JPS6314180Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はセラミツク板の小孔で燃焼させる石
油ガス化バーナに関するものである。

〔従来の技術〕

セラミツク板に無数の小孔をあけ、該小孔で可
燃ガスを燃焼するバーナはセラミツク板全面が赤
熱して多量の熱線を放射するものであり、暖房器
に適したバーナとして実開昭53−77436号他多数
の公知例がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕 この種のバーナの燃焼量を増加する手段はセラ
ミツク板の燃焼面積を大にする必要があり、多孔
セラミツク板の表面積を大にしたものはセラミツ
ク板を取付ける混合室が大形となるから、気化皿
が石油の気化に適する温度となつて石油を気化す
ると、気化皿内では可燃ガスを発生させることが
できても該可燃ガスは混合室の壁面で結露するも
のであり、特にこの考案の実施例のように混合室
が大形になると結露する石油の量が多くなり、可
燃ガスがセラミツクバーナの小孔を出る時には燃
焼空気に含まれる可燃ガスの量が少なくなり点火
不能のトラブルを起す恐れがある。一般にこの種
のトラブルの対策は気化皿と同様混合室に予熱ヒ
ータを取付けて加熱する方法がとられるが、セラ
ミツク板を取付けた混合室は大形であり、混合室
全体を予熱することは極めて困難であつた。

〔問題点を解決する為の手段〕

この考案は簡単な構成で混合室の予熱を可能と
するもので、１は加熱ヒータ、２は加熱ヒータを
取付けた気化皿、３は気化皿２の上方に位置した
混合室であり、底面に気化皿２との接続口１３を
設けている。４は混合室３の前面に取付けた多孔
セラミツク板、５はセラミツク板４にあけた無数
の小孔である。

６は気化皿２に接続する燃焼空気流路、１０は
燃焼空気流路６の端に取付けた送風機、７は燃焼
空気流路６の途中に取付けた空気予熱ヒータであ
り、該空気予熱ヒータ７は燃焼空気が通過する多
数の透孔があけられ、かつ正特性可変抵抗素子で
形成してある。

１４は混合室３底板の接続口１３と多孔セラミ
ツク板４との間の混合室３底板から混合室３上面
板にのぞませた整流板であり、気化皿２から送ら
れた可燃ガスは整流板１４と混合室３背板との間
に拡散し、整流板１４の上端と混合室３上面板と
の間隙から均質なガス濃度となつてセラミツク板
４全体に供給している。

８は整流板１４に取付けた従来形のシーズヒー
タからなる混合室予熱ヒータであり、該混合室予
熱ヒータ８は正特性可変抵抗素子からなる空気予
熱ヒータ７と直列接続され、かつ両予熱ヒータ
７・８に通電する予熱操作時は送風機１０にも通
電する。

９は気化皿２へ燃料を供給する油パイプ、１１
は多孔セラミツク板４をのぞませた燃焼室、１２
は多孔セラミツク板４と対向する燃焼室１１壁に
形成した熱線透過窓である。

〔作用の説明〕

この考案は以上の如き構成であるから点火操作
時は気化皿２の加熱ヒータ１に通電し、空気予熱
ヒータ７と混合室予熱ヒータ８に通電し、送風機
１０に通電するものである。そして加熱ヒータ１
は気化皿２を集中して加熱し、送風機１０は燃焼
空気流路６に空気を供給して空気予熱ヒータ７に
よつて加熱した空気を気化皿２と混合室３に送
り、混合室３は高温空気と混合室予熱ヒータ８に
よつて加熱する。

加熱ヒータ１によつて気化皿２が石油の気化に
適する温度になつた時は燃焼空気流路６や混合室
３の温度も上昇しており、油パイプ９から気化皿
２内に燃料を供給すると燃料は気化し、かつ高温
の燃焼空気と混合して可燃ガスを作り、混合室３
を経て多孔セラミツク板４の小孔から噴出する。
そして図示せざる点火装置によつて可燃ガスに着
火するとセラミツク板４の小孔５で燃焼を開始
し、セラミツク板４全面が赤熱して多量の熱線を
放出する。

ところでこの考案は燃焼空気流路６に正特性可
変抵抗素子からなる空気予熱ヒータ７を取付け、
送風機１０に通電することによつて高温空気を得
ており、該高温空気によつて混合室３を予熱する
から、空気が通過する部分はすべて加熱され、局
部的な低温部はできなくなつた。

また混合室予熱ヒータ８は混合室３壁に取付け
るのではなく混合室３内に設けた整流板１４に取
付けたから、混合室予熱ヒータ８からの放熱はす
べて混合室３内に行なわれ、混合室３を効果的に
予熱している。

更に正特性可変抵抗素子で構成する空気予熱ヒ
ータ７と従来形のヒータで構成した混合室予熱ヒ
ータ８とを直列接続したから、予熱中に周囲温度
が異常に高温となると正特性可変抵抗素子からな
る空気予熱ヒータ７は通電量を減少して発熱を減
少すると共に、直列接続した混合室予熱ヒータ８
も通電量を減少するから安全性が高まる。一方正
特性可変抵抗素子による予熱ヒータ７は低温の時
に大電流を流すものであり、使用する電気（電
子）部品は大電流用のものが必要となるが従来形
ヒータである混合室予熱ヒータ８と直列接続した
から、点火操作時大電流が流れなくなつた。

〔効果の説明〕

以上の様に混合室３の予熱ヒータ８は混合室３
壁に取付けられておらず、混合室３内に取付けた
から混合室３を局部的に異常加熱する恐れがな
く、また発生した熱エネルギーがそのまま周囲に
放熱されることもなく効率よく加熱されるように
なつた。

また燃焼空気流路６の空気予熱ヒータ７と混合
室３内に取付した混合室予熱ヒータ８によつて、
燃焼空気供給路６から混合室３の多孔セラミツク
板４に至る流路を予熱しており、各ヒータ７・
１・８は分散して取付けられて各部の温度分布が
均一化しており、気化皿２で得られた可燃ガスが
混合室３壁で結露して点火不能のトラブルを発生
するようなことはなくなり、確実な点火が可能と
なつたものである。

また気化皿２以外の燃焼空気流路６や混合室３
を加熱することは望ましいことではなく異常加熱
の為の対策が必要であるが、空気予熱ヒータ７に
自己温度制御機能を有する正特性可変抵抗素子で
形成し、かつ空気予熱ヒータ７と混合室予熱ヒー
タ８とを直列接続して混合室３の予熱も間接的に
温度制御可能となり異常加熱が起きなくなつたも
のである。

更に正特性可変抵抗素子で形成した空気予熱ヒ
ータ７と混合室予熱ヒータ８とを直列接続したか
ら、点火時空気予熱ヒータ７へ流れる電流は混合
室予熱ヒータ８の通電量によつて規制されるか
ら、点火操作時無制限の大電流が流れるようなこ
とがなく、点火スイツチなどの操作スイツチ類、
リレー・電子部品・配線類などは小電流用の安価
なものが使用できるようになり、実用性能が向上
したものである。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案品の断面図である。 １……加熱ヒータ、２……気化皿、３……混合
室、４……セラミツク板、５……小孔、６……燃
焼空気流路、７……空気予熱ヒータ、８……混合
室予熱ヒータ、９……油パイプ、１０……送風
機、１３……接続口、１４……整流板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱ヒータ１を取付けた気化皿２の上方に混合
   室３を設け、該混合室３の前面に多孔セラミツク
   板４を取付け、燃焼空気と石油とを気化皿２に供
   給し、得られた可燃ガスをセラミツク板４の小孔
   ５にて燃焼する石油ガス化バーナに於て、気化皿
   ２と送風機１０とを接続する燃焼室気流路６に正
   特性可変抵抗素子で構成しかつ多数の透孔をあけ
   た空気予熱ヒータ７を取付け、かつ混合室３底板
   に気化皿２に連通する接続口１３を設け、該接続
   口１３とセラミツク板４との間の混合室３底板か
   ら混合室３の上面板にのぞませて整流板１４を取
   付け、該整流板１４に混合室予熱ヒータ８を取付
   け、該空気予熱ヒータ７と混合室予熱ヒータ８と
   を直列接続し、予熱操作時送風機１０に通電する
   ことを特徴とする石油ガス化バーナ。