JPS6343963Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車等において前席のシートバツ
クを後席のシートクツシヨンの前側に倒し込ん
で、前後のシートを連続して略水平状態にするこ
とができるようになつているフルフラツトシート
用のシートトラツクストツパ装置に関する。

上記のようにフルフラツトシートにおいては、
前席のシートバツクを後席のシートクツシヨンの
前側に倒し込む必要があるため、通常のシートの
場合と比較して、前席の前方へのシートスライド
量を大きくしなければばならない。

しかしながら、前席の前方へのシートスライド
量を大きくとると、ボデイ側に設けられているシ
ートベルトアンカレツジに固定される乗員用拘束
用シートベルトの使用が不能となるために、前方
へのシートスライド量を無制限に大きくすること
はできず、又、前方へスライドした位置でシート
スライドロツク装置を設けることはできなかつ
た。

このため、従来は、前席シートバツク長さおよ
び又は後席シートクツシヨン長さを短縮して、前
席のシートバツクを後席のシートクツシヨンの前
側に倒し込むようにしている。一方、フルフラツ
ト状態でシートをロツクする手段はなかつた。

従つて、この場合は、前席シートバツクあるい
は後席シートクツシヨンの長さの短縮により、こ
れらシートの乗りごこちが低下してしまうととも
に、フルフラツト時の操作性が悪いという問題点
があつた。

この考案は上記従来の問題点に鑑みてなされた
ものであつて、前席シートバツク長さおよび又は
後席シートクツシヨン長さを短縮することなく、
更に、シートベルトの使用を不能とすることな
く、フルフラツト時に、シートを前方に充分スラ
イドさせるとともにシートのスライドロツクをす
ることができるようにしたフルフラツトシート用
シートトラツクストツパ装置を提供することを目
的とする。

この考案は、シートクツシヨン側に設けられ、
該シートクツシヨンから外方に突出自在のシート
側ストツパと、前記シートクツシヨンが一定量以
上前方に移動した時、突出状態の前記シート側ス
トツパが嵌合する位置に配置され、シートクツシ
ヨンのスライドをロツクするボデイ側ストツパ
と、前記シートクツシヨンに枢支されたシートバ
ツクの傾倒角度に対応して揺動されるとともに、
前記シート側ストツパに連結され、該シートバツ
クの傾倒角度が一定値以上の時のみ、前記シート
側ストツパを前記ボデイ側ストツパと嵌合する突
出位置に駆動する揺動レバーとを設けることによ
り、シートバツクが大きく傾倒された時のみ前方
への充分なスライド量を確保できるようにして、
上記目的を達成するものである。

又この考案は、前記フルフラツトシート用シー
トトラツクストツパ装置において、前記揺動レバ
ーを、前記シートバツクと一体的に揺動してシー
トクツシヨン側のリクライニングアジヤスタパウ
ルと噛み合うことによつて固定されるラチエツト
に対して、前記シートクツシヨンの傾倒角度が一
定値以下の時、先端が当接され得る位置で、該先
端が前記ラチエツト外周に付勢され、前記シート
クツシヨンの傾倒角度が一定値以上となり、該揺
動レバーの先端が、前記ラチエツト外周から外れ
る時、前記シート側ストツパを突出させるように
して上記目的を達成するものである。

以下本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

この実施例は、図に示されるように、シートク
ツシヨン１側に設けられ、該シートクツシヨン１
から外方に突出自在のシート側ストツパ２と、前
記シートクツシヨン１が一定量以上前方に移動し
た時、突出状態の前記シート側ストツパ２が嵌合
する位置に配置され、シートクツシヨン１のスラ
イドをロツクするボデイ側ストツパ３と、前記シ
ートクツシヨン１に枢支されたシートバツク４の
傾倒角度に対応して作動されるとともに、該シー
トバツク４の傾倒角度が一定値以上の時のみ、前
記シート側ストツパ２を前記ボデイ側ストツパ３
と嵌合する突出位置に駆動するストツパ駆動装置
５と、によりフルフラツトシート用シートトラツ
クストツパ装置を形成したものである。

前記ストツパ駆動装置５は、前記シートバツク
４と一体的に揺動してシートクツシヨン１側のリ
クライニングアジヤスタパウル６と噛み合うこと
によつて固定されるラチエツト７に対して、前記
シートクツシヨン１の傾倒角度が一定値以下の
時、先端が当接され得る位置で、該先端が前記ラ
チエツト７外周に付勢される揺動レバー８を備
え、前記シートクツシヨン１の傾倒角度が一定値
以上となり、該揺動レバー８の先端が、前記ラチ
エツト７外周から外れる時、前記シート側ストツ
パ２を突出させるようにされている。

前記シート側ストツパ２は、第２図および第３
図に示されるように、シートクツシヨン１の構造
部材であるロアアーム９の側面にガイド１０によ
つて鉛直方向に移動自在に案内されるとともに、
ピン１１により吊下されている。

このピン１１は、前記ストツパ駆動装置５にお
ける揺動レバー８の先端に形成された長孔８Ａを
略水平方向に貫通して支持されるとともに、前記
シート側ストツパ２と反対側の端部において、引
張ばね１２によつて図において略下方に付勢され
ている。

前記ボデイ側ストツパ３は、シートトラツクを
構成するフロア側のロアレール１３に一体的に取
付けられ、前記シート側ストツパ２が図において
下方に突出した時、その先端と干渉する位置にま
で側方に突出されたプレート状部材１７の上面に
孔状に形成され、且つ、そのロアレール１３方向
の位置は、シート側ストツパ２、シートとともに
乗員拘束用シートベルト装着可能な範囲の前方へ
の限界位置を越えて一定量移動した時に、突出状
態のシート側ストツパ２と嵌合できる位置とされ
ている。

図の符号１４は前記ロアレール１３の上方に嵌
合され、前記ロアアーム９を一体的に支持するア
ツパレールを示す。

前記ストツパ駆動装置５における前記揺動レバ
ー８は、略Ｖ字形状とされ、そのＶ字の先端にお
いて、前記ピン１１およびびシートバツク４の揺
動軸１５と平行な揺動軸１６を介して、前記ロア
アーム９の側面に前記ラチエツト７の揺動面と略
同一面内で揺動自在に枢支されている。

又この揺動レバー８の一方の先端には、前記長
孔８Ａが形成され、又、他方の先端には、前記ラ
チエツト７の外周に転設するローラ８Ｂが回転自
在に支持されている。

更に、前記揺動レバー８の長孔８Ａ側の先端は
前記引張ばね１２によりローラ８Ｂがラチエツト
７の外周に圧接する方向即ち、長孔８Ａ側の先端
がピン１１を介してシート側ストツパ２を下方に
突出する方向に付勢されている。

第２図の符号１８は、シートバツク４の構造部
材であるアツパアーム、第１図の符号１９はリヤ
シートをそれぞれ示す。

次に上記実施例の作用を説明する。

まず、シートバツク４が、第１図および第２図
に示される実線の位置にある場合、その傾倒角度
が小さいので、揺動レバー８のローラ８Ｂはシー
トバツク４側のアツパアーム１８と一体的なラチ
エツト７の外周に転設して、第２図において時計
方向に押された位置にある。

従つて、揺動レバー８の先端に形成された長孔
８Ａは、上方位置をとり、この長孔８Ａを貫通す
る前記ピン１１は、引張ばね１２に抗して上方に
引張られ、これによつて、前記シート側ストツパ
２は、第２図および第３図に示される実線位置に
引込状態に維持される。

シート側ストツパ２が引込み位置にあると、こ
の状態で、シートクツシヨン１１およびびシート
バツク４を、シートラツクに沿つて前方に移動さ
せても、スライドロツクが不能である。

従つて、この実施例においては、シートバツク
４の傾倒角度が小さい場合は、常にシートベルト
装着可能範囲内である通常位置でのみスライドロ
ツク可能であり、シートクツシヨン１およびシー
トバツク４を前方へスライドした状態での使用が
制限されることになる。

シートバツク４をフルフラツトあるいはこれに
近い角度まで後方に傾倒させると、ラチエツト７
がアツパアーム１８とともに、第２図において時
計方向に回動して、揺動レバー８の先端に取付け
られたローラ８Ｂは、ラチエツト７の外周から外
れることになる。

揺動レバー８は、シート側ストツパ２の自重お
よび引張ばね１２の引張力によつて、第２図にお
いて反時計方向に付勢されているので、ローラ８
Ｂはラチエツト７の外周から外れて反時計方向に
落込む。

この時、揺動レバー８の一方の先端に形成され
た長孔８Ａを貫通するピン１１も揺動レバー８と
ともに反時計方向に引張られる。従つて、このピ
ン１１を介して吊下されている前記シート側スト
ツパ２も下方に引張られて突出され、その先端が
ボデイ側のプレート状部材１７の上面に当接され
る。

この状態で、シートクツシヨン１およびシート
バツク４を前方に大きく移動させると、シート側
ストツパ２の先端がプレート状部材１７上面を摺
動して、該上面に形成された孔状のボデイ側スト
ツパ３に落ち込み嵌合する。従つてシートはシー
トトラツクの前方限界まで移動させ、ここでロツ
クさせることができ、第１図において二点鎖線で
示されるように、シートバツク４をシートクツシ
ヨン１およびリヤシート１９のシートクツシヨン
１９Ａとともに略水平方向に、即ちフルフラツト
状態とすることができる。

上記のようなフルフラツト状態からシートバツ
ク４を起こすと、前述とは逆の過程を経て、揺動
レバー８は第２図において時計方向に揺動され
る。

この時、シート側ストツパ２の下端は前記ボデ
イ側ストツパ３から抜け出て、アンロツク状態と
なる。

従つて、この状態では、シートをロツクできな
いため、シートバツク４を起こしても、自動車を
運転できる状態にはならない。

尚上記実施例は、ボデイ側ストツパ３をシート
トラツクのロアレール１３と一体のプレート状部
材１７に孔状に設け、且つ、シート側ストツパ２
はこのボデイ側ストツパ３と嵌合する位置に突出
できるようにしたものであるが、本考案はこれに
限定されるものでなく、シート側ストツパ２は、
シートクツシヨン１の傾倒角度に応じてシートク
ツシヨン１側から突出あるいは引込むようにさ
れ、又、ボデイ側ストツパ３は、ロアレール１３
を含むボデイ側、例えばフロア側にあつて、突出
されたシート側ストツパ２にその前方への移動位
置で係合するものであればよい。

又上記実施例は、シート側ストツパ２を引張ば
ね１２によつて突出方向に付勢しているが、これ
は、シート側ストツパ２の自重によつてあるい
は、揺動レバー８によつて突出されるようにして
もよい。

本考案は上記のように構成したので、シートを
通常位置よりも大きく前方に移動させた場合、シ
ートバツクの傾倒角度が一定値以上の時のみシー
トをロツクすることができ、従つて、前席シート
バツク長さおよび又は後席シートクツシヨン長さ
を短縮させたりすることなく、又安定して、フル
フラツト状態とすることができるという優れた効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るフルフラツトシート用シ
ートトラツクストツパ装置を実施した自動車のフ
ロントシートおよびリヤシートを示す略示側面
図、第２図は本考案に係るフルフラツトシート用
シートトラツクストツパ装置の実施例を示す側面
図、第３図は第２図の−線に沿う断面図、第
４図は第２図の−線視図である。 １……シートクツシヨン、２……シート側スト
ツパ、３……ボデイ側ストツパ、４……シートバ
ツク、５……ストツパ駆動装置、６……リクライ
ニングアジヤスタパウル、７……ラチエツト、８
……揺動レバー、８Ｂ……ローラ、９……ロアア
ーム、１３……ロアレール。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) シートクツシヨン側に設けられ、該シートク
   ツシヨンから外方に突出自在のシート側ストツ
   パと、前記シートクツシヨンが一定量以上前方
   に移動した時、突出状態の前記シート側ストツ
   パが嵌合する位置に配置され、シートクツシヨ
   ンのスライドをロツクするボデイ側ストツパ
   と、前記シートクツシヨンに枢支されたシート
   バツクの傾倒角度に対応して揺動されるととも
   に前記シート側ストツパに連結され、該シート
   バツクの傾倒角度が一定値以上の時のみ、前記
   シート側ストツパを前記ボデイ側ストツパと嵌
   合する突出位置に駆動する揺動レバーと、を有
   してなるフルフラツトシート用シートトラツク
   ストツパ装置。 (2) 前記揺動レバーは、前記シートバツクと一体
   的に揺動してシートクツシヨン側のリクライニ
   ングアジヤスタパウルと噛み合うことによつて
   固定されるラチエツトに対して、前記シートク
   ツシヨンの傾倒角度が一定値以下の時、先端が
   当接され得る位置で、該先端が前記ラチエツト
   外周に付勢され、前記シートクツシヨンの傾倒
   角度が一定値以上となり、該揺動レバーの先端
   が、前記ラチエツト外周から外れる時に、前記
   シート側ストツパを突出させるようにされたこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載のフルフラツトシート用シートトラツクス
   トツパ装置。