JPH0512140Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は衝突事故等で変形した自動車、特に裏
面にフレームを配設してなる自動車の鈑金修理に
際し、該自動車を固定させるのに使用する自動車
固定用器具に関するものである。

［従来の技術］ 従来、例えば中型車ないし大型車といわれる乗
用車のようにフレーム構造車体で構成される自動
車の裏面には、モノコツク・ボデイに見られる突
出縁がないために、鈑金修理に際しては車体を固
定するのに両側から挟む従来のクランプが使え
ず、フレームの下面にチエン掛止孔を設けた平板
状の取付板を一時的に溶接して取付けており、ま
たこの取付板は鈑金作業を終えた後は不要となる
ので、一々切断して取外していた。

［考案が解決しようとする課題］ このようにフレームに対し取付板を溶接して取
付け、または切断して取外す手段を必要とするも
のは極めて面倒で手数が掛かり、また、取付板を
切断したあともバリを取らねばならず、しかも庇
が残るといつた問題があつた。

そこで本考案の目的は、前記の如き取付板を取
付ける手間や煩雑さを無くし、作業能率を向上さ
せる自動車固定用器具を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ かかる目的を達成するため、本考案の自動車固
定用器具は、外周に螺子を刻設し一端に設けた頭
部が自動車裏面に配設してなるフレームの底壁に
開設された打抜円孔に嵌入し得る掛止ボルトと、
該掛止ボルトに挿通し、前記打抜円孔の直径より
やや長くかつ幅の狭い長形座金と、水平板部に前
記掛止ボルトを挿通する透孔を開設すると共に、
垂直板部にチエン掛止用の掛止溝を設けた〓形の
支持板と、前記掛止ボルトに螺合する締付ナツト
よりなる構成とする。

［作用］ 自動車裏面に配設してなるフレームの底壁に開
設される打抜円孔から長形座金と掛止ボルトをフ
レーム内に挿入し、長形座金を打抜円孔に跨がら
せた状態で、掛止ボルトを挿通させて頭部を支持
し、螺子を刻設した軸部をフレーム底壁から垂下
させる。そして、この軸部に水平板部の透孔を挿
通させ、締付ナツトで締付けることにより、支持
板をフレームに固定させる。さらに、支持板の垂
直板部に設けた掛止溝に車両係留用のチエンを掛
止させることにより、修理すべき自動車を床面上
に固定させる。

［実施例］ 以下に本考案の一実施例を図面と共に説明す
る。図において１は軸部２の外周に螺子３を刻設
した掛止ボルトであり、軸部２の一端に設けた頭
部４は後述するフレーム１９の底壁２０に開設さ
れた打抜円孔２１（通常、直径約５cmである）に
嵌入し得る大きさである。

５は前記軸部２を遊嵌させる大きさの長孔６を
設けた長形座金であり、長さが打抜円孔２１の直
径よりやや長くて、かつ幅は狭く形成される。

７は水平板部８と垂直板部９を〓形状に連結し
た構造よりなる支持板であり、両側に補強用のリ
ブ７′，７′が設けられ、水平板部８には中央に前
記軸部２を挿通させる透孔１０を開設し、垂直板
部９には中央に車幅方向に横架する横パイプ１１
を挿通させる円孔１２を開設し、さらにこの円孔
１２に連通状に車両係留用チエン１３先端のフツ
ク１４を掛止させる係止溝１５，１５を90°の角
度を保ち八の字形状に設ける。

１６は通常の円板状の座金、１７はスラストベ
アリング、１８は締付ナツトであり、本考案の自
動車固定用器具は通常、掛止ボルト１、長形座金
５、支持板７及び締付ナツト１８を必須要素とし
て構成される。

次に本考案の自動車固定用器具の使用例を説明
する。第２図に示すように、自動車裏面に配設さ
れるフレーム１９の底壁２０に開設される打抜円
孔２１から掛止ボルト１及び長形座金５をフレー
ム１９内に挿入し、長形座金５の長孔６に掛止ボ
ルト１の軸部２を遊嵌させ、長形座金５を第３図
に示すように、打抜円孔２１を跨いで底壁２０上
に載置させ、更に頭部４を該長形座金５に支持し
て掛止ボルト１を垂下する。この状態で軸部２を
支持板７の透孔１０に挿通させる。このように透
孔１０から突出させた軸部２に座金１６及びスラ
ストベアリング１７を順に挿通させてから、締付
ナツト１８を螺合させ締付けて支持板７をフレー
ム１９に固定させる。

そして垂直板部９の掛止溝１５，１５に車両係
留用チエン１３先端のフツク１４を掛止させ、前
記チエン１３の他端は修理工場の床面等に緊張固
定させることにより、自動車を固定して鈑金修理
を行なう。

［考案の効果］ 以上に述べたように本考案の自動車固定用器具
は、前記した構成よりなるものであるから、既成
の打抜円孔を利用することにより、従来のチエン
掛止孔を設けた取付板をフレームに一々溶接して
取付け、また、この取付板を鈑金作業を終えた後
は切断して取外すといつた煩わしい手数が一切不
要となり、自動車の固定作業を著るしく簡便に
し、鈑金修理の作業効率化が顕著に促進される効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例に係わるもので第１図は
分解斜視図、第２図は使用状態を示す正面図、第
３図は同上平面図である。 １……掛止ボルト、３……螺子、４……頭部、
５……長形座金、７……支持板、８……水平板
部、９……垂直板部、１０……透孔、１５，１５
……掛止溝、１８……締付ナツト、１９……フレ
ーム、２１……打抜円孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周に螺子を刻設し一端に設けた頭部が自動車
   裏面に配設してなるフレームの底壁に開設された
   打抜円孔に嵌入し得る掛止ボルトと、該掛止ボル
   トに挿通し前記打抜円孔の直径よりやや長くかつ
   幅の狭い長形座金と、水平板部に前記掛止ボルト
   を挿通する透孔を開設すると共に、垂直板部にチ
   エン掛止用の掛止溝を設けた〓形の支持板と、前
   記掛止ボルトに螺合する締付ナツトよりなる自動
   車固定用器具。