JPH05134470A - 電子写真製版用現像剤 - Google Patents

電子写真製版用現像剤

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JPH05134470A
JPH05134470A JP3321419A JP32141991A JPH05134470A JP H05134470 A JPH05134470 A JP H05134470A JP 3321419 A JP3321419 A JP 3321419A JP 32141991 A JP32141991 A JP 32141991A JP H05134470 A JPH05134470 A JP H05134470A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子写真法を用いたオフセット印刷版は、一
般に、導電性基体上に感光層を設けた印刷原版を電子写
真方法により露光し現像した後、非画像部をエッチング
液により溶出して作製されている。だが、従来の現像剤
を用いてかかる製版が行なわれた場合、液体現像剤では
エッチング操作中にトナー画像が感光層面から剥離して
しまったり、乾式現像剤では高画質のものが得られにく
いという欠点がある。本発明はこうした欠点を解消する
ための現像剤を提供するものである。 【構成】 電子写真印刷原版からの製版に特定の現像剤
(平均粒径が0.01〜5μm、乾燥状態での溶融粘度
が120℃で5〜80000Ps・S、着色剤/樹脂の
含量重量比が9/1〜0/10の現像剤)を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真製版用現像剤に
関し、詳しくは、導電性基板上に電子写真感光層を有す
る印刷原版を電子写真方式により露光し現像した後、非
画像部をエツチング液により溶出して作製される印刷版
に用いられ、特にエツチング時における画像部の耐エツ
チング性に優れた電子写真製版用現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、平版オフセット印刷原版として
は、ジアゾ化合物及びフェノール樹脂を主成分とするボ
ジ型感光剤を用いるPS版や、アクリル系モノマー、プ
レポリマーなどを主成分とするネガ型感光剤を用いるP
S版などが実用化されているが、これらはすべて低感度
のため、あらかじめ画像記録された銀塩写真フィルムを
密着露光して製版を行っている。
【0003】一方、コンピューター画像処理と大容量デ
ータの保存およびデータ通信技術の進歩によって、近年
では、原稿入力、補正、編集、割り付けから頁組まで一
貫してコンピューター操作され、高速通信網や衛星通信
により即時に遠隔地の端末プロッターに出力できる電子
編集システムが実用化している。特に、即時性の要求さ
れる新聞印刷分野において電子編集システムの要求度は
高まっている。また、オリジナルが原版フィルムの形で
保存され、これをもとに必要に応じて印刷版が複製され
ている分野においても、光ディスクなどの超大容量記録
メディアの発達に伴いオリジナルがこれらの記録メディ
アにデジタルデータとして保存されるようになると考え
られる。
【0004】しかしながら、端末プロッターの出力から
直接印刷版を作成する直接型製版方式はほとんど実用化
されておらず、電子編集システムの稼働しているところ
でも出力は銀塩写真フィルムにおこなわれ、これをもと
に間接的にPS版へ密着露光により印刷版が作成されて
いるのが実状である。これは、出力プロッターの光源
(例えば、He−Neレーザー、半導体レーザーなど)
により実用的な時間内に印刷版を作成できるだけの高い
感度を有する直接型印刷原版の開発が困難であることに
由来していると考えられる。そこで、直接型製版方式が
採用し得る高い光感度を有するものとして電子写真感光
体が注目されている。
【0005】電子写真法を利用した印刷版材料(印刷原
版)としては例えば、特公昭47−47610号、特公
昭48−40002号、特公昭48−18325号、特
公昭51−15766号、特公昭51−25761号な
どの公報に記載の酸化亜鉛−樹脂分散系オフセット印刷
版材料が知られており、これは、電子写真法によりトナ
ー画像形成後、その非画像部を不感脂性とするため不感
脂化溶液(例えば、フエロシアン塩又はフェリシアン塩
を有する酸性水溶液)で湿潤された後使用される。
【0006】このような製版処理をされたオフセット印
刷版は耐刷力が5千枚〜1万枚程度であり、これ以上の
枚数の印刷には適さなく、また、感光層をあまり不感脂
化に適した組成にすると静電特性が劣化し、かつ画質が
悪化するなどの欠点が生じる。更に、このZnO−樹脂
分散系印刷原版の製版には、不感脂化溶液として有害な
シアン化合物を使用する欠点を有する。
【0007】特公昭37−17162号、特公昭38−
7758号、特公報46−39405号、特公昭52−
2437号などの公報に記載される有機光導電体−樹脂
系印刷版材料では、たとえばオキサゾールあるいはオキ
サジアゾール系化合物をスチレン−無水マレイン酸共重
合体で結着した光導電性絶縁層を秒目立したアルミニウ
ム板上に設けた電子写真感光体が用いられており、この
感光体上に電子写真法によりトナー画像形成後、アルカ
リ性有機溶剤で非画像部を溶解除去して印刷版が形成さ
れる。この方式の代表的なものとしてカレ社からSif
asolシステムが発売されている。これは乾式現像剤
を用いるため解像力に劣り高画質のものが得られない。
しかし、乾式現像剤は一般に着色剤及び樹脂を主成分と
してなる10μmから数10μmの大きさの粒子を用い
るため、形成された非画像部のトナー層が厚く、エッチ
ング液に対するレジスト性が一般に優れているといわれ
ている。
【0008】もっとも、液体現像剤では周知の様に乾式
現像剤に比べ画像を形成するトナーの粒径を小さくする
ことが可能で(0.1〜2μm)それを用いた場合、解
像力に優れた高画質の画像を与えることが知られてい
る。しかしながら、液体現像剤をこれらの方式に用いた
場合は、非画像部をアルカリ性のエッチング液で除去す
る際、解像性に優れているが故に画像部までエッチング
されてしまうという問題点があった。その為、液体現像
剤を用いたのにもかかわらず結果として解像力の優れた
ものは得られなかった。また、耐エッチング性に優れた
材料を用いようとすると、一般に、その材料の樹脂への
分散が困難で、液体現像剤の特長である高解像力を与え
ないなどの問題点があった。更に、別の問題として分散
性も耐エッチング性も優れているにもかかわらず、感光
材料との密着性が悪いため、エッチングの操作中にトナ
ー画像が感光材料表面より膜状となってはがれてしま
い、画像部のレジストとして用をなさないものがあっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、解像度の優れた電子写真製版用現像剤を提供するこ
とであり、第二の目的はアルカリエッチング液に対して
レジスト性のよい電子写真製版用現像剤を提供すること
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性基板上
に光導電層を設けた電子写真印刷原版の表面に潜電荷像
を形成し、現像し、定着後非画像部をアルカリ溶液で溶
出して印刷版を作成するのに用いられる現像剤におい
て、その現像剤の平均粒径が0.01〜5μm、乾燥状
態での溶融粘度が120℃で5〜80,000Pa・
S、着色剤/樹脂の含有重量比が9/1〜0/10であ
ることを特徴としている。
【0011】本発明者らは、前記課題を達成するには次
のような事項が必要であると考えた。即ち、解像度の優
れた電子写真製版用現像剤(以降単に「現像剤」と称す
ることがある)を提供するには、導電性基板上の電子写
真感光層をもうけた印刷原版表面に形成した静電荷像を
忠実に現像し、地肌汚れ等を生じさせてはならないこと
である。またスクイズ、乾燥及び定着工程においても、
画像部が変化してはならないことである。更に、アルカ
リ液でのエッチング工程中にトナー画像部にピンホール
が発生したり、トナー画像部が感光体表面から脱膜しな
いように感光体との接着性、凝集性が必要になることで
ある。かかる観点から、本発明は耐エッチング性(耐ア
ルカリ性)と地肌汚れの少ない画像品質の改良とを目標
にしてトナーの物性との関係を研究し、本発明を完成す
るに至ったものである。
【0012】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本
発明に係る現像剤は乾式、湿式のいずれでも適用しうる
ものであるが、望ましくは、湿式現像剤(液体現像剤)
である。一般の電子写真液体現像剤は、顔料、樹脂、極
性制御剤及び分散溶媒(担体液)からなっている。本発
明では、顔料は必ずしも必要ではないが、樹脂で加工さ
れた着色剤は耐アルカリ性の点では効果がある。また、
極性制御剤も必要に応じて用いる。担体液の電気抵抗は
109Ω・cm以上が好ましい。
【0013】先に触れたとうり、本発明現像剤において
は着色剤を含むか否かは任意である。着色剤を含む場合
は、着色剤が樹脂に溶解又は分散されていることが望ま
しい。ここでの樹脂としては、アクリル樹脂、オレフィ
ン系樹脂、ロジン変性樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル
樹脂のいずれか又はこれらの混合物があげられる。
【0014】着色剤にはカーボンブラックをはじめとし
て各種の無機顔料や、有機顔料があげられる。カーボン
ブラックとしてはファーネスブラック、アセチレンブラ
ック、チャンネルブラック、市販品としてのプリンテッ
クスG、プリンテックスV、スペシャルブラック15、
スペシャルブラック4、スペシャルブラック4−B(以
上デグサ社製)、三菱#44、#30、MA−11、M
A−100(以上三菱カーボン社製)、ラーベン30、
ラーベン40、コンダクテックスSC(以上コロンビア
カーボン社製)、リーガル400、660、800、ブ
ラックパールL(以上キャボット社製)などが例示され
る。その他の無機顔料には、酸化亜鉛、酸化チタン、酸
化ケイ素などの無機白色顔料が例示でき、また四三酸化
鉄のような磁性粉や、アルミニウム、金、鉄等の金属粉
あるいは金属酸化物等も例示できる。有機顔料としては
フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ロー
ダミンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、メチルバイ
オレットレーキ、ピーコックブルーレーキ、ナットール
グリーンB、パーマネントレッド4R、ハンザイエロ
ー、ベンジジンイエロー、チオインジゴレット、アルカ
リブルーなどがあげられる。
【0015】前記の着色剤を被覆ないし分散するアクリ
ル(メタ)系樹脂、オレフィン系樹脂、ロジン変性樹
脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂の具体例を列挙す
れば次のとおりであるが、これら具体例のものに限定さ
れるわけではない。なお、カッコ内はモル比を示してい
る。 No.1) ジエチレングリコールジメタクリレート/スチ
レン/ジビニルベンゼン/(18/80/2)共重合体 No.2) ステアリルメタクリレート/トリメチロールプ
ロパントリアクリレート/ビニルピロリドン(50/40/10)
共重合体 No.3) メチルメタクリレート/アクリルアミド/グリ
シジルメタクリレート(50/40/10)共重合体 No.4) エチレン/エチルアクリレート/ジビニルベン
ゼン(80/15/5)共重合体 No.5) エチレン/酢酸ビニル/ビニルトルエン(80/15/
15)共重合体 No.6) エチレン/エチアクリレート/無水マレイン酸
(80/18/2)共重合体 No.7) プロピレン/トリメチロールプロパントリメタ
クリレート(95/5)共重合体 No.8) ロジン変性ポリエステル樹脂 No.9) 塩化ビニル樹脂 No.10) ビニルトルエン/マレイン酸/ペンタエリスリ
トール(60/20/20)共重合体
【0016】これ等の樹脂は着色剤に単独で加えられて
もよいし、2種以上が混合して加えられてもよい。ま
た、本発明に係る以外の樹脂又は添加物を加えても12
0℃における乾燥状態での溶融粘度が5〜80,000
Pa・Sの範囲内のものであればよい。本発明において
の現像剤(トナー)の溶融粘度は、トナーが配置される
1〜2mmの間隙で分離され、直径25mmを有する二
つの平行に回転可能な盤を有するレオメトリックスRV
E−M(RHEOMETRICS RVE−M:米国0
7083、ニュージャージー州ユニオン、U.S.ハイ
ウエイNo.22、2438のレオメトリックス・イン
コーポレイテッドの商品名)で測定したものである。溶
融粘度の測定は、上方盤に発振運動を付与し、形成する
捩り価をPa・Sに変換する変換器に結合した下方盤に
対する機械的カップリングを測定することにより行なわ
れる。発振運動は100rad/sの角周波数および1
%歪の振幅が行なう。測定は120℃の熱平衡5分後に
行なう。現像剤が湿式トナーであれば、前記盤の間に導
入される前にトナー粒子は遠心分散法によりキャリア液
体から分離しておくか、又は、濾紙(東洋濾紙社製、タ
イプNo.2)によりトナー粒子とキャリア液体とを分
離しておき、これら分離されたトナー粒子を新らしいキ
ャリア液体で洗い乾燥せしめる。
【0017】本発明の現像剤の製造には着色剤/樹脂=
9/1〜0/10の混合重量比でニーダー、2本ロー
ル、3本ロール等の混練機で加熱混合し粉砕方法、分散
溶媒と着色剤、樹脂とを加熱混合し分散して湿式トナー
を得る方法等がある。また、液体トナーの場合は、乾式
トナーと同様、着色剤と樹脂とを加熱混練したものをア
トライター等で分散媒中に分散する方法で製造すること
も可能である。後者の液体トナーを製造する場合には分
散媒が必要である。分散媒としては、電気抵抗が高く無
臭であることが望ましく、このような分散媒には、脂肪
族炭化水素溶媒に代表される市販品としてのアイソパー
G、H、L、M、V、Kなどエクリン社より販売されて
いるものが用られる。
【0018】現像剤の平均粒径は0.01〜5μmの範
囲であり、0.01μm以下では画像部のベタ均一性が
劣り耐エッチング性(耐アルカリ性)が弱くなると同時
に地肌汚れを生じ易く、逆に、5μm以上では解像度の
低下と耐エッチング性(耐アルカリ性)が弱まる。こう
した現象がみられるのは、現像剤の平均粒径が0.01
/μm以下では耐エッチングに必要な十分な現像付着量
が得られにくいためと考えら、また、平均粒径が5μm
以上では耐エッチングに必要な均一な画像形成が出来に
くいことから、画像トナー層のポーラスな部分(すき
間)からエッチング液(アルカリ液)の浸透により耐エ
ッチング性の不良が発生するためと考える。
【0019】本発明の現像剤の乾燥状態での溶融粘度は
120℃で5〜80000Pa・Sが適当である。5P
a・S以下では解像度が低下する。これは熱により現像
剤が流動しやすいためと考えられる。また、80,00
0Pa・S以上では、耐エッチング性が低下する。これ
は定着時にトナー層が十分に感光体上に定着出来ないの
とトナー同志の接着力が弱いためにエッチング液(アル
カリ液)の浸透によるものと考えられる。
【0020】本発明の現像剤では着色剤/樹脂=9/1
〜0/10の重量比であるが、これが着色剤/樹脂=9
/1以下では、耐エッチング性が低下するようになる。
【0021】次に本発明に用いられる印刷原版、エッチ
ング液、エッチング法等公知のものについての説明を加
える。
【0022】本発明に用いられる印刷原版は光導電層を
導電性基板上に塗布することによって得られる。前記塗
布液は、光導電層を構成する各成分を適当な溶媒に溶解
することで調製できる。顔料などの溶媒に不溶な成分を
用いるときは、ボールミル、ペイントシェーカー、ダイ
ノミル、アトライター等の分散機により平均粒径5〜
0.1μmに分散して用いることが出来る。光導電層に
使用する結合樹脂、その他の添加剤は顔料などの分散時
あるいは分散後に添加することが出来る。この様にして
調製した塗布液を回転塗布、ブレード塗布、ナイフ塗
布、リバースロール塗布、ディップ塗布、ロッドバー塗
布、スプレー塗布の様な公知の方法で基体(導電性基
体)上に塗布し乾燥して電子写真製版用印刷原版が得ら
れる。塗布液(光導電層形成液)を調製する溶液として
は、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロフォルム
等のハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール等
のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン等のケトン類;エチレングリコールモノメ
チルエーテル、2−メトキシエチルアセテート等のグリ
コールエーテル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類
等が挙げられる。
【0023】本発明に用いられる印刷版は一般に公知の
プロセスによって作成することが出来る。即ち、印刷原
版を暗所で実質的に一様に帯電し、画像露光により静電
荷像を形成する。露光方法としては半導体レーザ、He
−Neレーザ等による走査露光あるいはキセノンラン
プ、タングステンランプ、蛍光灯等を光源として反射画
像露光、透明陽画フィルムを通した密着露光などが挙げ
られる。次に、前記静電荷像を本発明の現像剤によって
現像する。形成されたトナー画像は必要により公知の定
着法、例えば、加熱定着、溶剤定着等により定着するこ
とが出来る。この様に形成したトナー画像をレジストと
して作成させ、非画像部の電子写真感光層をエッチング
液により除去することにより印刷版が作成できる。
【0024】前記のエッチング液としては有機・無機の
酸、塩基あるいはその塩の水溶液またはこれと混和する
有機溶剤との混合物を使用することが望ましい。エッチ
ング液の成分は感光層(光導電層)の溶解性の他にトナ
ー層のレジスト性も考慮して決定されるものであるが、
一般的なものとしては次のものが挙げられる。水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナ
トリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、メ
タケイ酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウ
ム、アンモニア等の無機アルカリ、およびモノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリニタノールアミン
等のアミノアルコール類などが良く知られている。ま
た、前記水溶液と混和する有機溶剤としては、アルコー
ル類、ケトン類、エステル類、エーテル類等が挙げられ
る。アルコール類としては、メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、フェ
ネチルアルコール等の低級アルコールおよび芳香族アル
コールあるいは、エチレングリコール、ジエチレンゴリ
コール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール等のセルソルブ類、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコ
ール類等が挙げられる。ケトン類としては、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げ
られる。エステル類としては、エチルアセテート、イソ
プロピルアセテート、nープロピルアセテート、sec
−ブチルアセテート、イソブチルアセテート、n−ブチ
ルアセテート、1−アセトキシ−2−メトキシエタン、
エチレングリコールジアセテート等が挙げられる。エー
テル類としては、エチルエーテル、テトラヒドロラン、
ジオキサン、2−メトキシエタノール、エチレングリコ
ールジメチルエーテル等が挙げられる。これら有機溶剤
は前記水溶液と任意の割合で混合して使用できるが、好
ましくは混合した溶液の90重量%以下の範囲で用いら
れる。このエッチング液には必要に応じて、界面活性
剤、消泡剤、着色剤などを添加しても良い。エッチング
液組成は感光材の結合樹脂およびトナー用樹脂の種類を
考慮して決定されるべきものであるが、代表的なものと
して次のものが挙げられる。
【0025】 エッチング液組成(部は重量部を示す) (1)ケイ酸カリウム 30部 水酸化カリウム 10部 ベンジルアルコール 20部 エタノール 90部 水 300部 (2)ケイ酸カリウム 30部 フェネチルアルコール 10部 ベンジルアルコール 30部 水 900部
【0026】次に実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、ここでの部は重量基準である。
【0027】実施例1 三菱MA−100(カーボンブラック) 1部 前記No.1の樹脂 9部 サルチル酸亜鉛 0.001部 からなる混合物をニーダー中で混練後粉砕して得た着色
物(A)5部及びアイソパーH 50部をアトライター
で分散し、平均粒子径約0.56μmの液体現像剤を調
製した。また、着色物(A)を微粉砕して平均粒径約3.
8μmの乾式現像剤も調製した。一方、下記のようにし
て印刷原版を作製した。先ず、JIS 1050アルミ
ニウムシートの表面を、パミス−水懸濁液を研磨剤とし
て、回転ナイロンブラシで砂目立てした。この時の表面
粗さ(中心線平均粗さ)は約0.5μmであった。水洗
後、70℃の10%苛性ソーダ水溶液に浸漬しアルミニ
ウムの溶解量が約6g/m2になるようにエッチングし
た。水洗後、30%硝酸水溶液に1分間浸漬することに
より中和し、十分水洗した。この後0.7%硫酸水溶液
中で、陽極時電圧13ボルト、陰極時電圧6ボルトの短
形波交番波形を用いて(特公昭55−19151号公報
に記載)20秒間電解粗面化を行ない、続いて、20%
硫酸の50℃溶液中に浸漬して表面を洗浄した後、水洗
した。更に、20%硫酸水溶液中で陽極酸化皮膜重量が
約3.0g/m2となるように陽極酸化処理を施してか
ら水洗、乾燥して導電性基体を作成した。この基体上に
銅フタロシアニン顔料をフェノール樹脂に分散した感光
層を約5μm厚に形成して印刷原版とした。次に、ここ
で得られた印刷原紙を暗所でコロナ帯電器により+20
0Vに帯電した後、タングステン光で露光した後、前記
の液体現像剤又は乾式現像剤を用いて常法に従い現像し
た。得られた画像を140℃で5分間加熱し定着させ
た。続いて、これらをケイ酸カリウム45部、水酸化カ
リウム10部、ベンジルアルコール15部及びエタノー
ル100部を水1,000部に希釈したエッチング液に
浸漬し(1分間)非画像部を除去し、十分水洗して印刷
版をつくり、同時に、画像部のレジスト性を評価した。
併せて解像度も調べた(表1)。
【表1】 いずれの場合も耐レジスト性は良く、画像部がアルカリ
液で溶出することはなかった。
【0028】実施例2 SB−4(デグサ社製、カーボンブラック) 3部 前記No.2の樹脂 7部 からなる混合物を2本ロールミルで加熱混練後粉砕して
得た着色物(B)5部、アイソパーM50部及びナフテ
ン酸マンガン0.002部をアトライターで分散し、平
均粒径約0.25μmの液体現像剤を調製した。この液
体現像剤を用いた以外は実施例1とまったく同様にして
印刷版をつくり、同時に、画像部のレジスト性を評価し
た。併せて解像度を調べた。これらをまとめて表2に示
す。
【0029】比較例1 SB−4と前記No.2の樹脂を別々にアイソパーM中に
アトライターで分散し、分散後実施例2の液体現像剤の
構成になるようにナフテン酸マンガンを加えた。この液
体現像剤を用いた以外は実施例1とまったく同様にして
印刷版をつくり、同時に、画像部のレジスト性を評価し
た。併せて解像度を調べた。これらをまとめて表2に示
す。
【0030】
【表2】
【0031】前記No.2の樹脂の代りに前記No.3
の樹脂を用いた以外は実施例2とまったく同様にして液
体現像剤を調製した。このものの平均粒径は約1.13
μm、120℃における溶融粘度は1520Pa・Sで
あった。この液体現像剤を用いた以外は実施例1とまっ
たく同様にして印刷版をつくり評価したところ、耐レジ
スト性を良好で、解像度7.9本/mmであった。
【0032】実施例4〜8及び比較例2 前記No.2の樹脂の代りにそれぞれNo.4の樹脂
(実施例4)、前記No.5の樹脂(実施例5)、前記
No.6樹脂(実施例6)、No.7の樹脂(実施例
7)、前記No.8の樹脂(実施例8)、酢酸ビニル/
クロトン酸(75/25)共重合樹脂(比較例8)を用
いた以外は実施例2とまったく同様にして液体現像剤を
調製した。これらの平均粒径及び120℃における溶融
粘度は表3のとおりである。更に、これらの液体現像剤
を用いて実施例1とまったく同様にして印刷版をつくり
評価したところ、表3に示したとおりの結果が得られ
た。
【表3】
【0033】
【発明の効果】請求項1及び2の発明によれば、製版さ
れた印刷版は地汚れが少なく、高解像度で耐アルカリ性
がよく、更には耐レジスト性にもすぐれたものである。
請求項3の発明によれば、製版時のエッチング液に対す
るレジスト性が強まる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基板上に光導電層を設けた電子写
    真印刷原版の表面に潜電荷像を形成し、現像し、定着後
    非画像部をアルカリ溶液で溶出して印刷版を作成するの
    に用いられる現像剤において、その現像剤の平均粒径が
    0.01〜5μm、乾燥状態での溶融粘度が120℃で
    5〜80,000Pa・S、着色剤/樹脂の含有重量比
    が9/1〜0/10であることを特徴とする電子写真製
    版用現像剤。
  2. 【請求項2】 前記着色剤が含まれている場合は、その
    着色剤が前記樹脂に溶解又は分散されている請求項1記
    載の電子写真製版用現像剤。
  3. 【請求項3】 前記樹脂がアクリル(メタ)系樹脂、オ
    レフィン系樹脂、ロジン変性樹脂、ビニル系樹脂及びポ
    リエステル樹脂から選ばれる1種又は2種以上である請
    求項1記載の電子写真製版用現像剤。
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