JPH05132890A - ロール製造方法とロール - Google Patents

ロール製造方法とロール

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JPH05132890A
JPH05132890A JP4087550A JP8755092A JPH05132890A JP H05132890 A JPH05132890 A JP H05132890A JP 4087550 A JP4087550 A JP 4087550A JP 8755092 A JP8755092 A JP 8755092A JP H05132890 A JPH05132890 A JP H05132890A
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JP
Japan
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roll
mantle
cast iron
surface layer
hardening
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JP4087550A
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English (en)
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Jari Vaehaepesola
バハペソラ ヤリ
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Valmet Technologies Oy
Original Assignee
Valmet Paper Machinery Inc
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D9/00Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
    • C21D9/38Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for roll bodies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D5/00Heat treatments of cast-iron

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロール、とくに抄紙機の艶出しロール製造方
法に関し、従来技術における製造工程の問題および欠点
が生ないロールの製造工程を提供し、またその製造工程
によってロールが従来技術のロールの特性より優れた特
性を持ち、とくに高温での自由に使用可能なロールを提
供する。 【構成】 この方法では、ロール(10)の外套部(11)を鋳
造または鋳造加熱処理し、次工程において、ロール外套
部(11)を機械加工する。この方法では、鋳鉄ロール外套
部(11)を硬化処理し、焼き戻して、ロール外套部(11)の
表面層(15)にはマルテンサイト構造が生成される。ある
既知の方法でロール外套部(11)を仕上機械加工に掛け
る。本発明はまた、ロール、とくに鋳鉄外套部(11)が設
けられているロールで、抄紙機用の艶出しロールに関す
るものである。ロール外套部(11)の表面層(15)を硬化処
理し、焼き戻しして、ロール外套部(11)の表面層(15)は
焼戻しマルテンサイト構造になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロールの製造方法、と
くに抄紙機の艶出しロール製造方法に関するもので、ロ
ールの外套部を鋳造し、または鋳造後加熱処理し、次工
程においてこのロール外套部を機械加工する。
【0002】さらに本発明は、ロール、とくに鋳鉄製の
外套部を持つ抄紙機の艶出しロールに関する。
【0003】
【従来の技術】従来から、抄紙機用ロールの外套部、と
くに艶出しロールの外套部としてはチル鋳鉄ロールが使
用されており、灰色鋳鉄またはその合金を冷硬鋳型に入
れて鋳造されるため、その冷硬鋳型の効果で鋳造品の外
面は急激に冷却され黒鉛を含まない白鋳鉄となる。この
白鋳鉄の組織構造は硬質の炭化鉄とパーライトからな
り、硬質で耐摩耗性があるが、機械加工が困難である。
【0004】チル鋳鉄ロール外套部の問題点は、温度の
急変に対する敏感な材質性から生ずる衝撃脆弱性にあ
り、このため温度が変化する装置では使用を制限する必
要があった。さらに、製造工程、例えば冷硬鋳造のた
め、硬質の白鋳鉄層が不均一になり、その結果ロールに
成形誤差が生じ、また作業温度が上昇すると、温度分布
が不均一になる。表面層が炭化物含有微小構造であるた
め、ロール表面の摩耗が不均一で、それが紙にも現われ
ることになり、また約6か月の間隔でロールの再研磨を
することになる。
【0005】また、鋳造に使用する冷硬鋳型に寿命があ
るので、その製造コストも高い。さらに、数種類の異な
る冷硬鋳型が必要となるため、高額の投資が鋳型に必要
となる。またさらに、白鋳鉄は硬度が大きいため、チル
鋳鉄ロールの機械加工が非常に困難であり、したがっ
て、ロールの製造コストも高くなる。
【0006】従来、チル鋳鉄ロールの外套部を鋼製の外
套部に代える研究がなされてきたが、鋼製の外套部の場
合、チル鋳鉄ロールの温度限界の問題は発生しない。チ
ル鋳鉄製の外套部は高温、約250 ℃では使用できず、し
かもこのような外套部が使用される場合には、冷却およ
び加熱速度には厳しい制約、例えば毎分0.5 ないし2℃
以内の温度変化が必要であるため、ロールの内面と外面
との温度差は 30 ないし50℃以上に高くなってはならな
い。上述の制約条件を満足しない限り、熱衝撃によって
チル鋳鉄ロールを損傷させることになる。鋼製外套部を
使用する場合、これらの温度制約の問題は発生しない
が、例えばドクタリングがかなり高い精度であるため、
このドクタリングが問題を起こすことになり、また鋼製
外套部を使用する場合は、ドクタは甚だしく摩耗する。
さらに、鋼製ロールの外套部を稼動中に研磨し、紙がロ
ールに付着することが多くなると、ウエブを通す場合に
問題が生じる。また、鋼鉄の振動減衰能力は鋳鉄のそれ
より低い。
【0007】従来技術では、ロール外套部については次
のような解決策が知られている。すなわち、鋳鉄ロール
外套部の表面を再溶融し、それによって白鋳鉄表面層を
形成する、つまり、その目的はチル鋳造に代わるプロセ
スを提供することにあり、それによってチル鋳鉄ロール
外套部と同様の微小構造が生成される。
【0008】このような工程の1つは米国特許4,452,64
7 に開示されている。これには、表面硬化鋳鉄品、とく
に鋼鉄産業用または紙艶出し用ロールなどのロールや、
この工程によって製造されるロール、シリンダまたはそ
れと同等なロールを製造する工程と装置が開示されてい
る。この従来技術の解決策において、ロールやシリンダ
等の鋳造品を砂型またはそれと同等の方法で鋳造し、固
化に関しては実質的にはそれらの中に灰色鋳鉄の結晶構
造を生成し、さらにこの工程の後に、再溶融処理を電子
ジェットを使用して行なって、表面に硬い鋳造物を生成
することは、新規なことと考えられていた。そこで、こ
の従来技術の解決策では、ワークを最終寸法に近く切削
してから行なう表面の再溶融処理を採用していたが、こ
の表面処理工程は電子ジェットで行なわれ、したがって
精密に制御および切削加工ができる加熱効果を生んでい
た。
【0009】第2の従来技術の解決策は、表面を電子ジ
ェット溶融工程によって処理してセメンタイト炭化物表
面硬化層を生成する方法であり、これは米国特許4,000,
011号に開示されている。
【0010】さらに、表面の再溶融処理に基づくもう一
つの従来技術の解決策がドイツ特許第36,401,131号に記
載されているが、それには硬質な表面を有する外套部
と、とくに抄紙機用の硬質な外套部を有するロールの製
造方法とが開示され、そのロールは砂型で鋳造されてい
る鋳鉄製であり、また急速冷却後にそのロール上には炭
化物含有外面層が灰色中心帯と共に生成される。この従
来技術においては、鋳造ロールは400 乃至 600℃に予熱
され、その予熱表面層は所期の局部的溶融が達成される
まで連続して流動温度以上に急速に加熱され、さらにこ
の溶融層は急速に冷却されて炭化物含有帯を生成し、最
後にロール全体が周囲温度にまで冷却される。
【0011】上述の従来技術の解決策はすべて、ロール
外套部の表面層に炭化物含有微小構造を生成する試みが
なされ、その構造中に炭化鉄粒子すなわちセメンタイト
が存在した。これらの鉄炭化物は非常に硬質であるが、
そのロールに使用される場合、ロール表面はその炭化物
の周囲が摩耗するので、炭化物は表面から外側に向けて
突出した突起となって残る。これらの突起により生ずる
欠陥はまた、生産された紙にも認められることがある。
【0012】従来技術において、加熱されるロールに関
しては、温度が変化するとロール外套部の形状が変化す
るという問題が生じる。とくに、ロール外套部が2つの
異なる材料から構成される場合、例えば、内部が片状黒
鉛鋳鉄で出来ており、外套部表面がチル鋳造後の白鉄で
が生成される場合、温度が変化すると、これらの異なる
層の熱膨張と熱伝導の特性が異なり、またさらに層の厚
さが異なるため、問題が生じる。とくに、ロール外套部
の形状や寸法のばらつきは、紙の品質劣化を招くので、
問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術における製造工程の問題および欠点が生ないロール
の製造工程を提供することにあり、またその製造工程に
よってロールが従来技術のロールの特性より優れた特性
を持ち、とくに高温での自由に使用可能なロールを提供
することを目的とする。
【0014】さらに、本発明は、その製造が簡単かつ単
純であるため、抄紙機の艶出し用に、より経済的なロー
ルを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の目的と後述の目的
を達成するために、本発明の方法は、鋳鉄ロール外套部
の表面層を焼き入れ、焼き戻して、ロール外套部の表面
層に焼戻しマルテンサイト構造が生成され、さらに、あ
る既知の方法でこのロール外套部を機械仕上げ加工に掛
けることを特徴とする。
【0016】さらに、本発明によるロール外套部は、ロ
ール外套部の表面層が焼入れされ、焼き戻されて、ロー
ル外套部の表面層が焼戻しマルテンサイトになっている
ことを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明の好ましい一実施例によれば、高強度と
高靱性を有する球状黒鉛鋳鉄を使用し、ロール外套部表
面を表面硬化処理、例えば、炎焼入れまたは高周波焼入
れすると、従来技術のチル鋳造ロール外套部より硬く、
耐摩耗性がよく、また好ましい微小構造により摩耗が均
一となる焼戻しマルテンサイト構造が達成されるため、
ロールの研磨頻度が実質的に長くなる。基材が高い靱性
と強度を持つため、本発明によるロールは大きな温度変
化にも影響を受けず、高い作業温度においてもロールに
変形は生じず、そのため、ロール外套層に非常に均一な
硬化層が得られる。さらに、このワークを焼入れ前に最
終寸法に機械加工することができるため、ロールの機械
加工コストは大幅に低減される。
【0018】さらに、本発明による工程では、ロール外
套部の再焼入れをその硬質層の研磨後でもできる利点を
有する。
【0019】
【実施例】図1において、概略的に示されているロール
は参照番号10で示す。このロール10はロール外套部11と
ジャーナル13からなる。ロール外套部11の表面は参照番
号12で示す。図1に示すロール10は簡単なー実施例を例
示したに過ぎない。本発明によるロール外套部11は、も
ちろん、ずっと複雑なロールでの使用にも適している。
【0020】図2は、図1中の線A−Aに沿った断面図
である。ロール外套部11の外面12は表面硬化層15のため
硬い。ロール外套部11の内部は参照番号16で示す。
【0021】本発明による工程において、先ずロール外
套部11は全体がパーライト構造または少なくとも60% パ
ーライトのフェライトパーライト微小構造で生成される
ように鋳造される。材料は、例えば、Cが 3.0ないし
3.8% 、Siが 1.5ないし3.0%、Mnが 0.5ないし 0.9% 、
Pが 0.05%以下、そしてSが 0.02%以下となるように合
金されている。さらに、合金剤としてCr、Ni、Cu、Mg、
Mo、Snおよび(または)Alが使用される。この後、鋳造
ロール外套素材11を機械加工する。機械加工されたロー
ル外套部11は表面硬化処理を施されるが、この表面硬化
処理の前に、必要に応じて、予熱が行なわれる。表面硬
化処理は、望ましくは高周波焼入れ、または炎焼入れと
して行なわれる。この後、ロール外套部11を焼戻しして
表面に焼戻しマルテンサイト構造が得られる。ロール外
套部の内部16はパーライトまたはフェライトパーライト
構造を有する。焼戻し温度は、ロール10の将来の作業温
度を考慮して選択される。ここで、必要な仕上研磨を行
なう。
【0022】ロール外套部11はまた、鋳造後、加熱処理
によってパーライト構造が生成されるように製造するこ
ともできる。その際、応力除去のアニールを行なう。機
械加工と表面硬化処理、望ましくは高周波焼入れ、また
は炎焼入れの後、ロール外套部11は仕上研磨を残して完
成する。
【0023】本発明による工程において、表面硬化処理
は、望ましくは高周波焼入れ、または炎焼入れとして行
なわれる。その双方ともに熱表面硬化方法、すなわち熱
効果による方法であり、これによれば、表面は短時間で
急速に、しかもしばしば局所的に、オーステナイトの有
効範囲に適した硬化温度にまで加熱され、その後、内部
がオーステナイトに変化する時間が経過しないうちに、
表面を焼入れする。炎焼入れにおいては、表面をガスの
炎で加熱し、この炎焼入れの後に通常、ジェット水流を
使用してクエンチを行なう。高周波焼入れにおいては、
誘導コイルによる誘導加熱効果の及ぶ深度に、鋼または
鋳鉄の中に渦電流が形成され、その電流によってワーク
内部が加熱される。加熱後、クエンチを、例えば、ジェ
ット水流によって行なう。
【0024】図3は、従来技術のチル鋳造ロール外套部
の表面の微小構造を200 倍に拡大した写真を示す。同図
において、セメンタイトはパーライト基盤の上に見られ
る。セメンタイトは参照符号Sで、またパーライトは参
照符号Pで示す。セメタイトS、すなわち、炭化鉄Fe3C
は硬く、ロール表面のパーライト領域Pが運用中に摩耗
すると、セメンタイトSは突起物としてその表面に残
る。このようなチル鋳造ロール外套部の白鉄表面層の硬
度は550 乃至 630HVである。表面層の厚さのばらつきは
5ないし 25 mmである。
【0025】図4は、焼戻しマルテンサイト構造の500
倍拡大写真を示す。該構造物はレンズ形または針形の結
晶から成っている。図4はまた、球状黒鉛も示す。
【0026】図5は、マルテンサイト基盤上の球状黒鉛
を有する硬化処理表面を示し、このような基盤は、本発
明によるロールに設けられている。マルテンサイトは参
照符号Mで示す。マルテンサイトMにおいて、粒子の境
界面またはそれと同様のものは全く見受けられない。球
状黒鉛は参照符号Gで示す。図3での拡大倍率は200倍
である。とくに、均一なマルテンサイト構造が観察され
る。その焼戻しマルテンサイト構造の硬度は約680 ない
し 720HVであり、また表面硬化処理層の厚さのばらつき
は0.5mm 以下である。
【0027】次表において、従来技術のチル鋳鉄ロール
外套部の特性と、本発明による表面硬化処理ロール、と
くに高周波焼入れ処理を経た球状黒鉛鋳鉄ロールの外套
部の特性とを比較する。
【0028】 チル鋳鉄 高周波焼入れ 表面/内部 球状黒鉛鋳鉄 表面硬度(HV) 550 〜 630 680 〜 720 硬質層(mm) 6 〜 15 8 〜 10 硬質層厚さのばらつき(mm) < 25 < 0.5 密度(kg/dm3) 7.7/7.1 7.3 熱伝導性(W/m℃) 20〜28/55 〜62 30 熱膨張係数(1/ ℃ 10-6) 8.4/10.5 10 弾性係数(kN/mm2) 175/100 175 破壊強度(N/mm2) 120 〜200/100 〜140 650 破壊時伸び(%) 0 1衝撃延性(J/cm2) 2 7 本発明による、ロール外套部11の材料は基本的には同じ
材料、すなわち鋳鉄、例えば球状黒鉛鋳鉄である。ロー
ルの表面層15は表面硬化処理後に焼戻しマルテンサイト
になり、またその内部16は少なくとも60% パーライトに
なる。表面層15の厚さは 5ないし 30 mm、望ましくは約
8ないし 10 mmである。ロール外套部11の表面層15の硬
度は約 680ないし 720HVであり、またその内部の硬度は
約 200ないし 300HBである。本発明によるロール10は、
とくに使用上の制約なく250 ℃の温度での使用に適して
いる。
【0029】以上、本発明は、本発明の幾つかの好まし
い実施例のみを参照して説明してきたが、本発明はこれ
らの実施例の内容に厳密に限定されることなく、特許請
求の範囲に記載された概念の範囲内で多くの変形や修正
が可能である。
【0030】
【発明の効果】本発明によるロールは硬化表面外套部を
有し、焼入れに適した合金鋳鉄で鋳造され、さらにその
表面は機械加工後に焼き入れされており、それによって
その表面には焼戻しマルテンサイト構造が形成されるの
で、その微細な微粒子構造のため、紙の艶出しに好適で
ある。
【0031】本発明によるロールの研磨間隔は、例え
ば、チル鋳鉄ロールと比較した場合、その表面が硬く、
また耐摩耗性も高いため、従来技術のロールと比べると
長くなる。
【0032】本発明のロールにおいて、高い作業温度に
よって変形は生じない。これは、基本的にはロール外套
部が同じ材料で作られているためである。本発明による
ロールの表面、すなわち、焼戻しマルテンサイト微粒子
構造は均一に摩耗し、またその摩耗の結果、表面には目
立つような突起が残らないので、このロールを使って得
られる紙の品質は良くなる。
【0033】強度、剛性および靱性に関しては、本発明
の実施例によるロールに使用されている球状黒鉛鋳鉄
は、原則としてチル鋳造に使用される片状黒鉛鋳鉄の特
性より優れた特性を有する材料である。
【0034】本発明によるロールの利点は、鋼製外套部
に基づく従来技術の解決策と比較すると、ロール外套部
の焼戻しマルテンサイト中に混在する黒鉛の潤滑効果に
あり、そのためドクタの摩耗は鋼製外套部の場合のよう
に激しいものではない。
【0035】本発明による鋳鉄製外套部を有するロール
の最も重要な利点は、チル鋳鉄外套部と比較すると、以
下のようになる。 ー 微細均一な微小構造 ー 均一な表面硬化層 ー 均質な材料、その結果、変形が僅かで100 ℃以上の
高温で表面温度が均一 ー 低い温度依存性 ー 高い摩耗性 ー 高い引張り強さ ー 高い耐衝撃延性 ー 高い剛性
【図面の簡単な説明】
【図1】ロールの概略説明図である。
【図2】図1の線A−Aによる断面図である。
【図3】従来技術のチル鋳鉄ロール外套部の金属組織の
微小構造の200 倍拡大写真を示す図である。
【図4】マルテンサイト微小構造の金属組織の500 倍の
拡大写真を示す図である。
【図5】マルテンサイト基盤上に球状黒鉛を有する金属
組織の微小構造の200 倍の拡大写真を示す図である。
【符号の説明】
10 ロール 11 外套部 12 ロール外套部表面 13 ジャーナル 15 表面硬化層 16 外套部内部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロールの外套部を鋳造または鋳造加熱処
    理し、次の工程で該ロール外套部を機械加工するロール
    製造方法において、該方法は、前記鋳鉄ロール外套部の
    表面層を硬化処理し、焼き戻して、該鋳鉄ロール外套部
    の表面層に焼戻しマルテンサイト構造が生成され、ある
    既知の方法で該ロール外套部を仕上げ機械加工すること
    を特徴とするロール、とくに抄紙機の艶出しロール製造
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の製造方法において、前
    記ロール外套部の微小構造は、前記鋳造工程あるいは鋳
    造加熱処理工程において少なくとも60% のパーライトの
    球状黒鉛鋳鉄に変形することを特徴とするロール製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の製造方法にお
    いて、必要に応じて前記ロール外套部を硬化処理の前に
    予熱することを特徴とするロール製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の製
    造方法において、前記硬化処理は、表面硬化処理として
    行なわれることを特徴とするロール製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の製
    造方法において、前記表面硬化処理は、高周波焼入れ、
    または炎焼入れとして行なわれることを特徴とするロー
    ル製造方法。
  6. 【請求項6】 鋳鉄製外套部を備えたロール、とくに抄
    紙機の艶出しロールにおいて、該ロールは、該ロール外
    套部の表面層が硬化処理され、焼き戻しされて該ロール
    外套部の表面層が焼戻しマルテンサイトになっているこ
    とを特徴とするロール。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のロールにおいて、該ロ
    ールの外套部は、球状黒鉛鋳鉄製であり、3.0 ないし
    3.8% のC、1.5 ないし 3.0% のSi、0.5 ないし 0.9%
    のMn、≦0.05% のPおよび≦0.02% のSからなり、球状
    黒鉛鋳鉄製の鋼製外套部に追加される単数または複数の
    合金剤はCr、Ni、Cu、Mg、Mo、Snおよび(または)Alで
    あり、また前記ロール外套部の内部は、少なくとも60%
    程度のパーライトであることを特徴とするロール。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載のロールにおい
    て、該ロールの外套部の表面層の厚さは、約 5ないし 3
    0 mm、望ましくは約 8ないし10mmであることを特徴とす
    るロール。
  9. 【請求項9】 請求項6ないし8のいずれかに記載のロ
    ールにおいて、該ロールの外套部の表面層の硬度は約 6
    80ないし 720HVであることを特徴とするロール。
  10. 【請求項10】 請求項6ないし9のいずれかに記載の
    ロールにおいて、該ロールの外套部の内部の硬度は約 2
    00ないし 300HBであることを特徴とするロール。
  11. 【請求項11】 請求項6ないし10のいずれかに記載の
    ロールにおいて、該ロールの外套部は炎焼入れまたは高
    周波焼入れされていることを特徴とするロール。
JP4087550A 1991-03-20 1992-03-12 ロール製造方法とロール Pending JPH05132890A (ja)

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US (1) US5334125A (ja)
EP (1) EP0505343B1 (ja)
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