JPH05144618A - 磁気記録媒体用金属磁性粉末 - Google Patents

磁気記録媒体用金属磁性粉末

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JPH05144618A
JPH05144618A JP3308114A JP30811491A JPH05144618A JP H05144618 A JPH05144618 A JP H05144618A JP 3308114 A JP3308114 A JP 3308114A JP 30811491 A JP30811491 A JP 30811491A JP H05144618 A JPH05144618 A JP H05144618A
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JP
Japan
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powder
magnetic powder
magnetic
metallic magnetic
metal
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Pending
Application number
JP3308114A
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English (en)
Inventor
Horyu Machida
方隆 町田
Masafumi Ata
誠文 阿多
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐酸化性、耐錆性に優れ、経時劣化の少ない磁
気記録媒体用金属磁性粉末を提供することを目的とす
る。 【構成】磁気記録媒体の磁性粉末として使用される金属
磁性粉末を環状エーテル類で表面処理することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体の磁性粉
末として使用される金属磁性粉末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、金属磁性粉末として、非常に微細
な粒子形状を有するものが供給されるようになってきて
おり、これを磁気記録媒体の磁性粉末に用いることで、
高記録密度化や高周波数帯域における優れた電磁変換特
性が達成されている。ところで、この金属磁性粉末とし
ては、従来より磁気記録媒体等の磁性粉末の構成材料と
して使用された酸化鉄系材料に代わり、鉄または鉄を主
体とする金属材料が用いられるようになっている。これ
らの鉄または鉄から構成される金属磁性粉末は、酸化鉄
やオキシ水酸化鉄、或いはCo、Ni、Cr、Mn、C
u、Zn、Ti、V等の鉄以外の金属を含む酸化鉄やオ
キシ水酸化鉄等を水素ガスで還元することによって製造
される。このような金属磁性粉末は、従来の酸化鉄系強
磁性粉末よりも優れた磁気特性を有している。
【0003】ところが、この金属磁性粉末は、表面活性
が高く、大気中で酸化され易く、場合によっては発火を
伴う虞がある。このため、このような金属磁性粉末の経
時的な磁気特性の劣化が問題となっている。例えば、金
属磁性粉末の保存中、或いは樹脂や有機溶媒との組み合
わせによる塗料化の工程中、さらにはポリエステルフィ
ルム等の支持体上に塗布してシート化した後、所定の雰
囲気や温度、湿度等の条件下で保管中に、主として酸
素、ある種のガス及び水分等の影響により酸化が進行す
る。その結果、磁化量の低下や、場合によっては抗磁力
の低下が起こり、金属磁性粉末は本来有する特性を損な
うことになる。
【0004】この問題に対して、一般的には液相法、ま
たは気相法で粒子の表面に酸化皮膜を形成して、不動態
化させる方法が行われている。また、金属磁性粉末の表
面をある種の金属元素や界面活性剤、樹脂等の有機物で
覆う方法等も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
酸化皮膜を形成する方法やある種の金属元素や有機物で
覆う方法では、耐酸化性の向上を図る上で必ずしも十分
なものとは言い難い。また、処理の方法によっては、表
面処理すること自体が磁気特性の劣化をもたらす場合や
分散性の低下をきたす虞がある。
【0006】そこで、本発明はこのような実状に鑑みて
提案されたものであって、耐酸化性、耐錆性に優れ、経
時的劣化の少ない金属磁性粉末を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成せんものと鋭意研究の結果、金属磁性粉末の表
面に環状エーテル類、ないしフランを吸着させれば、金
属磁性粉末の酸化を防止することができることを見出
し、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、
本願の発明の金属磁性粉末は、強磁性金属材料または強
磁性合金材料の微粒子よりなり、化1〜3に示す環状エ
ーテル類、ないし式4に示すフランで表面処理されたこ
とを特徴とするものである。
【0008】
【化1】
【0009】(ただし、式中のnは2〜5の整数を表
す。)
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】本発明における金属磁性粉末は、Fe−C
o、Fe−Ni、Fe−Co−Ni、Co−Ni、Fe
−Mn−Zn、Fe−Ni−Zn、Fe−Co−Ni−
Cr、Fe−Co−Ni−P、Fe−Co−B、Fe−
Co−Cr−B、Fe−Co−V等のFe、Co、Ni
を主成分とする各種強磁性合金材料からなる強磁性金属
粒子であり、さらに、これらの種々の特性を改善する目
的でAl、Si、Ti、Cr、Mn、Cu、Zn、M
g、P等の元素が添加されたものであっても良い。これ
らの金属磁性粉末の比表面積は任意であるが、比表面積
25m2 /g以上、特に30m2 /g以上のものに適用
した場合の有効性が大きい。
【0014】防錆処理剤として使用される上記有機化合
物により金属磁性粉末を表面処理する方法としては、例
えば、上記処理剤中に金属磁性粉末を浸漬する、いわゆ
る浸漬法が挙げられる。また、常温で固体の化合物につ
いては、加熱して融解させた後に金属磁性粉末を浸漬さ
せても良いし、あるいは、有機溶媒に溶解させた後に金
属磁性粉末を浸漬させても良い。有機溶媒としては、テ
トラヒドロフラン等の環状エーテル類、アセトン、メチ
ルエチルケトン等のケトン類、あるいはエタノール等の
アルコール類など、公知の有機溶媒がいずれも使用可能
である。
【0015】上記上記有機化合物の強磁性金属粒子に対
する被着量としては、金属磁性粉末100重量部に対し
て0.03〜30重量部であることが好ましく、0.1
〜10重量部であることがより好ましい。前期範囲を越
えて上記有機化合物が過剰に存在してもその効果は変わ
らず、過剰分が無駄になる。また、あまり過剰に被着し
ておくと、磁気記録媒体の磁性塗膜の物性に悪影響を及
ぼす虞もある。逆に、前記範囲を下回ると、すなわち
0.03重量部未満であると、効果が不足して十分な経
時安定性は得られない。
【0016】本発明の金属磁性粉末は、樹脂結合剤や有
機溶剤、各種添加剤と共に混練して磁性塗料とすること
ができ、この磁性塗料を非磁性支持媒体上に塗布するこ
とにより磁気記録媒体が作製される。この場合、樹脂結
合剤や有機溶剤、各種添加剤としては、通常の磁気記録
媒体に用いられているものがいずれも使用可能であり、
配合比等も通常の磁気記録媒体の場合に準じて設定され
る。
【0017】
【作用】本発明において使用される化1〜4に示した上
記有機化合物を有機防錆剤として使用することによっ
て、金属磁性粉末の磁気特性の経時変化が小さくなるこ
とが確認された。従って、防錆処理剤として使用された
上記有機化合物は、処理反応に伴って金属磁性粉末の表
面との間で吸着、或いは化学反応を起こしていると考え
られる。
【0018】さらに、吸着した上記有機化合物の引き起
こす耐酸化性、耐錆性は、金属磁性粉末の表面における
撥水性の向上に基づくものであると考えられる。すなわ
ち、金属磁性粉末を上記有機化合物によって表面処理す
ると、これら化合物が金属磁性粉末の表面に吸着し、金
属磁性粉末の表面に上記化合物の被膜が形成される。こ
の化合物の被膜によって金属磁性粉末の保存中、金属磁
性粉末を含む磁性塗料の調製中、及び磁気記録媒体の保
管中等に進行する金属磁性粉末の表面の酸化反応が防止
される。
【0019】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により説明す
るが、本発明がこの実施例に限定されるものでないこと
は言うまでもない。 −実施例− まず、表1に示す各種環状エーテル類、ないしフラン5
0mlに、それぞれ微細な金属磁性粉末2.5gを加え
て、約30分間超音波を照射した後、約30分間静置し
た。なお、常温で固体の有機化合物については、加熱し
て融解させてから金属磁性粉末を加えた。この金属磁性
粉末を濾過し、物理吸着した化合物を除去するために乾
燥窒素雰囲気下で十分に乾燥して処理粉末を得た。
【0020】このようにして得られた処理粉末について
磁気特性の経時変化を検討した。その結果を表1に示
す。表1は、乾燥直後の飽和磁化σs と、相対湿度を9
0%、温度を60℃とした恒温恒湿槽中で前記処理粉末
を2週間保持した後の飽和磁化σs 、及びσs の低下率
を示す。なお、処理剤による表面処理がまったく行われ
ていない金属磁性粉末についても同様に磁気特性を測定
し、その結果を表1に併せて示した。
【0021】表1より、本発明を適用した金属磁性粉末
においては、無処理の場合と比較すると、飽和磁化σs
の経時変化が小さいことが判った。これは、上記有機化
合物と金属磁性粉末との吸着反応によって、該金属磁性
粉末表面に上記有機化合物の被膜が形成されることによ
り、金属磁性粒子の耐酸化性、耐錆性が改善されるため
と考えられる。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】上述のように、本発明では、金属磁性粒
子の表面を環状エーテル類、ないしフランにより表面処
理しているので、金属磁性粉末の酸化が防止され、耐酸
化性、耐錆性に優れた金属磁性粉末を提供することがで
きる。また、本発明の金属磁性粉末は、良好な耐酸化
性、耐錆性を有しているので、この金属磁性粉末を磁気
記録媒体の磁性塗料に内添される磁性粉末として用いれ
ば、磁気特性の経時安定性、保存安定性に優れた高品位
な磁気記録媒体を製造することができる。
【0024】また、本発明において使用した表面処理剤
は、極めて安価に、しかも大量に得ることができる上、
処理剤としての安定性が優れているので、磁気記録媒体
の製造において実用的である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性金属材料または強磁性合金材料の
    微粒子よりなり、環状エーテル類で表面処理されたこと
    を特徴とする磁気記録媒体用金属磁性粉末。
JP3308114A 1991-11-25 1991-11-25 磁気記録媒体用金属磁性粉末 Pending JPH05144618A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3308114A JPH05144618A (ja) 1991-11-25 1991-11-25 磁気記録媒体用金属磁性粉末

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3308114A JPH05144618A (ja) 1991-11-25 1991-11-25 磁気記録媒体用金属磁性粉末

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05144618A true JPH05144618A (ja) 1993-06-11

Family

ID=17977049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3308114A Pending JPH05144618A (ja) 1991-11-25 1991-11-25 磁気記録媒体用金属磁性粉末

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JP (1) JPH05144618A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8852314B2 (en) 2005-10-14 2014-10-07 Dowa Electronics Materials Co., Ltd. Method of producing magnetic powder for magnetic recording medium

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8852314B2 (en) 2005-10-14 2014-10-07 Dowa Electronics Materials Co., Ltd. Method of producing magnetic powder for magnetic recording medium

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