JPH0640044Y2 - シートベルト収納ケース - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、車両用シートのシートバツクまたはシートク
ツシヨンに埋設されて、そのシートに配設されるシート
ベルトのバツクル、特にロツク解除ボタンがタング挿通
口の側部にタングの挿通方向とは反対の方向に付勢され
て配設されるタイプのバツクルを収容するシートベルト
収納ケースに関する。

《従来の技術》 第４図には、従来の例えば３人掛けのベンチタイプの車
両用シートに配設されるシートベルトの一例が示されて
いる。

図において、この車両用シート１は、シートクツシヨン
２と、シートバツク３とからなり、これには左，右の座
部に夫々シートベルト４が設けられている。これらのシ
ートベルト４はいずれも着座者を拘束するウエビング５
と、このウエビング５に取り付けられるタング６と、こ
のタング６に係合するバツクル７とを備え、ウエビング
５はベンチシート１の外方に配設され、ウエビング５に
取付けられるタング６に係合するバツクル７はシートク
ツシヨン２とシートバツク３との会合部で夫々の座部の
中央部側に配設されている。バツクル７は夫々第５図に
示すようにその前端面にタング挿通口８と、その側部に
タング６の挿通方向とは反対の方向に付勢されて配設さ
れるロツク解除ボタン９とを備え、その後部にウエビン
グ10が取付けられ、このウエビング10を夫々シートクツ
シヨン２とシートバツク３との会合部に挿通され、その
先端部をフロアパネルに固着して固定されている。

《考案が解決しようとする課題》 しかしながら、このような従来の車両用シート１にあつ
ては、シートベルト４を格納する手段が備えられていな
いために、第４図に示すように、不使用時のシートベル
ト４はそのタング６とバツクル７とが解離した状態で放
置され、そのバツクル７にあつては雑然とした状態でシ
ートクツシヨン２上に載置されて、着座時の邪魔になつ
たり、シート１の美感を損ねるものとなつている。この
ような事情はリヤシートばかりでなく、フロントシート
についても言えることがある。

そこで、本考案は、車両用シートのシートバツクまたは
シートクツシヨンに埋設されて、不使用時のバツクルを
収容するシートベルト収納ケースを提供することを目的
とする。

《課題を解決するための手段》 前述した問題点を解決するため、本考案によるシートベ
ルト収納ケースは、車両用シートのシートバツクまたは
シートクツシヨンに埋設されて、前記シートに配設され
るシートベルトのバツクルを収容保持するためのシート
ベルト収納ケースであつて、前記バツクルは、シートベ
ルトのタングを挿通するための挿通口の側部に前記タン
グの挿通方向とは反対の方向に付勢されたロツク解除ボ
タンを備え、前記ケースは、前記バツクルを収容する前
面を開放された箱状をなし、前記前面の前記バツクルの
ロツク解除ボタンに対応する位置に前記ロツク解除ボタ
ンを前記タングの挿通方向と同方向に押圧する突出部を
備えたことを特徴とする。

《作用》 シートベルトのバツクルは、シートバツクまたはシート
クツシヨンに埋設されるケース内にその前面より嵌挿さ
れるとともに、その前面のバツクルのロツク解除ボタン
に対応する位置に設けられた突出部にそのロツク解除ボ
タンがその付勢方向に抗して押圧されてその嵌挿状態が
固定保持される。

《実施例》 第１図には、本考案によるシートベルト収納ケースの一
実施例が示されている。このケースは、例えば従来例で
示した車両用シート１に設けられ、これに配設されたシ
ートベルト４のバツクル７に適用される。

このケース11は、バツクル７をそのタング挿通口８を上
方向として収容する前面を開放された箱状をなし、その
収容空間12を画設する上面壁13と後面壁14と両側面壁15
と下面壁16とを備えている。また、上面壁13の前端部中
央には下方向に突出する突出壁17が一体形成されてい
る。この突出壁17は、横寸法および厚さ寸法にバツクル
７のロツク解除ボタン９のそれと略同じかこれよりも小
さい寸法値が設定され、その縦寸法にロツク解除ボタン
９の操作時における可動範囲内の例えば半分程度の可動
値に相当する寸法が設定されており、その下端面中央部
に係止突起18を備えている。尚、バツクル７のロツク解
除ボタン９の上端面には予め係止突起18に係合する係止
溝9aが形成されており、その前面に操作ノブ9bを備えて
いる。また、下面壁16には、このケース11内にバツクル
７が収容されたときにバツクル７後部に取付けられるウ
エビング10を逃げるための開口19が前端面側から形成さ
れている。

このように構成されたシートベルト収納ケース11は、第
２図に示すように、車両用シート１のシートバツク３の
下部でシートバツク３とシートクツシヨン２との会合部
から引き出されたウエビング10の直上の位置に埋設され
てシートバツク３に取付けられる。

そして、不使用時のシートベルト４のバツクル７は、第
３図中一点鎖線で示すように、先ずその上端部をケース
11内に挿入させて、その上端面のロツク解除ボタン９を
ケース11の上面壁13の突出壁17に当接させるとともにボ
タン９の係止溝9aに突出壁17の係止突起18を係合させて
位置決めした後、ロツク解除ボタン９をその突出壁17に
タング６の挿通方向とは反対の方向への付勢力に抗して
押圧しながら同図中２点鎖線で示すようにケース11内に
嵌挿される。このようにして、バツクル７は、ケース11
内に嵌挿され、この状態が突出壁17に保持されるととも
に、バツクル７のロツク解除ボタン９の突出壁17に対す
る反撥力によりガタツキが防止されて固定される。ま
た、シートベルト４を使用する場合、バツクル７は、手
操作によりそのロツク解除ボタン９をさらに下方に押圧
してボタン９と突出壁17との固定状態を解いてケース11
からバツクル７の下端側より取り外される。

したがつて、シートベルト４のバツクル７はケース11内
に収容されることによりシートバツク３内に格納され
て、シート１全体の美感を維持することができる。

尚、本実施例では、上面壁13に設けられた突出壁17とバ
ツクル７のロツク解除ボタン９との係合状態をより確実
なものとするために、ロツク解除ボタン９の上端面には
係止溝9aを、突出壁17の下端面にはその係止溝9aに係合
する係止突起18を夫々設けたが、特にこれらがなくても
単にロツク解除ボタン９の突出壁17に対する反撥力でケ
ース11内にバツクル７を固定することができる。さらに
この突出壁17をロツク解除ボタン９の充分な反撥力を得
ることができるものであれば上面壁13に係止突起18を直
接設けてもよい。

また、本実施例では、ケース11の取付位置をシートバツ
ク３の下部でシートバツク３とシートクツシヨン２との
会合部から引き出されたウエビング10の直上位置とした
が、これに限定するものではなく、バツクルのシートに
対する取付位置および取付状態あるいはシートの態様に
より種々選定することができる。例えばセパレートタイ
プのフロントシートにあつてはケースをシートクツシヨ
ンの側部に埋設することができる。

〔考案の効果〕

以上のように、本考案によるシートベルト収納ケース
は、バツクルを収容する前面を開放されたケースであつ
て、これをシートバツクまたはシートクツシヨンの適宜
位置に埋設することにより、不使用時のバツクルを収容
して、着座時の異物感をなくすとともに乗員不在のシー
トクツシヨン上を整然とさせてシート全体の美感を維持
することができる。またケース前面のバツクルのロツク
解除ボタンに対応する位置に同ボタンを押圧する突出部
が備えられているので、同ボタンの同突出部に対する反
撥力によりバツクルをケース内にガタツクことなく確実
に固定保持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案によるシートベルト収納ケースの一実
施例を示す斜視図、第２図は、同ケースを備えた車両用
シートの斜視図、第３図は、同ケースの作用を説明する
ための側断面図、第４図は、シートベルトが配設された
従来の車両用シートの一例を示す斜視図、第５図は、同
シートに配設されるシートベルトのバツクルを示す斜視
図である。 １…車両用シート、２…シートクツシヨン、３…シート
バツク、４…シートベルト、６…タング、７…バツク
ル、８…タング挿通口、９…ロツク解除ボタン、11…シ
ートベルト収納ケース、12…開口、17…突出壁（突出
部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車両用シートのシートバツクまたはシート
   クツシヨンに埋設されて、前記シートに配設されるシー
   トベルトのバツクルを収容保持するためのシートベルト
   収納ケースであつて、前記バツクルは、シートベルトの
   タングを挿通するための挿通口の側部に前記タングの挿
   通方向とは反対の方向に付勢されたロツク解除ボタンを
   備え、前記ケースは、前記バツクルを収容する前面を開
   放された箱状をなし、前記前面の前記バツクルのロツク
   解除ボタンに対応する位置に前記ロツク解除ボタンを前
   記タングの挿通方向と同方向に押圧する突出部を備えた
   ことを特徴とするシートベルト収納ケース。