JP3564695B2 - 温風暖房器の置台構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は温風暖房器の枠体内の温度を低下して、床面の温度を低温度に維持できる置台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の温風暖房器は枠体の大きさを小さくしながら大きな発熱量が得られるものが好まれる傾向で、小形のファンヒータと呼ばれる暖房器が多くなってきた。このファンヒータと呼ばれる暖房器は枠体内に空気流路があり、この流路を室内空気が通過する時に暖められて温風となり、空気流路の出口である温風吹出口から室内に温風として吹出すものである。
【0003】
そして、小形の電気ストーブのように、熱源の全体が空気流路の中に収納されるものを除いて、大型の発熱体を持つ電気温風機や、ガスや石油のバーナを持つものでは、熱源の多くが枠体内に位置しており、熱源からの放熱で枠体内が高温になりやすいものである。この温度上昇の影響は枠体の形状をコンパクトにする程大きく現われるから、発熱量に見合った大きさの枠体によって製品化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、最近の商品の小形化の要求は温風暖房器にもあり、この要求に答える形で遮熱板などを多用して温風暖房器の枠体が小さくなってきたが、内部構造は複雑になり、製造コストが上がる傾向にあった。更に、実質的には熱に対して余裕のない設計であるから、周囲の温度条件の変動や、熱源にバーナを用いるものでは燃焼バランスが少し変化しただけで床面の温度上昇が起こり、気付かない内にフローリング床を焦げ付かせてしまうことがあり、枠体内や床の温度を低下する構造が必要になってきた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記課題を解決するもので、暖房器の枠体1内を貫通する空気流路2を設け、該空気流路2の入口側に室内空気を空気流路2へ吹込む対流ファン3を設け、かつ、空気流路2の出口側に温風吹出口4を設け、前記暖房器の枠体1の下端は周縁が床面に接触すると共に、その他の部分が床面と所定間隔を維持する置台5の上に取付けられており、前記枠体1内には熱量を空気流路2に供給する熱源6を取付けた温風暖房器において、前記熱源6は置台5の上に取付けたバーナ6aと上部が空気流路2内へ届く燃焼室6bとで構成し、該空気流路2は出口側の上板を温風吹出口4に向けて傾斜すると共に、空気流路2の底板にはバーナ6aもしくは燃焼室6bとの間の隙間で空気流出部7を形成し、前記バーナ6aの取付部付近の置台5には枠体1内から置台5と床面との間隔へ向かう流路が形成される開口8を設け、該置台5の周縁の一部には床面と接触しない隙間9を形成したものである。
【0006】
また、このような構成によって対流ファン3によって空気流路2に送られた風が、空気流出部7からバーナ側壁部を経て置台5の開口8から該置台5と床面との間隔に入り、置台5の周縁の隙間9から流出するようになったから、燃焼室6bとの隙間で形成する空気流出部7から枠体1内に入り、置台5の開口8から床面との隙間9を経て外部へ抜ける対流ファン3の風の流路が特定できたものである。
【0007】
【作用】
この発明では対流ファン3で送られる室内空気が空気流路2を通過する時に、室内空気の一部は空気流出部7から枠体1内に入り、置台5の開口8から置台5と床面との隙間に流れ込むことができる。そして、置台5と床面との間隙に入った空気は、置台5の周縁の一部分に形成した隙間9から室内に向かって流出することになる。この為、枠体1内と置台5の下面の空間に空気が滞留することがなくなり、枠体1内の熱源6に付随する部品類や、置台5の熱がこの空気流に放熱するようになった。
【0008】
【実施例】
図に示す暖房機の実施例によってこの発明を説明すると、1は暖房機の枠体、2は枠体1内に構成した空気流路、3は空気流路2の入口側である枠体1の背板側に位置して取付けた対流ファン、4は空気流路2の出口側である枠体1の前板に形成した温風吹出口である。5は周縁が床面に接触しながらその他の部分が床面と所定間隔を維持する置台であり、該置台5は温風暖房器の底板を兼ねており、枠体1の下端が置台5の上に取付けられている。
【0009】
6は枠体1内に配置した熱源であり、図に示す実施例の熱源6はポット式の石油バーナ6aと、バーナ6aの上方に連接した燃焼室6bで構成している。また、10は液体燃料をバーナ6aに供給する燃料ポンプ、11は燃焼空気をバーナ6aに供給する為の燃焼ファン、12はバーナ6aの点火装置であり、バーナ6aに送られた燃料は点火装置12によって着火して、供給される空気によって燃焼を行なう。尚、温風暖房器の熱源6は実施例のような石油バーナに特定されることなく、ガスバーナや電気発熱体で構成してもよい。
【0010】
バーナ6の一部を構成する燃焼室6bは前記空気流路3に開放しており、熱源6であるバーナ6aから発生した燃焼ガスは燃焼室6bを出て、対流ファン5によって空気流路3に送られる室内空気と混合し、温風となって温風吹出口4から室内に吹出して暖房するものである。
【0011】
ところで、枠体1内に装置される熱源6は空気流路2に放熱するだけでなく、枠体1内にも放熱しており、この熱は枠体1内を対流する空気によって拡散しながら枠体1の壁面などから放熱している。しかし、最近の温風暖房器のように枠体1の形状が小さくなると空気が対流する空間を形成することができず、枠体1内が高温になり、この熱が置台5から床面に影響して、床の絨毯やフローリングを焦がすことがある。この為、枠体1を小さくする時は熱源6の周囲を遮熱板で覆い、熱源6の熱が枠体1内に放熱しにくくしているが、構造が複雑となり、かなりのコストアップになるものであった。
【0012】
この発明は温風暖房器の枠体1の形状を小さくしても、床面を高温にするトラブルが発生しないようにするものであり、7は空気流路2を通過する空気がまだ高温にならない部分である対流ファン3から熱源6付近に至る空気流路2に形成した空気流出部である。8は床面から浮かせた置台5に形成した開口、9は床面に接触する置台5の周縁部分の一部を床面と接触しないように形成した隙間であり、対流ファン3を運転すると空気流路2に送られた室内空気の一部は、空気流通部7から枠体1内に入り、開口8から置台5と床面との間隔に入り、置台5の周縁の隙間9から室外に流出する。
【0013】
従って、温風暖房器の運転中は対流ファン3によって、常に枠体1内の空気が入換わって低温度を維持することができ、また、置台6の開口8から置台6の周縁の隙間9に向かう空気が狭い所定間隔を通過する時に、置台5や床面に沿って流れることで置台6と床面の熱を奪うことができるから、床面が輻射熱で高温になりにくく、低温度を維持することができた。
【0014】
また、熱源6がバーナ6aと燃焼室6bで構成する時には、枠体1内にバーナ6aが設置され、燃焼室6bの端が空気流路2内に届く構造となるから、熱源6によって空気流路2を貫通することになる。この為、空気流出部7はバーナ6aもしくは燃焼室6bと空気流路2との間の隙間で形成したから、空気流路2に熱源を固着しなくともよくなり、構造が簡単になるものである。
【0015】
【発明の効果】
上記のように従来の温風暖房器では枠体1の形状を熱源6の発熱量に見合った大きさよりも小さくすると、熱源6からの放熱が充分おこなわれずに枠体1内に熱がこもり、この熱は置台5の温度を高め、置台5の輻射熱で床面が加熱されて床面の素材を焦がす恐れがあった。この発明は、対流ファン3で送られる空気を枠体1内に流入させるだけではなく、置台5に開口を設け、更に、置台5の床と接する周縁の一部に隙間9を形成したから、枠体1内に送られた空気は置台5と床面との間隔を経て隙間9から室内に流出できるようになった。
【0016】
従って、熱源6に遮熱板などを設けなくとも、空気流によって置台5と床面が冷却されるから、温風暖房器の形状を小さくしても床面の温度を低く維持することができたものである。更に、床面の温度が低く維持できることは安全性能を優れたものとすることができたものである。
【0017】
また、具体的な構造として、熱源6に石油バーナを使う時には、バーナ6aと燃焼室6bで熱源6を構成することになり、空気流路2とバーナ6aもしくは燃焼室6bとの隙間で空気流出部7を構成すれば、枠体1内から空気流路2内に至る熱源6を空気流路2の壁に固定する必要がなくなって、構造が簡単になるものである。また、熱源6に沿った空気流が形成されるから、熱源6の外表面の温度を放熱して、輻射熱による置台5の温度上昇を抑えることができるようになり、床面の温度低下に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す温風暖房器の断面図である。
【符号の説明】
1 枠体
2 空気流路
3 対流ファン
4 温風吹出口
5 置台
6 熱源
6a バーナ
6b 燃焼室
7 空気流出部
8 開口
9 隙間
Claims (1)
- 暖房器の枠体1内を貫通する空気流路2を設け、
該空気流路2の入口側に室内空気を空気流路2へ吹込む対流ファン3を設け、
かつ、空気流路2の出口側に温風吹出口4を設け、
前記暖房器の枠体1の下端は周縁が床面に接触すると共に、その他の部分が床面と所定間隔を維持する置台5の上に取付けられており、
前記枠体1内には熱量を空気流路2に供給する熱源6を取付けた温風暖房器において、
前記熱源6は置台5の上に取付けたバーナ6aと上部が空気流路2内へ届く燃焼室6bとで構成し、
該空気流路2は出口側の上板を温風吹出口4に向けて傾斜すると共に、空気流路2の底板にはバーナ6aもしくは燃焼室6bとの間の隙間で空気流出部7を形成し、
前記バーナ6aの取付部付近の置台5には枠体1内から置台5と床面との間隔へ向かう流路が形成される開口8を設け、
該置台5の周縁の一部には床面と接触しない隙間9を形成し、
対流ファン3によって空気流路2に送られた風が、空気流出部7からバーナ側壁部を経て置台5の開口8から該置台5と床面との間隔に入り、置台5の周縁の隙間9から流出することを特徴とする温風暖房器の置台構造。
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Family Applications (1)
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1998
- 1998-08-31 JP JP26250198A patent/JP3564695B2/ja not_active Expired - Fee Related
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