JPH05114131A - 磁気記録媒体用金属磁性粉末 - Google Patents

磁気記録媒体用金属磁性粉末

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JPH05114131A
JPH05114131A JP3273971A JP27397191A JPH05114131A JP H05114131 A JPH05114131 A JP H05114131A JP 3273971 A JP3273971 A JP 3273971A JP 27397191 A JP27397191 A JP 27397191A JP H05114131 A JPH05114131 A JP H05114131A
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JP
Japan
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magnetic
saturation magnetization
powder
magnetic powder
recording medium
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Pending
Application number
JP3273971A
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English (en)
Inventor
Horyu Machida
方隆 町田
Masafumi Ata
誠文 阿多
Haruo Watanabe
春夫 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】単位重量あたりの飽和磁化の値が高く、かつ耐
酸化性に優れた金属磁性粉末を提供する。 【構成】Fe部1と金属酸化部2(焼結防止層としての
役割を果たすもので、場合によってはなくてもよ
い。)、有機防錆剤層3とからなり、飽和磁化の小さな
酸化鉄部を飽和磁化の値の大きいFe部に還元し、還元
状態のFe磁性粉末に対し、下記一般式で表される直鎖
モノカルボン酸の有機防錆剤が表面処理されてなること
を特徴とする。 (一般式) CH3 (CH2 n-2 COOH ただし、式中nは10〜30の整数である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体用金属磁
性粉末に関するものであり、特にFeを主体とする金属
磁性粉末の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の分野においては、高密度記録
化、短波長記録化が進められており、これまで広く用い
られてきた酸化物系磁性粉末に代わり、Feを主体とす
る金属磁性粉末が用いられるようになっている。前記金
属磁性粉末は、たとえば針状のオキシ水酸化鉄を脱水、
還元することにより合成されるもので、飽和磁化や抗磁
力等の点で酸化物系磁性粉末を大幅に上回る特性を発揮
する。
【0003】しかしながら、前記金属磁性粉末は、優れ
た磁気特性を有する半面、表面活性が高く、大気中でも
容易に酸化されてしまうという問題を抱えている。たと
えば、還元状態のFe磁性粉末をそのまま大気中に取り
出すと、急激な酸化により発火が起こり、磁気記録媒体
の磁性粉末として使用するには取扱いが難しい。さらに
は、保存中や塗料化する際に、あるいは磁気記録媒体と
した後も、経時的な磁気特性の劣化が起こり、長期信頼
性を確保することが難しい。
【0004】このような状況から、磁気記録媒体用の金
属磁性粉末としては、合成したFe磁性粉末を徐々に酸
化し、その表面を酸化鉄(Fe2 3 、Fe3 4 等)
で覆った状態として前記不都合を解消している。すなわ
ち、磁気記録媒体にこれまで用いられているFe磁性粉
末は、図2に示すように、針状を有するFe部11の周
りを酸化防止層である酸化鉄部12と焼結防止層である
酸化鉄以外の金属酸化物(たとえば酸化アルミニウム)
部13で被覆したものであり、近年は、飽和磁化の経時
劣化等を阻止するために、さらに、その周囲を2,3−
ジヒドロキシナフタレン、2,3−ナフタレンジカルボ
ン酸等の有機防錆剤で被覆したものも開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のよう
にFeの周りを酸化鉄で被覆した場合、Fe部分に比べ
て酸化鉄部分の飽和磁化の値が著しく低いことから、F
e磁性粉末全体の飽和磁化の値は、純鉄の飽和磁化の値
(218emu/g)に比べて極めて小さなものとなっ
てしまっている。このため、金属磁性粉末の有する特性
を十分に発揮させることができず、記録出力等の点で不
満を残している。
【0006】そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑み
て提案されたものであって、単位重量あたりの飽和磁化
の値が高く、かつ耐酸化性に優れた金属磁性粉末を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記目的
を達成せんものと長期に亘り鋭意研究を重ねた結果、市
販のFe磁性粉末を水素還元することによって酸化鉄層
を還元除去した後、あるいはFe磁性粉末合成の際に水
素還元行程終了後直ちに、還元雰囲気下、もしくは酸素
・水遮断下で有機防錆剤を吸着させることにより、極め
て高い飽和磁化を有し、かつ耐酸化性に優れたFe磁性
粉末が合成できることを見出した。本発明の磁気記録媒
体用金属磁性粉末は、このような知見に基づいて完成さ
れたものであって、還元状態のFe磁性粉末に対し有機
防錆剤による表面処理が施されてなることを特徴とする
ものである。
【0008】すなわち、これまで用いられてきた金属磁
性粉末が、図2に示すように、飽和磁化の値に大きく寄
与するFe部11、飽和磁化の値の小さな酸化鉄部1
2、飽和磁化の値に寄与しない金属酸化物部13、有機
防錆剤層14から形成されているのに対して、本発明の
金属磁性粉末は、図1に示すように、Fe部1、金属酸
化物部2(焼結防止層としての役割を果たすものであ
り、場合によってはなくてもよい。)、有機防錆剤層3
からなる。このように、飽和磁化の値の小さな酸化鉄部
を飽和磁化の値の大きなFe部に還元することにより、
単位重量あたりの飽和磁化の値が著しく高い金属磁性粉
末となる。
【0009】本発明において、有機防錆剤による表面処
理の対象となる金属磁性粉末は、Feを主体とするFe
磁性粉末であり、Fe粉末の他、Fe−Co系合金粉
末、Fe−Ni系合金粉末、Fe−Co−Ni系合金粉
末、さらにはこれらに種々の特性を改善する目的でA
l、Si、Ti、Cr、Mn、Cu、Zn、Mg、P、
B、V等が添加されたものなど、従来公知のものいずれ
も適用可能である。
【0010】また、表面処理に用いられる有機防錆剤と
しては、下記の一般式に示す直鎖モノカルボン酸が挙げ
られる。 (一般式) CH3 (CH2 n-2 COOH (ただし、式中nは10〜30の整数である。) さらにはフタル酸およびその誘導体、フタルイミドおよ
びその誘導体、フタルヒドラジドおよびその誘導体、カ
テコールおよびその誘導体、シクロヘキサンジオールお
よびその誘導体、シクロヘキサンジカルボン酸およびそ
の誘導体、ナフタレンジオールおよびその誘導体、ナフ
タレンジカルボン酸およびその誘導体等、従来より防錆
剤として使用されている有機化合物も使用可能である。
【0011】本発明の金属磁性粉末において、有機防錆
剤による表面処理は、Fe磁性粉末の還元状態で行われ
る。したがって、次の化1にしたがって合成される市販
のFe磁性粉末を用いる場合には、化2に示すように、
予め水素還元して酸化鉄部を還元除去した後、還元雰囲
気下、もしくは酸素・水遮断下で有機防錆剤による表面
処理を行う。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】 また、金属磁性粉末の製造行程中に組み込む場合には、
前記化1および化2に示す2つの行程を経る必要はな
い。この場合には、下記の化3に示すように、製造行程
中のα−Feに還元雰囲気下、もしくは酸素・水遮断下
で直接有機防錆剤を施すことによって、より効率的に高
飽和磁化Fe磁性粉末を合成することが可能である。も
ちろん、この場合にも有機防錆剤の防錆機能および有効
性にはなんら変わるところはない。
【0014】
【化3】
【0015】上記有機防錆剤による表面処理は、上記一
般式に示した有機化合物をテトラヒドロフラン、テトラ
ヒドロピラン等の環状エーテル類、アセトン、メチルエ
チルケトン等の鎖状ケトン類、あるいはメタノール、エ
タノール等のアルコール類など、公知の有機溶媒に溶解
させた溶液として用いることが好ましい。上記の金属磁
性粉末はこれら有機防錆剤溶液によって表面処理を施さ
れ、しかる後に結合剤や有機溶剤、さらには分散剤、潤
滑剤、研磨剤、帯電防止剤等とともに混練され、磁性塗
料とされる。そして、この磁性塗料を非磁性支持体上に
塗布することによって磁性層が形成され、磁気記録媒体
とされる。ここで、結合剤、有機溶剤、分散剤、潤滑
剤、研磨剤、帯電防止剤等としては、公知のものがいず
れも使用できる。
【0016】
【作用】還元状態のFe磁性粉末においては、飽和磁化
の値に大きく寄与するFe部が大部分を占め、単位重量
あたりの飽和磁化の値が著しく高い。この還元状態のF
e磁性粉末に対し、有機防錆剤による表面処理を施す
と、酸化に対して極めて安定なものとなり、急激な酸化
による発火や磁気特性の経時劣化が解消され、しかも飽
和磁化の値が高いレベルで維持される。
【0017】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて説明する。 実施例 本実施例は、市販のFe磁性粉末を用い、予め水素還元
した後、鎖長の異なるいくつかの直鎖モノカルボン酸の
テトラヒドロフラン飽和溶液によって防錆処理を施した
例である。
【0018】市販のFe磁性粉末(Feの表面に酸化鉄
層が設けられたもの。飽和磁化124emu/g)を反
応容器内に緩やかに充填し、当該反応容器の内部が十分
に水素雰囲気となるまで水素フローを続けた後、そのま
ま500℃に加熱して3時間水素還元処理を行った。そ
の後、水素フローの状態のまま室温近くまで放置冷却
し、ついでFe磁性粉が大気に触れない状態で水素フロ
ーを停止し、引き続いて上記カルボン酸のテトラヒドロ
フラン飽和溶液を注入した。以上の操作によって得られ
た試料を反応容器から取り出し、余分の防錆剤を濾過に
よって除去した後、さらにテトラヒドロフランによる洗
浄と濾過を3回繰り返した。
【0019】なお、水素還元された直後(有機防錆剤溶
液を注入する前)のFe磁性粉末は、酸化鉄からなる酸
化防止層がないために非常に発火もしくは酸化しやす
く、酸素や水分から完全に隔離しておく必要があり、そ
のままでは磁性塗料に用いることはできなかった。上述
のように有機防錆剤で防錆処理した後、真空乾燥した試
料の飽和磁化の値と、この試料を60℃、相対湿度90
%の条件下に2週間放置した後の飽和磁化の値、および
飽和磁化の低下率の値を表1にまとめた。また、本発明
で用いたカルボン酸のテトラヒドロフラン飽和溶液の代
わりに、トルエンによって処理を施した場合の同様の結
果を、比較例として表1に併記した。
【0020】表1から明らかなように、トルエンによる
公知の処理方法に比べて直鎖モノカルボン酸による防錆
処理では、初期飽和磁化の値がほぼ同等であるのに対し
て飽和磁化の低下率が小さく、高出力用磁性材料として
の有用性を備えながら、同時に磁性材料としての寿命の
向上が達成されたという点でたいへん意義深いと考えら
れる。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明においては、還元状態のFe磁性粉末に対して有機防
錆剤による表面処理を施しているので、飽和磁化の値が
著しく高く、かつ耐酸化性に優れ経時劣化の少ない金属
磁性粉末を提供することが可能である。また、本発明の
金属磁性粉末は、急激な酸化による発火等の心配もない
ため、取扱いが容易であり、そのまま磁性塗料に用いる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した金属磁性粉末の一例を模式的
に示す拡大断面図
【図2】酸化鉄層を有する金属磁性粉末を模式的に示す
拡大断面図

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元状態の金属磁性粉末に対し、炭素数
    10〜30の直鎖モノカルボン酸により表面処理が施さ
    れてなることを特徴とする磁気記録媒体用金属磁性粉
    末。
JP3273971A 1991-10-22 1991-10-22 磁気記録媒体用金属磁性粉末 Pending JPH05114131A (ja)

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