JPH05140978A - 便器の取付け構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 床面７の排水口１１に対応したマーカー１２
を有する型紙シート１０を備え、便器１後部の段差固定
部４に設けた複数のボルト穴５に対応する位置に各々ボ
ルト９を立設したプレート６を床面７に木ネジ１５固定
し、便器１の排水管と排水口１１とを連結するととも
に、その段差固定部４のボルト穴５に上記プレート６の
ボルト９を挿入してこれらを締込み固定する。 【効果】 便器を施工容易に、しかも正確かつ強固に床
面に取付けることが可能となる。また、便器の外観意匠
性や清潔感を向上させることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、便器の取付け構造に
関するものである。さらに詳しくは、この発明は、洋式
便器を簡単な作業で正確かつ強固に床面に固定すること
ができ、しかも便器の外観意匠性や清潔感を向上させる
ことのできる新しい取付け構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、洋式便器をトイレルームの床面に
固定する際には、前後および左右への傾きを防止するた
め、たとえば図６に示したように、便器（ア）の側方部
に切欠き形成した側方固定部（イ）に木ネジ（ウ）を打
ち込み、この木ネジ（ウ）の頭部を化粧キャップ（エ）
によって覆い隠すという方法が採られてきている。

【０００３】しかしがなら、このような取付け構造を用
いる便器（ア）の場合には、その側方固定部（イ）にゴ
ミやほこりが付着しやすく、しかもこれらが目に付きや
すいため便器全体の清潔感が損なわれるという問題があ
った。また側方固定部（イ）を形成するために、目に見
える位置に段差を形成しなければならないため、便器の
意匠性が制限されてもいた。

【０００４】そこで、このような欠点を解消するものと
して、たとえば図７に示したような便器（カ）が提案さ
れてもいる。すなわち、この便器（カ）の場合には、そ
の側板部（キ）から木ネジ（ウ）を水平に打ち込んで固
定するため、図５に例示した便器（ア）のように、木ネ
ジ（ウ）を固定するための特別な段差固定部を必要とし
ていない。

【０００５】便器（カ）を図７のようにして固定するた
めには、たとえば図８（ａ）（ｂ）のその平面透視図お
よび要部傾斜図を示したように、まず固定用木片（ク）
を固定用木片取付けネジ（ケ）によって床面に固定し、
次いで便器（カ）を床面に据え付け、その側板部（キ）
をネジ穴を介して固定用木片（ク）の端縁面と木ネジ
（ウ）によって固定する。木ネジ（ウ）の頭部は、化粧
キャップ（エ）によって覆い隠すようにもしている。

【０００６】また、便器（カ）の後部は目に付きにくい
ため、ここに後方固定部（コ）を設け、木ネジ（ウ）を
直接床面に打ち込んで便器（カ）の後部を固定するよう
にしている。しかしながら、図７および図８に例示した
便器（カ）の場合には、その取付けに際して、便器
（カ）の寸法に合わせた固定用木片（ク）を用意する必
要があり、しかもこの固定用木片（ク）を予め正確に位
置取りして床面に固定しなければならず、施工が面倒で
あった。

【０００７】そこで、この発明の出願人は、このような
欠点を解消するものとして、たとえば図９に示したよう
に、便器（サ）の後部に設けた床面固定用の段差固定部
（シ）にネジ穴（ス）を配設し、これに木ネジ（ウ）を
打ち込んで段差固定部（シ）を床面に固定する取付け構
造を提案している（実願平３−５７５６０）。この取付
け構造においては、固定部（シ）が便器（サ）の後部で
目立たないため、清潔感が確保され、意匠性も向上させ
ることができる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしがなら、図９に
例示した便器取付け構造の場合には、その優れた特徴の
一方で、狭いトイレルーム内で、しかも便器（サ）から
壁面までの小さなスペースに位置する段差固定部（シ）
のネジ穴（ス）に、木ネジ（ウ）を正確に打ち込むこと
は、極めて困難な作業であった。

【０００９】とくに、図１０に例示したような、段差固
定部（ツ）の上方に、洗浄水用のタンク（セ）のための
支持部（ソ）を有する便器（サ′）の場合には、この支
持部（ソ）が防げとなるため、電動ドライバー等を用い
ての木ネジ（ウ）の打ち込みが不可能でもあった。この
発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであ
り、既に提案した取付け構造の利点を生かしつつ、その
欠点を解消して、便器を簡単な作業によって、正確かつ
強固に固定することのできる改善された取付け構造を提
供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、床面の排水口に対応したマーカ
ーを有する型紙シートを備え、便器後部の段差固定部に
設けた複数のボルト穴に対応する位置に各々ボルトを立
設したプレートを床面に木ネジ固定し、便器段差固定部
のボルト穴に上記プレートのボルトを挿入してこれらを
締込み固定することを特徴とする便器の取付構造を提供
する。

【００１１】またこの発明は、上記型紙シートが排水口
に対応したマーカーとともに、便器後方の壁面に対応す
るマーカーを有することを好ましい態様としてもいる。

【００１２】

【作用】この発明においては、便器後部の段差固定部を
固定するボルトを立設したプレートを予め床面に取付
け、このボルトを便器の段差固定部に設けたボルト穴に
挿入して、これをナットの締めつけによって固定する。
このため、狭い作業スペースにおいても、レンチ等を操
作することによって、簡単かつ容易に取付け作業を行な
うことができる。しかもその固定力に充分に強固であ
る。

【００１３】さらに、このプレートには、排水口の位置
に対応したマーカーを有する型紙シートが備わっている
ため、この型紙シートを、そのマーカーと排水口とを一
致させて床面に載置することによって容易にプレートを
正確な位置に固定することができる。また、さらにこの
型紙シートに、便器後方の壁面に対応するマーカーを備
えた場合には、プレートの位置取りはさらに容易とな
り、便器の取付け状態は常に一定となる。型紙シートは
プレートから切り離してしまうため、清潔感を損なうこ
ともない。

【００１４】

【実施例】以下、添付した図面に沿って実施例を示し、
この発明についてさらに詳しく説明する。図１は、この
発明に用いる便器を例示した斜視図である。たとえば、
この便器（１）は、その後部に洗浄水用タンクの固定部
（２）とこれを支持する支持部（３）を有しており、さ
らにこれらの下方には、段差固定部（４）を延設してい
る。また、この段差部固定部（４）には、３ヶ所にボル
ト穴（５）が形成されている。このボルト穴（５）の個
数やその位置は適宜とすることができるが、少ない固定
部位で、便器（１）の前後および左右への傾きを効果的
に防止するため、この図１の例のように、三角点上にボ
ルト穴（５）を設けるのが好ましい。

【００１５】図２は、この発明の取付け構造に用いるプ
レートと、その設置例を示した斜視図である。たとえば
この図２に例示したプレート（６）は、ステンレス金属
板等からなり、図１に例示した便器（１）の段差固定部
（４）と略同一形状を有している。また、このプレート
（６）は、これを床面（７）に木ネジ固定するための複
数のネジ穴（８）を有するとともに、便器（イ）の段差
固定部（４）に形成した３ヶ所のボルト穴（５）の各々
に対応する位置にボルト（９）を立設している。

【００１６】さらにこのプレート（６）は、その裏面に
型紙シート（１０）を貼布している。この型紙シート
（１０）は、その前端部に、床面（７）の排水口（１
１）に対応したマーカー（１２）を有しており、このマ
ーカー（１２）からプレート（６）の各ボルト（９）ま
での寸法が、便器（１）の排水管から段差固定部（４）
の各ボルト穴（５）までの寸法に一致するように、プレ
ート（６）を型紙シート（１０）に接着させている。こ
のため、マーカー（１２）を排水管（１１）に当接させ
て型紙シート（１０）を床面（７）に載置することによ
って、各ボルト（９）が便器（１）のボルト穴（５）に
正確に挿入される位置にプレート（６）を固定すること
ができる。

【００１７】また、排水口（１１）から、後方の壁面
（１３）までの寸法が一定に規定されている場合には、
この図２の例のように、型紙シート（１０）の後端部に
壁面（３）に当接するマーカー（１４）を形成してもよ
い。この場合には、プレート（６）の位置決めがさらに
正確になる。このようにして型紙シート（１０）ととも
に床面（７）に載置したプレート（６）は、そのネジ穴
（８）から木ネジ（１５）を打ち込み、床面に固定す
る。次いで、このプレート（６）のボルト（９）によっ
て便器（１）を取付けるが、その際に、排水口（１１）
には、図３にその側断面図を例示したように予めゴムジ
ョイント（１６）を配設する。

【００１８】図４は、この発明における便器の固定方法
を例示した分解斜視図である。すなわち、便器（１）の
段差固定部（４）に設けたボルト穴（５）に、プレート
（６）のボルト（９）を挿入させ、ボルト穴（４）から
突出したボルト（９）に、ワッシャー（１７）を介して
ナット（１８）を締めつけて、便器（１）を床面（７）
に固定する。また、ボルト（９）やナット（１８）には
化粧キャップ（１９）をかぶせるようにする。

【００１９】なお、型紙シート（１０）は、便器（１）
の取付けに先立ってプレート（６）から切り離してしま
うため、便器（１）の周囲に露出することはない。図５
は、この発明の構造によって取付け固定した便器を例示
した要部切欠側面図である。この発明のおいては、既に
説明した通り、床面（７）に予め固定したプレート
（６）が型紙シート（１０）によって正確に位置決めさ
れているため、この図５に示したように、便器（１）の
段差固定部（４）をプレート（６）のボルト（９）に固
定した際に、便器（１）の配水管（２０）は常に床面
（７）の排水口（１１）内へ正確に挿入することができ
る。

【００２０】また、この発明の取付け構造においては、
便器（１）から後方の壁面（１３）までのスペースが狭
く、しかも、その段差固定部（４）の上方に洗浄水用タ
ンク（１２）の固定部（２）やその支持部（３）が存在
する場合にも、簡単な作業で、迅速かつ容易に便器
（１）を取付け固定することができる。また、修繕や交
換のための取りはずしも容易である。

【００２１】もちろんこの発明は、以上の例によって限
定されるものではなく、便器の形状や細部の構成等につ
いては、様々な態様が可能であることは言うまでもな
い。

【００２２】

【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明の取
付け構造によって、洋式便器を施工容易に、しかも正確
かつ強固に床面に取付けることが可能になる。また便器
の外観意匠性や清潔感も向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に用いる便器を例示した斜視図であ
る。

【図２】この発明に用いる便器固定用のプレートとその
設置方法を例示した斜視図である。

【図３】便器を取付ける排水口の状態を例示した側断面
図である。

【図４】この発明における便器の固定方法を例示した分
解斜視図である。

【図５】この発明の構造によって取付け固定した便器を
例示した要部切欠側面図である。

【図６】従来の便器を例示した斜視図である。

【図７】従来の別の便器を例示した斜視図である。

【図８】（ａ）（ｂ）は、各々、図７に例示した便器の
取付け構造を例示した平面透視図および要部斜視図であ
る。

【図９】すでに提案した便器の取付け構造を例示した要
部斜視図である。

【図１０】図１０に例示した構造によって取付け固定し
た便器を例示した要部切欠側面図である。

【符号の説明】

１ 便器 ２ タンク固定部 ３ 支持部 ４ 段差固定部 ５ ボルト穴 ６ プレート ７ 床面 ８ ネジ穴 ９ ボルト １０ 型紙シート １１ 排水口 １２ マーカー １３ 壁面 １４ マーカー １５ 木ネジ １６ ゴムジョイント １７ ワッシャー １８ ナット １９ 化粧キャップ ２０ 排水管 ２１ 洗浄水用タンク

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 床面の排水口に対応したマーカーを有す
   る型紙シートを備え、便器後部の段差固定部に設けた複
   数のボルト穴に対応する位置に各々ボルトを立設したプ
   レートを床面に木ネジ固定し、便器段差固定部のボルト
   穴に上記プレートのボルトを挿入してこれらを締込み固
   定することを特徴とする便器の取付け構造。
2. 【請求項２】 型紙シートが、排水口に対応したマーカ
   ーとともに、便器後方の壁面に対応したマーカーを有す
   る請求項１の便器の取付け構造。