JPH05147367A - 感熱記録紙用支持体及び感熱記録紙 - Google Patents

感熱記録紙用支持体及び感熱記録紙

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JPH05147367A
JPH05147367A JP3342251A JP34225191A JPH05147367A JP H05147367 A JPH05147367 A JP H05147367A JP 3342251 A JP3342251 A JP 3342251A JP 34225191 A JP34225191 A JP 34225191A JP H05147367 A JPH05147367 A JP H05147367A
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JP
Japan
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pulp
paper
heat
recording paper
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JP3342251A
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English (en)
Inventor
Masako Sumiya
昌子 角谷
Shigeaki Kimura
重昭 木村
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 脱墨再生パルプを50重量%以上含有する原
料パルプから得られた抄造紙からなり、且つ特定のブリ
ストウ水転移量と引裂強さを有する感熱記録紙用支持体
並びに支持体上に未発泡粒子を塗布し加熱発泡させてな
る発泡層を設けたものであって、前記支持体として、脱
墨再生パルプを50重量%以上含有する原料パルプから
得られた抄造紙からなり、且つサイズ性が小さいか、表
面の平滑性が低いか、及び塗布工程で塗布液中の水分が
支持体に吸収される時間をとるか、という条件の少なく
とも一つを満足するものを使用した感熱記録紙。 【効果】 上記感熱記録紙用支持体によると、小径ロー
ルにしたときに巻ぐせカールがつきにくい感熱記録紙が
得られ、また上記感熱記録紙によると、ポール状の白抜
けのない、ベタ黒発色均一性に優れた高濃度画像が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録紙用支持体及び
感熱記録紙に関し、更に詳しくは、小径ロールに仕上げ
たときの巻ぐせカールが小さい感熱記録紙を容易に得る
ことができる感熱記録紙用支持体及び低エネルギーで白
抜けのないベタ黒均一性に優れた画像を形成することが
できる感熱記録紙に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ファクシミリなどの発達は著し
く、この記録方式として感熱記録方式が広く採用される
ようになった。特公昭45-14039号公報などに記載されて
いるような、クリスタルバイオレットラクトンなどの無
色染料とフェノール化合物を塗布した感熱紙と熱ヘッド
との組合せによる感熱記録方式は、記録紙が一次発色で
あり現像不要、記録装置が簡易化できる、記録紙、記録
装置のコストが安い、記録時の騒音がないなど多くの利
点を有する。また、感度も感熱ヘッドと感熱紙の改良に
より向上し、従来、静電記録が使用されていた高速記録
分野にも普及してきた。
【0003】この感熱記録紙の多くは、ファクシミリな
どの記録装置に小径ロールとして装填され、ロールから
巻き出した感熱記録紙に記録してから、カッターでシー
トに切断し、シート集積部に集積される。小径ロール
は、通常外径25.4mmの巻芯に巾210mmなどの
寸法で100m程度巻かれ、外径90〜100mmのロ
ールとなっている。小径ロールの保存経時が長いほど、
巻径が小さくなるほど、巻ぐせカールがつきやすく、記
録部でのジャミング、集積部でのシート集積不良などの
記録紙走行不良が発生しやすい。また、原紙の種類、感
熱塗布液の組成の巻ぐせカールへの影響も大きい。
【0004】この巻ぐせカールを低減するため、種々の
提案がなされている。例えば、特開昭61−23768
9号公報には、内部結合力及び/又はコブ吸水度の異な
る3層以上の抄き合わせ紙からなる支持体を用いること
が提案されているが、これは支持体として抄き合わせ紙
しか使用できず実用的でない。また、特開昭62−12
1087号公報では、無機繊維を含有する紙を支持体と
して用いることが提案されているが、これも実用的では
なく、しかもコストアップにつながる。
【0005】更に、特開昭62−218183号公報に
は、特定の内填白色顔料とポリマーラテックスを特定量
だけ含有する支持体を用いることが提案されているが、
しかし顔料を多くすることは、感熱記録紙の小径ロール
を使用しているファクシミリで一般に用いられているカ
ッターの刃の耐久性を損なうため、実用的ではないし、
また特開昭62−218184号公報では、特定のエポ
キシ化脂肪酸アミドとポリマーラテックスを特定量だけ
含有する原紙を使用することを述べているが、特定エポ
キシ化脂肪酸アミドを添加することによる紙力の低下を
補うために添加される紙力増強剤として、一般のものは
使用できず、特に該公報に述べられているポリマーラテ
ックスしか使用できないという、汎用性に欠ける欠点を
有する。
【0006】一方、記録装置の高速化と共に、これに対
応し得る高感度感熱記録紙の開発が強く要望され、その
ため支持体と感熱発色層との間に断熱発泡層を設けるこ
とにより、動的発色感度を高めた感熱記録紙が種々提案
されている。
【0007】例えば、アンダーコートとして加熱により
ガスを発生する発泡剤と熱可塑性高分子を主成分とする
層を設け、この層を加熱して微小の気泡を含んだ断熱性
の高い層とし、その上に感熱発色層を設けたもの(特開
昭59−171685号公報)、支持体上に発泡性プラ
スチックフィラーを形成後、加熱発泡させたのち、その
上に充填剤を含むアンダー層及びロイコ染料と顕色剤と
を含有する感熱発色層を設けたもの(特開昭59−22
5987号公報)、支持体と感熱発色層の間に、中間層
1(熱可塑性樹脂からなる外径5μm以下の非発泡性微
小中空粒子を含有する層=支持体側)と中間層2(無機
又は有機顔料を含有する層=感熱発色層側)の二層を設
けたもの(特開昭62−5886号公報)、支持体上に
発泡剤の粒子直径が20μm以下の発泡性プラスチック
フィラーを加熱発泡させて形成した発泡層とその上に感
熱発色層を設けたもの(特開昭63−21180号公
報)、支持部材上に感熱発色層を形成させた感熱記録材
料において、支持体上に発泡性のプラスチック材料又は
無機質断熱材の層を設けることにより、支持部材の熱伝
導率を0.04Kcal/mh℃以下にしたもの(特開
昭63−227374号公報)などがある。
【0008】これらの発泡粒子を使用した感熱記録紙
は、微小な熱エネルギーでも高感度で鮮明な画像を記録
できるように、未発泡状態の発泡粒子を支持体(原紙)
上に塗布乾燥し、発泡させた後の中空となった粒子の断
熱性を利用して感度を向上させている。しかし、このよ
うな発泡層を有する感熱記録紙においては、原紙表面で
の発泡粒子の付着均一性が悪いと、感熱記録紙として断
熱性の欠如した部分が生じ、結果として、比較的低エネ
ルギー部の画像に、明確なピンホール状の白抜けが生じ
ることがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の実情に鑑みてなされたものであって、100mの小径
ロールに仕上げたときの巻ぐせカールがつきにくく且つ
前記したような欠点のない感熱記録紙用支持体、並びに
支持体上に発泡層を有する高感度感熱記録紙であって、
しかもピンホール状の白抜けのない、ベタ黒発色均一性
に優れた感熱記録紙を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、鋭意検討した結果、脱墨再生パルプを含
有する原料パルプから得られる特定の物性を有する感熱
記録紙用支持体、並びに脱墨再生パルプを含有する原料
パルプから得られる特定の物性を有する支持体を用い
て、又は同パルプから得られる支持体に特定の塗布時間
をかけて、製造された感熱記録紙により、上記課題が解
決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明によれば、脱墨再生パルプを
全パルプの50重量%以上含有する原料パルプから得ら
れた抄造紙からなり、しかもJ.TAPPI紙パルプ試
験法No.51に規定されるブリストウ試験による紙両
面の水の転移量が4ml/m2以下で且つJISP81
16に規定される引裂強さの縦方向が30g以下である
ことを特徴とする感熱記録紙用支持体が提供される。
【0012】また、本発明によれば、支持体上に未発泡
粒子を塗布し加熱発泡させてなる発泡層を設け、更にそ
の上に感熱発色層を設けてなる感熱記録紙において、前
記支持体が脱墨再生パルプを全パルプの50重量%以上
含有する原料パルプから得られた抄造紙からなり、且つ
そのステキヒトサイズ度が5秒以下であるか、又は未発
泡粒子を塗布する面のベック平滑度が50秒以下である
ことを特徴とする感熱記録紙が提供される。
【0013】更に、本発明によれば、支持体上に未発泡
粒子を塗布し加熱発泡させてなる発泡層を設け、更にそ
の上に感熱発色層を設けてなる感熱記録紙において、前
記支持体が脱墨再生パルプを全パルプの50重量%以上
含有する原料パルプから得られた抄造紙からなり、且つ
前記支持体上への未発泡粒子の塗布の際に、発泡粒子塗
布液の支持体上への着液から定量までの時間を1秒以上
として製造されたものであることを特徴とする感熱記録
紙が提供される。
【0014】まず、本発明の感熱記録紙用支持体につい
て、詳しく説明する。前記のように、本発明の感熱記録
紙用支持体は、脱墨再生パルプを全パルプの50重量%
以上含有する原料パルプから得られた抄造紙からなり、
しかもJ.TAPPI紙パルプ試験法No.51に規定
されるブリストウ試験による紙両面の水の転移量が4m
l/m2以下で且つJISP8116に規定される引裂
強さの縦方向が30g以下であることを特徴とする。
【0015】本発明の感熱記録紙用支持体は、原料パル
プとして、脱墨再生パルプ(DIP)を50重量%以
上、好ましくは65〜90重量%含有したパルプ組成物
から得られた抄造紙からなるが、この抄造紙は化学処理
された木材パルプ100%からなるパルプ組成物から抄
造された原紙と比較して、感熱記録紙として小径ロール
にしたときの巻きぐせカールがつきにくくなり、その上
低密度となるため、紙層全体の熱伝導率が低くでき、感
熱記録紙としたとき、熱ヘッドからのエネルギー吸収が
良く、発色効率が良好なものとなる。DIP含量が50
重量%未満のパルプ組成物を用いた場合には、DIP繊
維の効果が少なくなって、感熱記録紙としたときの巻き
ぐせカールが大きくなる。なお、DIP含量が90重量
%を越えるパルプ組成物を用いた場合には、感熱記録紙
としたときに画像品質が低下する場合があるので好まし
くない。
【0016】また、本発明の支持体においては、ブリス
トウ試験では、スリット幅1mmのヘッドボックスを使
用し、1.25mm/秒の送り速度で支持体両面を測定
した際の水の転移量が4ml/m2以下であることが必
要である。水の転移量が4ml/m2を越えた場合に
は、塗布されるときの液体の浸透が多くなり、巻きぐせ
カールが大きくなる。また、支持体の引裂強さは縦方向
30g以下であることが必要で、好ましくは25g以下
である。引裂強さが30gを越えた場合は、繊維間結合
が大きくなり、好ましくない。
【0017】本発明に用いるDIPは、新聞古紙、印刷
古紙、上質古紙等のどのパルプでも良いが、特に上質古
紙パルプが好ましい。また、DIPと混合して使用する
パルプとしては、天然バージンパルプ、特に広葉樹晒ク
ラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ
(NBKP)が挙げられるが、ポリエステル等の合成繊
維やワラ、エスパルト等の植物繊維、ポリオレフィン等
の合成パルプを加えることもできる。
【0018】上記のような特性をもつ支持体を得るため
には、それを抄造する抄紙機の種類にもよるが、抄紙機
のウェットパートで、スムーザロール又はウェットプレ
スにて湿紙状態の支持体を圧縮して得ることが効果上好
ましい。また、一般に使用されている内添、外添サイズ
のうち、内添サイズを強化して紙層内部への水の滲透を
防ぐことの効果が大きい。更に効果を挙げるためには、
湿式状態の支持体の最初の乾燥をドライヤーパートの熱
ドラムが支持体の表面だけに当てられるように通紙する
方法が好ましい。これらの処理により抄造された支持体
は、水の滲透に対して抵抗力を持つようになる。そして
更に強化されたサイズ性が水の浸透を抑えるようにな
り、本発明に規定される支持体を抄造することができ
る。
【0019】本発明の支持体からは、少なくとも該支持
体上に、ロイコ染料と該ロイコ染料を加熱接触時発色せ
しめる顕色剤を主成分とする感熱発色層を設けることに
よって、前記したように小径ロールに仕上げたときの巻
きぐせカールが小さい感熱記録紙が得られる。もちろ
ん、感熱発色層を本発明の支持体に塗工する前に、本支
持体に有機フィラー、無機フィラーを主成分とするアン
ダーコート層を設けることもできる。
【0020】次に、本発明の感熱記録紙について、詳し
く説明する。本発明の感熱記録紙は、支持体上に未発泡
粒子を塗布し加熱発泡させてなる発泡層を設け、更にそ
の上に感熱発色層を設けたものであって、前記支持体が
脱墨再生パルプを全パルプの50重量%含有する原料パ
ルプから得られた抄造紙からなり、且つ下記条件の少な
くとも一つを満たすものであることを特徴とする。 (イ)前記支持体のステキヒトサイズ度が5秒以下であ
る。 (ロ)前記支持体の未発泡粒子を塗布する面のベック平
滑度が50秒以下である。 (ハ)前記支持体上への未発泡粒子の塗布の際に、発泡
粒子塗布液の支持体上への着液から定量までの時間を1
秒以上として製造されたものである。
【0021】本発明の感熱記録紙は、基本的には、支持
体として全パルプ組成中にDIPを50重量%以上、好
ましくは70重量%以上含有するパルプから得られた抄
造紙を使用する。その理由は、DIP含有パルプからの
抄造紙は、木材パルプ100%からなるパルプ組成物か
ら抄造された原紙と比べ、表面の粗さが粗くなり、原紙
表面の塗布液のサイズ性も小さくなる傾向があるからで
る。
【0022】一般に、感熱記録紙に用いる支持体(原
紙)には、原紙の表面の粗さが小さく、サイズ性の大き
い原紙が適すると考えられている。しかしながら、本発
明者らが鋭意研究した結果、本発明で規定される層構造
を持った感熱記録紙、更に詳しくは、未発泡粒子を支持
体表面に塗布した後、加熱発泡を行なう製造工程を持つ
感熱記録紙においては、表面粗さが粗いかあるいはサイ
ズ性が小さい原紙の方が、むしろ感熱記録紙として良好
な品質、特にベタ黒発色部の均一性が向上するというこ
とが見出された。具体的には、DIPを50重量%以
上、好ましくは70重量%以上含有した原紙を使用する
のが効果的である。
【0023】その上、本発明の感熱記録紙においては、
下記条件の少なくとも一つを満たすものとすることによ
って、特にベタ黒発色部の均一性が良好なものとなる。
その条件の一つは、ステキヒトサイズ度が5秒以下、好
ましくは3秒以下という低サイズ性を有することであ
る。ステキヒトサイズ度が5秒以下の上記DIP配合原
紙を使用することにより前記効果が発現するのは、発泡
層塗布液が該原紙の表面に着液した場合に、原紙が塗布
液中の水分を速やかに吸収するため、塗布液中の水分を
原紙中に濾されて残った未発泡粒子が原紙表面繊維へ付
着しやすくなるためと考えられる。
【0024】また、別の条件の一つは、上記DIP配合
原紙において、サイズ性が上記条件より高くても、未発
泡粒子を塗布する面のベック平滑度が50秒以下、好ま
しくは30秒以下という低平滑度を有することである。
未発泡粒子塗布面のベック平滑度が50秒以下である上
記DIP配合原紙を使用することにより前記効果が発現
するのは、該原紙表面の平滑性の低さ、即ち微細な凹凸
が、塗布液中の未発泡粒子の付着を助けるためと考えら
れる。
【0025】更に、別の一つの条件は、上記DIP配合
原紙において、該原紙のサイズ性が高く、平滑性も高い
場合には、該原紙への未発泡粒子の塗布工程上で、塗布
液中の水分が原紙に吸収される時間をとるということで
ある。本発明者らの研究の結果では、ワイヤーバーによ
る塗工方式のように、カラーロールなどによる原紙への
塗布液の最初の着液から、ワイヤーバーによる定量まで
の時間、即ち、塗布液の着液から定量までの時間を少な
くとも1秒以上、更に好ましくは2秒以上とれば良いこ
とが分かった。
【0026】本発明の感熱記録紙は、前記支持体上に未
発泡粒子を塗布し、加熱発泡させてなる発泡層が設けら
れたものであるが、本発明で使用される未発泡粒子は、
熱可融性物質を殻とし、内部に低沸点溶媒を含有する中
空状のプラスチックフィラーであり、加熱により、発泡
する。このような発泡性プラスチックフィラーは、従来
公知であり、種々のものが適用されるが、その粒子直径
は、未発泡状態の場合20μm以下、好ましくは0.0
1〜10μmであり発泡状態では0.05〜50μm、
好ましくは0.1〜30μmとする。
【0027】このプラスチックフィラーの殻となる熱可
塑性樹脂としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エ
ステル、ポリアクリルニトリル、ポリブタジエン、ある
いはそれらの共重合体が挙げられる。また殻内に含まれ
る発泡剤としては、プロパンやブタン等が一般的であ
る。
【0028】支持体上に発泡層を設けるには、前記した
発泡性プラスチックフィラーを、結合剤と共に支持体上
に塗布乾燥した後、その塗布面を加熱し、プラスチック
フィラーを発泡させればよい。この場合の結合剤として
は、後記の感熱発色層塗布において例示されたものと同
様のものが挙げられる。
【0029】プラスチックフィラーの塗布量は、支持体
1m2に対し、未発泡フィラーとして、少なくとも1
g、好ましくは2〜15g程度である。また、結合剤の
使用量は、発泡層を支持体に対し強く結合させるような
量であればよく、通常は、未発泡フィラーと結合剤の合
計量に対し、5〜50重量%である。また、加熱発泡温
度は、フィラーの殻を構成する熱可塑性樹脂を軟化させ
る温度である。発泡倍率は、通常2〜4倍、好ましくは
2〜3倍程度であり、適当に選択される。
【0030】なお、前記のようにして支持体上に形成さ
れた発泡層の表面に、かなりの凹凸が生じているため、
本発明においては、その表面に、充填剤と結合剤とを主
成分とするアンダーコート層を設けることが望ましい。
このアンダーコート層は、その充填剤の塗布量が2.0
g/m2以上、好ましくは3〜10g/m2程度になるよ
うにするのがよく、また、アンダーコート層中の結合剤
含有量は、5〜50重量%程度である。アンダーコート
層に含有させる充填剤としては、後記の感熱発色層成分
との関連で例示された各種の有機系又は無機系の微粉末
が挙げられ、また結合剤としては、同様に後記の感熱発
色層塗布において例示されたと同様のものが挙げられ
る。
【0031】本発明の感熱記録紙は、前記の支持体上
に、ロイコ染料と該ロイコ染料を加熱接触時発色せしめ
る顕色剤を主成分とする感熱発色層を設けたものであ
る。
【0032】感熱発色層において用いられるロイコ染料
は単独又は2種以上混合して適用されるが、このような
ロイコ染料としては、この種の感熱材料に適用されてい
るものが任意に適用され、例えば、トリフェニルメタン
系、フルオラン系、フエノチアジン系、オーラミン系、
スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイ
コ化合物が好ましく用いられる。このようなロイコ染料
の具体例としては、例えば、以下に示すようなものが挙
げられる。
【0033】3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフ
ェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタ
ルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチ
ルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ク
ロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェ
ニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロ
ルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチル
フルオラン、3−N−メチル−N−イソブチル−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−
イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ
−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−エチル−
N−p−トリル)−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3’
−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチ
ルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス(ジエチルア
ミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香
酸ラクタム}、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−
(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジ
エチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラ
ン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)
フルオラン、3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N
−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7
−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−
(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,
N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコ
メチレンブルー、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベン
ゾインドリノ−スピロピラン、6’−ブロモ−3’−メ
トキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、3−(2’
−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−
(2’−メトキシ−5’−クロルフェニル)フタリド、
3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)
フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルア
ミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチル
フェニル)フタリド、3−(2’−メトキシ−4’−ジ
メチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−
4’−クロル−5’−メチルフェニル)フタリド、3−
モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチル
アニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフル
オロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−
5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチル
アニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p
−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルア
ミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジ
ノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフ
ェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−
メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、
2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p
−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル
−N−イソプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)
フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノ
フタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルア
ミノ)−5、6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−
4’−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−ク
ロル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−
(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロ
フルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ
−4’、5’−ベンゾフルオラン、3−(p−ジメチル
アミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチル
アミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、3−
(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス
(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}
−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルア
ミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニ
ルエチレン−2−イル)フタリド、3−(p−ジメチル
アミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェ
ニル−1−p−クロロフェニルエチレン−2−イル)−
6−ジメチルアミノフタリド、3−(4’−ジメチルア
ミノ−2’−メトキシ)−3−(1''−p−ジメチルア
ミノフェニル−1''−p−クロロフェニル−1'',3''
−ブタジエン−4''−イル)ベンゾフタリド、3−
(4’−ジメチルアミノ−2’−ベンジルオキシ)−3
−(1''−p−ジメチルアミノフェニル−1''−フェニ
ル−1'',3''−ブタジエン−4''−イル)ベンゾフタ
リド、3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオ
レン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フ
タリド、3,3−ビス{2−(p−ジメチルアミノフェ
ニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル}−
4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−ビス
{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−
2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジブロモフタ
リド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフ
タレンスルホニルメタン等。
【0034】また、感熱発色層で用いる顕色剤として
は、前記ロイコ染料を接触時発色させる電子受容性の種
々の化合物、例えばフェノール性化合物、チオフェノー
ル性化合物、チオ尿素誘導体、有機酸及びその金属塩等
が好ましく適用され、その具体例としては以下に示すよ
うなものが挙げられる。
【0035】4,4’−イソプロピリデンビスフェノー
ル、4,4’−イソプロピリデンビス(o−メチルフェ
ノール)、4,4’−セカンダリーブチリデンビスフェ
ノール4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャ
リーブチルフェノール)、4,4’−シクロヘキシリデ
ンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2
−クロロフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−
メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、2,
2’ーメチレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブ
チルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−タ
ーシャリーブチル−2−メチルフェノール)、1,1,
3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシ
ャリブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2
−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニ
ル)ブタン、4,4’−チオビス(6−ターシャリーブ
チル−2−メチルフェノール)、4,4’−ジフェノー
ルスルホン、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジ
フェニルスルホン、4−ベンジロキシ−4’−ヒドロキ
シジフェニルスルホン、4,4’−ジフェノールスルホ
キシド、P−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、P−ヒ
ドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキユ酸ベンジ
ル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸
オクチル、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチ
オ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−
ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、1,
3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、
1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2−ヒ
ドロキシプロパン、N,N’−ジフェニルチオ尿素、
N,N’−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、サリチ
ルアニリド、5−クロロ−サリチルアニリド、2−ヒド
ロキシ−3−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフト
エ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ヒドロキシナ
フトエ酸の亜鉛、アルミニウム、カルシウム等の金属
塩、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエス
テル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル
エステル、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベン
ゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼ
ン、2,4’−ジフェノールスルホン、3,4−ジヒド
ロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、3,3’−
ジアリル−4,4’−ジフェノールスルホン、α,α−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエ
ン、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テトラブロ
モビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS
等。
【0036】本発明の感熱記録紙を製造するために、ロ
イコ染料及び顕色剤を支持体上に結合支持させる場合、
慣用の種々の結合剤を適宜用いることができ、その具体
例としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0037】ポリビニルアルコ−ル、澱粉及びその誘導
体、ヒドロキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセ
ルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、メチルセルロ
−ス、エチルセルロ−ス等のセルロ−ス誘導体、ポリア
クリル酸ソ−ダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミ
ド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/ア
クリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレ
ン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン
/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルア
ミド、アルギン酸ソ−ダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶
性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリア
クリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、塩化ビ
ニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重
合体等のエマルジョンやスチレン/ブタジエン共重合
体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラ
テックス等。
【0038】また、感熱発色層においては、前記ロイコ
染料及び顕色剤と共に、必要に応じ、熱感度向上剤とし
て種々の熱可融性物質を併用することができ、その具体
例としては、例えば次の化合物が挙げられる。
【0039】ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類、ス
テアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミ
ド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、
ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸
亜鉛等の脂肪酸金属塩類、p−ベンジルビフェニル、タ
ーフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ
安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β
−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−
ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナ
フトエ酸メチルエステル、ジフェニルカーボネート、テ
レフタル酸ジベンジルエステル、テレフタル酸ジメチル
エステル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジ
エトキシナフタレン、1,4−ジベンジルオキシナフタ
レン、1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビ
ス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4
−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ビス(フェノキ
シ)ブタン、1,4−ビス(フェノキシ)−2−ブテ
ン、ジベンゾイルメタン、1,4−ビス(フェニルチ
オ)ブタン、1,4−ビス(フェニルチオ)−2−ブテ
ン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼ
ン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p
−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビ
フェニル、ジベンゾイルオキシメタン、1,3−ジベン
ゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,
1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパ
ノール、p−(ベンジルオキシ)ベンジルアルコール、
1,3−ジフェノキシ−2−プロパノール、N−オクタ
デシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼ
ン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、シュウ酸
ジベンジル、シュウ酸−p−クロロベンジル等。
【0040】なお、感熱発色層においては、必要に応じ
て、この種の感熱記録材料に慣用される補助添加成分、
例えば、フィラー、分散剤、発色画像安定化剤、酸化防
止剤、消泡剤、光安定化剤、螢光増白剤、界面活性剤等
を併用することができる。この場合、フィラーとして
は、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化
チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウ
ム、クレ−、タルク、表面処理されたカルシウムやシリ
カ等の無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチ
レン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の有
機系の微粉末を挙げることができる。
【0041】本発明の感熱記録紙は、前記した各成分を
含む感熱発色液を前記の発泡層上に塗布し、非感熱面に
はバック液として水を塗布したのち、乾燥したものにキ
ャレンダー掛けを行なうことによって得られる。
【0042】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。なお、以下において示す部及び%はいずれも重量
基準である。
【0043】実施例1 DIP70%、LBKP30%を叩解度(C.S.
P.)280ccに叩解した後、ロジンサイズ1.2
部、硫酸バンド2.4部を添加してウェットプレスの圧
力を高めた長網抄紙機にて抄造し、本発明の支持体を得
た。ウェットプレスの圧力は比較例の支持体抄造時の
1.5倍であり、100℃から130℃の多筒ドライヤ
ーで水分5.5%に乾燥し、オンマシンキャレンダーを
掛けた。ただし、多筒ドライヤーの通紙条件は、支持体
の表裏の両面が交互に乾燥される通紙方法をとった。
【0044】実施例2 実施例1の条件で、多筒ドライヤーの通紙条件を3群あ
る多筒ドライヤーパートのうち、最初の1群のみ支持体
の表面だけが通紙されるようにして抄造し、本発明の支
持体を得た。
【0045】比較例1 LBKP100%を実施例1と同様に叩解した後、ロジ
ンサイズ0.6部、硫酸バンド1.2部を添加し、ウェ
ットプレスの圧力の変更なしに、以下実施例1と同じ条
件で抄造し、比較用の支持体を得た。
【0046】比較例2 比較例1におけるLBKP100%をDIP100%に
変更した以外は、比較例1と同じ条件で抄造し、比較用
の支持体を得た。
【0047】なお、ウェットプレスの条件は、その圧力
の絶対値が求められず、また確証式に付随するウェット
プレスの形式が異なることから、実施例と比較例の条件
を相対的に表わすことしかできなかった。但し、本発明
の支持体は、何れの抄紙機でも充分抄造可能であると考
えられる。
【0048】(感熱記録紙の製造)下記組成の混合物
を、別々のボールミルで24時間粉砕して、〔A液〕及
び〔B液〕を調製した。 〔A液〕 クリスタルバイオレットラクトン 1.5部 20%ポリビニルアルコール水溶液 5.0部 水 43.5部 〔B液〕 ビスフェノールA 6.0部 20%ポリビニルアルコール水溶液 5.0部 水 39.0部
【0049】次に、〔A液〕及び〔B液〕を混合、撹拌
して感熱発色層塗布液を調製し、この塗布液をワイヤー
バーで約3g/m2(固形分)となるように上記支持体
のフェルト面に塗布、乾燥を行なった。そして、更にス
ーパーキャレンダー処理を行ない、感熱記録紙を得た。
【0050】(評価)得られた感熱記録紙を、外径40
mmの紙管を用いた100m巻きの小径ロールに仕上
げ、仕上げられたロールを仕上げた日から2ヵ月間実験
室内に保管した後、紙管外径より13mm外側の位置に
巻かれていた感熱記録紙の巻きぐせカールを測定した。
それらの結果を表1に示す。なお、巻ぐせカールの測定
値は、測定する小径ロールの側面、紙管外径より13m
mの位置に印をつけ、その場所まで小径ロールをほぐし
た後、すばやくA4サイズに切断し、水平面におかれた
その四隅と水平面までの距離の平均値をとった。
【0051】
【表1】
【0052】表1から、本発明の支持体を用いて製造さ
れた感熱記録紙は、小径ロールにしたときの巻ぐせカー
ルが小さいものであることが分かる。
【0053】実施例3〜7及び比較例3〜4 市販されているDIP及びLBKPを表2に示すように
選択することにより、表2に示される諸特性を持つ原紙
を得た。その際、パルプはパルプ別に叩解し、それぞれ
フリーネスをDIP:250cc、LBKP:400c
cに調製した後、所定量を混合して、最終フリーネスを
シングルディスクリファイナーにて調製した。また、ス
テキヒトサイズ度は内添したサイズ剤の量により変え、
長網式抄紙機を用いて、坪量40〜43g/m2、厚み
60〜64μm、水分5.5〜6.0%の原紙を得た。
なお、平滑度はオンマシンキャレンダーの圧力を変える
ことで調整した。
【0054】次の配合からなる混合物をディスパーにて
撹拌分散して、発泡層塗布液を調製した。 発泡性プラスチックフィラー 15部 (殻 :塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、 発泡剤:イソブタン) 10%ポリビニルアルコール水溶液 30部 水 55部
【0055】上記の発泡層塗布液を未発泡状態で、前記
原紙(支持体)の表面に、乾燥付着量が2〜3g/m2
になるようにワイヤーバーによる塗工方式で塗布乾燥し
た。この時、発泡層塗布液の着液から定量までの時間を
調整し、実施例7のみ、着液から定量までの時間が2秒
になるように塗布を行なった。次に、その塗布面をヒー
ターを有した回転式ドラムドライヤーの表面に密着さ
せ、表面温度120〜130℃の条件下で約2分間加熱
発泡させて、発泡層を形成させた。
【0056】一方、下記の配合からなる混合物をアジテ
ータで撹拌してアンダーコート層塗布液を調製した。 ポリスチレン樹脂の40%分散液 52.5部 20%でんぷん水溶液 17.5部 スチレン/ブタジエンラテックス 7.3部 (固形分濃度48%) 水 22.7部
【0057】上記アンダーコート層塗布液を、前記発泡
層上に、乾燥付着量が4〜5g/m2になるように塗布
乾燥して、アンダーコート層を形成させた。
【0058】また、次の配合からなる混合物をそれぞれ
ボールミル、アトライターにて体積平均粒径が約1.5
μmになるまで粉砕分散して、[C液]及び[D液]を
調製した。 [C液] 3−(N−シクロヘキシル−N−メチル) アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 20部 10%ポリビニルアルコール水溶液 16部 水 54部 [D液] P−オキシ安息香酸ベンジル 20部 炭酸カルシウム 10部 10%ポリビニルアルコール水溶液 30部 水 40部
【0059】次に、[C液]:[D液]=1:4の重量
比で両液を混合撹拌して、感熱発色層塗布液を得た。こ
の感熱発色層塗布液を前記の発泡層及びアンダーコート
層を設けた支持体上に、乾燥付着量が3〜4g/m2
なるように塗布乾燥した後、スーパーキャレンダーに
て、光沢度(JISP8142に準拠して測定)が10
〜30%になるようにキャレンダー処理して、本発明の
感熱記録紙を得た。
【0060】(評価)更に、前記のようにして得た各感
熱記録紙について、G−IIIFAXテスト機を用いて、
その動的発色感度のテストを行なった。この結果を表2
に示す。なお、テスト機は、松下電子部品(株)の8ド
ット/mmのサーマルヘッドを有し、発熱抵抗体は約4
00Ω/ドットであり、これを主走査記録速度20mm
/line、副走査3.85line/mm、プランテ
ン押圧1.4kg、ヘッド入力0.45w/ドットの条
件で通電時間1.0msecでテストを行なった。また
ベタ黒均一性は、1.0msec全ベタでテストした。
濃度は、マクベス濃度計(RD−514、フィルターw
ratten−106)にて測定した。
【0061】
【表2】 ベタ黒均一性 ○:白抜けがまったくないか、わずか
である、 △:白抜けが目立つ、 ×:白抜けが非常い多い。
【0062】表2から、本発明の感熱記録紙がベタ黒発
色均一性に優れていることが分かる。
【0063】
【発明の効果】請求項1の感熱記録紙用支持体は、脱墨
再生パルプを50重量%以上含有する原料パルプから得
られた抄造紙からなり、且つブリストウ試験の水の転移
量が4ml/2m以下で引裂強さの縦方向が30g以下
という構成にしたことから、本支持体を用いた感熱記録
紙は、小径ロールにして長期保管しても巻ぐせカールが
つきにくい。
【0064】請求項2〜4の感熱記録紙は、支持体上に
未発泡粒子を塗布し加熱発泡させてなる発泡層を設け、
更にその上に感熱発色層を設けたものであって、前記支
持体が脱墨再生パルプを50重量%以上含有する原料パ
ルプから得られた抄造紙からなり、且つ(イ)前記支持
体のステキヒトサイズ度が5秒以下、(ロ)前記支持体
の未発泡粒子を塗布する面のベック平滑度が50秒以
下、(ハ)前記支持体上への未発泡粒子の塗布の際に、
発泡粒子塗布液の支持体上への着液から定量までの時間
を1秒以上として製造される、という条件の少なくとも
一つを満足するものであるという構成にしたことから、
本感熱記録紙によると、ピンホール状の白抜けのない、
ベタ黒発色均一性に優れた高濃度画像が得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱墨再生パルプを全パルプの50重量%
    以上含有する原料パルプから得られた抄造紙からなり、
    しかもJ.TAPPI紙パルプ試験法No.51に規定
    されるブリストウ試験による紙両面の水の転移量が4m
    l/m2以下で且つJISP8116に規定される引裂
    強さの縦方向が30g以下であることを特徴とする感熱
    記録紙用支持体。
  2. 【請求項2】 支持体上に未発泡粒子を塗布し加熱発泡
    させてなる発泡層を設け、更にその上に感熱発色層を設
    けてなる感熱記録紙において、前記支持体が脱墨再生パ
    ルプを全パルプの50重量%以上含有する原料パルプか
    ら得られた抄造紙からなり、且つそのステキヒトサイズ
    度が5秒以下であることを特徴とする感熱記録紙。
  3. 【請求項3】 支持体上に未発泡粒子を塗布し加熱発泡
    させてなる発泡層を設け、更にその上に感熱発色層を設
    けてなる感熱記録紙において、前記支持体が脱墨再生パ
    ルプを全パルプの50重量%以上含有する原料パルプか
    ら得られた抄造紙からなり、且つ未発泡粒子を塗布する
    面のベック平滑度が50秒以下であることを特徴とする
    感熱記録紙。
  4. 【請求項4】 支持体上に未発泡粒子を塗布し加熱発泡
    させてなる発泡層を設け、更にその上に感熱発色層を設
    けてなる感熱記録紙において、前記支持体が脱墨再生パ
    ルプを全パルプの50重量%以上含有する原料パルプか
    ら得られた抄造紙からなり、且つ前記支持体上への未発
    泡粒子の塗布の際に、発泡粒子塗布液の支持体上への着
    液から定量までの時間を1秒以上として製造されたもの
    であることを特徴とする感熱記録紙。
JP3342251A 1991-11-29 1991-11-29 感熱記録紙用支持体及び感熱記録紙 Pending JPH05147367A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015066898A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 大日本印刷株式会社 積層シート及び発泡積層シート

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