JPH0512571Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、燃焼時のバーナボデイの温度を所定
温度に低下させる強制送風式燃焼装置に関するも
のである。

［従来の技術］ 従来より、給湯器、風呂釜などの湯沸器には、
内部が燃焼室となつている燃焼ケースの内壁にプ
レートフインの両端が溶接して接触された熱交換
器が使用され、また湯沸器には通常熱交換器の下
方に固定金具で固定されたガスバーナが配されて
いる。従来、この湯沸器では前記固定金具が炎に
晒される恐れは少なく、このため耐熱、耐久性に
配慮する必要性は少なかつた。

［考案が解決しようとする問題点］ しかるに、近年、機器のコンパクト化のため送
風機により燃焼空気および燃料ガスをガスバーナ
に強制送風するものを用いて、高負荷燃焼を行う
湯沸器が要望されている。この場合、前記固定金
具は、通常燃焼室内に露出した部分を有し、高負
荷燃焼により伸長した炎の回り込みで前記露出部
分が炎に晒されて1500℃程度の高温となるため、
ステンレス鋼など耐熱金属を用いた場合でも充分
な耐久性が得られていない。

そこで、本出願人は、実願昭60−164961号にお
いて、ガスバーナを固定する固定金具を燃焼ケー
スの壁面に直接接触させて、熱が燃焼ケースを経
て熱交換器のプレートフインに速やかに伝達して
固定金具を低温に維持する強制送風式ガスバーナ
を用いた湯沸器を提案した。この湯沸器には、燃
焼ケースの上流がわに燃焼空気と燃料ガスとの混
合気を導入する導入口が設けられたバーナボデイ
を接続しているが、燃焼時にバーナボデイが過熱
されると熱膨張により混合気の導入が円滑に行わ
れないという不具合があつた。

さらに、そのバーナボデイにケーシングが接続
されている強制送風用のフアンは、モータの周囲
が過熱されてしまうので誤作動する可能性があ
る。このため、送風機の誤作動により燃焼空気の
吸引が停止したりして、酸素濃度が低下したとき
にガスバーナにおいて、不完全燃焼や炎の立消え
などによる一酸化炭素や生ガスが放出する可能性
があつた。

本考案は、燃焼時のバーナボデイの温度上昇を
防止して、燃焼空気と燃料ガスとの混合気の導入
を円滑に行うとともに、送風機の誤作動による一
酸化炭素や生ガスの放出を防止する強制送風式燃
焼装置の提供を目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、燃焼空気と燃料ガスとの混合気の燃
焼を行う燃焼板式ガスバーナと、 内部に、前記ガスバーナを固定金具を介して取
り付けた燃焼ケースと、 外周縁部の端面に、前記ガスバーナが載置さ
れ、且つ前記燃焼ケースが接続されるとともに、
前記混合気を前記ガスバーナに導入するバーナボ
デイと、 このバーナボデイに接続され、前記ガスバーナ
に強制的に送風を行う送風機と、 前記ガスバーナ、前記燃焼ケースおよび前記固
定金具と前記バーナボデイとの間にそれぞれ介在
した熱伝導度の小さい断熱材と を備えた技術手段を採用した。

また、前記バーナボデイは、外周縁部に、前記
燃焼ケースと第１の断熱材を介して接続する第１
の凸部、前記ガスバーナと第２の断熱材を介して
接続する第２の凸部、および前記固定金具と第２
の断熱材を介して接続する凹溝を有している。

さらに、前記送風機は、前記バーナボデイに直
接接続されたケーシング、このケーシング内に収
納されたフアン、およびこのフアンを駆動するモ
ータからなり、 前記ケーシングは、内部に電磁式安全弁を含む
ガス供給管のノズルが差し込まれている。

［作用］ 本考案は、ガスバーナ、燃焼ケースおよび固定
金具とバーナボデイとの間に断熱材が介在してお
り、直接ガスバーナ、燃焼ケースおよび固定金具
とバーナボデイとが接触していない。よつて、ガ
スバーナの燃焼時に、ガスバーナ、燃焼ケースお
よび固定金具とバーナボデイとの熱の伝導が低下
するため、燃焼時のバーナボデイの温度の上昇が
妨げられる。

このため、バーナボデイの熱膨張が抑えられる
ので燃焼空気と燃料ガスとの混合気の導入を円滑
に行える。さらに、バーナボデイに接続されてい
る送風機の周囲の温度が安全作動可能な温度まで
低下するので送風機の誤作動を防げる。

［実施例］ 本考案の強制送風式燃焼装置の一実施例を第１
図ないし第５図に基づき説明する。

第１図は強制送風式燃焼装置として適用された
強制送風式ガス湯沸器を示した図で、第２図はこ
の強制送風式ガス湯沸器の主要部を示した図であ
る。

（実施例の構成） この強制送風式ガス湯沸器１は、燃焼部２およ
び熱交換器３を具備する燃焼ケース４と、この燃
焼ケース４の下部にバーナボデイ５を介して接続
された遠心式送風機７と、この遠心式送風機７に
燃料ガスを供給するガス供給路８と、後記するガ
ス器具を制御する電子制御装置９とを備える。

燃焼部２は、燃焼ケース４に固定金具６を介し
て取付けられ、セラミツク製板体に表裏に貫通す
る多数の噴出孔が設けられたセラミツク製の燃焼
板式ガスバーナ２１を備えた燃焼室２２と、この
燃焼室２２の上部に取付けられ、ガスバーナ２１
で燃焼した燃焼ガスの排気を行う排気口２３を形
成した排気パン２４とからなる。

熱交換器３は、熱交換率を高くするプレートフ
イン群３１と給水管３２と給湯管３３とからな
り、バーナ２１と排気口２３の間に配置されて給
水管３２の上流から送られてくる水を燃焼室２２
内の排気ガスと熱交換してお湯として給湯管３３
より流出する。

燃焼ケース４は、第３図に示したように、矩形
の筒形状を呈し、上端４１および下端４２が開口
している。上端４１および下端４２には、外周に
フランジ部４１ａ，４２ａが周設されている。

そして、上端４１のフランジ部４１ａには、ね
じ穴４３が形成されている。下端４２のフランジ
部４２ａには、ねじ穴４４が形成され、フランジ
部４２ａの垂下部４２ｂの後壁４２ｃには、ねじ
穴（第３図ではねじ４５ａに隠れて見えない）が
形成されている。

このねじ穴を設けた凹所４５は、後壁４２ｃの
他の部分より凹んでおり、この凹所４５の内壁面
のみバーナボデイ５に接触する。

また、排気パン２４の下端２５には、燃焼ケー
ス４の上端４１のフランジ部４１ａに対応してフ
ランジ部２５ａが周設されている。

燃焼ケース４のフランジ部４１ａと排気パン２
４のフランジ部２５ａとは、Ｌ字状に２分割さ
れ、ねじ穴２７ａ，２８ａを形成するとともに、
ガスケツトを兼ねた断熱板２７，２８を介して重
ね合わされ、ねじにより締結されている。

燃焼ケース４の後壁４６には、本体ケース４７
の後壁４７ａへ燃焼ケース４を取付けるためのね
じ穴４８付金具４９が設けられている。

バーナボデイ５は、第４図に示したように、矩
形状を呈し、アルミダイカストで一体成型され、
底５０の中央に混合気の導入口５１を形成し、上
部は開口している。バーナボデイ５は、底５０か
ら整流板２９を保持する段５２を介して外周縁部
５３に第１の凸部５４および第２の凸部５５に囲
まれた凹溝５６を形成している。第１の凸部５４
の上端５７および凹溝５６の半円状凹所５６ａに
は、ねじ穴５８および５９が形成されている。

また、外周縁部５３の側壁にもねじ穴６０が形
成されている。第１の凸部５４の上端５７と燃焼
ケース４の下端４２のフランジ部４２ａとは、Ｌ
字状に２分割され、ねじ穴１１ａ，１２ａを形成
するとともに、ガスケツトを兼ねた第１の断熱板
１１，１２を介して重ね合わされ、ねじにより締
結されている。

さらに燃焼ケース４の垂下部４２ｂとバーナボ
デイ５とは所定の間隔を置いて配設されている。
また第２の凸部５５とガスバーナ２１およびこの
ガスバーナ２１の外周縁２１ａおよび外周側面２
１ｂを外嵌したセラミツク製耐火枠６１の下端６
１ａとは、Ｌ字状に２分割された第２の断熱板１
３，１４を介して重ね合されている。

固定金具６は、燃焼ケース４の内周壁面に直接
接触して配設され、第５図に示したように、ステ
ンレス鋼の板金により成型され、矩形の枠状金具
であり、耐火枠６１を上端６２のフランジ部６２
ａおよび側壁６３により保持するものである。固
定金具６の下端６４は、フランジ部６４ａを形成
しており、このフランジ部６４ａの半円状突出部
６５ａにねじ穴６５を形成している。

フランジ部６４ａは、バーナボデイ５の凹溝５
６内にこの凹溝５６の両サイドの壁面に接触しな
いように嵌め込まれ、Ｌ字状に２分割され、ねじ
穴１５ａ，１６ａを形成するとともに、ガスケツ
トを兼ねた第３の断熱材１５，１６を介して重ね
合わされ、ねじにより締結されている。

半円状突出部６５ａは、バーナボデイ５の凹溝
５６の凹所５６ａに嵌まるものであり、固定金具
６の内周面および外周面とバーナボデイ５との間
に所定の間隙を有して接触しないように位置決め
をするものである。

ここで、耐火枠６１は、ガスバーナ２１と一体
で形成されていても良いが、耐熱衝撃性向上のた
め本実施例のごとく別体で形成することが望まし
い。

第１〜第３の断熱板１１〜１６および断熱板２
７，２８は、それぞれ２枚ずつ重ねられ、断熱板
間に強度を持たせるために補強材としてアルミ箔
を配している。

また、第１〜第３の断熱板１１〜１６および断
熱板２７，２８は、耐火性に秀れ、比較的熱伝導
度の小さい材料が良く、本実施例では、フオーム
グラス（熱伝導度：0.056kcal／ｍ・ｈ・deg）ま
たはグラスフアイバー（熱伝導度：0.036kcal／
ｍ・ｈ・deg）が用いられている。

遠心式送風機７は、筒形状を呈するシロツコ式
フアン７１と、このフアン７１を収納するととも
に、吸入口７２が開口したスクロールケーシング
７３と、フアン７１を駆動するモータ（図示せ
ず）とからなる。

ガス供給路８は、スクロールケーシング７３と
ともに一体成型され、燃料ガスの吐出を行うガス
噴出ノズル８１と、このガス噴出ノズル８１に燃
料ガスの供給を行うガス供給配管８２と、ガス制
御ユニツト８３とからなる。

ガス制御ユニツト８３は、ガス噴出ノズル８１
とガス供給配管８２との間に設けられ、通電、非
通電により開閉する電磁式安全弁８４と、この安
全弁８４の下流側に設けられ、ガス流量の調節を
行うガバナ弁（図示せず）、およびこのガバナ弁
の下流側に設けられ、通電量に応じて開口比が可
変する電磁式比例制御弁８５とを備えている。

ガス噴出ノズル８１の他端部には、燃料ガスの
供給圧および流量調節のためのオリフイス８６が
取付けられている。

電子制御装置９は、ガス湯沸器１が使用された
時ONする起動スイツチ（図示せず）、使用者に
より操作され、給湯管３３より流出する水温の設
定を行う温度調節用ボリユーム（図示せず）、ガ
スバーナ２１の炎の酸素供給状態を検出するサー
モカツプル９１等の入力に応じて、点火時にガス
バーナ２１の燃焼面で火花を飛ばすスパーク電極
９２、遠心式送風機７のモータ、およびガス制御
ユニツト８３等の通電、非通電の制御を行う。

（実施例の作用） 本実施例のガス湯沸器１の室温25℃においての
作用を第１図ないし第５図に基づき説明する。

ガス湯沸器１は、起動スイツチがONされると
遠心式送風機７のフアン７１が回転し、スクロー
ルケーシング７３の吸入口７２より燃焼空気をガ
スバーナ２１に供給する。

そして、電子制御装置９は、ガス制御ユニツト
８３の安全弁８４および比例制御弁８５に出力し
て、安全弁８４および比例制御弁８５を開弁す
る。このため、燃料ガスがスクロールケーシング
７３内に吸引され、燃料空気と混合する。そし
て、混合気は、バーナボデイ５の導入口５１を通
過して、スパーク電極９２が火花放電を発生する
と、速やかに着火されガスバーナ２１で燃焼す
る。

このとき、燃焼による炎の回り込みにより固定
金具６の露出部分（上端６２のフランジ部６２
ａ）は、炎に晒され、耐火枠６１の内周面も赤熱
する。そして、固定金具６の側壁６３および下端
６４のフランジ部６４ａは400℃となつている。

固定金具６の側壁６３と接している燃焼ケース
４は、（固定金具６→燃焼ケース４→プレートフ
イン群３１→熱交換器３の給水管３２および給湯
管３３の順で）熱がスムーズに伝達されるので最
高150℃となる。

これらの燃焼ケース４、固定金具６、ガスバー
ナ２１の外周縁２１ａおよび耐火枠６１と、バー
ナボデイ５の第１の凸部５４、第２の凸部５５、
凹溝５６とは、それぞれ第１〜第３の断熱板１１
〜１６を介して取付けられている。

このため、従来のように直接燃焼ケース４、固
定金具６、ガスバーナ２１の外周縁２１ａおよび
耐火枠６１と、バーナボデイ５とを取付けている
ものではバーナボデイが110℃となつていたもの
が、第１〜第３の断熱板１１〜１６を両者間に介
在させている本考案のバーナボデイ５では所定温
度（80℃〜85℃）に低下させることができるため
に燃焼空気と燃料ガスとの混合気の導入を円滑に
行うことが可能となつた。

このバーナボデイ５の温度（80℃〜85℃）は、
燃焼空気をガスバーナ２１に送風するフアン７１
のモータと、電磁式安全弁８４、電磁式比例制御
弁８５を具備したガス供給管８に連結したガス噴
出ノズル８１とが設けられているスクロールケー
シング７３の温度（従来のスクロールケーシング
では70℃となつていた）を55℃の低温に低下させ
ることが可能となつた。

したがつて、フアン７１のモータ、電磁式安全
弁８４、電磁式比例制御弁８５を正確に作動させ
る55℃（従来のフアンのモータや電磁弁が65℃と
なつていた）となり、フアン７１のモータ、電磁
式安全弁８４、電磁式比例制御弁８５の誤作動に
より燃焼空気の吸引が停止したり、燃料ガスの供
給が停止または過剰となつて、酸素濃度またはガ
ス濃度が低下したときにガスバーナ２１におい
て、不完全燃焼や炎の立消えなどによる一酸化炭
素や生ガスの放出する危険を正確に回避できる。

（変形例） 本実施例では、断熱材に板体を適用したがそれ
以外の形状のものでも良く、材質も本実施例に限
定されない。

本実施例では本考案の強制送風式燃焼装置を燃
焼板式ガスバーナを用いたガス湯沸器に適用した
が、ガス湯沸器だけでなく本考案の強制送風式燃
焼装置をガス燃焼式暖房装置に適用しても良い。

本実施例ではバーナボデイとスクロールケーシ
ングが別体のものを用いたが一体成型されたバー
ナボデイであつても良い。

［考案の効果］ 燃焼時のバーナボデイの温度上昇を抑えること
ができるので、バーナボデイの熱膨張を抑制でき
るため、燃焼空気と燃料ガスとの混合気の導入を
円滑に行うことができる。

また、燃料時のバーナボデイの温度上昇を抑え
ることができるので、送風機の周囲の温度が送風
機を安全に作動させる温度となるため、送風機の
誤作動によるガスバーナからの一酸化炭素や生ガ
スの放出を回避できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本考案の強制送風式燃焼
装置の一実施例を示す。第１図は強制送風式ガス
湯沸器を示した断面図、第２図は強制送風式ガス
湯沸器の主要部を示した断面図、第３図は燃焼ケ
ースを示した斜視図、第４図はバーナボデイおよ
び第１〜第３の断熱材を示した斜視図、第５図は
固定金具および第３の断熱材を示した斜視図であ
る。 図中、１……強制送風式ガス湯沸器（強制送風
式燃焼装置）、４……燃焼ケース、５……バーナ
ボデイ、６……固定金具、７……遠心式送風機、
８……ガス供給路、１１，１２……第１の断熱
板、１３，１４……第２の断熱板、１５，１６…
…第３の断熱板、２１……燃焼板式ガスバーナ、
５４……第１の凸部、５５……第２の凸部、５６
……凹溝、７１……シロツコ式フアン、７３……
スクロールケーシング、８４……電磁式安全弁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ (a) 燃焼空気と燃料ガスとの混合気の燃焼を
   行う燃焼板式ガスバーナと、 (b) 内部に、前記ガスバーナを固定金具を介し
   て取り付けた燃焼ケースと、 (c) 外周縁部の端面に、前記ガスバーナが載置
   され、且つ前記燃焼ケースが接続されるとと
   もに、 前記混合気を前記ガスバーナに導入するバ
   ーナボデイと、 (d) このバーナボデイに接続され、前記ガスバ
   ーナに強制的に送風を行う送風機と、 (e) 前記ガスバーナ、前記燃焼ケースおよび前
   記固定金具と前記バーナボデイとの間にそれ
   ぞれ介在した熱伝導度の小さい断熱材と を備えた強制送風式燃焼装置。 ２ 前記バーナボデイは、外周縁部に、前記燃焼
   ケースと第１の断熱材を介して接続する第１の
   凸部、前記ガスバーナと第２の断熱材を介して
   接続する第２の凸部、および前記固定金具と第
   ２の断熱材を介して接続する凹溝を有すること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に
   記載の強制送風式燃焼装置。 ３ 前記送風機は、前記バーナボデイに直接接続
   されたケーシング、このケーシング内に収納さ
   れたフアン、およびこのフアンを駆動するモー
   タからなり、 前記ケーシングは、内部に電磁式安全弁を含
   むガス供給管のノズルが差し込まれていること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に
   記載の強制送風式燃焼装置。