JPH051316Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は複写機等において感光体表面からクリ
ーニング装置により除去されたトナーを回収する
サイクロンを使用したトナー回収装置において、
サイクロン内壁に付着したトナー等の付着物を自
動的に除去するサイクロン内壁付着物除去装置に
関する。

従来の技術 一般的にゼログラフイを利用した複写機におい
ては、一様に帯電した感光体を露光することによ
り形成した静電潜像を現像してトナー像とし、こ
のトナー像を用紙等の転写材に転写した後に定着
してハードコピーを得ている。転写後に感光体上
に残留した未転写トナーは、通常クリーニング装
置により除去される。代表的なクリーニング装置
としては、弾性体からなるブレードを感光体に当
接させたもの、回転駆動されるブラシで感光体か
ら残留トナーを強制的に除去するもの、現像装置
に用いられる磁気ブラシを兼用するもの等を挙げ
ることができる。

これらのクリーニング装置のうち、ブラシを用
いたブラシクリーニング装置は、トナーの除去効
率が良好であるのでベルト状感光体を用いた高速
複写機等に用いられており、感光体から除去され
たトナーは、通常ブロア等により吸引されてフイ
ルタバツク及び／又はサイクロン等を用いて構成
されるトナー回収装置に回収される。

サイクロンを用いて構成されるトナー回収装置
は、例えば第４図に示したような構成となつてい
る。感光ドラム１上には転写用紙にトナーを転写
した後に未転写トナーと称する残留トナーが付着
しているが、これをクリーニングブラシ２により
掻き落とす。クリーニングブラシ２は吸引ダクト
３に接続されており、吸引ダクト３の他端部には
ブロア４が設けられている。一方、吸引ダクト３
の中間部には、サイクロン５とサイクロンで分離
できなかつたトナーを吸収するフイルタ６が設け
られている。

サイクロン５の下部には、内部に羽根車７を有
するロータリバルブ８が設けられており、ロータ
リバルブ８の下部には穴９内に挿入され図面に垂
直な方向に伸長する図示しないオーガが設けられ
ている。

クリーニングブラシ２により感光体表面から強
制的に除去されたトナーは、空気と共にブロア４
によりサイクロン５内に渦巻き状に導かれ、質量
の大きなトナーのみが遠心力によりサイクロンの
内壁を伝わつてロータリバルブ８に導かれる。ロ
ータリバルブ８内に設けられた羽根車７は図示し
ない回転駆動手段により回転され、サイクロン５
内とロータリバルブ８の下部に設けられた穴９内
部とを密閉隔離すると共にトナーを図示矢印Ａ方
向に搬送する。穴９中に送られたトナーは図示し
ないオーガによりサイクロン内の負圧の影響を受
けずに所望の方向に搬送され回収容器に回収され
る。

考案が解決しようとする問題点 しかし上述したようなサイクロンを利用したト
ナー回収装置においては、サイクロン内壁に付着
したトナー、紙粉、クリーニングブラシの抜け毛
等を自動的に除去する装置が設置されておらず、
これらの付着物を放置したまま複写機を利用すれ
ば、サイクロン内壁の付着物は加速度的に増加し
続け、最終的にはサイクロン内閉塞を起こし、ブ
ロアのフイルタが目詰りしクリーニング不良が発
生する。よつてこれらの付着物を除去するため
に、サイクロンの定期的な清掃が必要不可欠であ
る。しかし、サイクロン内壁はサイクロン自体が
構造上閉鎖的であるため非常に清掃しずらく、ま
たサイクロンが回収系の中に組み込まれているた
めこれを単体として取出すのに多くの労力を要す
るという問題点があつた。

本考案はこのような事情に鑑みなされたもので
あり、その目的とするところは、簡単な構造でサ
イクロン内壁に付着したトナー、紙粉等の付着物
を自動的に除去するサイクロン内壁付着物除去装
置を提供することである。

問題点を解決するための手段 上述した従来技術の問題点を解決するために、
本考案は、静電潜像保持体上の残留トナーを清掃
する清掃手段に吸引ダクトの一端を接続し、その
他端を吸引手段に接続すると共に、吸引ダクトの
中間部に遠心分離作用により分離されたトナーを
集めるサイクロン及び該サイクロンにより分離さ
れたトナーを回収するトナー回収手段を設けたト
ナー回収装置において、下方に向かい先細状のサ
イクロン外壁に通常状態で当接するようにその重
心位置が支点に対して下方に位置する如くハンマ
ー手段を取付け、該ハンマー手段の下端部を周期
的に押動してハンマーをサイクロン外壁から引離
すハンマー押動手段を設けて構成し、該ハンマー
手段の周期的なハンマー作用によりサイクロン内
壁の付着物を除去することを特徴とするサイクロ
ン内壁付着物除去装置を提供する。

作 用 ブロア等の吸引手段を駆動することにより、清
掃手段により掻き落とされた残留トナーがダクト
内に吸引され、サイクロンの遠心分離作用により
重量の重いトナーのみが遠心力によりサイクロン
の内壁面を伝わつて落下し、トナー回収手段によ
り回収される。

この時本考案によれば、サイクロン外壁に通常
状態で当接するようにその重心位置が支点に対し
て下方に位置する如くハンマー手段を取付け、こ
のハンマー手段をハンマー押動手段により周期的
に押動してサイクロン外壁をハンマーにより叩く
ように構成したので、サイクロン内壁に付着した
トナー、紙粉、クリーニングブラシの抜け毛等の
付着物を自動的に除去することができる。

実施例 以下本考案の望ましい実施例につき図面に基づ
いて説明することにする。

第３図を参照すると本考案のサイクロン内壁付
着物除去装置の適用される複写機の一例が示され
ており、ベルト状感光体１０がテンシヨンロール
１１とドライブロール１２とストリツパロール１
３とに渡り巻回されている。ベルト状感光体１０
の回りには、一様帯電、露光、現像、転写、クリ
ーニングのための各装置が設けられており、これ
らの動作を説明すると、先ず矢印Ｂ方向に回転す
るベルト状感光体１０は、帯電コロトロン１４に
より一様に帯電され、その表面にはフラツシユ露
光系１５により静電潜像が形成される。この静電
潜像はトナーを含んだ現像剤を供給する現像装置
１６によりトナー像とされ、転写前コロトロン１
７により電荷を調整されて、転写コロトロン１８
により、インレツトシユート１９を経て送られて
くる用紙２０に転写される。転写を終了してベル
ト状感光体１０に吸着している用紙は、剥離コロ
トロン２１により剥離され、一対のローラ対間に
ベルトを巻回して成るプリフユーザートランスポ
ート２２に、図示しない吸引手段により担持され
て、図示しない定着装置を経てトレイ等に排出さ
れる。

一方、用紙が剥離された後のベルト状感光体１
０は、必要に応じて除電コロトロン２３により除
電され、その表面に残留するトナーをクリーニン
グ装置２４により除去されて再使用に供される。
クリーニング装置２４の内部にはベルト状感光体
１０を摺擦しながら回転するブラシ２５が設けら
れており、ブラシにより除去されたトナーは、図
示しないブロアーに吸引されて第４図に示すよう
なトナー回収装置に送られる。尚、２６はベルト
状感光体１０の内部から光を照射してベルト状感
光体を除電する除電ランプである。

次に第１図を参照すると、本考案に係るサイク
ロン内壁付着物除去装置の一実施例が示されてい
る。サイクロン５は下方に向かい先細りの形状を
しており、サイクロン外壁に通常状態で当接する
ようにその重心位置が支点３１に対して下方に位
置するハンマー３０が支点３１でブラケツト３２
に回動自在に取付けられている。ハンマー３０の
先端部にはサイクロン外壁に衝突したときその衝
撃をやわらげるようにゴム部材３３が固着されて
おり、ハンマーの柄３４の下端部にはハンマーの
重心を支点３１よりも下方にするための錘３５が
取付けられている。

３６はチエーンであり駆動スプロケツト３７、
スプロケツト３８、アイドラ３９、スプロケツト
４０に渡り巻回されている。スプロケツト３８の
回転軸４１には半月状のカム４２が取付けらてい
る。しかしカム４２の形状は本実施例において必
須なものではなく、ハンマー３０の錘３５を押動
できるものであればどんな形状であつても良い。

次に第２図を参照すると、スプロケツト４０の
回転軸４３にはギヤ４４が固着されており、この
ギヤ４４がギヤ４５に噛合つている。ギヤ４５の
回転軸４６にはウレタンゴム製の羽根車７が取付
けられている。またスプロケツト４０の回転軸４
３と一体的にオーガ４７が設けられている。

しかして、駆動スプロケツト３７を図示しない
駆動手段により回転駆動することにより、チエー
ン３６を介してスプロケツト４０が回転される。
スプロケツト４０の回転がギヤ４４，４５を介し
て羽根車７に伝達され、羽根車７が図示矢印方向
に回転されてサイクロン５内のトナーを下方に落
下させる。羽根車７の回転により落下されたトナ
ーはオーガ４７の回転により搬送されて図示しな
いトナー回収容器に回収される。

また駆動スプロケツト３７の回転は、チエーン
３６によりスプロケツト３８にも伝達され、この
スプロケツト３８を回転する。スプロケツト３８
が回転すると、その回転軸４１に固着された半月
状のカム４２も回転され、ハンマー３０の錘３５
を１回転で１度押動しハンマー３０をサイクロン
外壁から離れさせる。

前述したようにハンマー３０の重心位置は支点
３１よりも下方にくるように構成されているの
で、一旦サイクロン外壁から離れたハンマー３０
は、その錘３５がカム４２により押されなくなる
とその反動でサイクロン外壁に衝撃を与える。こ
の衝撃により、サイクロン内壁に付着したトナ
ー、紙粉、クリーニングブラシの抜け毛等の付着
物は容易に剥離され、サイクロン内壁面に堆積す
ることはない。またハンマー３０の先端部にゴム
部材３３が固着されているので、ハンマー３０が
サイクロン外壁に衝突するときの衝撃を緩和する
ことができる。

上述した本実施例の構成によれば、ハンマー３
０の支点の位置を変化させることにより衝撃強さ
を、スプロケツト３８の歯数を変化させることに
より衝撃回数を、それぞれ容易に変化させること
が可能である。

また本実施例の衝撃ハンマーをトナーボトルに
装着することにより、トナーのブロツキング防止
にも適用可能である。

考案の効果 本考案は以上詳述したように、下方に向い先細
状のサイクロン外壁に通常状態で当接するように
その重心位置が支点に対して下方に位置する如く
ハンマー手段を取付け、このハンマー手段の下端
部を周期的に押動してハンマーをサイクロン外壁
から引離すハンマー押動手段を設けて、サイクロ
ン内壁付着物除去装置を構成したので、ハンマー
手段の周期的なハンマー作用によりサイクロン内
壁のトナー等の付着物を自動的に除去することが
できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のサイクロン内壁付着物除去装
置の一実施例の概略構成図、第２図はサイクロン
の下部に設けられたロータリバルブ及びオーガの
配置を示す概略断面図、第３図は本考案のサイク
ロン内壁付着物除去装置が適用可能な複写機の一
例を示す概略構成図、第４図はサイクロンを利用
した従来のトナー回収装置の構成概略図である。 １……感光ドラム、２……クリーニングブラ
シ、３……吸引ダクト、４……ブロア、５……サ
イクロン、６……フイルタ、７……羽根車、８…
…ロータリバルブ、１０……ベルト状感光体、２
５……クリーニングブラシ、３０……ハンマー、
３１……支点、３５……錘、３６……チエーン、
３７……駆動スプロケツト、３８，４０……スプ
ロケツト、４２……カム、４７……オーガ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 静電潜像保持体上の残留トナーを清掃する清掃
   手段に吸引ダクトの一端を接続し、その他端を吸
   引手段に接続すると共に、吸引ダクトの中間部に
   遠心分離作用により分離されたトナーを集めるサ
   イクロン及び該サイクロンにより分離されたトナ
   ーを回収する羽根車及びオーガとを含んだトナー
   回収手段を設けたトナー回収装置において、 下方に向かい先細状のサイクロン外壁に通常状
   態で当接するようにその重心位置が支点に対して
   下方に位置する如くハンマー手段を取付け、該ハ
   ンマー手段の下端部を周期的に押動してハンマー
   をサイクロン外壁から引離すハンマー押動手段を
   設け、前記羽根車及びオーガを駆動する駆動手段
   により前記ハンマー押動手段を駆動するように構
   成し、該ハンマー手段の周期的なハンマー作用に
   よりサイクロン内壁の付着物を除去することを特
   徴とするサイクロン内壁付着物除去装置。