JPH0513250U - 家具用脚の装飾カバー取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間の使用による装飾カバーの損傷を少な
くし、装飾カバーが使用中に妄りに外れることなくしっ
かり取付けられ、しかも、簡単に取り外すことができる
家具用脚の装飾カバー取付装置を得る。 【構成】 放射状形状に成形した脚(６)の上面に、放射
状形状に合成樹脂等の硬質弾性材で成形された装飾カバ
ー(10)が上方より強く押し当てられると、各脚杆(７)に
おける先端寄りの上面中央部に穿設した下面に貫通する
縦孔(11)内には、装飾カバー(10)の下面より垂設した係
合突片(13)が嵌挿され、係合突片(13)の下端の鉤部(14)
は縦孔(11)の段部(12)に弾性係合される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、椅子やテーブル等の家具用脚の上面を被覆する装飾カバーを着脱容 易に取付けることができる家具用脚の装飾カバー取付装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

通常、家具用脚の上面には家具用脚上部の靴などによる汚損の防止、あるいは 、鋼材等により製造された脚のデザイン性の向上、カラーバリエーション増加の ために、種々の装飾カバーが被覆されている。

【０００３】 従来、この家具用脚の上面に被覆される装飾カバーとしては、例えば、実開昭 ５７−９５８４５号公報，実開昭５７−１１３０５８号公報，実開昭５８−２４ ２３９号公報に記載のものが知られている。

【０００４】 上記実開昭５７−９５８４５号公報には、脚を合成樹脂材の装飾カバーに被覆 して一体に成型したものが、また実開昭５７−１１３０５８号公報，実開昭５８ −２４２３９号公報には、放射状形状の各脚杆ごとにそれぞれ別体に形成した装 飾カバーの下端縁を脚杆の下面側に内向き折曲げて、各脚杆を各装飾カバーで挟 持するようにして各装飾カバーを着脱自在に取付けたものが、それぞれ示されて いる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前者の従来技術にあっては、長期間の使用により装飾カバーが 汚損して不体裁であり、これを分離して廃棄することができないという問題があ った。

【０００６】 また、後者の従来技術にあっては、各装飾カバーの取付作業が面倒であるとと もに、各装飾カバーの合わせ目にばらつきを生じ、さらに、装飾カバーの折曲げ 縁から容易に剥離されて外れやすいという問題があった。そこで、この問題を解 消するために、実公昭５６−３７３９４号公報に記載のように、放射状形状の脚 における各脚杆の側面要所に所要数の係合突起を設け、一部を切離して拡開する ことにより脚に外嵌するようにした装飾カバーの側板における前記係合突起に対 応する箇所に係合孔を穿設するなどして、脚と装飾カバーを相互係合するように したものも知られている。

【０００７】 しかしながら、この実公昭５６−３７３９４号公報記載のものでは、脚に装飾 カバーを外嵌するのに、装飾カバーの一部を切離すなどして大きく弾性変形して 拡開することを要し、このため軟質弾性体とした装飾カバー自体に損傷が生じや すくなり、また、係合突起が装飾カバー側面に露呈して体裁を損なうだけでなく 、脚杆と装飾カバーの両側面にそれぞれ係合突起、係合孔を形成するなど、相互 係合装置を各側面に多数形成することを要し、構造が複雑になるという問題があ った。

【０００８】 本考案は、従来の技術が有するこのような問題点に鑑み、長期間の使用による 装飾カバーの損傷を少なくし、装飾カバーが使用中に妄りに外れることなくしっ かり取付けられ、しかも、簡単に取り外すことができる家具用脚の装飾カバー取 付装置を提供することを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の家具用脚の装飾カバー取付装置は、中央 基部から放射方向に複数本の脚杆を延設して放射状形状に鋼材あるいは合成樹脂 材または鋳物等の硬質材により成形した脚と、この脚の上面に重合して被覆する 放射状形状の合成樹脂等の硬質弾性材により成形した装飾カバーとからなり、各 脚杆における先端寄りの上面中央部に下面に貫通する縦孔を穿設するとともに、 この縦穴の上部に係合段部を形成し、装飾カバーの下面の前記縦穴と対応する箇 所に下端に鉤部を有する係合突片を垂設し、この係合突片を前記縦穴内に嵌挿し て、係合突片の下端の鉤部を前記係合段部に弾性係合してなることを特徴として いる。

【００１０】 そして、各脚杆の上面と、これに重合する装飾カバーの下面は、中央基部より 先端に向かい下降する円弧状とするとともに、縦穴の係合段部と、これに係合す る係合突片下端の鉤部は中央基部に向けて形成されている。

【００１１】

【作用】

本考案によれば、放射状形状に成形した脚の上面に、放射状形状に合成樹脂等 の硬質弾性材で成形された装飾カバーが上方より強く押し当てられると、各脚杆 における先端寄りの上面中央部に穿設した下面に貫通する縦孔内には、装飾カバ ーの下面より垂設した係合突片が嵌挿され、係合突片の下端の鉤部は縦孔の係合 段部に弾性係合される。

【００１２】 これにより、装飾カバーは着脱自在に取付けられ、脚上面に重合して被覆され る。また、装飾カバーの取付けに際し、装飾カバー自体が大きく弾性変形するこ となく、装飾カバーを比較的硬質な合成樹脂材により放射状形状に一体に成形す ることができて、長期間の使用による装飾カバーの損傷を小さくすることができ る。

【００１３】 しかも、係合突片下端の鉤部が脚杆下面より突出して、鉤部が衝突破損するこ ともないので、装飾カバーは使用中に妄りに外れることなくしっかり取付けられ 、また、脚杆下面の下方より縦孔内に挿入したドライバー等により簡単に鉤部と 係合段部の係合が解除されるので、装飾カバーの取り外しが簡単に行われる。

【００１４】 さらに、各脚杆の上面と、これに重合する装飾カバーの下面を、脚の中央基部 より先端に向かい下降する円弧状とするとともに、縦孔の係合段部と、これに係 合する係合突片下端の鉤部を中央基部に向けて形成すれば、各脚杆上面に重合し た装飾カバーの放射状の先端部を、ドライバー等の工具により持ち上げるように して、装飾カバーの先端部を上方に折曲げ移動させると、中央基部を向く鉤部が 係合段部から離隔する方向に係合突片が移動するから、鉤部と係合段部の係合が 解除され、より簡単に装飾カバーを取り外すことができる。

【００１５】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１は椅子の脚に使用した本考案実施例の斜視図、図２は本考案実施例の脚杆 の平面図、図３は本考案実施例の脚杆における図２のＡ−Ａ断面図、図４は本考 案実施例の装飾カバーの平面図、図５は本考案実施例の装飾カバーにおけるＢ− Ｂ断面図、図６は本考案実施例の装飾カバーを椅子の脚杆に取付けた状態を示す 断面図である。

【００１６】 図１において、(１)は椅子を示し、本考案の家具の一例を示すもので、背凭れ (２)，腕杆(３)，座部(４)，脚柱(５)を有している。 脚柱(５)には、その中央基部(８)から放射方向に延設されている５本の脚杆( ７)を有する放射状形状の脚(６)が取付けられている。脚(６)は鋼材，合成樹脂 材，鋳物等の硬質材で成形されており、脚端部にはそれぞれキャスター(９)が取 付けられている。 脚(６)の上面には、脚(６)の放射状形状と同様な放射状形状を有する装飾カバ ー(10)が重合して被覆されている。装飾カバー(10)は合成樹脂等の硬質弾性材で 成形されている。

【００１７】 図２，３においては、５本の脚杆(７)のうち１本の脚杆(７)の構造を示してい るが、残りの脚杆(７)…も同じ構造を示すものである。 脚杆(７)の上面は、脚(６)の中央基部(８)より先端に向かい下降する円弧状と され、脚杆(７)における先端寄りの上面中央部には、脚(６)の中央基部(８)に向 かう方向位置に所要間隔を設けて下面に貫通する２個の縦孔(11)が穿設されてい る。また、縦孔(11)の上部には係合段部(12)が脚(６)の中央基部(８)に向けて形 成されている。

【００１８】 図４，５においては、脚(６)の中央基部(８)から１本の脚杆(７)に重合し被覆 される装飾カバー(10)の一部の構造が示されているが、残りの脚杆(７)…に重合 し被覆される残りの装飾カバー(10)も同じ構造を示すものである。 装飾カバー(10)の下面は、脚杆(７)の上面と同様、脚(６)の中央基部(８)より 先端に向かい下降する円弧状とされ、装飾カバー(10)を脚(６)に重合して被覆し た際、脚杆(７)の縦孔(11)と対応する装飾カバーの下面には、２個の係合突片(1 3)が垂設されている。この係合突片(13)の下端には、縦孔(11)内の係合段部(12) と弾性係合する鉤部(14)が設けられている。この鉤部(14)も係合段部(12と同様 、脚(６)の中央基部(８)に向けて形成されている。

【００１９】 次に、作用を図６に基づいて説明する。 放射状形状に成形した脚(６)の上面に、放射状形状に合成樹脂等の硬質弾性材 で成形された装飾カバー(10)が上方より強く押し当てられると、各脚杆(７)にお ける先端寄りの上面中央部で脚(６)の中央基部(８)に向かう方向位置に所要間隔 を設けて穿設した下面に貫通する２個の縦孔(11)内には、装飾カバー(10)の下面 より垂設した２個の係合突片(13)が嵌挿され、係合突片(13)の下端の鉤部(14)は 縦孔(11)の係合段部(14)に弾性係合される。

【００２０】 これにより、装飾カバー(10)は着脱自在に取付けられ、脚(６)上面に重合して 被覆される。また、装飾カバー(10)の取付けに際し、装飾カバー(10)自体が大き く弾性変形することなく、装飾カバー(10)を比較的硬質な合成樹脂材により放射 状形状に一体に成形することができて、長期間の使用による装飾カバー(10)の損 傷を小さくすることができる。

【００２１】 しかも、係合突片(13)下端の鉤部(14)が脚杆(７)下面より突出して、鉤部(14) が衝突破損することもないので、装飾カバー(14)は使用中に妄りに外れることな くしっかり取付けられる。 また、脚杆(７)下面の下方より縦孔(11)内に挿入したドライバー等により簡単 に鉤部(14)と係合段部(12)の係合が解除されるので、装飾カバー(10)の取り外し が簡単に行われる。

【００２２】 さらに、各脚杆(７)の上面と、これに重合する装飾カバー(10)の下面は、脚( ６)の中央基部(８)より先端に向かい下降する円弧状とされるともに、縦孔(11) の係合段部(12)と、これに係合する係合突片(13)下端の鉤部(14)は中央基部(８) に向けて形成されているので、各脚杆(７)上面に重合した装飾カバー(10)の放射 状の先端部を、ドライバー等の工具により持ち上げるようにして、装飾カバー(1 0)の先端部を上方に折曲げ移動させると、中央基部(８)を向く鉤部(14)が係合段 部(12)から離隔する方向に係合突片(13)が移動するから、鉤部(14)と係合段部(1 2)の係合が解除され、より簡単に装飾カバーを取り外すことができる。

【００２３】 以上、実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成は実施例に限られる ものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があっても 本考案に含まれる。 例えば、実施例では、椅子に適用した例を示したが、テーブル等脚が使用され る家具であれば良い。

【００２４】 実施例では、各脚杆の上面中央部に２個の縦孔を穿設し、それに対応する装飾 カバー下面に２個の係合突片を垂設したが、縦孔及び係合突片の数はこれに限定 されるものでなく、例えば、それぞれ１個でも良い。 実施例では、脚杆の本数を５本にしたが、これに限定されるものでなく、例え ば、その数は３本あるいは４本であっても良い。

【００２５】

【考案の効果】

本考案は、上述のとうり構成されているので、次に記載する効果を有する。 すなわち、請求項１記載の考案にあっては、 (ａ) 各脚杆における先端寄りの上面中央部に穿設した下面に貫通する縦孔内 には、装飾カバーの下面より垂設した係合突片が嵌挿され、係合突片の下端の鉤 部は縦孔の係合段部に弾性係合されるので、装飾カバー自体が大きく弾性変形す ることなく、装飾カバーを比較的硬質な合成樹脂材により放射状形状に一体に成 形することができ、かつ、長期間の使用による装飾カバーの損傷を小さくするこ とができるという効果が得られる。 (ｂ) しかも、係合突片下端の鉤部が脚杆下面より突出して、鉤部が衝突破損 することもないので、装飾カバーは使用中に妄りに外れることなくしっかり取付 けられ、また、脚杆下面の下方より縦孔内に挿入したドライバー等により簡単に 鉤部と係合段部の係合が解除されるので、装飾カバーの取り外しが簡単に行われ る。 請求項２記載の考案にあっては、 (ｃ) 各脚杆の上面と、これに重合する装飾カバーの下面を、脚の中央基部よ り先端に向かい下降する円弧状とするとともに、縦孔の係合段部と、これに係合 する係合突片下端の鉤部を中央基部に向けて形成しているので、各脚杆上面に重 合した装飾カバーの放射状の先端部を、ドライバー等の工具により持ち上げるよ うにして、装飾カバーの先端部を上方に折曲移動させると、中央基部を向く鉤部 が係合段部から離隔する方向に係合突片が移動するから、鉤部と係合段部の係合 が解除され、より簡単に装飾カバーを取り外すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】椅子の脚に使用した本考案実施例の斜視図であ
る。

【図２】本考案実施例の脚杆の平面図である。

【図３】本考案実施例の脚杆におけるＡ−Ａ断面図であ
る。

【図４】本考案実施例の装飾カバーの平面図である。

【図５】本考案実施例の装飾カバーにおけるＢ−Ｂ断面
図である。

【図６】本考案実施例の装飾カバーを椅子の脚杆に取付
けた状態を示す断面図である。

【符号の説明】

(１)本考案の家具の一例としての椅子 (２)背凭れ (３)腕杆 (４)座部 (５)脚柱 (６)脚 (７)脚杆 (８)中央基部 (９)キャスター (10)装飾カバー (11)縦孔 (12)係合段部 (13)係合突片 (14)鉤部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中央基部から放射方向に複数本の脚杆を
   延設して放射状形状に鋼材あるいは合成樹脂材または鋳
   物等の硬質材により成形した脚と、この脚の上面に重合
   して被覆する放射状形状の合成樹脂等の硬質弾性材によ
   り成形した装飾カバーとからなり、各脚杆における先端
   寄りの上面中央部に下面に貫通する縦孔を穿設するとと
   もに、この縦穴の上部に係合段部を形成し、装飾カバー
   の下面前記縦穴と対応する箇所に下端に鉤部を有する係
   合突片を垂設し、この係合突片を前記縦穴内に嵌挿し
   て、係合突片の下端の鉤部を前記係合段部に弾性係合し
   てなることを特徴とする家具用脚の装飾カバー取付装
   置。
2. 【請求項２】 各脚杆の上面とこれに重合する装飾カバ
   ーの下面が、中央基部より先端に向かい下降する円弧状
   であり、縦穴の係合段部とこれに係合する係合突片下端
   の鉤部が、中央基部に向けて形成されていることを特徴
   とする請求項１記載の家具用脚の装飾カバー取付装置。