JPH0513881Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、間仕切等に使用する引戸を所定箇所
で係止し得る引戸の施錠装置に関する。

（従来の技術） 例えばオフイス、集会所等において広い大フロ
アを必要に応じて小スペースに仕切る間仕切用と
しての引戸は、天井等に敷設された吊りレールに
対しランナを介して走行移動可能に吊り下げ支持
されている。

（考案が解決しようとする問題点） 従来の上記引戸においては、これを所定箇所で
ロツクするための錠機構等は付設されておらず、
単に走行移動のための引手が設けられているにす
ぎないものであつた。このために、従来の引戸に
あつては、その間仕切時さらに収納時において、
確実な係止保持状態を得ることができないもの
で、振れ等といつた問題を生じるもので、何らか
の対策を講じることが望まれている。

（考案の構成） 上記目的を達成するための本考案に係る引戸の
引手構造は、引戸の一側端縁で高さ方向の略々中
央部に埋込固定される箱体状の本体部と、この本
体部から床面側に垂設されて先端が係止されるロ
ツクシヤフトと、引戸両面に露呈した状態で前記
本体部に回動可能に支持される一対の引手と、こ
れら各引手の回動操作で前記本体部内で上下動し
て前記ロツクシヤフトを可動する係止機構とが備
えられ、当該係止機構には前記引手で回動される
偏心カム部材と、この偏心カム部材が上下に〓間
が殆ど無い状態で収容されるカム接触部を有し偏
心カム部材の回動で前記本体部内を上下動する摺
動子と、基端部が前記本体部に軸支されるととも
に上下方向に回動可能に基端部と他端部間をもつ
て前記摺動子に連結され他端部は前記ロツクシヤ
フトに連結されるレバーとが備えられている構成
としたものである。

（考案の作用） 本考案によれば、引戸の両面に設けられた引手
により、引戸を走行移動させ得るとともに、所定
の箇所で前記引手のいずれかを回動操作すること
によつて、偏心カム部材の回動に伴う摺動子の移
動によつてロツクシヤフトが可動して床面側への
係止状態が得られる。

また、摺動子のカム接触部はカム部材との間に
おいて上下に無駄な〓間を有しないので、引手操
作に伴う偏心カム部材の回動が遊びの無い状態で
直接に摺動子の上下移動に変換される。

また、偏心カム部材によつて操作力は円滑に伝
達されるとともに、基端が本体部に軸支されたレ
バーの他端にロツクシヤフトを連結して基端寄り
をもつて摺動子で引き上げる構成であるので、摺
動子の上下移動量に比べてロツクシヤフトの大き
な移動量が得られる。

（考案の一実施例） 第１図ないし第５図は本考案に係る引戸の施錠
装置の一実施例を示すものであり、これらの図に
おいて、符号１は引戸で、各種フロア等の天井部
に取付け固定されて敷設される吊りレール２に対
し、一対の吊り車３ａ，３ａを両側に有するラン
ナ３を介してその上端部が走行移動可能に吊下げ
支持されている。

施錠装置１０には、上述した引戸１の一側端縁
で高さ方向の略々中央部に埋込固定される箱体状
の本体部１３と、この本体部１３から床面側に垂
設されて先端１２ａが床面側の受金１１側に選択
的に係止されるロツクシヤフト１２と、引戸１の
両面に露呈した状態で前記本体部１３に回動可能
に支持される一対の引手１４，１４と、これら各
引手１４，１４の回動操作で前記本体部１３内で
上下動して前記ロツクシヤフト１２を可動する係
止機構１５とが備えられている。

詳述すると、前記引手１４，１４は、第２図か
ら明らかなように、回動軸１６に対し直交してね
じ止め固定されるレバー部１７と、その両端に回
動可能に連結された弧状のアーム部１８とからな
り、これらは前記本体部１３の両側面に突設され
た筒枠状の引手部１９の内部で回動操作可能に設
けられている。そして、この引手１４は、前記ア
ーム部１８又は引手部１９で、引戸１をレール２
に沿つて走行移動させるための引手としての役割
を果たす。

引手１４を半回転回動操作することで、前記回
動軸１６が回動され、後述する係止機構１５によ
りロツクシヤフト１２が移動して前記受金１１に
係入され、施錠がなされる。

前記係止機構１５には、第３図乃至第５図から
明らかなように、前記引手１４で回動される偏心
カム部材２０と、この偏心カム部材２０の回動で
前記本体部１３の内を上下動する摺動子２１と、
基端部が前記本体部１３に軸支されるとともに上
下方向に回動可能に前記摺動子２１に連結され他
端部が前記ロツクシヤフト１２に連結されるレバ
ー２５とが備えられている。

摺動子２１には略Ｕ字形のカム接触部２１ａが
形成されており、このカム接触部２１ａに偏心カ
ム部材２０が係入されている。カム接触部２１ａ
は偏心カム部材２０の径と同等の縦幅を有すると
ともに偏心カム部材２０の水平変位を許容する横
幅を有している。

摺動子２１の下方には延設片２２が形成されて
おり、この延設片２２には長溝２２ａが形成され
ている。長溝２２ａに係入するピン２３を介して
レバー２５の力点が構成され、レバー２５の基端
部が前記本体部１３にピン２４を介して支点が構
成されている。レバー２５の他端部は長溝２７ａ
を有する可動部材２７を介してピン２６でロツク
シヤフト１２に連結されている。ロツクシヤフト
１２の上端部は可動部材２７にねじ止め固定され
ている。

そして、このような係止機構１５によれば、偏
心カム部材２０によつて操作力が円滑に伝達され
るので操作性の向上を図ることができる。

また、偏心カム部材２０の上下におけるカム接
触部２１ａとの間に〓間が殆ど無いので、簡単な
構成で摺動子２１の上下移動をなし得るととも
に、偏心カム部材２０の回動が摺動子２１の上下
動に遊びの無い状態で直接に変換される。

また、本体部１３に軸支されたレバー２５に他
端部にロツクシヤフト１２を連結し、略中間部位
をもつて摺動子２１で上下動させる構成であるの
で、摺動子２１の移動量が少なくても、すなわ
ち、偏心カム部材２０の径や偏心度が大きくなく
てもロツクシヤフト１２の移動量を大きくするこ
とができ、構成のコンパクト化を図れる。

さらにまた、偏心カム部材２０によつて回動操
作力を摺動子２１の上下移動に変換する構成であ
るので、偏心カム部材２０自体によつて、ロツク
シヤフト１２を上げた状態での係止機構１５のロ
ツク状態を得ることができる。

なお、前記本体部１３は、幅狭な箱体を呈する
ように本体１３ａとその開口端を覆う蓋体１３ｂ
とからなり、また、図中３０，３はその上、下に
突設された引戸１に対する取付片である。

そして、上述した構成による本考案によれば、
引戸１の両面に設けられた引手１４，１４によ
り、引戸１を簡単かつ適切に走行移動させ得ると
ともに、所定の箇所で前記引手１４，１４のいず
れかを回動操作することで、簡単かつ確実な係止
状態を得ることが可能となるもので、これにより
がた付きのない引戸１の施錠が簡単に確保し得る
ものである。

なお、本考案は上述した実施例構造に限定され
ず、各部の形状や構造等を適宜変形、変更し得る
ことは勿論である。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案に係る引戸の施錠
装置によれば、引戸の両面に設けられた引手によ
り、引戸を簡単かつ適切に走行移動させ得るとと
もに、所定の箇所で前記引手のいずれかを回動操
作することで簡単かつ確実な係止状態を得ること
ができる。

また、摺動子に上下にほぼ〓間の無い状態で偏
心カム部材を収容するカム接触部を形成したの
で、引手操作に伴う偏心カム部材の回動でロツク
シヤフトの上下移動を得ることができるととも
に、偏心カム部材の回動を遊びを来すことなくロ
ツクシヤフトの上下移動に変換することができ
る。

また、偏心カム部材によつて操作力が円滑に伝
達されるので操作性の向上を図ることができると
ともに、摺動子の上下移動量を増幅させてロツク
シヤフトに伝達することができるので構成のコン
パクト化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る引戸の施錠装置の一実施例
を示し、第１図はその使用状態を示す概略斜視
図、第２図は施錠装置の概略斜視図、第３図は分
解斜視図、第４図および第５図はその要部断面図
である。 １……引戸、１０……施錠装置、１２……ロツ
クシヤフト、１３……本体部、１４……引手、１
５……係止機構、２０……偏心カム部材、２１…
…摺動子、２１ａ……カム接触部、２５……レバ
ー、２７……可動部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 引戸の一側端縁で高さ方向の略々中央部に埋込
   固定される箱体状の本体部と、この本体部から床
   面側に垂設されて先端が係止されるロツクシヤフ
   トと、引戸両面に露呈した状態で前記本体部に回
   動可能に支持される一対の引手と、これら各引手
   の回動操作で前記本体部内で上下動して前記ロツ
   クツシヤフトを可動する係止機構とが備えられ、
   当該係止機構には前記引手で回動される偏心カム
   部材と、この偏心カム部材が上下に〓間が殆ど無
   い状態で収容されるカム接触部を有し偏心カム部
   材の回動で前記本体部内を上下動する摺動子と、
   基端部が前記本体部に軸支されるとともに上下方
   向に回動可能に基端部と他端部間をもつて前記摺
   動子に連結され他端部は前記ロツクシヤフトに連
   結されるレバーとが備えられている引戸の施錠装
   置。