JPH05134690A - 残響音付加装置 - Google Patents

残響音付加装置

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JPH05134690A
JPH05134690A JP4035594A JP3559492A JPH05134690A JP H05134690 A JPH05134690 A JP H05134690A JP 4035594 A JP4035594 A JP 4035594A JP 3559492 A JP3559492 A JP 3559492A JP H05134690 A JPH05134690 A JP H05134690A
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剛 二間瀬
Atsumi Kato
充美 加藤
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    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10KSOUND-PRODUCING DEVICES; METHODS OR DEVICES FOR PROTECTING AGAINST, OR FOR DAMPING, NOISE OR OTHER ACOUSTIC WAVES IN GENERAL; ACOUSTICS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G10K15/00Acoustics not otherwise provided for
    • G10K15/08Arrangements for producing a reverberation or echo sound
    • G10K15/12Arrangements for producing a reverberation or echo sound using electronic time-delay networks

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 時間間隔が密でかつ複雑な残響音を付加する
こと。 【構成】 自己の遅延出力信号を入力側に帰還する帰還
ループと、入力信号と自己の遅延出力信号とを所定の比
率で合成する演算手段と、合成した信号を所定時間遅延
して出力する遅延手段とによって構成される遅延ユニッ
トを、複数段縦続接続し、かつ、各ユニットにおける遅
延時間を後段になるほど短くなるように設定する。後段
のユニットにおいては、前段のユニットで付加された所
定遅延時間間隔の複数の残響音における各遅延時間間隔
の間で、それよりも密な所定遅延時間間隔で更に複数の
残響音を付加することになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は残響音付加装置に関
し、特に、複雑な残響音を付加することのできる残響音
付加装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭55−157796号公報におい
ては、自己の遅延出力信号を所定の帰還比率で入力側に
帰還する帰還ループを有する遅延回路からなる残響堕菱
■■■■■用して残響音効果を付加する技術が示されて
いる。その場合、入力信号は遅延回路の遅延時間に相当
する時間間隔で帰還ループを介して繰り返し循環し、該
遅延時間及び帰還比率に応じて定まる減衰特性で規則的
な残響音が発生される。同公報においては、遅延時間を
異ならせた2つの残響付加ユニットを並列的に設けるこ
とも示されている。その場合は、規則的な時間間隔で発
生される2系統の規則的な残響音が混合されることにな
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来の技術にお
いては、規則的な時間間隔で発生される2系統の規則的
な残響音が単純に混合されるだけであるため、遅延時間
の密な複雑な残響音を得ることは困難であった。この発
明は上述の点に鑑みてなされたもので、遅延時間間隔が
密でかつ複雑な残響音を付加することのできる残響音付
加装置を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明に係る残響音付
加装置は、自己の遅延出力信号を入力側に帰還する帰還
ループと、入力信号と前記自己の遅延出力信号とを所定
の比率で合成する演算手段と、合成した信号を所定時間
遅延して出力する遅延手段とによって構成される遅延ユ
ニットを、複数段縦続接続してなり、前記各遅延手段に
おける遅延時間を後段になるほど短くしたことを特徴と
するものである。
【0005】
【作用】遅延ユニットは、自己の遅延出力信号を入力側
に帰還する帰還ループと、入力信号と前記自己の遅延出
力信号とを所定の比率で合成する演算手段と、合成した
信号を所定時間遅延して出力する遅延手段とによって構
成される。この遅延ユニットに入力された入力信号は、
演算手段において、帰還ループを介して帰還入力される
自己の遅延出力信号と所定の比率で合成される。合成さ
れた信号が遅延手段で遅延され、その遅延出力信号が再
帰還されて、入力信号と合成される。こうして、1つの
遅延ユニットでは、その入力信号は遅延手段の遅延時間
に相当する時間間隔で帰還ループを介して繰り返し循環
し、該遅延時間及び合成比率に応じて定まる特性で規則
的な残響音が付加される。このような遅延ユニットが複
数段縦続接続されており、かつ、各ユニットにおける遅
延時間が後段になるほど短くなるように設定されてい
る。従って、後段のユニットにおいては、前段のユニッ
トで付加された所定遅延時間間隔の複数の残響音におけ
る各遅延時間間隔の間で、それよりも密な所定遅延時間
間隔で更に複数の残響音が付加されることになる。その
場合の特性の一例を図示すると図11のようであり、前
段のユニットの遅延時間がx1であり、後段のユニット
の遅延時間がy1である。このように、遅延時間間隔が
密でかつ複雑な残響音を付加することができる。
【0006】
【実施例】以下、添付図面を参照してこの発明の一実施
例を詳細に説明しよう。図1及び図2はこの発明による
残響音付加装置の一実施例を示すブロック図、図3及び
図4はこの実施例の構成を機能的に表わした機能ブロッ
ク図、図5及び図6はデイジタルメモリを用いて所望の
遅延時間の残響音を発生させるための遅延回路の基本的
構成を示すブロック図である。説明の便宜上、まず図5
及び図6に示す遅延回路の基本的構成およびその動作を
説明し、次に図3及び図4の機能ブロック図により残響
音の形成過程を説明し、その次に図1及び図2に示す実
施例の具体的構成および動作を説明する。
【0007】 −−デイジタルメモリを用いた遅延回路の基本構成−− デイジタルメモリに対し所定のサンプリング周期T0で
順次サンプリングした入力楽音信号の振幅データSPD
(t)を時間経過に従って順次記憶させるようにした場
合、時刻(t−i)で記憶した振幅データSPD(t−
i)をi時間経過した時刻tで読出すには、サンプリン
グ時刻がtのときのアドレス情報ADR(t)に対し、
i時間の間に変化したアドレス間隔ΔADRを次の(1-
1)式または(1-2)式で示す如く加算または減算し、時
刻(t−i)におけるアドレス情報ADR(t−i)を
求め、このアドレス情報ADR(t−i)をディジタル
メモリのアドレス入力に与えれば良い。 ADR(t−i)=ADR(t)+ΔADR …(1-1) ADR(t−i)=ADR(t)−ΔADR …(1-2)
【0008】これによって、時刻(t−i)で記憶させ
た振幅データSPD(t−i)を次の(1-3)式で表わ
されるi時間遅れて読出すことができる。 i = ΔADR × T0 …(1-3) すなわち、所望の遅延時間iに対応するアドレス間隔Δ
ADRを遅延時間情報として与えれば、時刻(t−i)
で記憶させた振幅データSPD(t−i)をi時間遅れ
て読出すことができる。この場合、上記(1-1)式によ
って時刻(t−i)におけるアドレス情報ADR(t−
i)を求めるものは、振幅データSPD(t)を時間経
過に伴って高位アドレスから低位アドレスへ向けて順次
記憶させる場合に適用される。また、(1-2)式による
ものは、振幅データSPD(t)を低位アドレスから高
位アドレスへ向けて順次記憶させる場合に適用される。
【0009】従って、この発明における遅延回路は、振
幅データSPD(t)を順次記憶するディジタルメモリ
DMと、上記(1-1)式または(1-2)式で示される読出
し用のアドレス情報ADR(t−i)を形成するアドレ
ス情報発生回路AGと、上記アドレス間隔ΔADRを遅
延時間情報DLDとして発生するディレイレングスデー
タメモリDDMとが基本的に設けられる。
【0010】図5はこのような考え方に基づく遅延回路
の一例を示すブロック図であって、ディジタルメモリD
M,アドレス情報発生回路AG,ディレイレングスデー
タメモリDDM,乗算器Mを備えている。ディジタルメ
モリDMは、図7のタイムチャートに示すように、クロ
ックパルスφに従って所定周期T0でサンプリングした
振幅データSPD(t)を「0」〜「9」の各アドレス
に高位アドレス「9」側から低位アドレス「0」に向け
て順に記憶するものであり、例えばRAM(ランダムア
クセスメモリ)やシフトレジスタにより構成される。
【0011】このディジタルメモリDMにおける振幅デ
ータSPD(t)の書込みアドレスおよび読出しアドレ
スの指定は、アドレス情報発生回路AGによって行なわ
れる。すなわち、アドレス情報発生回路AGはアドレス
カウンタACと加算器ADとを備え、サンプリング時刻
の更新に伴って値が更新される書込みアドレス情報AD
R(t),ADR(t+1),ADR(t+2),……
ADR(t+i)を形成すると共に、前述の(1-1)式
で表わされる読出しアドレス情報ADR(t−i)を形
成し、これらをデイジタルメモリDMのアドレス情報D
M・ADRとして出力する。すなわち、アドレスカウン
タACは周期T0のクロックパルスφをカウントし、そ
のカウント値を現在のサンプリング時刻tにおける振幅
データSPD(t)の書込みアドレス情報ADR(t)
として出力し、この情報ADR(t)を加算器ADに供
給する。一方、ディレイレングスデータメモリDDMは
所望の遅延時間iに対応する時間情報DLD(ΔADR
=i/T0)を加算器ADの他の加算入力に供給する。
すると、加算器ADは当該サンプリング時刻tにおい
て、まず前述の(1-1)式で表わされる演算を行いその
演算値をi時間前の振幅データSPD(t−i)の読出
しアドレス情報ADR(t−i)として出力し、続いて
アドレスカウンタACの出力情報ADR(t)をそのま
ま現在時刻tにおける振幅データSPD(t)の書込み
アドレス情報ADR(t)として出力する。
【0012】これによって、ディジタルメモリDMから
は、時刻tにおいて、i時間前の時刻(t−i)で記憶
させた振幅データSPD(t−i)が読出されると共
に、現在時刻tにおける振幅データSPD(t)がアド
レス情報ADR(t)で指定されるアドレスに記憶され
る。このようにしてディジタルメモリDMからi時間遅
れて読出された振幅データSPD(t−i)は、乗算器
Mにおいて振幅レベル制御用の係数Kが乗算されてレベ
ル制御される。そして、レベル制御された振幅データK
・SPD(t−i)は図示しないDA変換器によりアナ
ログ信号に変換される。このような動作は各サンプリン
グ時刻毎に行なわれる。この結果、入力楽音よりi時間
遅れた残響音を発生させることができる。この場合、1
つのサンプリング時間において異なる複数の遅延時間情
報DLDを時分割で順次与えれば、同一サンプリング時
間内に遅延時間の異なる複数の残響音に関する情報を取
り出すことができる。従って、この発明の実施例では、
図5に示す遅延回路は、周囲の壁などの反射体への距離
の差によって振幅レベルや遅延時間がランダムに異なる
複雑な残響特性の初期反射音を形成するために利用され
る。
【0013】図6は遅延回路の他の例を示すブロック図
であって、この例の遅延回路はアドレス情報発生回路A
GのアドレスカウンタACをプリセット型のダウンカウ
ンタで構成する。そしてアドレスカウンタACに対して
所望の遅延時間iに対応する遅延時間情報DLDをプリ
セットしてこのプリセット値(DLD)からダウンカウ
ント動作させることにより、該アドレスカウンタACか
ら出力されるアドレス情報ADR(t),ADR(t+
1),……ADR(t+i)の繰り返し周期が遅延時間
情報DLDにより指定される遅延時間と一致するように
し、現在時刻tにおける振幅データSPD(t)を記憶
させるべきアドレスからi時間前に記憶させた振幅デー
タSPD(t−i)を読出すようにしたものである。
【0014】換言すれば、ディジタルメモリDMが図6
の如く10語で構成される場合にはアドレス間隔の最大
値が「10」となるため、最大で10・T0時間遅れた
振幅データSPD(t−10)を読出すことが可能であ
るが、所望の遅延時間iを例えば6・T0とする場合、
アドレスカウンタACの出力情報DM・ADRを5,
4,3,2,1,0,5,……0の繰り返しとし、ディ
ジタルメモリDMにおいて使用するアドレスの範囲を所
望の遅延時間i(i=6・T0)に対応して縮小し、現
在時刻tにおいてサンプリングした振幅データSPD
(t)を書込もうとするアドレスを、ちょうどi時間前
の振幅データSPD(t−i)を書込んだアドレスに一
致させ、現在時刻tにおける振幅データSPD(t)を
書込むべきアドレスからi時間前に書込んだ振幅データ
SPD(t−i)を読出すようにしたものである。この
ために、この図6の遅延回路では、アドレスカウンタA
Cの出力情報DM・ADRが「0」から「9」に変化し
たことを検出し、この検出信号によりデイレイレングス
データメモリDDMから出力されている時間情報DLD
をアドレスカウンタACにプリセットする最大値検出回
路MXDが設けられている。
【0015】一方、この図6の遅延回路は、現在時刻t
においてサンプリングした振幅データSPD(t)をそ
のままディジタルメモリDMに書込まず、i時間前の振
幅データSPD(t−i)を所定割合いで帰還し、その
帰還値K・SPD(t−i)と現在時刻tにおいてサン
プリングした振幅データSPD(t)との加算値を書込
むようにしたものである。このために、ディジタルメモ
リDMから読出されたi時間前の振幅データSPD(t
−i)に係数Kを乗算してディジタルメモリDMのデー
タ入力側に帰還する乗算器Mと、乗算器Mの出力データ
K・SPD(t−i)と現在時刻tの振幅データSPD
(t)とを加算し、その加算値「SPD(t)+K・S
PD(t−i)」をディジタルメモリDMのデータ入力
に供給する加算器ADとが設けられている。
【0016】従って、このように構成された遅延回路に
おいては、所望の遅延時間iを6・T0とする場合、ア
ドレスカウンタACには該カウンタACの出力情報DM
・ADRが「0」から最大値(この例では「9」)に変
化した時点で、 DLD=6−1=5 で表わされる遅延時間情報DLDがプリセットされる。
これによって、アドレスカウンタACはサンプリング時
刻の進行に伴って(サンプリング周期T0毎に)5,
4,3,2,1,0,5,……0という具合に変化する
アドレス情報DM・ADRを繰り返し出力するようにな
る。そして、各サンプリング時刻においては、アドレス
情報DM・ADRで指定されるアドレスに記憶されてい
るi時間前の振幅データSPD(t−i)がまず読出さ
れ、続いてこの読出しアドレスと同一アドレスに対しi
時間前の振幅データSPD(t−i)と現在時刻tでサ
ンプリングした振幅データSPD(t)とを所定割合い
で加算したデータ「SPD(t)+K・SPD(t−
i)」が書込まれる。
【0017】従って、このように構成した遅延回路で
は、現在のサンプリング時刻tにおける振幅データSP
D(t)の書込みアドレスとi時間前の振幅データSP
D(t−i)の読出しアドレスとが同一で、かつi時間
前の振幅データSPD(t−i)が帰還されているた
め、振幅レベルや遅延時間が規則的に変化する残響音に
関するデータを取り出すことができる。従って、この発
明の実施例では、図6に示す遅延回路は初期反射音発生
後の規則的残響特性の残響音を発生するために用いられ
ている。なお、振幅データSPDに係数Kを乗算してい
くと、最終的に得られる残響音に関するデータは元の振
幅データSPDよりレベルが大きくなってしまうため、
実際にはこの残響音に関するデータは減衰器を通して残
響音の出力部に導かれる。この場合、係数Kを「−1<
K<0」とするようにすれば、減衰器を必要としない。
【0018】次に、図3及び図4に示す機能ブロック図
を用いて残響音の形成過程を説明する。 −−残響音の形成過程−− まず、図3の実施例における残響音の形成過程は、振幅
レベルおよび遅延時間がランダムに変化する初期反射音
を形成する過程と、この初期反射音に続く、振幅レベル
および遅延時間が規則的に変化する残響音を形成する過
程とに大別される。そして、ここではこれらの初期反射
音および残響音は互いに独立した遅延回路系列で形成す
るように構成されている。図3において、入力楽音信号
を所定周期T0でサンプリングした振幅データSPD
(t)は第1の遅延回路系列である初期反射音形成部1
に供給される。
【0019】初期反射音形成部1は、図5に示した遅延
回路を利用したもので、2048語の記憶アドレスを有
するメモリD0と、現在のサンプリング時刻tにおいて
上記メモリD0から読出した互いに遅延時間の異なるi
n時間(n=1〜10:この nは異なるn個のiを区別す
るための添字であり、係数ではないことに注意された
い)前の10種類の振幅データSPD(t−i1),S
PD(t−i2),……SPD(t−i10)に対して任
意の振幅レベル制御用係数Kn(n=1〜10)を乗算
する乗算器M1〜M10と、これら乗算器M1〜M10
の乗算値出力K1・SPD(t−i1),K2・SPD
(t−i2),……K10・SPD(t−i10)の総和
【数1】 を求め、該総和を現在時刻tにおける初期反射音の瞬時
値ECH(t)として出力する加算器SUMとから構成
されている。
【0020】なお、加算器SUMは、上記数1に示され
た総和を次のサンプリング時刻(t+1)まで一時記憶
するレジスタR0を内蔵している。このような構成の初
期反射音形成部1において、現在時刻tでサンプリング
された入力楽音の振幅データSPD(t)は、メモリD
0の2048語の記憶アドレスのうち現在時刻tに対応
したアドレスに書込まれる。次に、加算器SUM内のレ
ジスタR0には前回のサンプリング時刻(t−1)にお
ける総和
【数2】 が記憶されているため、このレジスタR0の内容がリセ
ットされる。次に、in時間前の10種類の振幅データ
SPD(t−i1)〜SPD(t−i10)のうち、遅延
時間i1の振幅データSPD(t−i1)をメモリD0か
ら読出すため、遅延時間i1に対応するメモリD0のア
ドレスが指定され、該アドレスからi1時間前にサンプ
リングした振幅データSPD(t−i1)が読出され
る。この場合、i1時間前の振幅データSPD(t−i
1)を読出すためのアドレスは前述した(1-1)式によっ
て求められる。
【0021】このようにして読出された遅延時間i1の
振幅データSPD(t−i1)は、乗算器M1に入力さ
れ、この乗算器M1において遅延時間i1の第1反射音
ECH1に対応する振幅レベル制御用の係数K1と乗算さ
れる。そして、その乗算値K1・SPD(t−i1)は加
算器SUMに入力され、レジスタR0の現在値と加算さ
れ、その加算値はレジスタR0に再び記憶される。この
場合、レジスタR0の内容は、現在時刻tの振幅データ
SPD(t)の書込みの直後にリセットされているた
め、この時レジスタR0に書込まれる内容はデータK1
・SPD(t−i1)となる。このようにして、遅延時
間i1の振幅データSPD(t−i1)の読出し処理およ
びレベル制御処理が終了すると、すなわち第1反射音E
CH1に関する処理が終了すると、次に遅延時間i2の第
2反射音ECH2に関する振幅データSPD(t−i2)
の読出し処理およびレベル制御処理が第1反射音ECH
1の形成処理と同様にして行なわれる。この結果、加算
器SUM内のレジスタR0には、第1反射音ECH1に
関するデータK1・SPD(t−i1)と第2反射音EC
H2に関するデータK2・SPD(t−i2)との加算値
「K1・SPD(t−i1)+K2・SPD(t−i2)」
が記憶される。
【0022】このような処理は第3反射音ECH3〜第
10反射音ECH10についても同様に行なわれる。この
結果、レジスタR0には第1反射音ECH1〜第10反
射音ECH10に関する振幅データK1・SPD(t−i
1)〜K10・SPD(t−i10)の総和
【数1】が記憶される。そして、この数1に示す総和は
第1反射音ECH1〜第10反射音ECH10からなる初
期反射音の瞬時値ECH(t)としてスイッチ回路SW
を介して出力される。スイッチ回路SWは、次の表1に
示すように、1サンプリング周期T0内の初期反射音の
形成処理時間TaにおいてはレジスタR0出力を選択出
力し、初期反射音の形成処理後の時間Tbにおいては第
2の遅延回路系列の出力を選択出力するものである。
【0023】
【0024】このスイッチ回路SWによって選択出力さ
れる情報ECH(t)は、図示しないDA変換器におい
てアナログ信号に変換された後スピーカに加えられ、入
力楽音に対する初期反射音として発音される。従って、
第1反射音ECH1〜第10反射音ECH10の遅延時間
inおよび振幅レベル制御用の係数Knをそれぞれ異なら
せることにより、図8に示すように振幅レベルおよび遅
延時間がランダムに変化する初期反射音を得ることがで
きる。ここで、入力楽音のサンプリング周期T0を0.
04ms(25kHz)とした場合、現在時刻tの振幅
データSPD(t)の書込みアドレスADR(t)より
例えば1626語離れたアドレスに記憶されている振幅
データSPD(t−1626)を読出した場合、その遅
延時間iは i=1626×0.04≒65ms となり、入力楽音より約65ms遅れた初期反射音EC
Hnを発生させることができる。
【0025】一方、入力楽音を所定周期T0でサンプリ
ングした振幅データSPD(t)は、初期反射音発生後
の残響音を形成する第2の遅延回路系列にも供給され
る。この第2の遅延回路系列は、振幅データSPD
(t)をj時間遅らせてバンドパスフィルタBPFに供
給する遅延用のメモリD10と、このメモリD10から
供給される遅延時間jの振幅データSPD(t−j)の
所定周波数帯域成分のみを通過させるローパスフィルタ
LPFおよびハイパスフィルタHPFとから成るディジ
タル型のバンドパスフィルタBPFと、該バンドパスフ
ィルタBPFを通過した振幅データSPD(t−j)に
基づき遅延時間間隔の粗い残響音データRVD1を形成
する櫛型フィルタ構成の第1残響音形成部2と、前記残
響音データRVD1に基づき遅延時間間隔が密な残響音
データRVD2を形成するオールパスフィルタ構成の第
2残響音形成部3とから構成されている。各残響音形成
部2,3の詳細は図4に示されている。
【0026】このような構成において、現在時刻tでサ
ンプリングした振幅データSPD(t)は、メモリD1
0における2048語の記憶アドレスのうち現在時刻t
に対応したアドレスADR(t)に書込まれる。次に、
メモリD10に記憶した振幅データSPD(t)のう
ち、j時間前のデータSPD(t−j)を読出すため、
遅延時間jに対応するメモリD10のアドレスが指定さ
れ、該アドレスからj時間前にサンプリングした振幅デ
ータSPD(t−j)が読出される。この場合、j時間
前の振幅データSPD(t−j)を読出すためのアドレ
スは、初期反射音の形成の場合と同様に、前述した(1-
1)式によって求められる。遅延時間jは、メモリD1
0のアドレスの大きさに応じた値から0まで任意に設定
でき、かつ初期反射音の設定とも全く無関係に設定でき
るが、一般的な残響とする場合、第10反射音ECH10
に関する遅延時間i10よりやや大きく(j>i10)設定
されている。
【0027】このようにしてメモリD10から読出され
た遅延時間jの振幅データSPD(t−j)はローパス
フィルタLPFの乗算器M11に入力され、ここにおい
て所定の係数K11と乗算される。そして、その乗算値K
11・SPD(t−j)はレジスタR1に一時記憶され
る。次に、1語の記憶アドレスを有するメモリSD0か
ら1サンプリング時間(1・T0)前に書込まれた振幅
データSPD(t−j−1)が読出され、このデータS
PD(t−j−1)に所定の係数K12が乗算器M12に
おいて乗算される。つぎに、乗算器M12の乗算値出力
K12・SPD(t−j−1)とレジスタR1に一時記憶
されているj時間前の振幅データK11・SPD(t−
j)とが加算され、その加算値「K12・SPD(t−j
−1)+K11・SPD(t−j)」は再びレジスタR1
に一時記憶されると共に、レジスタR2にも一時記憶さ
れる。次に、現在時刻tより1サンプリング時間(1・
T0)前に書込まれた振幅データSPD(t−j−1)
がメモリSD0から再び読出され、このデータSPD
(t−j−1)に所定の係数K13が乗算器M13におい
て乗算される。そして、この乗算値K13・SPD(t−
j−1)はレジスタR2に一時記憶されている値 「K12・SPD(t−j−1)+K11・SPD(t−
j)」 と加算され、その加算値 「K12・SPD(t−j−1)+K11・SPD(t−
j)+K13・SPD(t−j−1)」 はレジスタR2に再び一時記憶される。次に、レジスタ
R1に一時記憶されている値 「K12・SPD(t−j−1)+K11・SPD(t−
j)」 を次のサンプリング周期(t+1)で使用するため、こ
の値「K12・SPD(t−j−1)+K11・SPD(t
−j)」がメモリSD0に書込まれる。
【0028】このような動作が各サンプリング周期T0
毎に行なわれることにより、ローパスフィルタLPFの
レジスタR2からは所定帯域の高周波成分を除去したj
時間前の振幅データSPD(t−j)が出力され、この
振幅データSPD(t−j)はハイパスフィルタHPF
に送られる。すると、ハイパスフィルタHPFでは、ロ
ーパスフィルタの場合と同様にしてj時間前の振幅デー
タSPD(t−j)から所定帯域の低周波成分の除去が
行なわれる。
【0029】すなわち、ローパスフィルタLPFのレジ
スタR2の出力データSPD(t−j)は乗算器M14
に入力され、この乗算器M14において所定の係数K14
と乗算される。そして、その乗算値K14・SPD(t−
j)はレジスタR3に一時記憶される。次に、1語の記
憶アドレスを有するメモリSD1から1サンプリング時
間(1・T0)前に書込まれた振幅データSPD(t−
j−1)が読出され、このデータSPD(t−j−1)
に所定の係数K15が乗算器M15において乗算される。
次に、乗算器M15から得られた乗算値K15・SPD
(t−j−1)はレジスタR3に一時記憶されているj
時間前の振幅データK14・SPD(t−j)と加算さ
れ、その加算値「K14・SPD(t−j)+K15・SP
D(t−j−1)」はレジスタR3に一時記憶されると
共に、レジスタR4にも一時記憶される。次に、現在時
刻tより1サンプリング時間(1・T0)前に書込まれ
たデータSPD(t−j−1)がメモリSD1から再び
読出され、この読出しデータSPD(t−j−1)に所
定の係数K16が乗算器M16において乗算される。そし
て、この乗算値K16・SPD(t−j−1)はレジスタ
R4に一時記憶されている値「K14・SPD(t−j)
+K15・SPD(t−j−1)」と加算され、その加算
値 K16・SPD(t−j−1)+K14・SPD(t−j)
+K15・SPD(t−j−1) はレジスタR4に一時記憶される。次に、レジスタR3
に一時記憶されている値「K14・SPD(t−j)+K
15・SPD(t−j−1)」を次のサンプリング周期
(t+1)で使用するため、この値「K14・SPD(t
−j)+K15・SPD(t−j−1)」がメモリSD1
に書込まれる。
【0030】このような動作がサンプリング周期T0毎
に行なわれることにより、ハイパスフィルタHPFのレ
ジスタR4からは所定帯域の低周波成分を除去したj時
間前の振幅データSPD(t−j)が出力される。な
お、ローパスフィルタLPFのレジスタR1は、該レジ
スタの内容をメモリSD0に書込んだ後は次のサンプリ
ング周期まで使用しないので、ハイパスフィルタHPF
のレジスタR3と共用することができる。このようにし
て、所定帯域の低周波成分および高周波成分の除去され
たj時間前の振幅データSPD(t−j)は第1残響音
形成部2に入力される。図4に詳細を示した第1残響音
形成部2では、遅延時間の異なる櫛型フィルタ構成の遅
延回路2A,2B,2Cが3回路並列に設けられてい
る。3個の遅延回路2A,2B,2Cを並列に設けてい
るのは、櫛型フィルタ構成の遅延回路の周波数特性が単
独の場合には図9の記号A,B,Cで示す如く波状とな
ってしまうのでこれを平坦化するためである。すなわ
ち、遅延時間の異なる3個の遅延回路2A,2B,2C
を並列に設けることにより、全体としての周波数特性を
図9の記号Dで示すように平坦化することができる。こ
の場合、平坦化の度合いは遅延回路の並列接続数を増加
するほど良くなる。
【0031】この実施例では、遅延回路2Aの遅延時間
が最も長く、次に遅延回路2Bの遅延時間が長く、遅延
回路2Cの遅延時間が最も短く設定されている。そし
て、各遅延回路2A,2B,2Cは遅延時間の設定が異
なるのみで、その構成は全て同一である。従って、図に
おいては、回路2Bおよび2Cについては乗算器,レジ
スタ,メモリの番号を示すのみで、遅延回路2Aのみを
詳細に図示している。このような構成の第1残響音形成
部2において、バンドパスフィルタBPFを通過したj
時間前の振幅データSPD(t−j)には、まず乗算器
M17において振幅レベル制御用の係数K17が乗算され
る。そして、その乗算値K17・SPD(t−j)は乗算
器M17内のレジスタR5に一時記憶される。次に、2
048語の記憶アドレスを有するメモリD1にx1時間
前に書込まれた振幅データSPD(t−x1)を読出す
ため、遅延時間x1に対応するメモリD1のアドレスが
指定される。これによって、メモリD1からx1時間前
の振幅データSPD(t−x1)が読出される。そし
て、この振幅データSPD(t−x1)は加算器SUM
に供給され、この加算器SUMにおいて他のメモリD
2,D3の出力データおよび遅延回路2B,2Cのメモ
リD4〜D6,D7〜D9の出力データと加算され、該
加算器SUM内のレジスタR11に一時記憶される。こ
の場合、メモリD1〜D9の読出し動作はメモリD1か
らD9まで順に時分割で行なわれるようになっており、
メモリD1の読出し動作時には他のメモリD2〜D9か
らはデ−タが出力されていない。このため、加算器SU
M内のレジスタR11への書込み内容は、メモリD1か
ら読出されたデータSPD(t−x1)となる。
【0032】一方、メモリD1から読出された振幅デー
タSPD(t−x1)は乗算器M18において振幅レベ
ル制御用の係数K18が乗算された後メモリD1の入力側
に帰還される。そして、この乗算値K18・SPD(t−
x1)は現在時刻tにおいてレジスタR5に一時記憶さ
せたデータK17・SPD(t−j)と加算され、その加
算値 K17・SPD(t−j)+K18・SPD(t−x1) はレジスタR6に一時記憶される。次に、レジスタR6
に記憶された振幅データ「K17・SPD(t−j)+K
18・SPD(t−x1)」は、x1時間前の振幅データS
PD(t−x1)が記憶されていたアドレスと同一アド
レスに書込まれる。この後、レジスタR6の内容はリセ
ットされる。レジスタR6の内容をリセットするのは、
このレジスタR6を次の段階でメモリD2の系統の処理
に兼用しているためである。
【0033】このようにしてメモリD1の系統の処理が
終了すると、次にメモリD2の系統の処理が同様にして
行なわれる。すなわち、2048語のアドレスを有する
メモリD2にx2時間前に書込まれた振幅データSPD
(t−x2)を読出すため、遅延時間x2に対応するメモ
リD2のアドレスが指定される。これによって、メモリ
D2からx2時間前にサンプリングした振幅データSP
D(t−x2)が読出される。そして、この振幅データ
SPD(t−x2)は加算器SUMにおいてレジスタR
11の内容(メモリD1から読出された内容)SPD
(t−x1)と加算され、その加算値「SPD(t−x
1)+SPD(t−x2)」はレジスタR11に一時記憶
される。一方、メモリD2から読出された振幅データS
PD(t−x2)は乗算器M19において振幅レベル制
御用の係数K19が乗算された後、メモリD2の入力側に
帰還される。そして、その乗算値K19・SPD(t−x
2)はレジスタR5に一時記憶されている値K17・SP
D(t−j)と加算され、その加算値「K17・SPD
(t−j)+K19・SPD(t−x2)」はレジスタR
6に一時記憶される。このレジスタR6に記憶されたデ
ータ「K17・SPD(t−j)+K19・SPD(t−x
2)」は、x2時間前のデータSPD(t−x2)が記憶
されていたアドレスと同一アドレスに記憶される。この
後、レジスタR6の内容はリセットされる。
【0034】次に、メモリD3の系統の処理がメモリD
2の系統の処理と同様にして行なわれる。従って、メモ
リD1〜D3の系統の処理を終了した段階では、メモリ
D3の系統の遅延時間をx3とすると、レジスタR11
に記憶される内容は、 SPD(t−x1)+SPD(t−x2)+SPD(t−
x3) となり、またメモリD3に記憶される内容は K17・SPD(t−j)+K20・SPD(t−x3) となる。このような処理は遅延回路2B,2Cにおいて
も同様に行なわれる。
【0035】従って、遅延回路2BにおけるメモリD
4,D5,D6の各系統の遅延時間をそれぞれx4,x
5,x6とし、また遅延回路2CにおけるメモリD7,D
8,D9の各系統の遅延時間をそれぞれx7,x8,x9
とすると、遅延回路2A〜2Cの全ての処理を終了した
段階におけるレジスタR11の内容は、
【数3】 となる。この結果、初期反射音に続き、図10に示すよ
うに遅延時間間隔が粗く、そして振幅レベルおよび遅延
時間が規則的に変化する残響音が得られる。なお、図1
0においては、時間関係が複雑になるため、遅延回路2
Aについてのみの残響音を図示している。以上のように
して形成された遅延時間間隔の粗い残響音データRVD
1は、第2残響音形成部3に入力される。
【0036】図4に詳細を示した第2残響音形成部3で
は、周波数特性が平坦なオールパス型フィルタ構成の遅
延回路3A,3B,3Cが直列に設けられている。3個
の遅延回路3A,3B,3Cを直列に設けているのは、
第1残響音形成部2において得られた残響音データRV
1より密な遅延時間間隔の残響音データRVD2を形成
するためである。従って、この第2残響音形成部3にお
ける各遅延回路3A,3B,3Cの遅延時間は、第1残
響音形成部2における各遅延回路2A,2B,2Cの遅
延時間よりも短く設定される。そして、各遅延回路3
A,3B,3Cは遅延時間の設定が異なるのみでその構
成は全て同じである。従って、図においては、遅延回路
3B,3Cについては乗算器,レジスタ,メモリの番号
を示すのみで、遅延回路3Aについてのみ詳細構成を示
している。
【0037】まず、第2残響音形成部2から出力される
残響音データRVD1は遅延回路3AのレジスタR12
に供給されるが、このデータRVD1をレジスタR12
に記憶させる前に、まず512語の記憶アドレスを有す
るメモリMD0にy1時間前に書込まれたデータRVD1
(t−y1)を読出すため、遅延時間y1時間に対応する
メモリMD0のアドレスが指定される。これによって、
メモリMD0からy1時間前に書込まれたRVD1(t−
y1)が読出される。次に、このデータRVD1(t−y
1)には乗算器M30において、振幅レベル制御用の係
数K30が乗算され、その乗算値K30・RVD1(t−y
1)はメモリMD0の入力側に帰還される。そして、次
にこの帰還データK30・RVD1(t−y1)と第1残響
音形成部2から現在時刻tに供給されるデータRVD1
(t)とが加算され、その加算値「RVD1(t)+K3
0・RVD1(t−y1)」はレジスタR12に一時記憶
される。次に、遅延時間y1に対応するメモリMD0の
アドレスが再び指定され、メモリMD0からy1時間前
に書込まれたデータRVD1(t−y1)が再び読出さ
れ、その読出しデータRVD1(t−y1)がレジスタR
13に一時記憶される。次に、レジスタR12に一時記
憶されたデータ「RVD1(t)+K30・RVD1(t−
y1)」と振幅レベル制御用の定数K29とが乗算器M2
9において乗算される。そして、その乗算値 K29・{RVD1(t)+K30・RVD1(t−y1)} はレジスタR13に一時記憶されている値RVD1(t
−y1)と加算され、その加算値 RVD1(t−y1)+K29・{RVD1(t)+K30・R
VD1(t−y1)} はレジスタR13に一時記憶される。次に、レジスタR
12に一時記憶されているデータ「RVD1(t)+K3
0・RVD1(t−y1)」を現在時刻tよりy1時間遅れ
たサンプリング時刻(t+y1)において使用するた
め、該データ「RVD1(t)+K30・RVD1(t−y
1)」はy1時間前のデータRVD1(t−y1)が記憶さ
れていたアドレスと同一アドレスに書込まれる。
【0038】このようにして遅延回路3Aによる処理が
終了すると、レジスタR13に記憶されたデータ RVD1(t−y1)+K29・{RVD1(t)+K30・R
VD1(t−y1)} は遅延回路3Bに送られ、この遅延回路3Bにおいて回
路3Aの場合と同様の処理が行なわれる。ここで、遅延
回路3A,3B,3Cの出力データをRVD2A,RVD
2B,RVD2Cで表わし、回路3Bの遅延時間をy2,回
路3Cの遅延時間をy3とすると、回路3A,3B,3
CのレジスタR13,R15,R17の出力データは次
の(1-4)式,(1-5)式,(1-6)式によって表わされ
る。
【0039】 RVD2A=RVD1(t−y1)+K29・{RVD1(t) +K30・RVD1(t−y1)} …(1-4) RVD2B=RVD2A(t−y2)+K31・{RVD2A(t) +K32・RVD2A(t−y2)} …(1-5) RVD2C=RVD2B(t−y3)+K33・{RVD2B(t) +K34・RVD2B(t−y3)} …(1-6) そして、遅延回路3Cの出力データRVD2Cは初期反射
音に続く残響音を発生させるためのデータとしてスイッ
チ回路SWを経由して出力される。
【0040】ここで、各遅延回路3A,3B,3Cの遅
延時間を、 y1>y2>y3 の関係に設定した場合、図11に示すように遅延時間間
隔の密な残響音を形成することができる。すなわち、遅
延回路3Aは第1残響音形成部2で形成された遅延時間
間隔の粗い残響音データRVD1に基づき、第1残響音
形成部2の遅延時間間隔よりも短い時間間隔y1で第1
の残響音データRVD2Aを形成し、遅延回路3Bは回路
3Aの遅延時間間隔y1よりもさらに短い時間間隔y2で
第2の残響音データRVD2Bを形成する。このため、遅
延回路3A〜3Cにおける残響音の形成処理が進行する
に伴って遅延時間間隔の密な残響音が形成されるように
なる。 なお、遅延回路3A,3B,3Cにおけるレジ
スタR12,R14,R16は、自己の回路に関する処
理が終了した後は次のサンプリング周期まで使用しない
ので、時分割的に共用することができる。
【0041】次に、図1に示す実施例の具体的構成およ
び動作について説明する。なお、以下の説明では、図1
に示す装置が上述した図3及び図4の機能に従って残響
音の形成を行なうものとして述べる。 −−実施例の具体的構成−− 図1に示す実施例に係る残響音付加装置は、大別する
と、記憶部10,時間情報発生部20,アドレス情報発
生部30,演算部40とから構成されている。時間情報
発生部20とアドレス情報発生部30の詳細は図2に示
されている。
【0042】記憶部10は、図5,図6における遅延用
のデイジタルメモリDMに相当するもので、ここでは複
数のメモリブロックを有するデータメモリ100とラッ
チ101とから構成されている。データメモリ100に
おいては、複数のメモリブロックを利用して、図12に
示すように、1語(16ビット)のメモリSD0〜SD
15と、512語(1語は16ビット)のメモリMD0
〜MD15と、2048語(1語は16ビット)のメモ
リD0〜D15が設けられている。そして、このメモリ
SD0〜SD15,MD0〜MD15,D0〜D15に
記憶すべきデータは演算部40から与えられ、データの
記憶アドレスおよび読出しアドレスはアドレス情報発生
部30から出力されるアドレス情報DM・ADRによっ
て指定され、また各メモリSD0〜D15から読出され
たデータはラッチ101を介して演算部40に供給され
る構成になっている。
【0043】図2に詳細を示した時間情報発生部20
は、図5,図6におけるディレイレングスデータメモリ
DDMに相当するものであり、パラメータ指定回路20
0とディレイレングスデータメモリ201とを備え、こ
こではディレイレングスデータメモリ201はパラメー
タ指定回路200からの指示により、残響特性の異なる
8種類の残響音(初期反射音も含む)それぞれに対応し
て各データ遅延用のメモリD0〜D15,MD0〜MD
15に関する遅延時間情報DLDm〔n〕(n:D0〜
D15,MD0〜MD15のメモリを指示、m:1〜8
の種類を指示)のうちいずれか1つの種類を選択的に出
力するように構成されている。
【0044】すなわち、ディレイレングスデータメモリ
201は、図13に示すように、データ遅延用のメモリ
D0〜D15,MD0〜MD15それぞれに対応したメ
モリブロックMB(D0)〜MB(D15),MB(M
D0)〜MB(MD15)を備え、この各メモリブロッ
クMB(D0)〜MB(MD15)はそれぞれ上述した
8種類の残響音に対応して8つの記憶アドレス「0」〜
「7」を有し、各メモリブロックMB(D0)〜MB
(MD15)の各記憶アドレス「0」〜「7」にはそれ
ぞれ異なる遅延時間情報DLD1〔D0〕〜DLD8〔D
0〕,DLD1 〔D1〕〜DLD8〔D1〕,……DL
1〔D15〕〜DLD8〔D15〕,DLD1〔MD
0〕〜DLD8〔MD0〕,……DLD1〔MD15〕〜
DLD8〔MD15〕が予め記憶されている。そして、
発生すべき残響音の残響特性を指示する3ビット構成の
パラメータ指示情報PSLが下位アドレス情報としてパ
ラメータ指示回路200から供給され、更にメモリMD
0〜MD15,D0〜D15のメモリ番号「0〜15」
を指定する4ビット構成のメモリ番号情報DLn(n:
0〜15)およびメモリの種別「D,MD,SD」を指
定する2ビット構成のメモリ種別情報DLk(k:D,
MD,SD)が上位アドレス情報としてアドレス情報発
生部から供給されると、情報DLnおよびDLkで指定さ
れるメモリブロック(MB(D0)〜MB(MD15)
のうち1つ)のうち、情報PSLで指定される記憶アド
レス(「0」〜「7」のうち1つ)に記憶されている遅
延時間情報DLDm〔n〕が読出され、パラメータ指定
回路200で指定した所望の残響特性の残響音の遅延時
間関係を規定する情報としてアドレス情報発生部30へ
供給される。なお、メモリSD0〜SD15について
は、遅延時間が固定(1・T0)であるため、このメモ
リSD0〜SD15に対する遅延時間情報は必要としな
い。また、パラメータ指定回路200からは、パラメー
タ指定情報PSLとともに、8種類の残響音を形成する
ための制御プログラムのうち所望の制御プログラムの1
つを選択する3ビット構成のプログラム選択情報PGS
が出力される。
【0045】次に、図2に詳細を示したアドレス情報発
生部30は、時間情報発生部20から出力される遅延時
間情報DLDm〔n〕およびプログラム選択情報PGS
と、制御プログラムの1ステップの周期を定めるマスタ
クロックパルスφ0とに基づき、所望の残響特性の残響
音を形成するためのデータメモリ100に対するアドレ
ス情報DM・ADRを発生すると共に、各部回路の動作
を制御する各種の制御信号を発生するものであり、プロ
グラムメモリ300,プログラムカウンタ301,プロ
グラムデコードメモリ302,制御信号出力レジスタ3
03,セレクタ304,アドレスカウンタ305,ラッ
チ306,減算回路307,最大値検出回路308,ア
ドレス情報出力回路309とを備えている。
【0046】プログラムメモリ300には、8種類の残
響特性の残響音を形成するために8種類の制御プログラ
ムが予め記憶されており、どの種類の制御プログラムを
出力すべきかはパラメータ指定回路200からのプログ
ラム選択情報PGSによって指定される。そして、指定
された制御プログラムの内容はマスタクロックパルスφ
0をカウントするプログラムカウンタ301の出力情報
PCによって1ステップ毎に順次読出される。この場
合、図3及び図4で説明した初期反射音形成部1,バン
ドパスフィルタBPF,第1残響音形成部2,第2残響
音形成部3の全ての処理を1サンプリング周期(T0)
内で終了させるために、サンプリング周波数を25kH
z,マスタクロックパルスφ0の周波数を4.8MHzと
すると、1つの制御プログラムのステップ数は4800
/25=192以内で構成され、この192ステップの
制御プログラム内容が各サンプリング周期T0毎に実行
される。そして、各ステップにおける制御プログラムと
しては、表2に示すように、1ステップが16ビットの
情報から成るタイプ1,タイプ2,タイプ3の3種類の
内容が準備されており、初期反射音の形成,フィルタ処
理,残響音の形成はこれら3種類の制御プログラムの出
力順序および各ビット情報の内容を適宜組合せることに
よって行なわれる。
【0047】
【0048】この場合、16ビットから成る1ステップ
の制御プログラムは、情報OF・ADRn,RGn,DL
n,ADR〔Kn〕の如く制御信号出力レジスタ303を
介してそのまま出力されるものと、メモリの書込み制御
信号WR1などの如くプログラムデコードメモリ302
によってデコードされた後制御信号出力レジスタ303
を介して出力されるものとが有り、後者はオペレーショ
ンコードOPCとしてプログラムメモリ300からプロ
グラムデコードメモリ302に与えられる。なお、表2
の内容の詳細については全体の動作説明とともに後述す
る。
【0049】一方、アドレスカウンタ305は図14に
示すように遅延用のメモリD0〜D15,MD0〜MD
15のそれぞれに対応したアドレスカウンタAC(D
0)〜AC(D15),AC(MD0)〜AC(MD1
5)を備えている。このアドレスカウンタ305におけ
る各カウンタAC(D0)〜AC(D15),AC(M
D0)〜AC(MD15)は、メモリ番号情報DLnお
よびメモリ種別情報DLkによって選択的に動作状態と
される。情報DLnおよびDLkによって動作状態となっ
たアドレスカウンタAC(n)(n:D0〜D15,M
D0〜MD15)のカウント出力情報ADR〔n〕はラ
ッチ306を介してアドレス情報出力回路309へ供給
されると共に、減算回路307へ供給される。この場
合、アドレスカウンタAC(n)の出力情報ADR
〔n〕はメモリD0〜D15,MD0〜MD15のうち
メモリD0〜D15が2048語のアドレス長となって
いるため、2048語までのアドレス範囲を指定できる
ように11ビットで構成されている。なお、アドレスカ
ウンタ305はRAMから構成される。
【0050】減算回路307は、ラッチ306を介して
入力されたアドレスカウンタAC(n)の出力内容AD
R〔n〕から「1」を減じ、その減算値「ADR〔n〕
−1」を次のサンプリング周期(t+1)において使用
するためセレクタ304のA側入力に帰還する。同時
に、最大値検出回路308に供給する。最大値検出回路
308は第4図の検出回路MXDに相当するものであ
り、メモリ番号情報DLnおよびメモリ種別情報DLkに
より指定されたアドレスカウンタAC(n)の出力情報
ADR〔n〕から「1」を減じた情報「ADR〔n〕−
1」が最大値(全ビットが“1”)に達したことを検出
すると、セレクタ304に対しB側入力を選択させるセ
レクト制御信号SLBを出力する。セレクタ304にお
いては、A側入力に減算回路307の出力情報「ADR
〔n〕−1」が入力され、B側入力にディレイレングス
データメモリ201の出力情報DLDm〔n〕が入力さ
れ、その出力はアドレスカウンタ305のデータ入力に
供給されて情報DLn,DLkにより指定されるアドレス
カウンタAC(n)に対して書込み制御信号WR3によ
り書込まれる(プリセットされる)構成となっている。
従って、情報DLn,DLkにより指定されたアドレスカ
ウンタAC(n)においては、最大値検出回路308か
らセレクト制御信号SLBが発生されていない条件で
は、1サンプリング周期毎に現在値ADR〔n〕から
「1」を減じた値「ADR〔n〕−1」が書込まれるこ
とになり、その出力情報ADR〔n〕は時間経過ととも
に「0」の方向へ減少する。ところが、値「ADR
(n)−1」が最大値になると、最大値検出回路308
からセレクト制御信号SLBが発生されるため、アドレ
スカウンタAC(n)にはセレクタ304を介して遅延
時間情報DLDm〔n〕が入力され、書込み制御信号W
R3により書込まれる。従って、アドレスカウンタAC
(n)の内容は、セレクト制御信号SLBの発生により
「DLDm〔n〕」になった後、サンプリング時刻の経
過とともに「0」に方向へ順次変化するものとなる。す
なわち、セレクタ304、アドレスカウンタ305、ラ
ッチ306、減算回路307、最大値検出回路308と
から成る部分では、情報DLn,DLkで指定されるアド
レスカウンタAC(n)において遅延時間情報DLDm
〔n〕に対応する遅延時間に等しい周期で一巡するアド
レス情報ADR〔n〕が形成される。このアドレス情報
ADR〔n〕はアドレス情報出力回路309へ供給され
る。
【0051】アドレス情報出力回路309は、メモリS
D0〜SD15,メモリD0〜D15,メモリMD0〜
MD15に対する情報の読出しおよび書込みのためのア
ドレス情報を出力するものである。このアドレス情報出
力回路309は、メモリD0からin時間遅れた情報を
読出して初期反射音ECH(t)を形成する場合には、
第1反射音ECH1〜第10反射音ECH10の各遅延時
間inに対応する11ビットのアドレス情報OF・AD
Rn(制御信号出力レジスタ303から出力される)を
下位アドレス情報とし、その上位にメモリ番号情報DL
nおよびメモリ種別情報DLkを付加し、この1組の情
報OF・ADRn,DLn,DLkをアドレス情報DM・
ADRとして出力する。また、現在時刻でサンプリング
した振幅データSPD(t)をメモリD0に書込む場
合、メモリD0に対応するアドレスカウンタAC(D
0)の出力情報ADR〔D0〕を下位アドレス情報と
し、その上位にメモリD0を指定する情報DLn(=D
L0)およびDLk(=DLD)を付加し、この1組の情
報ADR〔D0〕,DLn,DLkをアドレス情報DM・
ADRとして出力する。また、メモリSD0〜SD15
に対して振幅データの書込みおよび読出しを行う場合、
下位アドレス情報の全ビットを“0”とし、その上位に
メモリSD0〜SD15を指定する情報DLn(=DL0
〜DL15)およびDLk(=DLSD)を付加してアドレ
ス情報DM・ADRとして出力する。また、残響音RV
1,RVD2を形成する場合には、メモリD1〜D1
5,MD0〜MD15のそれぞれに対応するアドレスカ
ウンタAC(D1)〜AC(D15),AC(MD0)
〜AC(MD15)の各出力情報ADR〔D1〕〜AD
R〔D15〕,ADR〔MD0〕〜ADR〔MD15〕
を下位アドレス情報とし、その上位に情報DLnおよび
DLkを付加し、これら1組の情報ADR〔n〕,DL
n,DLkをアドレス情報DM・ADRとして出力する。
この場合、情報DLnおよびDLkの下位に情報OF・A
DRnを付加すべき時には制御信号出力レジスタ303
から制御パルスGP1が出力される。また、情報DLn
およびDLkに下位に付加する下位アドレス情報の全ビ
ットを“0”にすべき時には、制御信号出力レジスタ3
03から制御パルスGP2が出力される。なお、アドレ
ス情報出力回路309は、情報DLnおよびDLkを一時
記憶するレジスタを内部に備えている。
【0052】図1に詳細が示された演算部40は、メモ
リD0〜D15,MD0〜MD15,SD0〜SD15
に記憶させるデータおよび各メモリから読出したデータ
の振幅レベル制御を行うもので、係数メモリ400、セ
レクタ401、演算回路402、テンポラリレジスタ4
03、ラッチ404とを備えている。係数メモリ400
は、ディレイレングスデータメモリと同様、残響特性の
異なる8種類の残響音に対応して8個のメモリブロック
を有し、各メモリブロックには各種類別の残響音を形成
するために必要な一組の係数Kn(n:1〜32)が予
め記憶されている。そして、パラメータ指定回路200
からパラメータ指定情報PSLが供給され、かつ係数K
nを指定するアドレス情報ADR〔Kn〕が制御信号出力
レジスタ303から供給されると、情報PSLで指定さ
れるメモリブロックのうち情報ADR〔Kn〕で指定さ
れるアドレスから係数Knが読出され、演算回路402
の演算入力(A)に供給される構成になっている。
【0053】セレクタ401は、A側入力にサンプルホ
ールド回路SPHによりサンプリングされた入力楽音の
振幅データSPD(t)が入力され、B側入力に記憶部
10からの読出しデータMRDが入力され、C側入力に
ラッチ404を介してテンポラリレジスタ403の出力
データRGDが入力されており、これらの入力データS
PD(t),MRD,RGDは制御信号出力レジスタ3
03から出力されるセレクト制御信号SL1(2ビット
構成)によっていずれか1つが選択され、演算回路40
2の演算入力(X)に供給されている。
【0054】演算回路402は、演算入力(A)に係数
メモリ400から読出された係数Knが入力され、演算
入力(B)にラッチ404を介してテンポラリレジスタ
403の出力データRGDが入力され、演算入力(X)
にセレクタ401の選択出力データ(SPD(t),M
RD,RGD)が入力され、制御信号出力レジスタ30
3から出力される演算制御信号CTL(3ビット構成)
により、 (Y)=(A)・(X)+(B) (Y)=(X)+(B) (Y)=(X) (Y)=(B) (Y)=(0) の演算を実行し、その演算値(Y)をテンポラリレジス
タ403,記憶部10,出力レジスタ500に供給する
構成になっている。
【0055】テンポラリレジスタ403は、初期反射音
ECH(t),残響音RVD1,RVD2の形成過程にお
ける演算回路402の演算値(Y)を一時記憶し、その
記憶内容をレジスタ出力データRGDとしてセレクタ4
01のC側入力および演算回路402の演算入力(B)
に帰還するもので、5ビット構成のレジスタ指定情報R
Gn(n:1〜32)により指定される32個のレジス
タR0〜R31を有し、入力データは情報RGnにより
指定されたレジスタ(R0〜R31)に対し書込み制御
信号WR1の制御によって書込まれる。次に、出力レジ
スタ500は、演算回路402の演算値(Y)として得
られた初期反射音の瞬時値ECH(t)および初期反射
音に続く残響音の瞬時値RVD(t)を書込み制御信号
WR2によって取込み、この取込みデータを減衰器50
1を介してDA変換器(DAC)502に供給する。な
お、セレクタ401におけるセレクト制御信号SL1お
よび演算回路402における演算制御信号CTLは、制
御信号出力レジスタ303から出力されるオペレーショ
ンコードOPCに含まれるものである。
【0056】次に、以上の構成の動作について説明す
る。 −−動作説明−− a.初期反射音の形成動作 初期反射音BCH(t)を形成する場合、 (1)まず、現在時刻tでサンプリングした入力楽音の
振幅データSPD(t)をメモリD0に書込むため、 SL1;SELECT(A) CTL;(Y)=(X) で示される内容のセレクト制御信号SL1および演算制
御信号CTLがオペレーションコードOPCとして制御
信号出力レジスタ303から出力される。これによっ
て、セレクタ401はサンプリングホールド回路SPH
から出力される振幅データSPD(t)を演算回路40
2の演算入力(X)に供給する。また、演算回路402
は、演算入力(X)に入力された振幅データSPD
(t)を演算値(Y)として出力する。
【0057】(2)次に、現在のサンプリング時刻
(t)に対応したメモリD0のアドレスを指定した上、
このアドレスに演算回路402の出力データSPD
(t)を書込むため、 DLn;DL0 DLk;DLD WR4;“1”(WRITE) L3 ;“1”(LATCH) で示される内容のメモリ種別情報DLk、書込み制御信
号WR4,ラッチ制御信号L3がオペレーションコード
OPCとして、またメモリ番号情報DLnが制御信号出
力レジスタ303から出力される。
【0058】これによって、メモリD0に対応したアド
レスカウンタAC(D0)の出力情報ADR〔D0〕が
現在時刻tの振幅データSPD(t)を書込むための下
位アドレス情報としてラッチ306にラッチされる。そ
して、このラッチされた下位アドレス情報ADR〔D
0〕は、アドレス情報出力回路309においてその上位
にメモリ番号情報DLn(=DL0)およびメモリ種別情
報DLk(=DLD)が付加されてメモリD0に対する振
幅データSPD(t)の書込みアドレス情報DM・AD
Rとして出力される。これにより、演算回路402を介
してメモリD0のデータ入力に与えられている現在時刻
tの振幅データSPD(t)は書込み制御信号WR4に
よって現在時刻tに対応したアドレスに書込まれる。
【0059】(3)次に、各サンプリング時刻毎の初期
反射音の合成値を記憶するレジスタR0をクリアするた
め、 RGn ;R0 CTL;(Y)=0 WR1;“1”(WRITE) で示される内容の演算制御信号CTL,書込み制御信号
WR1がオペレーションコードOPCとして、またレジ
スタ番号情報RGnが制御信号出力レジスタ303から
出力される。これによって、レジスタR0には「0」が
書込まれる。すなわち、レジスタR0はクリアされる。
【0060】(4)次に、第1反射音ECH1を形成す
るため、 OF・ADRn;OF・ADR1 DLk ;DLD GP1 ;“1” L2 ;“1”(LATCH) で示される内容のメモリ種別情報DLk,制御パルスG
P1,ラッチ制御信号L2がオペレーションコードOP
Cとして、また第1反射音ECH1の遅延時間i1に対応
したアドレス情報OF・ADRnが制御信号出力レジス
タ303から出力される。この場合、アドレス情報出力
回路309には前記ステップ(3)におけるメモリ番号
情報DLn(=DL0)が保持されている。
【0061】これによって、アドレス情報出力回路30
9は、遅延時間i1に対応したアドレス情報OF・AD
R1を下位アドレス情報とし、メモリ番号情報DLn(=
DL0),メモリ種別情報DLk(=DLD)を上位アド
レス情報とし、メモリD0からi1時間前に書込んだ振
幅データSPD(t−i1)を読出すためのアドレス情
報DM・ADRとして出力する。これにより、メモリD
0からi1時間前の振幅データSPD(t−i1)が読出
され、この読出しデータSPD(t−i1)はラッチ制
御信号L2によってラッチ101にラッチされる。
【0062】(5)次に、レジスタR0の現在値をラッ
チ404に転送するため、 RGn ;R0 L1 ;“1”(LATCH) で示される内容のラッチ制御信号L1がオペレーション
コードとして、またレジスタ番号情報RGnが制御信号
出力レジスタ303から出力される。これによって、レ
ジスタR0の現在値はラッチ404に転送されて記憶さ
れる。
【0063】(6)次に、i1時間前の振幅データSP
D(t−i1)に振幅レベル制御用の係数K1を乗算し、
第1反射音ECH1に関する瞬時値K1・SPD(t−i
1)を得るため、 ADR〔Kn〕;ADR〔K1〕 SL1 ;SELECT(B) CTL ;(A)・(X)+(B)=(Y) で示されるセレクト制御信号SL1,演算制御信号CT
LがオペレーションコードOPCとして、また定数読出
し用のアドレス情報ADR〔Kn〕が制御信号出力レジ
スタ303から出力される。
【0064】これによって、係数メモリ400から第1
反射音ECH1に関する係数K1が読出されて演算回路4
02の演算入力(A)に供給される。また、セレクタ4
01は、B側選択入力にラッチ101から供給されてい
るi1時間前の振幅データSPD(t−i1)を選択し、
該データSPD(t−i1)を演算回路402の演算入
力(X)に供給する。また、演算回路402は (Y)=(A)・(X)+(B) =K1・SPD(t−i1)+〔R0〕 で示される演算を行う。この場合、レジスタR0の内容
は前述のステップ(3)においてクリアされているた
め、ここでは第1反射音ECH1に関する瞬時値K1・S
PD(t−i1)が演算回路402の演算値(Y)とし
て得られる。
【0065】(7)次に、第1に反射音ECH1の瞬時
値K1・SPD(t−i1)をレジスタR0に転送して記
憶させるため、 RGn ;R0 WR1;“1”(WRITE) で示される内容の書込み制御信号WR1がオペレーショ
ンコードOPCとして、またレジスタ番号情報RGnが
制御信号出力レジスタ303から出力される。これによ
って、演算回路402の出力データ(Y)=K1・SP
D(t−i1)がレジスタR0に書込まれる。ここまで
のステップを終了することにより、レジスタR0には第
1反射音ECH1の瞬時値K1・SPD(t−i1)が得
られる。
【0066】(8)次に、第2反射音ECH2〜第10
反射音ECH10に簡する瞬時値K2・SPD(t−i2)
〜K10・SPD(t−i10)が前述のステップ(4)〜
(7)と同様にして形成される。従って、第10反射音
ECH10に関するステップ(7)の動作を終了した段階
では、レジスタR0には第1反射音ECH1〜第10反
射音ECH10の瞬時値の総和
【数1】が得られる。そして、この総和は出力レジスタ
500に対して書込み制御信号WR2によって書込ま
れ、減衰器501に転送される。
【0067】b.フィルタ動作 フィルタ動作を行う場合 (1)まず、メモリD10からj時間前の振幅データS
PD(t−j)を読出すため、 DLn:DL10 DLk:DLD L3 :“1”(LATCH) L2 :“1”(LATCH) で示される内容のメモリ種別情報DLk,ラッチ制御信
号L3,L2がオペレーションコードOPCとして、ま
たメモリ番号情報DLnが制御信号出力レジスタ303
から出力される。
【0068】これによって、メモリD10に対応したア
ドレスカウンタAC(D10)の出力情報ADR〔D1
0〕がj時間前の振幅データSPD(t−j)を読出す
ための下位アドレス情報としてラッチ306にラッチさ
れる。そして、このラッチされた下位アドレス情報AD
R〔D10〕は、アドレス情報出力回路309において
その上位にメモリ番号情報DLn(=DL10)およびメ
モリ種別情報DLk(=DLD)が付加されてデータメモ
リ100のメモリD10に対して振幅データSPD(t
−j)の読出しアドレス情報DM・ADRとして出力さ
れる。これにより、メモリD10からj時間前の振幅デ
ータSPD(t−j)が読出され、この読出しデータS
PD(t−j)はラッチ制御信号L2によりラッチ10
1にラッチされる。
【0069】(2)次に、現在時刻tでサンプリングし
た振幅データSPD(t)を振幅データSPD(t−
j)の読出しアドレスと同一アドレスに書込むため、 SL1:SELECT(A) CTL:(Y)=(X) で示される内容のセレクト制御信号SL1および演算制
御信号CTLがオペレーションコードOPCとして制御
信号出力レジスタ303から出力される。これによっ
て、セレクタ401はサンプリングホールド回路SPH
から出力される振幅データSPD(t)を演算回路40
2の演算入力(X)に供給する。また、演算回路402
は、演算入力(X)に入力された振幅データSPD
(t)を演算値(Y)として出力する。
【0070】(3)次に、振幅データSPD(t)をメ
モリD10に書込むため、 DLn :DL10 DLk :DLD WR4:“1”(WRITE) L3 :“1”(LATCH) で示される内容のメモリ種別情報DLk,書込み制御信
号WR4、ラッチ制御信号L3がオペレーションコード
OPCとして、またメモリ番号情報DLnが制御信号出
力レジスタ303から出力される。
【0071】これによって、メモリD10に対応したア
ドレスカウンタAC(D10)の出力情報ADR〔D1
0〕が現在時刻tの振幅データSPD(t)を書込むた
めの下位アドレス情報としてラッチ306にラッチされ
る。そして、このラッチされた下位アドレス情報ADR
〔D10〕は、アドレス情報出力回路309においてそ
の上位にメモリ番号情報DLn(=DL10)およびメモ
リ種別情報DLk(=DLD)が付加されてメモリD10
に対する振幅データSPD(t)の書込みアドレス情報
DM・ADRとして出力される。これにより、演算回路
402を介してメモリD10のデータ入力に与えられて
いる現在時刻tの振幅データSPD(t)は書込み制御
信号WR4によって現在時刻tに対応したアドレスに書
込まれる。
【0072】(4)次に、ローパスフィルタLPFにお
いて、レジスタR1の内容、係数K11,j時間前の振幅
データSPD(t−j)により、 〔R1〕+K11・SPD(t−j) を演算し、この演算値をレジスタR1に再び記憶させる
ため、まず、 RGn:R1 L1 :“1”(LATCH) の内容で示されるラッチ制御信号L1がオペレーション
コードOPCとして、またレジスタ番号情報RGnが制
御信号出力レジスタ303から出力され、レジスタR1
の内容がラッチ404に転送される。
【0073】(5)次に、K11・SPD(t−j)の演
算を行うため、 ADR〔Kn〕:ADR〔K11〕 SL1 :SELECT(B) CTL :(Y)=(A)・(X)+(B) で示される内容のセレクト制御信号SL1,演算制御信
号CTLがオペレーションコードOPCとして、また定
数読出し用のアドレス情報ADR〔Kn〕が制御信号出
力レジスタ303から出力される。これによって、係数
メモリ400から係数K11が読出されて演算回路402
の演算入力(A)に供給される。また、セレクタ401
は先のb−(1)のステップでラッチ101にラッチさ
れている振幅データSPD(t−j)を選択し、演算回
路402の演算入力(X)に供給する。これによって、
演算回路402は、 (Y)=(A)・(X)+(B) =K11・SPD(t−j)+R1 の演算を行う。この場合、レジスタR1の内容は前回の
サンプリング時刻(t−1)におけるフィルタ処理が終
了した段階でクリアされているため、このステップでは
K11・SPD(t−j)が演算値(Y)として得られ
る。
【0074】(6)次に、この演算値(Y)=K11・S
PD(t−j)をレジスタR1に記憶させるため、 RGn :R1 WR1:“1”(WRITE) の内容で示される書込み制御信号WR1がオペレーショ
ンコードOPCとして、またレジスタ番号情報RGnが
制御信号出力レジスタ303から出力される。これによ
って、演算回路402の出力データK11・SPD(t−
j)がレジスタR1に記憶される。
【0075】(7)次に、メモリSD0から(j−1)
時間前の振幅データSPD(t−j−1)を読出すた
め、 DLn :DL0 DLk :DLSD GP2 :“1” L2 :“1”(LATCH) で示される内容のメモリ種別情報DLk、ラッチ制御信
号L2,ゲートパルス信号GP2がオペレーションコー
ドOPCとして、またメモリ番号情報DLnが制御信号
出力レジスタ303から出力される。すると、アドレス
情報出力回路309は、下位アドレス情報の全ビットを
“0”にし、その上位にメモリ番号情報DLn(=DL
0)およびメモリ種別情報DLk(=DLSD)を付加し、
メモリSD0に対するアドレス情報DM・ADRとして
出力する。これにより、メモリSD0から(j−1)時
間前の振幅データSPD(t−j−1)が読出され、ラ
ッチ101にラッチされる。
【0076】(8)次に、レジスタR1の内容K11・S
PD(t−j),係数K12,ラッチ101にラッチされ
ている振幅データSPD(t−j−1)により K12・SPD(t−j−1)+〔R1〕 を演算し、この演算値をレジスタR1に再び記憶させる
ため、まず RGn:R1 L1 :“1”(LATCH) で示される内容のラッチ制御信号L1がオペレーション
コードOPCとして、またレジスタ番号情報RGnが制
御信号出力レジスタ303から出力され、レジスタR1
の内容K11・SPD(t−j)がラッチ404に転送さ
れる。
【0077】(9)次に、K12,・SPD(t−j−
1)+〔R1〕の演算を行うため、 ADR〔Kn〕:ADR〔K12〕 SL1 :SELECT(B) CTL :(Y)=(A)・(X)+(B) で示される内容の信号SL1,CTLがオペレーション
コードOPCとして、またアドレス情報ADR〔Kn〕
が制御信号出力レジスタ303から出力される。これに
よって、係数メモリ400から係数K11が読出されて演
算回路402の演算入力(A)に供給される。また、セ
レクタ401はラッチ101にラッチされている振幅デ
ータSPD(t−j−1)を選択して演算回路402の
演算入力(X)に供給する。これによって、演算回路4
02は (Y)=(A)・(X)+(B)=K12・SPD(t−
j−1)+K11・SPD(t−j) の演算値(Y)を出力する。そして、この演算値(Y)は次
のステップでレジスタR1およびR2に記憶される。こ
れにより、レジスタR1およびR2の内容は、 〔R1〕=〔R2〕=K12・SPD(t−j−1)+K
11・SPD(t−j) となる。
【0078】(10)次に、レジスタR2の内容、係数
K13、メモリSD0に記憶されている(j−1)時間前
の振幅データSPD(t−j−1)により、K13・SP
D(t−j−1)+〔R2〕の演算を行うため、まず、
前述のb−(7)のステップと同様にして振幅データS
PD(t−j−1)がメモリSD0から読出され、ラッ
チ101にラッチされる。
【0079】(11)次に、レジスタR2の内容をラッ
チ404に転送するため、前述のb−(8)のステップ
と同様にしてレジスタR2の内容K12・SPD(t−j
−1)+K11・SPD(t−j)がラッチ404へ転送
される。
【0080】(12)次に、係数K13を読出してK13・
SPD(t−j−1)+〔R2〕の演算を行うため、 ADR〔Kn〕:ADR〔K13〕 SL1 :SELECT(B) CTL :(Y)=(A)・(X)+(B) で示される内容の信号SL1,CTLがオペレーション
コードOPCとして、またアドレス情報ADR〔Kn〕
が制御信号出力レジスタ303から出力される。これに
よって、係数メモリ400から係数K11が読出されて演
算回路402の演算入力(A)に供給される。また、セ
レクタ401はラッチ101にラッチされている振幅デ
ータSPD(t−j−1)を選択して演算回路402の
演算入力(X)に供給する。これにより、演算回路40
2は (Y)=(A)・(X)+(B) =K13・SPD(t−j−1) +K12・SPD(t−j−1)+K11・SPD(t−
j) の演算値(Y)を出力する。そして、この演算値(Y)
は次のステップでレジスタR2に記憶され、このレジス
タR2を介してハイパスフィルタHPFに供給される。
【0081】(13)ローパスフィルタLPFにおける
最終ステップでは、レジスタR1の内容をメモリSD0
に書込み、次のサンプリング時刻(t+1)で使用する
ため、まずレジスタR1の内容「K13・SPD(t−j
−1)+K11・SPD(t−j)」が前述b−(8)の
ステップと同様にしてラッチ404に転送された後、演
算回路402に(Y)=(B)の演算を行なわせ、その
演算値「(Y)=K12・SPD(t−j−1)+K11・
SPD(t−j)」がメモリSD0に書込まれる。この
書込み動作は、 DLn :DL0 DLk :DLSD GP2 :“1” WR4 :“1”(WRITE) で示される内容のオペレーションコードOPCとメモリ
番号情報DLnが制御信号出力レジスタ303から出力
されることによって行なわれる。ローパスフィルタLP
Fの動作が終了すると次にハイパスフィルタHPFの動
作が行なわれるが、このハイパスフィルタHPFの動作
については説明を省略する。
【0082】次に、遅延時間間隔の粗い残響音RVD1
の形成動作について説明する。 c.残響音RVD1の形成動作 残響音RVD1を形成する場合、 (1)まず、ハイパスフィルタHPFのレジスタR4の
記憶データSPD(t−j)に係数K17を乗算し、その
乗算値K17・SPD(t−j)をレジスタR5に記憶さ
せるため、 RGn:R4 L1 :“1”(LATCH) で示される内容のラッチ制御信号L1およびレジスタ番
号情報RGnが制御信号出力レジスタ303から出力さ
れ、レジスタR4の内容SPD(t−j)がラッチ40
4に転送される。
【0083】(2)次に、K17・SPD(t−j)を演
算するため、 ADR〔Kn〕:ADR〔K17〕 SL1 :SELECT(C) CTL :(Y)=(A)・(X) で示される内容のセレクト制御信号SL1,演算制御信
号CTL,係数読出し用のアドレス情報ADR〔Kn〕
が制御信号出力レジスタ303から出力される。これに
より、係数メモリ400から係数K17が読出されて演算
回路402の演算入力(A)に供給される。また、セレ
クタ401はラッチ404にラッチされているデータS
PD(t−j)を選択して演算回路402の演算入力
(X)に供給する。これにより、演算回路402は (Y)=(A)・(X)=K17・SPD(t−j)の演
算値(Y)を出力する。この演算値(Y)は次のステッ
プでレジスタR5に記憶される。
【0084】(3)次に、メモリD1からx1時間前の
振幅データSPD(t−x1)を読出し、このデータS
PD(t−x1)とレジスタR11の現在値とを加算
し、その加算値を再びレジスタR11に記憶させるた
め、まず、 DLn :DL1 DLk :DLSD L3 :“1”(LATCH) L2 :“1”(LATCH) で示される内容のラッチ制御信号L3,L2と、メモリ
番号情報DLnおよびメモリ種別情報DLkが制御信号出
力レジスタ303から出力される。これにより、メモリ
D1に対応したアドレスカウンタAC(D1)の出力情
報ADR〔D1〕が振幅データSPD(t−x1)を読
出すための下位アドレス情報としてラッチ306にラッ
チされる。そして、この下位アドレス情報ADR〔D
1〕はアドレス情報出力回路309においてその上位に
メモリ番号情報DLnおよびメモリ種別情報DLkが付加
されて、データメモリ100に対してメモリD1のアド
レス情報DM・ADRとして出力される。これにより、
メモリD1からx1時間前の振幅データSPD(t−x
1)を読出され、ラッチ101にラッチされる。
【0085】(4)次に、この読出しデータSPD(t
−x1)とレジスタR11の現在値とを加算するため、
レジスタR11の内容がラッチ404に転送された後、 SL1 :SELECT(B) CTL :(Y)=(X)+(B) で示される内容のセレクト制御信号SL1および演算制
御信号CTLが制御信号出力レジスタ303から出力さ
れる。すると、セレクタ401はラッチ101にラッチ
されている振幅データSPD(t−x1)を選択した演
算回路402の演算入力(X)に供給する。これによ
り、演算回路402は (Y)=(X)+(B) =〔R11〕+SPD(t−x1) で示される演算値(Y)を出力する。この場合、レジス
タR11の内容は前回のサンプリング時刻(t−1)に
おける動作を終了した段階でクリアされている。このた
め、このステップ(4)における演算値(Y)はSPD
(t−x1)となる。この後、演算値(Y)はレジスタ
R11に転送されて記憶される。
【0086】(5)次に、メモリD1から振幅データS
PD(t−x1)を読出し、これに係数K18を乗算し、
さらにその乗算値K18・SPD(t−x1)とレジスタ
R5の内容「K17・SPD(t−x1)」との加算値を
レジスタR6に再び記憶させるため、まず前述のc−
(1)のステップと同様にしてレジスタR5の内容「K
17・SPD(t−j)」がラッチ404に転送される。
【0087】(6)次に、ラッチ101にラッチされて
いる振幅データSPD(t−x1)、ラッチ404にラ
ッチされているデータ「K17・SPD(t−j)」,係
数K18とにより、 (Y)=K18・SPD(t−x1)+K17・SPD(t
−j) の演算を行うため、 ADR〔Kn〕:ADR〔K18〕 SL1 :SELECT(B) CTL :(Y)=(A)・(X)+(B) で示される内容のセレクト制御信号SL1,演算制御信
号CTL、係数読出し用のアドレス情報ADR〔Kn〕
が制御信号レジスタ303から出力される。これによ
り、係数メモリ400から係数K18が読出されて演算回
路402の演算入力(A)に供給される。また、セレク
タ401はラッチ101にラッチされている振幅データ
SPD(t−x1)を選択して演算回路402の演算入
力(X)に供給する。これにより、演算回路402は (Y)=(A)・(X)+(B) =K18・SPD(t−x1)+K17・SPD(t−j) を出力する。そして、この演算値(Y)は次のステップ
でレジスタR6を介してメモリD1の現在時刻tに対応
したアドレスに書込まれる。この後、レジスタR6はメ
モリD2に系統の処理を行なうためクリアされる。
【0088】(7)次に、メモリD2〜D9の各系統に
関する処理が前述のc−(3)〜c−(6)のステップ
と同様にして行なわれる。そして、メモリD1〜D9の
各系統の処理を終了すると、レジスタR11には
【数4】 で表わされる残響音RVD1に関する情報が得られる。
【0089】次に、遅延時間間隔の密な残響音RVD2
の形成動作について説明する。 d.残響音RVD2の形成動作 残響音RVD2を形成する場合、 (1)まず、メモリMD0からy1時間前の振幅データ
RVD1(t−y1)を読出すため、 DLn :DL0 DLk :DLMD L3 :“1”(LATCH) L2 :“1”(LATCH) で示される内容のラッチ制御信号L3,L1と、メモリ
番号情報DLnおよびメモリ種別情報DLkが制御信号出
力レジスタ303から出力される。これにより、アドレ
ス情報出力回路309において前述のc−(3)のステ
ップと同様にしてメモリMD0に対するアドレス情報D
M・ADRが形成され、メモリMD0からy1時間前の
振幅データRVD1(t−y1)が読出される。そして、
このデータRVD1(t−y1)はラッチ101にラッチ
される。
【0090】(2)次に、ラッチ101にラッチされた
振幅データRVD1(t−y1)、レジスタR11の出力
データRVD1(t)、係数K30により、 K30・RVD1(t−y1)+RVD1(t) を演算し、その演算値をレジスタR12に記憶させるた
め、まず、レジスタR11の出力データRVD1(t)
がラッチ404に転送された後、 ADR〔Kn〕:ADR〔K30〕 SL1 :SELECT(B) CTL :(Y)=(A)・(X)+(B) で示される内容のセレクト制御信号SL1,演算制御信
号CTLおよび係数読出し用のアドレス情報ADR〔K
n〕が制御信号出力レジスタ303から出力される。こ
れにより、演算回路402には前述のc−(6)のステ
ップと同様にして係数K30が演算入力(A)に供給さ
れ、また、データRVD1(t−y1)が演算入力(X)
に供給される。これにより、演算回路402は (Y)=(A)・(X)+(B) =K30・RVD1(t−y1)+RVD1(t) の演算値(Y)を出力する。そして、この演算値(Y)
は次のステップにおいてレジスタR12に記憶される。
【0091】(3)次に、レジスタR12の内容「K30
・RVD1(t−y1)+RVD1(t)」に係数K29を
乗算するため、まずレジスタR12の内容がラッチ40
4に転送された後、 ADR〔Kn〕:ADR〔K29〕 SL1 :SELECT(C) CTL :(Y)=(A)・(X) で示される内容のセレクト制御信号SL1,演算制御信
号CTLと係数読出し用のアドレス情報ADR〔Kn〕
が制御信号出力レジスタ303から出力される。これに
より、演算回路402には係数K30が演算入力(A)に
供給され、また、データ「K30・RVD1(t−y1)+
RVD1(t)」が演算入力(X)に供給される。これ
により、演算回路402は (Y)=(A)・(X) =K29・{K30・RVD1(t−y1)+RVD
1(t)} で示される演算値(Y)を出力する。この演算(Y)は
次のステップにおいてレジスタR13に記憶される。
【0092】(4)次に、レジスタR13の内容とy1
時間前のデータRVD1(t−y1)とを加算し、その加
算値をレジスタR13に再び記憶させるため、前述のd
−(1)のステップと同様にしてメモリMD0からy1
時間前のデータRVD1(t−y1)が読出されてラッチ
101にラッチされる。この後、レジスタR13の内容
「K29・{K30・RVD1(t−y1)+RVD
1(t)}」がラッチ404に転送された後、 SL1 :SELECT(B) CTL :(Y)=(B)+(X) で示される内容のセレクト制御信号SL1,演算制御信
号CTLが制御信号出力レジスタ303から出力され
る。これにより、演算回路402は (Y)=(B)+(X) =RVD1(t−y1)+K29・{K30・RVD1(t−y1)+
RVD1(t)} で示される演算値(Y)を出力する。この演算(Y)は
次のステップにおいてレジスタR13に記憶され、残響
音情報RVD2Aとして出力される。
【0093】(5)次に、レジスタR12の内容「K30
・RVD1(t−y1)+RVD1(t)」をy1時間遅れ
たサンプリング時刻(t+y1)で使用するため、レジ
スタR12の内容がメモリMD0の現在時刻tに対応し
たアドレスに書込まれる。 (6)この後、y1時間間隔よりさらに密な残響音RV
2B,RVD2Cが同様にして形成される。
【0094】なお、図1,図2(図3,図4)の実施例
ではバンドパスフィルタを設けているが、これは必要に
応じて省略するようにしても良い。また、図15,図1
6の機能ブロック図に示すように、メモリD10の出力
データをハイパスフィルタHPF、バンドパスフィルタ
BPF,ローパスフィルタLPFにより3系列の周波数
帯域に分け、第1残響音形成部2において各周波数帯域
別に異なる残響音を形成するようにしてもよい。これ
は、制御プログラムの内容を変更するのみで容易に実現
できる。図16は図15における第1残響音形成部2及
び第2残響音形成部3の詳細を示すものである。
【0095】
【発明の効果】以上の通り、この発明によれば、自己の
遅延出力信号を入力側に帰還する帰還ループを有する遅
延ユニットを複数段縦続接続してなり、かつ、各ユニッ
トにおける遅延時間が後段になるほど短くなるように設
定されているので、後段のユニットにおいては、前段の
ユニットで付加された所定遅延時間間隔の複数の残響音
における各遅延時間間隔の間で、それよりも密な所定遅
延時間間隔で更に複数の残響音が付加されることにな
り、遅延時間間隔が密でかつ複雑な残響音を付加するこ
とができる、という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による残響音付加装置の一実施例を示
すブロック図。
【図2】図1における時間情報発生部とアドレス情報発
生部の詳細例を示すブロック図。
【図3】図1の実施例を機能的に表わした機能ブロック
図。
【図4】図3における第1及び第2残響音形成部の詳細
例を示すブロック図。
【図5】初期反射音形成用の遅延回路の基本的構成を示
すブロック図。
【図6】残響音形成用の遅延回路の基本的構成を示すブ
ロック図。
【図7】図5の遅延回路の動作を説明するためのタイム
チャート。
【図8】図1の実施例において発生される初期反射音の
特性図。
【図9】櫛型フィルタ構成の遅延回路の周波数特性を示
す図。
【図10】図1の実施例における第1残響音形成部に相
当する部分において発生される残響音の特性図。
【図11】図1の実施例における第2残響音形成部に相
当する部分において発生される残響音の特性図。
【図12】図1の実施例におけるデータメモリの構成を
示す図。
【図13】図1の実施例におけるディレイレングスデー
タメモリの構造を示す図。
【図14】図1の実施例におけるアドレスカウンタの構
造を示す図。
【図15】この発明による残響音付加装置の他の実施例
を示す機能プロック図。
【図16】図15における第1及び第2残響音形成部の
詳細例を示すブロック図。
【符号の説明】
1…初期反射音形成部、2…第1残響音形成部、3…第
2残響音形成部、BPF…バンドパスフィルタ、10…
記憶部、20…時間情報発生部、30…アドレス情報発
生部、40…演算部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自己の遅延出力信号を入力側に帰還する
    帰還ループと、入力信号と前記自己の遅延出力信号とを
    所定の比率で合成する演算手段と、合成した信号を所定
    時間遅延して出力する遅延手段とによって構成される遅
    延ユニットを、複数段縦続接続してなり、前記各遅延手
    段における遅延時間を後段になるほど短くしたことを特
    徴とする残響音付加装置。
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