JPH05132589A - マツト性フイルムまたはシートおよびその製造方法 - Google Patents

マツト性フイルムまたはシートおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH05132589A
JPH05132589A JP4105245A JP10524592A JPH05132589A JP H05132589 A JPH05132589 A JP H05132589A JP 4105245 A JP4105245 A JP 4105245A JP 10524592 A JP10524592 A JP 10524592A JP H05132589 A JPH05132589 A JP H05132589A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
sheet
ethylene
parts
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4105245A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3318343B2 (ja
Inventor
Koichi Fujii
孝一 藤井
Minoru Tajima
稔 田嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Petrochemicals Co Ltd filed Critical Nippon Petrochemicals Co Ltd
Priority to JP10524592A priority Critical patent/JP3318343B2/ja
Publication of JPH05132589A publication Critical patent/JPH05132589A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3318343B2 publication Critical patent/JP3318343B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高級感があり、粘着テープ基材、建築内装
材、自動車内装材などのフィルムとして有用なポリオレ
フィン系マット性フィルムまたはシートおよびその製造
方法を提供すること。 【構成】 (A)プロピレン(共)重合体(PP)、
(B)特定のエチレン・α−オレフィン共重合体(超低
密度ポリエチレン:VLDPE)と、これに(C)無機
充填剤および/または(D)難燃剤を特定量配合した組
成物を用いることにより上記目的を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィン系マット
性フィルムまたはシートおよびその製造方法に関し、更
に詳しくは、該フイルム・シートは引張り弾性率、柔軟
性、耐衝撃性、耐熱性、貼合性、難燃性、難白化性、隠
蔽性、耐傷付き性などに優れ、高級感があり、粘着テー
プ基材、文具カバーやケース、ファッションバッグなど
のフィルムとして、あるいは建築内装材、自動車内装
材、化粧鋼板用などのシート等として有効に利用されう
るポリオレフィン系マット性フィルムまたはシートおよ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、マット性フィルムまたはシート
(以下シートと略す)には、ポリ塩化ビニル樹脂が主に
使用されているが、柔軟性を付与するために多量に用い
られる可塑剤が長期間使用されるとブルーミングし揮散
されることによって、柔軟性が消失するという問題があ
る。また、ポリ塩化ビニル樹脂は燃焼時に有毒な塩化水
素ガスその他を多量に発生する問題も指摘され、昨今で
は、このような問題のないポリオレフィン系重合体に代
替されつつある。
【0003】このようなポリオレフィン系樹脂からなる
マット性シートの製造は、メルトインデックス(MI)
および高荷重MI/低荷重MI比が特定範囲のポリエチ
レンを特定の条件で成膜することによって直接製造する
方法(特開昭50−56451号公報)、エチレン・酢
酸ビニル共重合体(EVA)と低密度エチレン・α−オ
レフィン共重合体(LLDPE)とをブレンドする方法
(特開昭59−215343号公報)があるが、フィル
ムやシートの腰(曲げ弾性率)、耐熱性や隠蔽性が充分
でないという難点がある。
【0004】また、プロピレンにppmオーダーのビニ
ルトリアルキルシランなどを共重合したポリプロピレン
が提案されている(特開平1−185306号公報)
が、耐熱性は改良されてもフィルムやシートの柔軟性が
なく、隠蔽性は改良されない。一方、ポリプロピレン
(PP)に、高密度の超高分子量ポリエチレン(HDP
E)、超高分子量エラストマーおよび無機フィラーを配
合した艶消しポリプロピレン系シートが提案されている
(特開平2−92944号公報)。これによればシート
の腰、耐熱性や隠蔽性は改善されるものの、貼合性、難
白化性、耐傷付き性や難燃性などに劣り、これらの改良
が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの問題
点を解消し、高級感があり、しかも引張り弾性率(腰に
関係がある)、柔軟性、耐衝撃性、耐熱性、貼合性、難
燃性、難白化性、隠蔽性、耐傷付き性などに優れたポリ
オレフィン系マット性フィルムまたはシートおよびその
製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、 (A)プロピレン(共)重合体 10〜90重量%、 (B)エチレンと炭素数3〜12のαーオレフィンとを共重合させて得 られる下記(I )〜(III )の性状を満足するエチレン・αーオレ フィン共重合体 90〜10重量%、 (I )密度0.860〜0.910g/cm3 (II)示差走査熱量測定法(DSC)による最大ピーク温度 100℃以上 (III )沸騰nーヘキサン不溶分 10重量%以上 上記(A)+(B)100重量部に対して、 (C)無機充填剤および/または(D)難燃剤 1〜150重量部 からなる組成物を含むマット性フィルムまたはシートを
提供するものである。
【0007】本発明の第2発明は、 (A)プロピレン(共)重合体 10〜90重量%、 (B)エチレンと炭素数3〜12のαーオレフィンとを共重合させて得 られる下記(I )〜(III )の性状を満足するエチレン・αーオレ フィン共重合体 90〜10重量%、 (I )密度0.860〜0.910g/cm3 (II)示差走査熱量測定法(DSC)による最大ピーク温度 100℃以上 (III )沸騰nーヘキサン不溶分 10重量%以上 上記(A)+(B)100重量部に対して、 (C)無機充填剤および/または(D)難燃剤 1〜150重量部、 (E)E1:カルボン酸基、カルボン酸エステル基または酸無水基含有 モノマー、E2:エポキシ基含有モノマー、E3:ヒドロキシル基含有モノマー 、E4:アミノ基含有モノマー、E5:アルケニル環状イミノエーテル誘導体、 E6:多官能モノマーから選ばれた少なくとも1種の官能基で変性されたポリオ レフィン系樹脂 3〜100重量部、 からなる組成物を含むマット性フィルムまたはシートを
提供するものである。
【0008】本発明の第3発明は、 (A)プロピレン(共)重合体 10〜90重量%、 (B)エチレンと炭素数3〜12のαーオレフィンとを共重合させて得 られる下記(I )〜(III )の性状を満足するエチレン・αーオレ フィン共重合体 90〜10重量%、 (I )密度0.860〜0.910g/cm3 (II)示差走査熱量測定法(DSC)による最大ピーク温度 100℃以上 (III )沸騰nーヘキサン不溶分 10重量%以上 上記(A)+(B)100重量部に対して、 (C)無機充填剤および/または(D)難燃剤 1〜150重量部 からなる組成物をTダイ法により、成形温度180℃〜
280℃でフィルムあるいはシートを成形した後、マッ
トロールおよび/またはタッチロールで50℃以下の温
度に冷却してなることを特徴とするマット性フィルムま
たはシートの製造方法である。
【0009】本発明の第4発明は、 (A)プロピレン(共)重合体 10〜90重量%、 (B)エチレンと炭素数3〜12のαーオレフィンとを共重合させて得 られる下記(I )〜(III )の性状を満足するエチレン・αーオレ フィン共重合体 90〜10重量%、 (I )密度0.860〜0.910g/cm3 (II)示差走査熱量測定法(DSC)による最大ピーク温度 100℃以上 (III )沸騰nーヘキサン不溶分 10重量%以上 上記(A)+(B)100重量部に対して、 (C)無機充填剤および/または(D)難燃剤 1〜150重量部、 (E)E1:カルボン酸基、カルボン酸エステル基または酸無水基含有 モノマー、E2:エポキシ基含有モノマー、E3:ヒドロキシル基含有モノマー 、E4:アミノ基含有モノマー、E5:アルケニル環状イミノエーテル誘導体、 E6:多官能モノマーから選ばれた少なくとも1種の官能基で変性されたポリオ レフィン系樹脂 3〜100重量部、 からなる組成物をTダイ法により、成形温度180℃〜
280℃でフィルムあるいはシートを成形した後、マッ
トロールおよび/またはタッチロールで50℃以下の温
度に冷却してなることを特徴とするマット性フィルムま
たはシートの製造方法である。
【0010】以下本発明の内容を詳述する。本発明で使
用する(A)プロピレン(共)重合体は、プロピレンの
単独重合体、プロピレンを主成分とする他のα−オレフ
ィンとのブロック共重合体あるいはランダム共重合体な
どの公知のポリプロピレン(共)重合体を使用すること
ができる。これらのうちでも特にプロピレン−エチレン
ブロック共重合体が好ましい。該ポリプロピレン(共)
重合体のメルトフローレート(MFR)は特に限定され
ないが、フィルムの強度、腰等の機械的強度、加工性等
の物性を考慮した場合においては0.1〜50g/10
分、好ましくは1〜30g/10分、更に好ましくは3〜
20g/10分である。上記(A)ポリプロピレン(共)
重合体の配合量は、後述の特定のエチレン・αオレフィ
ン共重合体に対して10〜90重量%である。該配合量
が10重量%より少ないと耐熱性が劣り、90重量%よ
り多いと柔軟性に欠けるので、この範囲から選択される
のがよい。
【0011】本発明に使用する(B)エチレン・αーオ
レフィン重合体とは、密度が0.860〜0.910 g /cm3 であ
り、示差走査熱量測定法(DSC)による最大ピーク温
度(Tm )100℃以上、かつ沸騰n−ヘキサン不溶分
10重量%以上の性状を有し、直鎖状低密度ポリエチレ
ンとエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムとの中間の
性状を示すポリエチレン(以下VLDPEと称する)で
ある。更に詳しくはエチレンと炭素数3〜12のαーオ
レフィンとの共重合体であって、このVLDPEはLL
DPEが示す高結晶部分とエチレン−α−オレフィン共
重合体ゴムが示す非晶部分とを合わせ持つ樹脂であっ
て、前者の特徴である機械的強度、耐熱性などと、後者
の特徴である自己粘着性、ゴム状弾性、耐低温衝撃性な
どがバランスよく共存しており、本発明に用いるときは
極めて有用である。
【0012】具体的なαーオレフィンとしては、プロピ
レン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1ーヘ
キセン、1−オクテン、1−ドデセンなどを挙げること
ができる。これらのうちとくに好ましいのは1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1ーヘキセン、1−オ
クテンである。エチレン共重合体中のαーオレフィン含
有量は5〜40モル%であることが好ましい。
【0013】該VLDPEは、少なくともマグネシウム
及びチタンを含有する固体触媒成分と有機アルミニウム
化合物とからなる触媒系を用いて製造することができ
る。該固体触媒成分としては、金属マグネシウム;水酸
化マグネシウム;酸化マグネシウム;塩化マグネシウム
などのマグネシウム塩;ケイ素、アルミニウム、カルシ
ウム;炭酸マグネシウムから選ばれる元素とマグネシウ
ム原子とを含有する複 塩、複酸化物、炭酸塩、塩化
物、あるいは水酸化物など;さらにはこれらの無機質固
体化合物を含酸化化合物、含硫黄化合物、芳香族炭化水
素、ハロゲン含有物質で処理または反応させたものなど
マグネシウムを含む無機質固体化合物にチタン化合物を
公知の方法により担持させたものが挙げられる。
【0014】上記の含酸素化合物としては、たとえば
水;アルコール、フェノール、ケトン、アルデヒド、カ
ルボン酸、エステル、ポリシロキサン、酸アミドなどの
有機含酸素化合物;金属アルコキシド、金属のオキシ塩
化物などの無機系含酸素化合物を例示することができ
る。含硫黄化合物としては、チオール、チオエーテルの
ような有機、含硫黄化合物、二酸化硫黄、三酸化硫黄、
硫酸のような無機硫黄化合物を例示することができる。
【0015】芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トル
エン、キシレン、アントラセン、フェナントレンのよう
な各種の単環および多環および多環の芳香族炭化水素化
合物を例示することができる。ハロゲン含有物質として
は、塩素、塩化水素、金属塩化物、有機ハロゲン化物の
ような化合物を例示することができる。
【0016】一方マグネシウムを含む無機質固体化合物
に担持させるチタン化合物としては、チタンのハロゲン
化物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシド、ハロゲ
ン化酸化物などを挙げることができる。チタン化合物と
しては4価のチタン化合物と3価のチタン化合物が好適
であり、4価のチタン化合物としては具体的には一般式
Ti(OR)n4-n (ここでRは炭素数1〜20のアル
キル基、アリ−ル基またはアラルキル基を示し、Xはハ
ロゲン原子を示し、nは0≦n≦4の整数である)で示
されるものが好ましく、四塩化チタン、四臭化チタン、
四ヨウ化チタン、モノメトキシトリクロロチタン、ジメ
トキシジクロロチタン、トリメトキシモノクロロチタ
ン、テトラメトキシチタン、モノエトキシトリクロロチ
タン、ジエトキシジクロロチタン、トリエトキシモノク
ロロチタン、テトラエトキシチタン、モノイソプロポキ
シトリクロロチタン、ジイソプロポキシジクロロチタ
ン、トリイソプロポキシモノクロロチタン、テトライソ
プロポキシチタン、モノブトキシトリクロロチタン、ジ
ブトキシジクロロチタン、モノペントキシトリクロロチ
タン、モノフェノキシトリクロロチタン、テトラフェノ
キシチタンなどを挙げることができる。3価のチタン化
合物としては、四塩化チタン、四臭化チタンなどの四ハ
ロゲン化チタンを水素、アルミニウム、チタンあるいは
周期律表I 〜III族金属の有機金属化合物により還元し
て得られる三ハロゲン化チタンが挙げられる。
【0017】また一般式Ti(OR)m4-m (ここで
Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリ−ル基またはア
ラルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0≦
m≦4の整数である)で示される4価のハロゲン化アル
コキシチタンを周期律表I 〜III 族金属の有機金属化合
物により還元して得られる3価のチタン化合物が挙げら
れる。
【0018】これらのチタン化合物のうち、4価のチタ
ン化合物がとくに好ましい。他の触媒系の例としては、
固体触媒成分としていわゆるグリニャール化合物などの
有機マグネシウムとチタン化合物との反応生成物を用い
ることができる。また他の触媒系の例としては、固体触
媒成分としてSiO2 、Al23 などの無機酸化物と
前記の少なくともマグネシウム及びチタンを含有する固
体触媒を接触させて得られる固体物質を用いることもで
きる。
【0019】上記した固体触媒成分と組み合わせるべき
有機アルミニウム化合物の具体的な例としては、一般式
3 Al,R2 AlX,RAlX2 ,R2 AlOR,R
Al(OR)XおよびR3 Al23 の有機アルミニウ
ム化合物(ここでRは炭素数1〜20のアルキル基、ア
リ−ル基またはアラルキル基を示し、Xはハロゲン原子
を示し、Rは同一でもまた異なってもよい)で示される
化合物が好ましく、トリエチルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリ
オクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムエトキシド、エチルアルミニ
ウムセスキクロリドおよびこれらの混合物などが挙げら
れる。有機アルミニウム化合物の使用量は特に制限され
ないが、通常チタン化合物に対して0.1〜 1,00
0モル倍使用することができる。
【0020】重合反応は通常のチグラー型触媒によるオ
レフィンの重合反応と同様にして行われる。すなわち反
応はすべて実質的に酸素、水などを絶った状態で、気相
または不活性溶媒の存在かもしくはモノマー自体を溶媒
とする液相で行われる。オレフィンの重合反応は温度2
0〜300℃、好ましくは40〜200℃であり、圧力
は常圧ないし70kg/cm2 G、好ましくは2kg/
cm2 Gないし60kg/cm2 Gである。分子量の調
節は重合温度、触媒のモル比などの重合条件を変えるこ
とによってもある程度可能であるが、重合系中に水素を
添加することにより効果的に行われる。水素濃度、重合
温度などの重合条件の異なった2段階またはそれ以上の
多段階の重合反応もなんら支障なく用いて製造すること
もできる。
【0021】図1に、本発明に用いる (B)エチレン・
αーオレフィン共重合体であるVLDPE(2)、固体
触媒成分として従来のバナジウムを主体とする固体触媒
成分を使用して得られるエチレン・αーオレフィン共重
合体ゴム(EPR)(3)および従来のチタンを主体と
する固体触媒成分を使用して得られるエチレン・αーオ
レフィン共重合体(LLDPE)(1)のDSCによる
m の測定結果を示す(測定方法は実施例の項に記載の
方法による)。本発明に用いる (B)エチレン・αーオ
レフィン共重合体であるVLDPE(2)は、エチレン
・αーオレフィン共重合体ゴム(3)あるいはエチレン
・αーオレフィン共重合体(1)とはTm 値やそのピー
クの大きさなどにより明確に区別される。
【0022】これらは共重合体を構成するモノマーが同
一であり、かつ密度が同一であっても、DSCによるT
m はエチレン・αーオレフィン共重合体ゴム(3)より
本発明で用いる共重合体(2)の方が高く、また沸騰C
6 不溶分は本発明で用いる共重合体(2)が10重量%
以上であるのに対し、バナジウム含有触媒を使用して得
られるエチレン・αーオレフィン共重合体ゴム(3)は
同不溶分がほとんど存在せず、エチレン・αーオレフィ
ン共重合体(1)の場合は同可溶分が極めて少量であ
り、軟質部分がほとんどなく、柔軟性にかける。
【0023】以上のようにして合成された本発明に用い
る(B)エチレン・αーオレフィン共重合体は、密度が
0.860〜0.910g/cm3 であることが肝要で
あり、好ましくは0.880〜0.905g/cm3
ある。またDSCによる最大ピーク温度(Tm )は10
0℃以上、沸騰n−ヘキサン不溶分(C6 不溶分)は1
0重量%以上が必要であり、好ましくは20〜95重量
%である。メルトインデックスは0.1〜1.0の範囲
から選択することが望ましい。本発明に用いる(B)エ
チレン・αーオレフィン共重合体の配合量は(A)成分
に対して90〜10重量%である。90重量%より多い
と耐熱性が劣り、10重量%より少ないと柔軟性に欠け
るので、この範囲から選択されるのがよい。
【0024】本発明で用いられる無機充填剤(C)とし
ては、粉粒体、平板状、針状、球状または中空状および
繊維状等が挙げられ、具体的には、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、ク
レー、珪藻土、タルク、アルミナ、珪砂、ガラス粉、酸
化鉄、金属粉、三酸化アンチモン、グラファィト、炭化
珪素、窒化珪素、シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウ
ム、カーボンブラックなどの粉粒状充填剤、雲母、ガラ
ス板、セリサイト、パイロフィライト、アルミフ レー
クなどの箔状充填剤、黒鉛などの平板状もしくは鱗片状
充填剤、金属バルーン、ガラスバルーン、シラスバルー
ン、軽石などの中空状充填剤、ガラス繊維、炭素繊維、
グラファィト繊維、ウィスカー、金属繊維、シリコーン
カーバイト繊維、アスベスト、ウォラストナイトなどの
鉱物繊維等の例を挙げることができる。これらの添加量
は(A)成分および(B)成分の樹脂成分100重量部
に対して、1〜150重量部の範囲で適用される。上記
添加量が150重量部を超えるとマット性フィルムまた
はシートの衝撃強度等の機械的強度、柔軟性、難白化性
などが低下するので好ましくなく、1重量部以下ではマ
ット性フィルムまたはシートの引張弾性率(腰に関係が
ある)、隠蔽性などが低下するので好ましくない。
【0025】本発明で使用する難燃剤(D)としては、
一般に効果のあるとされる難燃剤を使用することがで
き、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、無機系難燃剤な
どが挙げられる。しかし、ハロゲン系難燃剤等の有機難
燃剤は、少量の添加で優れた難燃性を付与することがで
きる。また、ハロゲンフリーで、かつ低煙性である無公
害のフィルム・シートを提供する場合においては無機系
難燃剤を選択することが好ましい。
【0026】上記ハロゲン系難燃剤としては、例えば、
テトラブロモビスフェノールA(TBA)およびその誘
導体、ヘキサブロモベンセン、デカブロモジフェニルエ
ーテル、テトラブロモエタン(TBE)、テトラブロモ
ブタン(TBB)、ヘキサブロモシクロデカン(HBC
D)等の臭素系および塩素化パラフィン、塩化ジフェニ
ル、パークロロペンタシクロデカン、塩素化ナフタレン
等の塩素系難燃剤、ハロゲン化ジフェニルスルフィド類
などのハロゲン系難燃剤、臭素化ポリスチレン、臭素化
ポリ−α−メチルスチレンなどのハロゲン化ポリスチレ
ンまたはその誘導体、臭素化ポリカーボネート等のハロ
ゲン化ポリカーボネート、ポリアルキレンテトラブロモ
テレフタレート、臭素化テレフタル酸系ポリエステルな
どのハロゲン化ポリエステル、ハロゲン化ビスフェノー
ル系エポキシ樹脂などのハロゲン化エポキシ化合物、ポ
リ(ジブロモフェニレンオキシド)などのハロゲン化ポ
リフェニレンオキシド化合物、ハロゲン化ビスフェノー
ル類のシアヌル酸エステル化合物などの高分子型ハロゲ
ン含有重合体からなる難燃剤などが挙げられる。
【0027】また、リン系難燃剤としては、トリクレジ
ルホスフェート、トリ(β−クロロエチル)ホスフェー
ト、トリ(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリ(ジ
ブロモプロピル)ホスフェート、2,3−ジブロモプロ
ピル−2,3−クロロプロピルホスフェート等のリン酸
エステルもしくはハロゲン化リン酸エステル、ホスフィ
ン酸化合物、ホスフィン酸誘導体等が主に挙げられる。
その他の難燃剤としては、窒化グアニジンなどのグアニ
ジン化合物などが挙げられる。上記有機系難燃剤は単独
で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0028】有機系難燃剤は三酸化アンチモン、酸化ジ
ルコニウム、ホウ酸亜鉛等の難燃助剤と併用することに
よって、相乗効果を発揮せしめることができる。上記有
機系難燃剤の場合の配合量は、樹脂成分(A+B)10
0重量部に対して1〜50重量部、好ましくは5〜45
重量部の範囲である。該難燃剤の量が1重量部未満では
難燃効果が小さく、50重量部以上の量を添加してもそ
れ以上の難燃効果は望めず、機械的特性も低下し、且つ
コスト高になるので好ましくない。
【0029】無機系難燃剤の具体的例としては、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタ
ルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、酸化ス
ズの水和物、硼砂などの無機金属化合物の水和物、ホウ
酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、炭酸亜
鉛、炭酸マグネシウム−カルシウム、炭酸カルシウム、
炭酸バリウム、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、酸
化ジルコニウム、酸化スズ、三酸化アンチモン、酸化ア
ンチモン、赤リン等が挙げられる。これらは1種でも2
種以上を併用しても良い。この中でも特に、水酸化マグ
ネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム、ドロマイト、ハイドロタルサイトからなる群から選
ばれた少なくとも1種が難燃効果が良く、経済的にも有
利である。
【0030】また、チャー(炭化層)を助成するために
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機金属
水和物と赤リンまたはフェノール樹脂コーティング赤リ
ン、カ−ボンブラック、硼酸塩等の少なくとも1種と併
用することが好ましい。上記赤リン等のチャー形成助剤
の配合量は、無機系難燃剤に対して、0.5〜20重量
%位の範囲で添加することが望ましい。またこれら無機
系難燃剤の粒径は種類によって異なるが、水酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウム等においては平均粒径20
μm以下、好ましくは10μm以下である。
【0031】上記無機系難燃剤の配合量は樹脂成分(A
+B)100重量部に対して30〜150重量部、好ま
しくは50〜120重量部の範囲である。該無機系難燃
剤の量が30重量部未満では難燃効果が小さく、有機難
燃剤との併用が必要となる。一方、150重量部を超え
るとマット性フィルムまたはシートの衝撃強度等の機械
的強度、柔軟性、難白化性などが低下するので好ましく
ない。
【0032】本発明において、前記無機充填剤(C)も
しくは無機系難燃剤等(D)を使用する場合、該難燃剤
や充填剤の表面をステアリン酸、オレイン酸、パルミチ
ン酸等の脂肪酸またはその金属塩、パラフィンワック
ス、ポリエチレンワックスまたはそれらの変性物、有機
シラン、有機ボラン、有機チタネート等で被覆するなど
の表面処理を施すのが好ましい。
【0033】上記不飽和シラン化合物としてはビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリアセチルシラン、ビニルトリクロロシランなどが挙
げられる。
【0034】不飽和チタネート化合物としてはテトライ
ソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネー
ト、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタネート、
チタンラクテートアンモニウム塩等が挙げられる。
【0035】本発明の第1発明である(A)〜(D)組
成物からなるマット性フィルム・シートは、(A)成分
と(B)成分の非相溶系であることに起因して、溶融状
態から急冷することによる結晶化速度の相違により、屈
折の異なる結晶の海島構造が形成されてマット性が付与
され易くなっていると思われる。更に無機充填剤に配合
することにより、よりマット性フィルム・シートの隠蔽
性が向上する。上記隠蔽性は無機難燃剤を使用すること
により難燃性と隠蔽性の両方を満足させることもでき
る。
【0036】本発明の第2発明は、上記第1発明の組成
物に更に後述の官能基で変性されたオレフィン系樹脂を
配合した組成物からなるマット性フィルム・シートであ
り、樹脂成分と無機充填剤および/または難燃剤との結
合が強化されフィルム・シートの機械的強度等が向上
し、かつ極性基等が導入されることにより、金属、プラ
スチック等の他の基材との接着性も向上させることがで
きる。
【0037】本発明の(E)成分の変性オレフィン系樹
脂、E1:カルボン酸基、カルボン酸エステル基または
酸無水基含有モノマー、E2:エポキシ基含有モノマ
ー、E3:ヒドロキシル基含有モノマー、E4:アミノ基
含有モノマー、E5:アルケニル環状イミノエーテル誘
導体、E6:多官能モノマーから選ばれた少なくとも1
種の官能基で変性されたポリオレフィン系樹脂とは、上
記該モノマーの少なくとも1種をグラフトしたグラフト
変性体およびその組成物を包含する。
【0038】上記(E)成分のE1:カルボン酸基、カ
ルボン酸エステル基または酸無水基含有モノマーとして
は、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸
等のα,β-不飽和ジカルボン酸,アクリル酸、メタク
リル酸プラン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、ペンテン酸
等の不飽和モノカルボン酸,あるいはこれらα,β-不
飽和ジカルボン酸または不飽和モノカルボン酸のエステ
ルまたは無水物が挙げられる。
【0039】E2:エポキシ基含有モノマーとしては、
グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエ
ーテル、ビニルグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0040】E3:ヒドロキシル基含有モノマーとして
は、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0041】E4:アミノ基含有モノマーとしては、ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート等の3級アミノ基含有モノマー
が挙げられる。
【0042】E5:アルケニル環状イミノエーテル誘導
体としては、以下の構造式(化1)で表される物であ
り、
【0043】
【化1】
【0044】ここでnは1、2及び3であり、好ましく
は2及び3、より好ましくは2である。またR1,R2
3,RはそれぞれC1〜C12の不活性なアルキル基及び
/または水素を示し、アルキル基にはそれぞれ不活性な
置換基があってもよい。ここでいう不活性とはグラフト
反応やその生成物の機能に悪影響を及ぼさないことを意
味する。またRはすべて同一である必要はない。好まし
くはR1=R2=H,R3=HあるいはMe,R=Hすな
わち、2−ビニル及び/または2−イソプロペニル−2
−オキサゾリン、2−ビニル及び/または2−イソプロ
ペニル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン
である。これらは単独でも混合物でもよい。この中でも
特に2−ビニル及び/または2−イソプロペニル−2−
オキサゾリンが好ましい。
【0045】E6:多官能モノマーとしては、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコー
ルジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリ
レート等に代表される多官能性メタクリレートモノマー
類、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、
ジアリルフタレート、ビニルブチラート等に代表される
多官能性ビニルモノマー類、N,N'-m-フェニレンビスマ
レイミド、N,N'-エチレンビスマレイミドに代表される
ビスマレイミド類、P-キノンジオキシム等のジオキシム
類等が挙げられる。
【0046】上記モノマーの少なくとも1種をポリオレ
フィン系樹脂にグラフト変性するときには架橋剤の存在
下にて行うことが望ましい。該架橋剤としては、ヒドロ
ペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、ジアシルペル
オキシド、ペルオキシエステル、ケトンペルオキシド等
の有機過酸化物、ジヒドロ芳香族化合物、硫黄等の加硫
剤から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
【0047】上記変性されたポリオレフィン系樹脂の添
加量は樹脂成分(A)+(B)100重量部に対して3
〜100重量部であり、かつ官能基の付加量が0.01
〜20重量%、好ましくは0.1から15重量%の範囲
であることが望ましい。該添加量および付加量が、3重
量部、かつ0.01重量%未満では接着性、機械的強度
等の向上が見られない虞があり、添加量が100重量部
を超えても接着性の向上が望めず、付加量が20重量%
を超える場合においては、変性時にゲル化または変色等
の弊害が生じ、好ましくない。
【0048】さらに、本発明の組成物に対して、必要に
応じて帯電防止剤、防曇剤、有機フィラー、酸化防止
剤、滑剤、有機あるいはは無機系顔料、紫外線防止剤、
分散剤、可塑剤、核剤などの公知の添加剤をマット性フ
ィルムまたはシートの物性を阻害しない範囲で添加する
ことができる。
【0049】本発明のマット性フィルム・シートの製造
方法はTダイ法、インフレーション法、カレンダー法等
でもよいが、好ましくは(A)〜(D)または(A)〜
(E)からなる組成物をTダイ法により、180℃〜2
80℃、好ましくは200〜270℃、更に好ましくは
220〜250℃で押出してフィルムあるいはシートに
成形した後、マットロールおよび/またはタッチロール
を使用して50℃以下、好ましくは30℃以下で冷却す
ることによって製造することが望ましい。該冷却温度が
50℃以上であるとグロス(60゜)が30%以下とな
らない虞がある。
【0050】本発明におけるマットロールとは、エンボ
スロールの一種であり、公知のものを用いることができ
る。タッチロールも公知のものを用いることができる
が、シリコンゴム、NBRなどの合成ゴム製のものが好
ましく、軟らかいものが良いが、フィルムやシートが粘
着したり、摩耗するのでショアA硬度で70〜90の範
囲から選択することが望ましい。
【0051】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。実施例および比較例において使用する(A)〜
(D)または(A)〜(E)成分を以下に示す。
【0052】(A)成分: A1:ポリプロピレン(1)(PP) [密度=0.905g/cm3 、MFR=8g/10m
in; 商品名:日石ポリプロ650G、日本石油化学(株)
製] A2:ポリプロピレン(2)(PP) [密度=0.905g/cm3 、MFR=8g/10m
in; 商品名:日石ポリプロJ150G、日本石油化学(株)
製]
【0053】(B)成分: エチレン・αーオレフィン共重合体(VLDPE) 実質的に無水の塩化マグネシウム、1,2−ジクロロエ
タンおよび四塩化チタンから得られた固体触媒とトリエ
チルアルミニウムとからなる触媒を用いて、エチレンと
1−ブテンとを共重合させてエチレン・1−ブテン共重
合体を得た。このVLDPEは、1−ブテン含量=10
モル%、密度=0.905g/cm3、Tm =118
℃、沸騰C6 不溶分=60重量%、MFR=1.0g/
10minであった。
【0054】(C)成分:炭酸カルシウム(CaC
3
【0055】(D)成分: D1:テトラブロモビスフェノールA[商品名:ファイ
ヤーガード:帝人化成(株)製](以下TBAと略す) D2:水酸化マグネシウム(Mg(OH)2
【0056】(E)成分:酸変性エチレン・1−ブテン
重合体(密度=0.92g/cm3 、MFR=0.3g
/10min、無水マレイン酸付加量0.2重量%、日
本石油化学(株)製)
【0057】(試験法) (1)VLDPEのTm の測定方法:熱プレス成形した
厚さ100μmのフィルムから約5mgの試料を精秤
し、これをDSC装置にセットし、170℃に昇温して
同温度で15min保持した後、降温速度2.5℃/m
inで0℃まで冷却する。次にこの状態から昇温速度1
0℃/minで170℃まで昇温を行い、0℃から17
0℃まで昇温する間に現われたピークのうち最大のもの
の頂点の位置の温度をもってTm とする。
【0058】(2)VLDPEの沸騰nーC6 不溶分の
測定法 熱プレスを用いて厚さ200μmのシートを成形し、こ
れから20mm×30mmのシートを3枚切り取り、そ
れらについて二重管式ソックス レー抽出器を用い沸騰
n−ヘキサンで5hr抽出を行う。n−ヘキサン不溶分
を取り出し、真空乾燥(7hr、50℃)後、次式によ
りC6 不溶分(重量%)を算出する。 表1〜2に示す配合の組成物を用いてフィルムあるいは
シートを作りその性能を測定して行った。フィルムある
いはシートの成形装置ならびに条件および物性試験方法
の詳細は下記のとおりである。
【0059】(物性試験方法) ヘイズ(%): ASTM D1003準拠 グロス : JIS Z8741 準拠 引張破壊強さ: JIS K6758 準拠 引張破壊伸び: 〃 準拠 引張降伏強さ: 〃 準拠 引張弾性率 : 試験片:350mm(L)×20mm
(W) 引張速度:25mm/min. チャートスピード:1000mm/min. チャック間距離:250mm チャック間距離の1%変形時の荷重Pを試験片断面積で
除して引張弾性率とする。 折り曲げ白化:180゜折り曲げ後、目視評価した。 評価= ○:白化せず、△:やや白化、×:白化する 隠蔽性 :フィルムを通して向こうが見えるか、見え
ないかを目視した。 ○:見えない、×:見える エリクセン試験:JIS K6744に準拠 初期エリクセン:貼合時の評価 沸水エリクセン:沸騰水60分浸せき後、冷却水中で急
冷した後に評価 低温エリクセン:5℃以下で行う。 評価= ○:剥離なし、△:やや剥離なし、×:剥離す
【0060】(比較例1〜3および実施例1〜14)
(A)〜(C)の組成物を使用して以下の条件でマット
性フィルムを製造し、評価した結果を表1に示した。 <成形装置および条件>押出機(田辺機械製50mmφ
押出機、スクリューL/D=22フルフライトタイプ、
ダイス=600mm巾コートハンガーダイ(リップギャ
ップ1.0mm)、冷却=ロール冷却法 押出温度:230℃(シリンダー温度230℃、Tダイ
温度230℃) 金属マットロール タッチロール:シリコンラバーロール(ショアA硬度8
0度) 冷却温度:20〜25℃(金属マットロール) 製膜速度:5m/min フィルム厚み:100μm
【0061】
【表1】
【0062】(比較例1〜3および実施例15〜19)
上記(A)〜(C)の組成に更に表2に示す割合で
(D)および(E)成分を配合して、実施例1と同様に
マット性フィルムを製造した。該マット性フィルムを予
め前処理をした下地金属板に貼合し、その貼合状態を評
価した結果を表2に示した。
【0063】
【表2】
【0064】(実施例20〜23)実施例1において、
金属マットロールの冷却温度を変えて行い、マット性の
有無を観察した。その結果を表3に示した。
【0065】
【表3】 ─────────────────────────── 実施例 冷却温度(℃) グロス(600 ) ─────────────────────────── 20 60 40 21 45 28 22 30 13 23 20 4.5 ───────────────────────────
【0066】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系マット性フィ
ルムまたはシートは、(A)プロピレン(共)重合体
(PP)と(B)特定のエチレン・αーオレフィン共重
合体(超低密度ポリエチレン:VLDPE)と、これに
(C)無機充填剤および/または(D)難燃剤を特定量
配合した組成物からなるマット性フィルム・シートは、
高級感があり、引張弾性率、柔軟性、耐衝撃性、耐熱
性、貼合性、難燃性、難白化性、隠蔽性、耐傷付き性な
どに優れる。また、上記組成物に変性ポリオレフィンを
配合することにより、フィルム・シートの機械的強度と
接着性を付与することができる。このような本発明のマ
ット性フィルム・シートは、粘着テープ基材、文具カバ
ーやケース、ファッションバッグなどのフィルムとし
て、あるいは建築内装材、自動車内装材、化粧鋼板用な
どのシート等として有効に利用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 DSCによるTm の測定結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1 LLDPE 2 本発明に用いる (B)エチレン・αーオレフィン共
重合体のVLDPE 3 EPR

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)プロピレン(共)重合体 10〜90重量%、 (B)エチレンと炭素数3〜12のαーオレフィンとを共重合させて得 られる下記(I )〜(III )の性状を満足するエチレン・αーオレ フィン共重合体 90〜10重量%、 (I )密度0.860〜0.910g/cm3 (II)示差走査熱量測定法(DSC)による最大ピーク温度 100℃以上 (III )沸騰nーヘキサン不溶分 10重量%以上 上記(A)+(B)100重量部に対して、 (C)無機充填剤および/または(D)難燃剤 1〜150重量部 からなる組成物を含むマット性フィルムまたはシート。
  2. 【請求項2】 (A)プロピレン(共)重合体 10〜90重量%、 (B)エチレンと炭素数3〜12のαーオレフィンとを共重合させて得 られる下記(I )〜(III )の性状を満足するエチレン・αーオレ フィン共重合体 90〜10重量%、 (I )密度0.860〜0.910g/cm3 (II)示差走査熱量測定法(DSC)による最大ピーク温度 100℃以上 (III )沸騰nーヘキサン不溶分 10重量%以上 上記(A)+(B)100重量部に対して、 (C)無機充填剤および/または(D)難燃剤 1〜150重量部、 (E)E1:カルボン酸基、カルボン酸エステル基または酸無水基含有 モノマー、E2:エポキシ基含有モノマー、E3:ヒドロキシル基含有モノマー 、E4:アミノ基含有モノマー、E5:アルケニル環状イミノエーテル誘導体、 E6:多官能モノマーから選ばれた少なくとも1種の官能基で変性されたポリオ レフィン系樹脂 3〜100重量部、 からなる組成物を含むマット性フィルムまたはシート。
  3. 【請求項3】上記マット性フィルムまたはシートがグロ
    ス(60°)で30%以下である請求項1または2に記
    載のマット性フィルムまたはシート。
  4. 【請求項4】 (A)プロピレン(共)重合体 10〜90重量%、 (B)エチレンと炭素数3〜12のαーオレフィンとを共重合させて得 られる下記(I )〜(III )の性状を満足するエチレン・αーオレ フィン共重合体 90〜10重量%、 (I )密度0.860〜0.910g/cm3 (II)示差走査熱量測定法(DSC)による最大ピーク温度 100℃以上 (III )沸騰nーヘキサン不溶分 10重量%以上 上記(A)+(B)100重量部に対して、 (C)無機充填剤および/または(D)難燃剤 1〜150重量部 からなる組成物をTダイ法により、成形温度180℃〜
    280℃でフィルムあるいはシートを成形した後、マッ
    トロールおよび/またはタッチロールで50℃以下の温
    度に冷却してなることを特徴とするマット性フィルムま
    たはシートの製造方法。
  5. 【請求項5】 (A)プロピレン(共)重合体 10〜90重量%、 (B)エチレンと炭素数3〜12のαーオレフィンとを共重合させて得 られる下記(I )〜(III )の性状を満足するエチレン・αーオレ フィン共重合体 90〜10重量%、 (I )密度0.860〜0.910g/cm3 (II)示差走査熱量測定法(DSC)による最大ピーク温度 100℃以上 (III )沸騰nーヘキサン不溶分 10重量%以上 上記(A)+(B)100重量部に対して、 (C)無機充填剤および/または(D)難燃剤 1〜150重量部、 (E)E1:カルボン酸基、カルボン酸エステル基または酸無水基含有 モノマー、E2:エポキシ基含有モノマー、E3:ヒドロキシル基含有モノマー 、E4:アミノ基含有モノマー、E5:アルケニル環状イミノエーテル誘導体、 E6:多官能モノマーから選ばれた少なくとも1種の官能基で変性されたポリオ レフィン系樹脂 3〜100重量部、 からなる組成物をTダイ法により、成形温度180℃〜
    280℃でフィルムあるいはシートを成形した後、マッ
    トロールおよび/またはタッチロールで50℃以下の温
    度に冷却してなることを特徴とするマット性フィルムま
    たはシートの製造方法。
JP10524592A 1991-04-09 1992-04-01 マット性フィルムまたはシートおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP3318343B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10524592A JP3318343B2 (ja) 1991-04-09 1992-04-01 マット性フィルムまたはシートおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10384791 1991-04-09
JP3-103847 1991-04-09
JP10524592A JP3318343B2 (ja) 1991-04-09 1992-04-01 マット性フィルムまたはシートおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05132589A true JPH05132589A (ja) 1993-05-28
JP3318343B2 JP3318343B2 (ja) 2002-08-26

Family

ID=26444438

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10524592A Expired - Fee Related JP3318343B2 (ja) 1991-04-09 1992-04-01 マット性フィルムまたはシートおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3318343B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999048971A1 (fr) * 1998-03-23 1999-09-30 Kuraray Co., Ltd. Composition de resine ignifuge
JP2003055509A (ja) * 2001-08-16 2003-02-26 Tohcello Co Ltd ポリオレフィンフィルム
JP2017039241A (ja) * 2015-08-18 2017-02-23 フクビ化学工業株式会社 Frpシートの製造方法
JP2017214559A (ja) * 2016-05-30 2017-12-07 東レ株式会社 成型用フィルム及びそれを用いた成型転写箔
WO2019193864A1 (ja) * 2018-04-03 2019-10-10 トヨタ車体株式会社 樹脂組成物、及び車両の内装樹脂部品

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999048971A1 (fr) * 1998-03-23 1999-09-30 Kuraray Co., Ltd. Composition de resine ignifuge
JP2003055509A (ja) * 2001-08-16 2003-02-26 Tohcello Co Ltd ポリオレフィンフィルム
JP2017039241A (ja) * 2015-08-18 2017-02-23 フクビ化学工業株式会社 Frpシートの製造方法
JP2017214559A (ja) * 2016-05-30 2017-12-07 東レ株式会社 成型用フィルム及びそれを用いた成型転写箔
WO2019193864A1 (ja) * 2018-04-03 2019-10-10 トヨタ車体株式会社 樹脂組成物、及び車両の内装樹脂部品

Also Published As

Publication number Publication date
JP3318343B2 (ja) 2002-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5473016A (en) Matte film or sheet and method for preparing same
EP0508415B1 (en) A mat film or sheet and method for preparing the same
KR950003772B1 (ko) 연질 폴리올레핀 조성물 및 차량 외장재용 동일 조성물
US9290648B2 (en) Soft polyolefin compositions and highly filled compounds thereof
US9260597B2 (en) Highly filled soft polyolefin compositions
JPH0571050B2 (ja)
EP1546256B1 (en) Highly filled soft polyolefin compositions
JPS61152753A (ja) 架橋樹脂組成物
GB2175592A (en) Thermoplastic elastomer composition
JPH064733B2 (ja) 高剛性かつ耐衝撃性ポリオレフイン樹脂組成物
JPH05345882A (ja) 難燃性テープ
JPH05132589A (ja) マツト性フイルムまたはシートおよびその製造方法
JP3318342B2 (ja) マット性フィルムまたはシートおよびその製造方法
JPS61255950A (ja) 耐熱性にすぐれる難燃性エチレン系重合体組成物
JPS63265940A (ja) 熱可塑性エラストマ−組成物
JPS6092342A (ja) 床および壁の面材用材料
JPH0569132B2 (ja)
JPH01185226A (ja) プラスチック製まな板
JPH0539367A (ja) マツト性フイルムおよびその製造方法
JPH026513A (ja) ポリオレフィン変性重合体
JPH0370666B2 (ja)
JPH0912636A (ja) エチレン−α−オレフィンランダム共重合体およびその製造法
JPS63297441A (ja) 成形材料
JPH0210271B2 (ja)
JPH0569859B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees