JPH0511809U - 装飾部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 宝石１が取り付けられる装身具本体には、必
ずしも爪や肉盛りを必要とせず、もって宝石１などの取
り付けが簡単で、爪や肉盛りなどが隆起して宝石などが
脱落することのない装飾部材を提供することを目的とす
る。 【構成】 宝石１を基台２にロー付けし、この基台２を
装身具本体３に取り付ける。 【効果】 宝石１と基台２を直接ロー付けしたものを基
本パーツとして、多種多様な装身具３に宝石１を固定す
ることが可能となり、また、宝石１が爪や肉盛りで隠さ
れることがなく、宝石１が大きく見えてデザイン的にも
応用範囲が拡がるとともに、爪や肉盛りの隆起による宝
石１の脱落も防止でき、宝石１をロー付けした基台２を
取り替えることによって、宝石１の付け替えも可能にな
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は装飾部材に関し、特に宝石などを一旦基台にロー付けして、この基台 を指輪、ペンダントなどの装身具本体に取り付けて成る装飾部材に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、指輪、ペンダントなどの装飾部材は、図３に示すように、装身具本体１ １と一体となった爪または肉盛り１２内にダイヤモンドなどの宝石１３を配設し た後に、爪または肉盛り１２を宝石１３上に倒したり、宝石１３の側面を押さえ 込むようにして宝石１３を本体１１に機械的に固定していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする問題点】

ところが、このような固定方法では、宝石１３を固定するための爪または肉盛 り１２が必ず必要となるために、デザイン的な制限が多く、多数の宝石を固定す る場合、その数に応じた爪または肉盛り１２が必要となって、宝石１３の取り付 けも煩雑となり、且つ爪または肉盛り１２が宝石１３の側面や上面を被覆するこ とから、宝石１３が小さく見えたり、爪または肉盛り１２が隆起して宝石１３が 脱落するなどの問題があった。

【０００４】

【考案の目的】

本考案は、このような問題点に鑑みて案出されたものであり、宝石が取り付け られる装身具本体には、必ずしも爪や肉盛りを必要とせず、もって宝石などの取 り付けが簡単で、爪や肉盛りなどが隆起して宝石などが脱落することのない装飾 部材を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】

本考案によれば、宝石を基台にロー付けし、この基台を装身具本体に取り付け て成る装飾部材が提供され、そのことにより上記目的が達成される。

【０００６】

【作用】

上記のような構成によれば、宝石などを基台にロー付けすることから、宝石な どを基台に固定する際に、基台に爪や肉盛りなどを設けることなく、宝石を装身 具本体に取り付けることができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案に係る装飾部材の実施例を添付図面に基づき詳細に説明する。図 １（ａ）（ｂ）（ｃ）は、本考案に係わる装飾部材の製造工程を示す図であり、 １は宝石、２は基台、３は装身具本体である。

【０００８】 前記宝石１は、ダイヤモンド、エメラルド、サファイア、ルビー、パパラチア などで構成される。この宝石１は天然で産出されるものに限らず、人工的に製造 されたものであってもよく、また厳密な意味での宝石に限らず、天然または人工 の貴石などであってよい。またこの宝石１は、例えば最頂上に位置するテーブル 面１ａ、このテーブル面１ａから裾広がりに延びるクラウン面１ｂ、このクラウ ン面１ｂから下方に向けて先細り状に延びるパビリオン面１ｃとを有するように カットされている。

【０００９】 前記基台２は、例えば金（Ａｕ）、白金（Ｐｔ）、銀（Ａｇ）、もしくはこれ らの合金、或いは酸化アルミニウムや酸化ジルコニウムや窒化チタンなどを主成 分とするセラミック部材などから成り、その支持部２ａが宝石１のパビリオン面 １ｃに当接するような形状に成型されている。この保持具２を金などの金属で形 成する場合は、例えば従来周知のロストワックス法などにより形成され、酸化ア ルミニウムなどのセラミック部材で形成する場合は、例えば加圧成型後に焼結さ せて形成される。

【００１０】 次に、図１（ｂ）に示すように、前記宝石１を基台２上に載置して、基台２に ロー材４を介してロー付けする。この宝石１を基台２にロー付けするに際しては 、例えばチタン（Ｔｉ）やジルコニウム（Ｚｒ）などの活性金属を含有する銀ロ ー材などを用いて行う。この活性金属を含有する銀ロー材には、例えばＡｇ５９ ％−Ｃｕ２７．５％−Ｉｎ１２％−Ｔｉ１．３％などのロー材がある。このよう なロー材に所望の有機バインダーを加えてペースト状にして、不活性ガス雰囲気 中または真空中で５００〜１０００℃まで加熱して、ロー材中の活性金属を宝石 １中に拡散させて宝石１の構成元素と反応して化合物を形成させることにより、 基台２に宝石１がロー付けされることになる。

【００１１】 次に、図１（ｃ）に示すように、宝石１がロー付けされた基台２を装身具本体 ３に取り付けて装飾部材が完成する。この基台２を装身具本体３に取り付けるに は、基台２が金属の場合は基台２の下端部２ｂを装身具本体３側に折り返して、 かしめ留めなどで固定し、基台２がセラミック部材で構成される場合は、装身具 本体３の端部を変形させてかしめ留めする。

【００１２】 図２は、装身具本体３に基台２を取り付ける他の実施例を示す図であり、１は 宝石、２は基台、３は装身具本体であり、図１に示す実施例と同様なものである 。図１に示す実施例と異なる点は、装身具本体３に孔３ａ、３ｂを開けて、この 孔３ａ、３ｂに基台２の下端部を挿着し、下端部２ｂを押し潰すことによってか しめ留めした点である。このように取り付けると基台２を装身具本体３にさらに 強固に固定することができるようになる。

【００１３】 なお、上記した実施例では、装身具本体３として指輪に宝石１を取り付ける例 について述べたが、この例に限定されるものではなく、ペンダント、ブローチな ど宝石が固定される全ての装身具に適用可能である。

【００１４】

【考案の効果】

以上のように、本考案に係る装飾部材によれば、宝石を基台にロー付けし、こ の基台を装身具本体に取り付けることから、宝石と基台を直接ロー付けしたもの を基本パーツとして、多種多様な装身具に宝石を固定することが可能となる。

【００１５】 また、宝石を基台にロー付けで固定することから、宝石が爪や肉盛りで隠され ることがなく、宝石が大きく見えてデザイン的にも応用範囲が拡がるとともに、 爪や肉盛りの隆起による宝石の脱落も防止でき、宝石をロー付けした基台を取り 替えることによって、宝石の付け替えも可能になるなど、種々の実用的効果を有 する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の装飾部材を示す図であり、（ａ）は宝
石と基台との関係を示す図、（ｂ）は宝石を基台に固定
した状態を示す図、（ｃ）は基台を装身具本体に取り付
けた状態を示す図である。

【図２】本考案の他の実施例を示す図である。

【図３】従来の装飾部材を示す図である。

【符号の説明】

１・・・宝石、２・・・基台、３・・・装身具本体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 宝石を基台にロー付けし、この基台を装
   身具本体に取り付けて成る装飾部材。