JPH0514827B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、電子制御装置により制御される自動
変速機を搭載した車両の自動変速機の変速制御装
置に関する。

（従来の技術） 雪道や凍結した路面などのいわゆる低摩擦路面
で制動力を付勢した場合に、車輪は停止しても、
車両は滑走を続けるホイールロツク状態が生じ
る。こうしたホイールロツク状態では、駆動系の
回転が停止するので、車速を零と判断して、自動
変速機が発進段である低速段に切替られてしまう
ことになる。

（発明が解決しようとする問題点） 車両がホイールロツク状態で、ギヤが切替られ
ると、ブレーキの踏込みを停止して制動力を消勢
し、再度通常の走行に移る時、実際の走行速度に
対応しないギヤが選ばれているために、エンジン
をオーバーランさせてしまい、あるいはスリツプ
するなどの不都合が生じることがあつた。

本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、
ホイールロツクが発生したときに駆動系の停止に
より直ちにギヤ段の変更を行なわないようにし
て、エンジンのオーバランを防止できる自動変速
機の変速制御装置を提供することを目的としてい
る。

（問題点を解決するための手段） 上述の目的を達成するために、本発明によれ
ば、車両の駆動系の回転数によつて検出される車
速とアクセルペダル踏込量とに応じて決定される
変速段に自動的に制御する変速制御装置を有する
車両用自動変速機において、検出された車速から
車速の減少率を演算する手段と、ブレーキの制動
力状態を検知する手段とを設け、車速の減少率が
所定値よりも大きい場合には、ブレーキの制度力
が消勢されはじめ後設定時間が経過するまでは変
速を禁止するように構成したことを特徴とする自
動変速機の変速制御装置が提供される。

（作用） 本発明では、センサ手段からの信号に基ずく車
速減少率からホイールロツク状態と判断されたと
き、ブレーキが消勢した後も一定時間が経過しな
いとギヤの変更が出来ないように制御される。

（実施例） 以下、図面を参照して、本発明の自動変速機の
変速制御装置の一実施例を詳細に説明する。

第１図は、電子制御自動変速機を有する車両の
変速機制御システムを示すブロツク図、第２図
は、ギヤ段制御の一例を示すフローチヤートであ
る。

第１図において、１はエンジンであり、吸入気
体（空気又は混合気）量を制御するスロツトルバ
ルブを含むものであり、フライホイール１ａを備
える。２はクラツチ本体であり、周知の摩擦クラ
ツチで構成され、レリーズレバー２ａを有するも
の、３はクラツチアクチユエータであり、クラツ
チ本体２の係合量を制御するため、そのピストン
ロツド３ａがレリーズレバー２ａを駆動するもの
である。４は油圧機構であり、５は変速機アクチ
ユエータである。６は同期噛合式変速機であり、
変速機アクチユエータ５により駆動され変速動作
を行なうものであり、クラツチ２と接続されたイ
ンプツトシヤフト（入力軸）６ａ、出力軸（駆動
軸）６ｂ、変速段（ギヤ位置）を検出するギヤ位
置センサ６ｃとを備えている。

７はセレクトレバーであり、運転者により操作
され、「Ｎ」レンジ（中立位置）、「Ｄ」レンジ
（自動変速）、「１」レンジ（１速）、「２」レンジ
（２速）、「３」レンジ（１，２，３，速の自動変
速）、「Ｒ」レンジ（後退）の各レンジをそのレバ
ーポジシヨンによつて選択でき、選択されたレン
ジを示す選択信号SPは、セレクトセンサ７ａに
よつて出力される。８ａは回転センサでり、イン
プツトシヤフト６ａの回転数を検出するためのも
の、８ｂは車速センサであり、駆動軸６ｂの回転
数から車速を検出するためのもので、いずれも電
子制御装置９に接続される。１０はエンジン回転
センサであり、フライホイール１ａの回転数を検
出してエンジン１の回転数を検出するためのもの
である。

上記電子制御装置９はマイクロコンピユータで
構成され、演算処理を行なうプロセツサ９ａと、
変速機６、クラツチ２を制御するための制御プロ
グラムを格納したリードオンリーメモリ
（ROM）９ｂと、出力ポート９ｃと、入力ポー
ト９ｄと、演算結果等を格納するランダムアクセ
スメモリ（RAM）９ｅと、これらを接続するデ
ータバス（BUS）９ｆとで構成されている。出
力ポート９ｃは、クラツチアクチユエータ３、油
圧機構４、変速機アクチユエータ５に接続され、
これらを駆動する駆動信号CDV，PDV，ADVを
出力する。

一方、入力ポート９ｄは、クラツチアクチユエ
ータ３、各種センサ６ｃ，７ａ，８ａ，８ｂ，１
０及び後述するアクセルペダル１１、ブレーキペ
ダル１２に接続され、これらの検出信号を受け取
る。アクセルペダル１１は、その踏込量を検出す
るセンサ１１ａ（ポテンシヨンメータ）を有し、
ブレーキペダル１２は、その踏込量を検出するセ
ンサ１２ａ（ポテンシヨンメータ）を有するもの
である。

次に、第２図のフローチヤートに基づいて、本
発明装置における制御動作を説明する。

最初に、設定時間周期で車速信号が車速センサ
８ｂから読み込まれ（ステツプａ）、前回の車速
と今回読み込まれた車速とから車速の変化率が演
算される。（ステツプｂ）。次にブレーキ信号が読
み込まれると（ステツプｃ）、電子制御装置９の
所定記憶領域に変速禁止フラグが存在するか否か
を見て、最適段への変速が禁止されているか、そ
れとも許されているかを判断する（ステツプｄ）。

変速禁止フラグがなければ、変速可能状態であ
り、ステツプｅ以降の禁止条件のチエツクを行な
う。つまり、先に演算された車速の変化率から車
速減少率と、ホイールロツク状態とすべき所定値
との大小を判定し、（ステツプｅ）、減少率が設定
値より大きいときには直ちに変速禁止フラグを立
て、変速操作を禁止する（ステツプｆ）ととも
に、禁止時間を設定するタイマ手段たとえばカウ
ンタをセツトすることで、そこに設定値を書込む
（ステツプｇ）。他方、変速禁止フラグがあつて、
前回の周期以来変速が禁止されていれば、ステツ
プｈ以降の禁止解除条件のチエツクを行なう。つ
まり、先に検出されたブレーキ信号から制動力が
消勢方向に向かつているのか否かを判断し（ステ
ツプｈ）、ブレーキが開放中で、かつ上記カウン
タの置数内容が零でない場合に（ステツプｉ）、
そこから１だけ減算する（ステツプｊ）。そして、
この結果カウンタが零になれば、ステツプｋから
ギヤ変更の禁止を解除するべく変速禁止フラグを
零にするなど、変速可能状態とする（ステツプ
）。しかし、ブレーキが踏込み中で制動力が付
勢される方向に向かつているときには、通常走行
へ移行する状態ではなく、その時は上記ステツプ
ｆに行つて、カウンタを再セツトすることで、禁
止時間が再設定される。

こうして決定される変速禁止フラグの状態に応
じて、変速禁止のときにはステツプｍからステツ
プｎに行つて、ギヤ変更をせずに前回の最適ギヤ
段が継続して保持され、変速操作が許可されてい
れば、通常のブレーキ条件や、セレクトレバー条
件をチエツクして最適段決定処理がなされ（ステ
ツプｏ）、この決定処理結果が最適段として読み
込まれて（ステツプｑ）、現ギヤ段が最適段と一
致するか否かを判断したうえで（ステツプｑ）、
ギヤ変更操作が実行されて変速がなされる（ステ
ツプｒ）。

上記実施例の説明においては、電子制御装置に
より制御せれる摩擦クラツチ付同期歯合式自動変
速機を搭載した車両のギヤ変更制御について説明
したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、車両やその電子制御装置の特性等に応じて、
本発明の要旨の範囲内で、種々に変形したギヤ制
御が可能であることは言うまでもない。

（発明の効果） 以上のように、本発明によれば、従来のように
制動中にホイールロツク状態となつても、すぐに
はギヤの切替を行なわないように制御しているの
で、エンジンをオーバランさせることなく、安全
な走行を可能にした自動変速機の変速制御装置を
提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、電子制御自動変速機を有する車両の
制御システムを示すブロツク図、第２図は、制御
フローチヤートを示す図である。 １……エンジン、６……変速機、８ａ，８ｂ…
…センサ、９……電子制御装置、１０……セン
サ、１１……アクセルペダル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車両の駆動系の回転数によつて検出される車
   速とアクセルペダルの踏込量とに応じて決定され
   る変速段に自動的に制御する変速制御装置を有す
   る車両用自動変速機において、検出された車速か
   ら車速の減少率を演算する手段と、ブレーキの制
   動力状態を検知する手段とを設け、車速の減少率
   が所定値よりも大きい場合には、ブレーキの制度
   力が消勢されはじめ後設定時間が経過するまでは
   変速を禁止するように構成したことを特徴とする
   自動変速機の変速制御装置。