JPH0510587U - 便器の取付け構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 床面８に固定した略Ｌ字型金具６の上方ハネ
上げ片１０を便器１の前方内壁面１４のスリット１５に
挿入固定し、便器１の後方固定部１６を木ネジ７によっ
て固定する。 【効果】 便器全体の外観意匠性や清潔感が向上し、施
工性も良好となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、便器の取付け構造に関するものである。さらに詳しくは、この考 案は、洋式便器を施工容易に床面に固定することができ、しかも便器の外観意匠 性や清潔感を向上させることのできる改良された便器の取付け構造に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

従来、洋式便器をトイレルームの床面に固定する際には、前後および左右への 傾きを防止するために、たとえば図７に示したように、便器（ア）の側方部を切 欠いて形成した側方固定部（イ）を木ネジ（ウ）を打ち込み、この木ネジ（ウ） の頭部を化粧キャップ（エ）によって覆い隠すという方法が採られてきた。

【０００３】 しかしながら、このような取付け構造を用いる便器（ア）の場合には、その側 方固定部（イ）にゴミやほこりが付着しやすく、しかもこれらが目に付きやすい ために便器全体の清潔感が損なわれるという問題があった。また側方固定部（イ ）を形成するために、目にみえる位置に段差を形成しなければならないため、便 器の意匠性が制限されてもいた。

【０００４】 そこで、このような欠点を解消するものとして、たとえば図８に示したような 便器（カ）が提案されてもいる。すなわち、この便器（カ）の場合には、その側 板部（キ）から木ネジ（ウ）を水平に打ち込んで固定するため、図７に例示した 便器（ア）のように、木ネジ（ウ）を固定するための特別な段差固定部を必要と していない。

【０００５】 便器（カ）を図８のようにして固定するためには、たとえば図９（ａ）（ｂ） にその平面透視図および要部斜視図を示したように、まず固定用木片（ク）を固 定用木片取付けネジ（ケ）によって床面に固定し、次いで便器（カ）を床面に据 え付け、その側板部（キ）と固定用木片（ク）の端縁面とを木ネジ（ウ）によっ て固定する。木ネジ（ウ）の頭部は、化粧キャップ（エ）によって覆い隠しても いる。

【０００６】 また、便器（カ）の後部は目に付きにくいため、ここに後部固定部（コ）を設 け、木ネジ（ウ）を直接床面に打ち込んで便器（カ）の後部を固定するようにし ている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、図８および図９に例示した従来の便器（カ）の場合には、その 取付けに再して、便器（カ）の寸法に合わせた固定用木片（ク）を用意する必要 があり、しかもこの固定用木片（ク）を予め正確に位置取りして床面に固定しな ければならず、施工が面倒であった。

【０００８】 また、固定用木片（ク）と便器（カ）の側板部（キ）を固定するための木ネジ （ウ）の頭部を覆い隠すために化粧キャップ（エ）が必要であり、便器（カ）の 色彩に合わせて種々の色の化粧キャップ（ウ）を準備しなければならないという 問題があった。 この考案は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、従来の便器の取 付け構造の欠点を解消し、洋式便器を施工容易に床面に固定することができ、し かも便器の清潔感や外観意匠性を向上させることのできる改良された便器の取付 け構造を提供することを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記の課題を解決するものとして、床面に固定した略Ｌ字型金具 の上方ハネ上げ片を便器の前方内壁面のスリットに挿入固定し、便器の後部を木 ネジによって固定してなることを特徴とする便器の取付け構造を提供する。

【００１０】

【作用】 この考案の取付け構造においては、便器前方の内壁面を金具固定し、後部木ネ ジ固定する構造としているため、木ネジ等による固定手段は露出せず、便器の清 潔感や意匠性は良好なものとなる。しかも、その固定は容易ともなる。

【００１１】

【実施例】

以下、添付した図面に沿って実施例を示し、この考案についてさらに詳しく説 明する。 図１はこの考案の便器の取付け構造の一例を示した要部切欠側面図である。 たとえばこの図１に例示したように、この考案においては、便座（２）と洗浄 水用のロータンク（３）を備た便器（１）の便器排水管（４）を排水管（５）に 挿入した状態で、前方部を略Ｌ字型金具（６）によって、また後方部を木ネジ（ ク）によって床面（８）に固定する。略Ｌ字型金具（６）は、図２にその斜視図 を例示したように、床面当接面（９）と上方ハネ上げ片（１０）とからなってお り、床面当接面（９）には、これを床面（８）に木ネジで固定するためのネジ穴 （１１）が設けられている。

【００１２】 略Ｌ字型金具（６）を用いて便器（１）を取付け固定するには、まず便器（１ ）を床面（８）に据え付ける前に、図３にその側断面図を示したように、排水管 （５）を床面（８）よりも高い位置で切断し、この切断部にゴムジョイント（１ ２）を配設する。次に、図４の斜視図に示したように、略Ｌ字型金具（６）を木 ネジ（１３）によって床面（８）に固定する。この時、略Ｌ字型金具（６）の固 定位置は、その前方ハネ上げ片（１０）が、図１に示した便器（１）の前方内壁 面（１４）のスリット（１５）に挿入されるように位置取りする。

【００１３】 このようにして略Ｌ字型金具（６）を固定した後に、図５に示したように、略 Ｌ字型金具（６）の上方ハネ上げ片（１０）が便器（１）の前方内壁面（１４） のスリット（１５）に挿入され、かつ便器排水管（４）の先端が排水管（５）の ゴムジョイント（１２）に嵌合するように便器（１）を床面（８）上に据え付け る。この段階で、便器（１）の前方部は略Ｌ字型金具（６）によって固定された 状態となる。

【００１４】 最後に、図６に示したように、便器の後方部に設けた固定部（１６）から木ネ ジ（７）を打ち込み、便器（１）の後部を床面（８）に固定する。こうして便器 （１）の取付けは完了する。 このように、この考案の取付け構造においては、便器（１）の前方部を固定す る略Ｌ字型金具（６）の存在が便器（１）によって完全に覆い隠されるため、従 来の便器の取付け構造のようにその固定用部材が表面に露出することはない。ま た、便器（１）後方の固定部（１６）は目に付きにくい位置にあるため、ゴミや ほこりが付着した場合にも便器全体の清潔感を損なうことはなく、しかもこの固 定部（１６）に打ち込んだ木ネジ（７）を化粧キャップで覆う必要もない。

【００１５】 もちろんこの考案は以上の例によって限定されるものではなく、便器の意匠や 細部の構成等については様々な態様が可能であることは言うまでもない。

【００１６】

【考案の効果】

以上詳しく説明した通り、この考案の取付け構造によって、洋式便器を施工容 易に取付けることが可能となる。また、便器の外観意匠性や清潔感も向上させる ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の取付け構造の一実施例を示した要部
切欠側面図である。

【図２】この考案に用いる略Ｌ字型金具を例示した斜視
図である。

【図３】便器を取付ける排水管の状態を例示した側断面
図である。

【図４】略Ｌ字型金具の取付け例を示した斜視図であ
る。

【図５】便器の据え付け方法を例示した側面図である。

【図６】便器の後部固定方法を例示した側面図である。

【図７】従来の便器を例示した斜視図である。

【図８】従来の別の便器を例示した斜視図である。

【図９】（ａ）（ｂ）は、各々、図６に例示した便器の
取付け構造を例示した平面透視図および要部斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 便器 ２ 便座 ３ ロータンク ４ 便器排水管 ５ 排水管 ６ 略Ｌ字型金具 ７ 木ネジ ８ 床面 ９ 床面当接面 １０ 上方ハネ上げ片 １１ ネジ穴 １２ ゴムジョイント １３ 木ネジ １４ 前方内壁面 １５ スリット １６ 固定部

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 床面に固定した略Ｌ字型金具の上方ハネ
   上げ片を便器の前方内壁面のスリットに挿入固定し、便
   器の後部を木ネジによって固定してなることを特徴とす
   る便器の取付け構造。