JPS6350579Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ブラス式メインバーナを装備したレ
ンジや温水発生器等の各種ガス燃焼装置に関す
る。

〔従来の技術〕

従来、上記ガス燃焼装置において、パイロツト
バーナを装備するに、第３図に示すように、ブラ
スト式メインバーナ３を内装した燃焼室２内にブ
ンゼン式パイロツトバーナ４を内装し、そのパイ
ロツトバーナ４に対する燃焼用空気を、燃焼室形
成壁に形成した外部連通口１６′から自然流入に
より取入れるように構成したり、あるいは、第４
図に示すように、ブラスト式メインバーナ３と共
に燃焼室２に内装するパイロツトバーナ４′その
ものにブラスト式バーナを採用し、そのブラスト
式パイロツトバーナ４′を、メインバーナ３に対
する燃焼用加圧空気供給用ブロワー６に対して分
岐接続する状態でミキサー７′に接続するものが
考えられていた。

尚、９は、ガス燃料供給管路、 ７は主ミキサー、 及び、１５は、燃焼排ガス路である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上述従来技術のうち前者のもの
にあつては、例えば図に示す如きレンジで五徳５
上にナベＡ等が載置された場合、あるいは、他の
ガス燃焼装置で燃焼室２が本来的に密閉型の場
合、メインバーナ３の燃焼に起因した燃焼室２の
内圧上昇のために、外部連通口１６′からの自然
空気流入が阻害されて燃焼室２内が酸欠状態とな
り、そのために、ブンゼン式パイロツトバーナ４
の燃焼が不安定となる問題があり、殊に、メイン
バーナ３がブライト式であるために熱効率向上の
観点から燃焼排ガス路１５、及び、外部連通口１
６′が特に小開口面積に形成されるということが、
上述問題を一層顕著なものにしていた。

又、従来技術のうち後者のものにあつては、燃
焼室２が密閉状となつてもブロワー６からの燃焼
用空気加圧供給でブラスト式パイロツトバーナ
４′の燃焼は良好に維持されるものの、パイロツ
トバーナ４′にブラスト式を採用したがために、
メインバーナ消火時においてもブロワー６を継続
駆動しなければパイロツトバーナ４′の安定燃焼
を維持することができず、そのために、ブロワー
６に対する電力消費が大となつて運転経費が増大
する問題があり、更には、ブラスト式パイロツト
バーナ４′そのものが特殊バーナであるために制
作面、及び、コスト面でも不利となる欠点があつ
た。

以上、ブラスト式メインバーナを装備した各種
ガス燃焼装置へのパイロツトバーナ装備に未だ
種々の問題があることから、現在一般的には、メ
インバーナにダイレクト直火する形式のものが多
く採用されており、メインバーナに対するダイレ
クト直火の危険性や、非加熱運転時にガス入力を
最小に絞つてメインバーナを、パイロツトバーナ
の代用として継続燃焼作動させるような使用形態
に起因した燃料浪費等、根本的な問題が未だ解決
されていないのが実情であつた。

本考案の目的は、上述実情に鑑みて、合理的な
バイロツトバーナ装備により、ブンゼン式のパイ
ロツトバーナを、ブラスト式メインバーナの燃焼
作動ないし作動停止にかかわらず常に良好に継続
燃焼作動させられるようにする点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案によるガス燃焼装置の特徴構成は、ブラ
スト式メインバーナを内装した燃焼室内と外部空
間とを連通する通気管路を、その燃焼室内側開口
が前記メインバーナ近くに位置するように設け、
ブンゼン式パイロツトバーナを、その燃焼一次空
気口が前記通気管路内に位置し、かつ、バーナ炎
口が前記通気管路の燃焼室内側開口近くに位置す
るように配設し、前記通気管路に対して外部空間
側から燃焼用空気を吹き込むノズルを、前記メイ
ンバーナに対する燃焼用加圧空気供給装置に接続
してあることにあり、その作用・効果は次の通り
である。

〔作用〕

つまり、ブラスト式メインバーナの燃焼作動状
態においては、その燃焼作動に伴ない必然的に継
続駆動される燃焼用加圧空気供給装置（ブロワ
ー）を有効利用して、その加圧空気供給装置から
の新鮮空気の一部をノズルを介して通気管路内に
強制的に吹き込むことにより、ブラスト式メイン
バーナの燃焼作動に起因した密閉燃焼室の内圧上
昇にかかわらずブンゼン式パイロツトバーナの周
りに十分な燃焼用新鮮空気を供給でき、それによ
つて、メインバーナ燃焼作動時におけるパイロツ
トバーナの安定的なブンゼン燃焼を維持すること
ができる。

又、メインバーナの燃焼作動停止状態において
は、ブラスト式メインバーナの燃焼作動に起因し
た密閉燃焼室の内圧上昇が無いことから、加圧空
気供給装置の駆動を停止してノズルから通気管路
内への空気吹き込みを停止しても、通気管路を介
して外部空間から新鮮空気を円滑に自然導入させ
ることができ、それによつて、上述メインバーナ
燃焼作動状態の場合と同等に、ブンゼン式パイロ
ツトバーナの周りに十分な燃焼用新鮮空気を供給
できて、メインバーナ燃焼作動停止時におけるパ
イロツトバーナの安定的なブンゼン燃焼をも維持
することができる。

〔考案の効果〕

上述の結果、次の如き効果を奏し得る。

(i) パイロツトバーナを、常に良好な燃焼を維持
できる状態で装備し得たことにより、メインバ
ーナにダイレクト着火することの危険性を回避
できて、安全性を大巾に向上でき、又、パイロ
ツトバーナの代用としてメインバーナを小イン
プツトで継続燃焼作動させるという使用形態を
回避して、燃料消費量を大巾に節減できるよう
になつた。

(ii) パイロツトバーナに一般的なブンゼン式バー
ナを適用するから、製作が容易で、又、コスト
面においても有利である。

(iii) メインバーナの燃焼作動停止に伴ない加圧空
気供給装置を停止できるから、その加圧空気供
給装置に対する電力浪費を回避でき、上述燃料
消費量の節減と相埃つて、運転コストを大巾に
低減できた。

(iv) ブンゼン式パイロツトバーナに対してのみ空
気を集中供給するような通気管路構成であるか
ら、ブラスト式メインバーナに対する燃焼室の
密閉度を高めることができ、それによつて、ガ
ス燃焼装置の熱効率を高めることができると共
に、レンジ等の場合には、五徳に載置したナベ
等に対する保温性を向上できた。

(v) 又、パイロツトバーナが外部連通管路内に位
置することとなるから、上方から落下するゴ
ミ、屑、液等があつても、それらがパイロツト
バーナに直接的に接触することを回避でき、従
前においてしばしば問題となつていた落下物に
よるパイロツトバーナ炎口やガスノズル部の語
りを効果的に回避できるようになつた。

〔実施例〕

次に実施例を第１図及び第２図に基づいて説明
する。

上部開放型ケーシング１により形成される燃焼
室２内に、ブラスト式メインバーナ３、及び、パ
イロツトバーナ４を内装すると共に、前記燃焼室
形成用ケーシング１の上部に中華ナベＡ載置用五
徳５を設け、もつて、中華レンジを構成してあ
る。

図中６は、燃焼用加圧空気を供給するブロワ
ー、 ７は、ブロワー６から空気管路８を介して供給
される加圧空気と燃料ガス供給路９から供給され
るガス燃料とを所定比で混合してメインバーナ３
に供給するミキサー１０，１１，１２，１３、及
び、１４は、空気量調節コツク、電磁式メインガ
ス弁、ガスガバナー、元コツク、及び、オリフイ
ス、 １５は、五徳５に形成された排ガス路である。

又、前記ブロワー６は、メインバーナ３に対す
る着火及び点火操作により、電磁式メインガス弁
１１の開閉と連動して発停されるように構成され
ている。

前記パイロツトバーナ４装備するに、燃焼室２
内と外部空間とを連通する通気管路１６を、その
燃焼室内側開口がメインバーナ３近くに位置する
ように設け、ブンゼン式バーナで構成したパイロ
ツトバーナ４を、その燃焼一次空気吸入口４ａが
通気管路１６内に位置し、かつ、パイロツトバー
ナ４の炎口部４ｂが通気管路１６の燃焼室内側開
口近くでメインバーナ３の炎口部に臨むように配
設してある。

そして、通気管路１６の外部空間側開口部に、
その通気管路１６に対して空気を吹き込むノズル
１７を設けると共に、そのノズル１７を、前記空
気量調節コツク１０よりも下流側で前記空気管路
８に分岐接続してある。

つまり、メインバーナ３の燃焼作動状態におい
ては、その燃焼作動に伴ない駆動されるブロワー
６を有効利用して、そのブロワー６から新鮮空気
の一部をノズル１７で通気管路１６内に強制的に
吹き込むことにより、中華ナベＡの載置で密閉状
となつた燃焼室２の内圧がブラスト式メインバー
ナ３の燃焼作動に伴ない上昇したとしても、その
内圧上昇にかかわらずブンゼン式パイロツトバー
ナ４に十分な燃焼用新鮮空気を供給できるよう
に、又、メインバーナ３の燃焼作動停止時におい
ては、ブロワー６による燃焼用加圧空気供給が停
止されるが、メインバーナ３の燃焼作動に起因し
た密閉燃焼室２の内圧上昇が無いことから、通気
管路１６の外部空間連通による外部空間からの自
然空気流入でブンゼン式パイロツトバーナ４に十
分な燃焼用新鮮空気を供給できるように構成して
あり、それらのことによつてブラスト式メインバ
ーナ３の燃焼作動、ないし、作動停止にかかわら
ず、パイロツトバーナ４を常に安定的にブンゼン
燃焼させることができるようにしてある。

一方、パイロツトバーナ４に対する点火用スパ
ークロツド１８、及び、安全機構の一構成部品と
してパイロツトバーナ４の燃焼状態が適切である
か否かを検出する熱電対ロツド１９の夫々を前記
通気管路１６に内装し、その通気管路１６の管壁
を煮こぼれ物に対するガードに兼用利用する状態
で、前記各ロツド１８，１９に対する煮こぼれ物
付着を防止するようにしてある。

〔別実施例〕

燃焼室２内と外部空間とを連通する通気管路１
６の具体的管路構成は種々の改良変更が可能であ
る。

外部空間側から通気管路１６に空気を吹き込む
ノズル１７を、ブラスト式メインバーナ３に対す
る燃焼用加圧空気供給装置（ブロワー）６に接続
するに、前述実施例の如く空気量調節コツク１０
の下流側で空気管路８に分岐接続するのが好適で
あるが、具体的接続箇所は種々変更が可能であ
る。

本考案は、ブラスト式メインバーナを装備した
レンジや、温水発生器、あるいは、暖房機や加熱
炉等、各種のガス燃焼装置を対象とするものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の実施例を示し、第
１図は、レンジの概略全体構造を示す図、第２図
は、パイロツトバーナの組付状態を示す拡大図で
ある。第３図、及び第４図は、夫々従来構成を示
す全体概略図である。 ２……燃焼室、３……メインバーナ、４……パ
イロツトバーナ、４ａ……燃焼一次空気口、４ｂ
……バーナ炎口、６……燃焼用加圧空気供給装
置、１６……通気管路、１７……ノズル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブラスト式メインバーナ３を内装した燃焼室２
   内と外部空間とを連通する通気管路１６を、その
   燃焼室内側開口が前記メインバーナ３近くに位置
   するように設け、ブンゼン式パイロツトバーナ４
   を、その燃焼一次空気口４ａが前記通気管路１６
   内に位置し、かつ、バーナ炎口４ｂが前記通気管
   路１６の燃焼室内側開口近くに位置するように配
   設し、前記通気管路１６に対して外部空間側から
   燃焼用空気を吹き込むノズル１７を、前記メイン
   バーナ３に対する燃焼用加圧空気供給装置６に接
   続してあるガス燃焼装置。