０ａと係合する他方のバ
ックル部材１０ｂを設けて、補助シート部材の飛び出し
を防止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、乗用自動車のリヤシートに格納されたセンタアームレスト、チャ イルドシートなどの補助シートの飛び出し防止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

センタアームレストやチャイルドシートなどの補助シート部材は、リヤシート バックに格納されており、使用の際にリヤシートバックからシートクッション側 に傾倒して取り出すものである。そして、これらの補助シート部材は、自動車の 走行中に格納位置から外側に飛び出すのを防止するために機械的なロック装置が 設けられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記の機械的なロック装置は、リターンスプリング、ロックリング、ロックベ ースなどから構成されているので部品点数が多く、しかもこれらの部品を収容す るための大きなスペースを必要とする。また、補助シート部材の重量が大で操作 も厄介となる。その上、ロック装置がシートの表皮と干渉しないようにするため 、あるいは外観上の見栄えを良くするためなどの理由から、ロック装置には合成 樹脂製のカバーを必要とする。しかも、ロック装置は通常補助シート部材の枢軸 部にあるので、ロック解除動作と補助シート部材の引き出し動作とは別々に行わ なければならないために、２動作となり操作が面倒である。また、高価でもある 。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案に係る補助シート部材の飛び出し防止装置は、上記の課題を解決する ためになされたものであって、リヤシートバックに格納され、かつ内側が該リヤ シートバックに枢着されてシートクッション側に傾倒可能であるアームレスト、 チャイルドシートなどの補助シート部材において、該補助シートの外側にワンタ ッチで係脱可能のバックルを構成する一方のバックル部材を設け、該一方のバッ クル部材をリヤシートバックの頂部に設けられた他方のバックル部材とストラッ プを介して係合可能としたものである。

【０００５】

【作用】

補助シートの格納状態時においては、補助シート部材とリヤシートバックに設 けられた一対のバックル部材が相互に係合しており乗用自動車の走行中にアーム レストの飛び出しが防止される。補助シートを格納する場合には、シートクッシ ョン側から補助シートを起立させて、リヤシートバックに設けられた相手側のバ ックル部材に補助シート側のバックル部材を圧着すれば、バックルはワンタッチ で係合される

【０００６】

【実施例】

次に本考案の実施例を図面について説明する。図１はリヤシートバック２の中 央に設けられた凹部３に格納されたアームレスト１を示す。このアームレスト１ の格納時には内側６が、リヤシートバック２の上記凹部３内に設けられた枢軸４ を介して傾倒可能に枢着されている。アームレスト１の使用時には図１に仮想線 で示すように、アームレスト１をシートクッション５側に傾倒する。この際、ア ームレスト１を、前記凹部３の下面やその他図示しないが公知の適宜の支持部材 で支承することができる。

【０００７】 アームレスト１の外側端７にはストラップ８ａが縫い付けられており、このス トラップ８ａはリヤシートバック２の頂部９の略中央に達する程度の長さを有し 、かつ先端にワンタッチで着脱可能のバックル１０を構成する一方の部材１０ａ が取り付けられている。このバックル１０には抜け強度が５０〜７０ｋｇｆ程度 あり、軽量でしかも１タッチで着脱可能のもの（例えば、ニフコ社製のプラスチ ック製サイドリリースバックルＳＲ−２５、あるいはフロントリリースバックル ＦＲ−２５）を用いた。

【０００８】 図３（ａ），（ｂ）及び図４（ａ），（ｂ）に示すものは、前記ニフコ製のサ イドリリースバックルＳＲ−２５を示す。すなわち、図３（ａ）はバックル部材 １０ａの平面図、同図（ｂ）は図３（ａ）の矢印Ａ側から見た側面図であり、図 ４（ａ）はバックル部材１０ｂの中央部を切り欠いた平面図、同図（ｂ）は図４ （ａ）の矢印Ｂ側から見た側面図である。図３に示すバックル部材１０ａは強化 プラスチック製で、中央に延存する突起１６を挟んで一対のばね部材１５ａ，１ ５ｂを一体に設けている。図４に示す他方のバックル部材１０ｂは図４（ａ）に おいて部分的に切断して示すように、中央に長手方向に延びる上下、左右の案内 突条１７ａ，１７ｂ，１７ｃ，１７ｄが設けられている。

【０００９】 バックルを組み込むには、バックル部材１０ａを相手側のバックル部材１０ｂ に矢印方向Ｂ方向から圧入する。その際、突起１６はバックル部材１０ｂの突条 １７ａ，１７ｂ，１７ｃ，１７ｄに囲まれた空間１８に入ると共に、突条１６に 形成された矢形案内部１９ａが突条１７ａ，１７ｃの対向間隔Ｗ１に、および矢 形案内部１９ｂが突条１７ｂ，１７ｄの対向間隔Ｗ２に案内される。そしてばね 部材１５ａ，１５ｂはバックル部材１０ｂの上下の壁面２０ａ，２０ｂに押圧さ れて圧縮され、開口部２１ａ，２１ｂに至り開放され、ばね部材１５ａ，１５ｂ は開口部２１ａ，２１ｂと係合する。なお、２２ａ，２２ｂはストラップ取り付 け部である。また、ばね部材１５ａ，１５ｂを片手で摘むようにすれば簡単に外 すことができる。なお、上記の実施例の場合と逆にバックル部材１０ａをリヤシ ートバック２の頂部９に設け、バックル部材１０ｂをアームレスト１に設けるこ とができることは言うまでもない。

【００１０】 このバックルを用いると、アームレスト１の重量が２ｋｇｆ未満であれば、２ ０Ｇの減速に十分に耐えることができるので、アームレストが飛び出すことがな く安全性が高い。さらに、図１において仮想線で示すようにアームレスト１を引 き出した状態にあるときには、バックル部材１０ａが妄動しないように、バック ル部材１０ａの下面に例えば接着布（図示せず）を貼付し、これに対してアーム レスト１の対応位置に接着布を貼付して、両者を固定しておくとよい。

【００１１】 さらに、リヤシートバック２の頂部９にはストラップ８ｂの端部が縫い付けら れ、このストラップ８ｂ相手側のバックル部材１０ｂが取り付けられる。アーム レスト１の格納時においては、前記バックル部材１０ａと１０ｂが強固に係合す ると共に、ストラップ８ａ，８ｂは緩みがない状態で前記リヤシートバック２の 頂部９を巻回する。このために乗用自動車の走行中にアームレストの飛び出しが 防止される。

【００１２】 アームレスト１を格納する場合には、シートクッション５側からアームレスト １を起立させてから、リヤシートバック２の頂部９に設けられたバックル１０ｂ にバックル１０ａを圧着すれば、バックル１０はワンタッチで係合される。かく て、アームレスト１の飛び出しは防止される。

【００１３】 図２に示すのはチャイルドシート１１に本考案を用いた場合の実施例を示す。 図１のアームレスト１の場合と同様にチャイルドシート１１は内側１２がリヤシ ートバック２の下側に設けられた枢軸４に傾倒可能に枢着されている。図２にお いて実線で示すように、チャイルドシート１１をシートクッション５側に傾倒し た場合には、シートクッション１１はシートクッション５の表面に位置する。そ して、チャイルドシート１１の外端部１３側は図示しないヒンジを介して途中か ら折り曲がり、サブチャイルドシートクッション１４となる。この状態で実線に て示すようにチャイルドシート１１に児童１６が着座できる。

【００１４】 さらに、チャイルドクッション１１には、その外端部１３に縫い付け固定され 、リヤシートバック２の頂部９の略中央に達する程度の長さのストラップ８ａを 介してワンタッチで着脱可能のバックル部材１０ａが取り付けられている。なお 、バックル１０には上記のアームレストの場合と同様にニフコ社製のサイドリリ ースバックルＳＲ−２５、あるいはフロントリリースバックルＦＲ−２５を用い た。バックル部材１０ａは、アームレストの場合と同様に図示しない接着布を介 してチャイルドクッション１１に取り付けられていて、チャイルドシート使用時 にバックル部材１０ａが妄動しないようにしてある。そして、リアシートバック ２の頂部９には前記のバックル部材８ａと係合するバックル部材８ｂが、リヤシ ートバック２の頂部９に縫い付け固定されたストラップ８ｂを介して取り付けら れている。

【００１５】 チャイルドシート１１を図２に想像線で示すように格納する場合には、シート クッション５からチャイルドシートを起立させてから、リヤシートバック２の頂 部９に設けられたバックル１０ｂにバックル１０ａを圧着すれば、このバックル 部材１０ａと１０ｂはワンタッチで係合される。この場合、ストラップ８ａ，８ ｂが緩みがない状態で前記チャイルドシート１１の頂部９を巻回する。このため に乗用自動車の走行中にチャイルドシートの飛び出しが防止される。

【００１６】

【考案の効果】

この考案は、上記のようにリヤシートバックに格納され、かつ内側が該リヤシ ートバックに枢着されてシートクッション側に傾倒可能であるアームレスト、チ ャイルドシートなどの補助シート部材において、該補助シートの外側にワンタッ チで係脱可能のバックルを構成する一方のバックル部材を設け、該一方のバック ル部材をリヤシートバックの頂部に設けられた他方のバックル部材とストラップ を介して係合可能とすることにより補助シート部材の飛び出しを防止したのであ るから、バックルの着脱は片手でも可能であり、しかも係合状態を脱すれば直ち に補助シートの引き出しが行われるのであり、操作が極めて簡単、かつ迅速にな る。そして特別のロック機構を必要としないので、補助シートの重量も軽減され 価格も低廉となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示すリヤシートの側面図で
ある。

【図２】この考案の他の実施例を示すリヤシートの側面
図である。

【図３】（ａ）は、この考案の実施例において用いられ
た一方のバックル部材の正面図であり、（ｂ）は同側面
図である。

【図４】（ａ）は、この考案の実施例において用いられ
た他方のバックル部材の正面図であり、（ｂ）は同側面
図である。

【符号の説明】

１ アームレスト（補助シート部材） ２ リヤシート ４ 枢軸 ５ シートクッション ６ アームレストの内側 ７ アームレストの外側端 ８ａ ストラップ ９ 頂部 １０ バックル １０ａ バックル部材 １０ｂ バックル部材 １１ チャイルドシート（補助シート部材） １２ チャイルドシートの内側 １３ チャイルドシートの外側端

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 リヤシートバックに格納され、かつ内側
   が該リヤシートバックに枢着されてシートクッション側
   に傾倒可能であるアームレスト、チャイルドシートなど
   の補助シート部材において、該補助シートの外側にワン
   タッチで係脱可能のバックルを構成する一方のバックル
   部材を設け、該一方のバックル部材をリヤシートバック
   の頂部に設けられた他方のバックル部材とストラップを
   介して係合可能としたことを特徴とする補助シート部材
   の飛び出し防止装置。