JP2011019539A - 装身具 - Google Patents

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Abstract

【課題】仕切り壁の機械的強度が高く、熱的変形を惹起しにくく、デザイン性を損ねることがなく、コスト安価で製作効率に優れた装身具を提供する。
【解決手段】ジルコニアで形成されたジルコニア基材2に、仕切り壁3aおよび該仕切り壁3aで囲まれた底部3bを有する複数の凹部3を隣接させて形成し、該凹部3に、仕切り壁3aが形成する輪郭に象られた七宝、天然石、人造石等の着色材料4を嵌め込むように設ける。隣り合う凹部3同士の間に存する仕切り壁3aの厚みを薄く形成する。凹部3の底部3bに金属層3eを設ける。凹部3の仕切り壁3aに、該凹部3に隣接する凹部の仕切り壁をほぼT字状に交差させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ネックレス、指輪、ブローチ、ペンダント、ピアス等に好適な装身具に係り、殊にセラミックの一種であるジルコニア(二酸化ジルコニウム)の基材に、複数の着色材料を象嵌した装身具に関する。
一般に、いわゆる有線七宝の装身具は、金属を基材とし、そこに好みの形態に曲げた銀線や銅線の線材をピンセットで置いてロー付けしていく。線材で囲まれた部分に釉薬を塗り焼成することで、装身具が製作される。線材を基材に置いていく作業は、装身具における基材が小さいため高度で緻密な熟練作業が求められる。係る熟練作業を要する有線七宝の代替技術として、例えば図10に示すように、銅や銀等の金属で形成される基材Aに複数の凹部Bを仕切り壁Cで区画して銅製あるいは銀製のケースを形成する。換言すると、七宝の敷居である仕切り壁Cを基材Aと一体に形成する。仕切り壁Cで区画されたところに様々な不図示の釉薬を塗布して焼成することで、複数の着色材料を象嵌した七宝の装身具を製作する技術(以下、「従来技術」という)がある。
一方、基材として金属の代わりにセラミック材を用い、これに複数の凹部を形成し、各凹部に着色材料を象嵌した装身具の製作技術は見当たらない。
なお、特許文献1には、上記のような象嵌に関する技術ではないが、金属の基材の代わりに、セラミック材の一種であるジルコニアを使用し、これに宝石をロー付けで固定することにより指輪を製作する技術が記載されている。
実開平5−11809号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、繊細なデザイン性をアップする観点から、仕切り壁Cの厚みを薄くする必要がある。このため、仕切り壁Cの機械的強度が必然的に低下し、変形を生じやすい。その結果、金属の基材に複数の着色材料を象嵌する装身具を製作する場合、その製作過程における基材の取り扱いに慎重さが求められる。また、施釉行程後の焼成過程における高温度下では、仕切り壁Cが変形してデザインが崩れやすくなり、装身具の製作効率が低下し、不良化による材料の歩留まりが悪化するといった問題を生ずるおそれがある。
また、上記の特許文献1に記載した技術は、ただ単にジルコニア製の基材に宝石をロー付け固定して指輪を製作する技術に過ぎず、複数の着色材料を象嵌することにより繊細なデザイン効果を創出する装身具を得ることはできない。
本発明は、上記の問題点を解決するために工夫されたものであって、機械的強度が高く、耐熱性および靱性に富んだジルコニアを装身具の基材として用い、これに複数の凹部を形成する場合に、凹部同士の間を仕切る仕切り壁の厚みを薄く形成しても、仕切り壁の機械的強度が高く、熱的変形を惹起しにくく、デザイン性を損ねることがなく、コスト安価で製作効率に優れた装身具を提供することを目的とする。
本発明者らの鋭意研究によって、上記目的は以下の手段によって達成される。
(1)本発明は、ジルコニアで形成されたジルコニア基材に、仕切り壁および該仕切り壁で囲まれた底部を有する複数の凹部を隣接させて形成し、該凹部に、前記仕切り壁が形成する輪郭に象られた七宝、天然石、人造石等の着色材料を嵌め込むように設けたことを特徴とする装身具である。
本発明によれば、ジルコニア基材に仕切り壁により複数の凹部が区画形成される。この仕切り壁は各凹部の間に存して各凹部を仕切る、有線七宝における銅線等の金属線と同等の機能を有する。そのため、凹部に釉薬を塗って焼成することで、結果として凹部に着色材料を象眼した装身具を製作することとなる。したがって、従来の有線七宝におけるような植線作業から解放され、製作コストの安価な装身具を製作できるようになる。
また、ジルコニアに添加される物質によってはダイヤモンドに近い高屈折率を有するジルコニア基材を創成できる。係るジルコニア基材を用いて、瑪瑙のような天然石や人造石等の着色材料を凹部の形状に象り、それを凹部に接着固定して嵌め込むことで、デザイン性に優れた装身具を製作できる。換言すると、本発明によれば、一個の着色材料を一個の凹部に嵌め込む形態の装身具とは異なり、複数の凹部に七宝、天然石、人造石等の着色材料を嵌め込むことで、複雑で精巧なデザインの装身具を得ることができるようになる。
(2)本発明はまた、前記隣り合う凹部同士の間に存する前記仕切り壁の厚みを薄く形成したことを特徴とする前記(1)記載の装身具である。
本発明によれば、凹部間の仕切り壁を薄く形成することで、七宝の敷居(植線)代わりとすることができる。すなわち、仕切り壁はジルコニア基材と一体に形成されるため、機械的強度、靱性、耐熱性の点で優れている。この結果、仕切り壁の厚みが薄くても、上記従来技術のように金属で形成された「敷居」とは異なり、加熱時の変形を生じることはない。したがって、七宝製作の場合には、複数の凹部を象った七宝が嵌め込まれ、デザインがくずれることのない緻密で繊細な高品質の装身具を得ることが可能となる。勿論、凹部に宝石のような天然石や人造石を接着固定して象嵌することによっても、見栄えのよい装身具を製作できる。
(3)本発明はまた、前記凹部の底部に、金属層を設けたことを特徴とする前記(1)または(2)記載の装身具である。
本発明によれば、仕切り壁で囲まれた凹部の底部に、銀ペースト等の金属層を設けることで、金属層を反射した光が着色材料を透過する。このため、着色材料の発色効果を高めることができ、色彩豊かな光輝性ある装身具を得ることができるようになる。
(4)本発明はまた、前記凹部の仕切り壁は、互いに隣り合う前記凹部の仕切り壁がほぼT字状に交差する状態で組み合わされることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の装身具である。
本発明によれば、互いに隣り合う凹部同士が共有する仕切り壁がほぼT字状に交差するように組み合わせて形成される。これにより、仕切り壁の強度アップを図ることができ、デザインがくずれることを回避し、かつ、材料の歩留まりを向上しつつ、コスト安価で効率よく装身具の製作が行えるようになる。
(5)本発明はまた、前記仕切り壁と前記底部との角部に、逃がし溝を刻設したことを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の装身具である。
本発明によれば、凹部に宝石類の着色材料を接着手段を介して象嵌するとき、逃がし溝の存在により着色材料の角が凹部の角部に接触することはない。そのため、着色材料が凹部から剥離して浮き上がることを効果的に防止できるようになる。
(6)本発明はまた、前記仕切り壁を超音波加工により形成することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の装身具である。
本発明によれば、仕切り壁を超音波加工で形成するため、複雑な形状の仕切り壁を形成する場合でも、厚みの薄い仕切り壁を容易に加工でき、複雑で緻密かつ繊細なデザイン処理された装身具を簡便に製作できるようになる。
(7)本発明はまた、前記複数の凹部の底面に、金属層を形成することを特徴とする(1)〜(6)のいずれか一項に記載の装身具である。
本発明によれば、例えば、ジルコニアの基材を黒等の比較的反射特性の低い色にする場合でも、凹部自体の光反射特性を高めることが出来、着色材料の発色性を高めることが可能となる。
(8)本発明はまた、前記仕切り壁の厚みを、0.6mm以下にすることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか一項に記載の装身具である。
本発明によれば、仕切り壁を薄く構成するので、有線七宝と遜色のないデザイン性の高い装身具を製作できるようになる。この場合であっても、ジルコニア基材を利用することで、仕切り壁の変形を抑制できる。
本発明によれば、ジルコニアの基材に複数の凹部間を区画する仕切り壁の厚みを薄く形成する場合でも、機械的強度が高く、耐熱性および靱性に富み、変形を生じにくい仕切り壁を形成することができるので、緻密かつ繊細なデザイン性を有する装身具をコスト安価で効率的に製作できる。
本発明の実施形態に係る装身具の分解斜視図である。 同じく、上記装身具におけるジルコニア基材に形成された或凹部を模式的に破断して示した拡大外観図である。 同じく、上記装身具を製作する際におけるジルコニア基材の荒削り工程を示す説明図である。 同じく、上記装身具のジルコニア基材の仕上げ工程を示す説明図である。 同じく、上記装身具におけるジルコニア基材と瑪瑙片との嵌め合い状態を示す断面図である。 同じく、上記ジルコニア基材の凹部に形成される仕切り壁の変形例における外観図である。 上記実施形態の変形例における「牡丹の花」をあしらった七宝の例を示す装身具の外観平面図である。 おなじく、上記実施形態の変形例に係り、「鶴」をあしらった七宝の例を示す装身具の外観平面図である。 おなじく、上記実施形態の変形例における要部断面図である。 従来技術における外観図である。
以下、本発明の装身具に係る実施形態を図に基づいて詳述する。図1は装身具1の分解斜視図、図2はジルコニア基材2に形成される或る凹部3における断面を拡大して示した模式図である。
(装身具の構成)
図1に示されるように、装身具1の概要構成はジルコニアで形成された所定の外縁形状を有する板状のジルコニア基材2と、該ジルコニア基材2を研削して形成した複数の凹部3と、該凹部3の形状に象られた着色材料の一態様としての複数の種々の形状を有する瑪瑙片4との構成要素よりなる。瑪瑙片4は対応する凹部3に接着剤を介して嵌め込んで、花と葉で成る模様をあしらった装身具1が製作されるようになっている。なお、ここでは瑪瑙片4を嵌め込む場合を示しているが、瑪瑙片4ではなく、七宝で形成するようにしても良い。詳細は後述するが、これをイメージ的に示すと、本実施形態の変形となる図7のような外観形態を有するものが製作される。なお、符合5は装身具1を首に吊り下げる鎖、紐等を通すための吊り下げ孔を示す。以下、より具体的に説明していく。
ジルコニア基材2は乳白色、白色、黒色、あるいは透明色等適宜のカラーを有するものが使用される。本実施形態では白色のジルコニア基材2が用いられる。ジルコニア基材2は機械的強度、靱性および耐熱性に優れており、後述する超音波加工機の一種である超音波ロータリー加工機100により複数の様々な形状を備えた凹部3が研削されるようになっている。すなわち、凹部3には仕切り壁3aと、仕切り壁3aで周囲が囲まれた平坦な底部3bとが切削、研削等により形成される。上記仕切り壁3aは相互に隣り合う凹部3の仕切り壁3aと共有する形態で互いの凹部3を区画している。隣り合う凹部3の仕切り壁3aの厚みLは極力薄く形成される。この仕切り壁3aは、七宝を象嵌する場合には「敷居」、すなわち植線される金属線としての機能を有する。
凹部3の輪郭、すなわち仕切り壁3aの内周壁形状は、そこに嵌め込まれる瑪瑙片4の外周縁の形状とほぼ同じ形状に形成される。換言すると、凹部3と、そこに嵌め込まれる瑪瑙片4とは所定の嵌め合い精度に設定されている。
特に瑪瑙片4や、図7等で後述する七宝を用いる場合は、更に底部3bには、銀ペースト等の金属層3eを敷き、その上に瑪瑙片4等の着色材料が設けられる構成としてもよい。係る構成により、金属層3eを反射する光が着色材料を透過するとき、瑪瑙片4や七宝等の着色材料が発色され、色彩を増した光輝性ある装身具1を得ることが可能となる。なお、金属層3eを形成する素材は光の反射効率に優れた金属、その微粉末等が好ましい。
瑪瑙片4は花を示す部分には例えば赤色の瑪瑙片が、葉を表す部分には緑色の瑪瑙片がそれぞれ用いられ、所定の凹部3に接着剤又はかしめ等で象嵌される。もちろん、瑪瑙片4の色彩はこれらに限定されないことは言うまでもない。こうして、花と葉をあしらった図柄が白色の背景をなすジルコニア基材2に映えるようにデザイン性が考慮される。
(凹部の超音波加工)
次に、ジルコニア基材2に超音波ロータリー加工機100を用いて凹部3を荒削り加工する一例を説明する。図3に示すように、超音波ロータリー加工機100はスピンドル140を有する。スピンドル140の先端にはダイヤモンド砥石部110が設けられる。スピンドル140の上方には、ダイヤモンド砥石部110を同軸状態で保持する超音波ホーン部120と、該超音波ホーン部120の上方に配置した超音波振動子130とが設けられる。スピンドル140は超音波ロータリー加工機100に内臓された不図示の回転駆動装置によって、例えば矢印の方向に回転するようになっている。一方、超音波振動子130はスピンドル140をスピンドル軸方向に超音波振動させるものである。こうして、係る超音波振動は、超音波ホーン部120の共振によって増幅され、ダイヤモンド砥石部110に伝達される。これにより、ダイヤモンド砥石部110は、スピンドル軸方向に超音波振動しながら回転し、ジルコニア基材2を叩くようにして研削(切削)していく。本実施形態の場合、ダイヤモンド砥石110の直径は、例えば1.5mm以下の寸法のものが適宜使用される。
さらに、超音波加工工程では、ジルコニア基材2の背面側に例えば、酸化アルミニウム製のプレート150が治具として配置される。これにより、ジルコニア基材2がダイヤモンド砥石部110から加工圧力が作用しても変形を来さない態様で研削が行われるようになっている。
なお、上記の酸化アルミニウムプレート150は、機械的に固定してもよく、接着剤を用いて固定してもよい。さらに、ジルコニア基材2は、スピンドル140の軸に対して30度以上の角度αをなして傾斜させて研削が行われる。これにより、ダイヤモンド砥石部110先端が片当たり状態となる。この荒削り工程によって、凹部3の全域が一定の深さで研削されていくことで底部3bができるようになる。
ジルコニア基材2を傾斜させて、超音波ロータリー加工(超音波加工)を行うと、超音波振動するダイヤモンド砥石部110の環状を成す角部が、ジルコニア基材2を突き刺すようにして研削していく。これにより、ダイヤモンド砥石部110の下端面が面接触して研削する場合に比べて、工具に作用する負荷(反力)が小さくなり、かつ、削りカス等も円滑に外側へ排出されるので、目づまりを抑制できる。したがって、ダイヤモンド砥石部110の摩耗も低減できる。同時に、ジルコニア基材2に作用する衝撃や外力も小さくなることから、カケやひび割れが殆ど生じない。実際に、直径1mm以下(望ましくは直径0.5mm)の砥石を利用し、厚さ1mm以下の仕切り壁3aの加工が可能となる。また、ジルコニア基材2の凹部3の深さを例えば3.0mmとした場合に、その仕切り壁3aの厚みを0.6mmまで薄く加工しても、カケやひび割れを生じさせないことが本発明者の実験により明らかとなっている。なお、この仕切り壁3aの厚みについては、七宝等を含めてデザイン性を確保するにも、0.1mm〜0.5mmであることが好ましく、その際の仕切り壁3aの深さは0.4mm〜0.8mm程度に設定することが好ましい。なお、仕切り壁3aの厚さが0.1mm以下だと、本実施形態の加工技術を利用しても、欠けが発生してしまう。また、本実施形態以外の加工技術では、0.5mmでも欠けが発生してしまうことになる。
上記の荒削り完了後は、凹部3の底部3bを平面研削してもよい。この平面研削は、底部3bに微細な凹凸を仕上げるだけで済むので、任意の加工方法で適宜行うことができる。
なお、通常のマシニングセンタにおいて、1.5mm以下の工具を用いて上記を荒削り加工する場合、工具の摩耗やジルコニア基材2のチッピング量等が大きくなりすぎ、加工時間やコストを考えると現実的ではない。一方、本実施形態では、マシニングセンタよりも3倍以上の速度で、極めて高精度に荒削り加工できるようになっている。
(仕切り壁の超音波加工)
図4に基づいて仕切り壁3aを超音波加工で形成する工程を説明する。凹部3の仕切り壁3aを加工する際は、さらに小さいダイヤモンド砥石部110を用いる。ジルコニア基材2を微少角度だけ傾斜させるだけで、凹部3の開口側が狭く、底部3b側に向かうに応じて凹部3の開口面積が広くなるように仕切り壁3aの内周壁3dが形成される。これにより、瑪瑙片4等の着色材料を凹部3に嵌め込む際に、焼きばめによって瑪瑙片4を挿入することで、瑪瑙片4の脱落を防止できる。さらに、ダイヤモンド砥石部110の先端を利用して、底部3bの最外側縁近傍と仕切り壁3aの内周壁3dとで形成する角部に全周に亘って連続する逃がし溝3cが刻設される。これにより、瑪瑙片4の角が仕切り壁3aの内周壁3d下方の角に接触するのを回避し、瑪瑙片4に浮き上がる力が作用するのを阻止できる。さらに、逃がし溝3c内に接着剤を充填する空所が確保できる。このため、底部3bなどに接着剤を塗布する場合とは異なり、瑪瑙片4嵌め込み時に、余分な接着剤があふれ出すのを回避できる。これにより、瑪瑙片4が余分な接着剤で汚損されるのを効果的に防止でき、しかも、瑪瑙片4の凹部3に対する結合力を高めることができる。
(凹部に対する瑪瑙片の象嵌)
こうして、凹部3に瑪瑙片4を象嵌していく状態を、図5に拡大して示す。凹部3に対して瑪瑙片4を嵌め込む際には、ジルコニア基材2を加熱して膨張させ、さらに、逃がし溝3cに接着剤を充填した状態で、凹部3内に瑪瑙片4を嵌め込む。ジルコニア基材2が冷めると、仕切り壁3a内周壁の開口側が狭くなり、瑪瑙片4を周囲から抱持する。これにより、瑪瑙片4が凹部3に象嵌され、図2に示す装身具1が製作されることとなる。
本実施形態によれば、瑪瑙片4が凹部3から脱落しにくい状態で象嵌された装身具1を得ることができる。特に、ジルコニア基材2に対して、直接、仕切り壁3aを形成するようにしていることから、この仕切り壁3aの強度を極めて高めることが出来、両側に瑪瑙片4を嵌め込んでいっても、十分な強度を確保することができる。また、ジルコニア基材2は、発色性に富むため、美観に優れた装飾具1を得ることが出来る。なお、これを金属基材で実現しようとすると、仕切り壁3aの強度が不足したり、錆が発生したり、発色性があまり良くなかったりして、適した装身具1を得ることが出来ない。
また、本実施形態では、逃がし溝3cを刻設したことで、瑪瑙片4外周の一部が内周壁3dに食い込むように嵌合するので、凹部3に対する瑪瑙片4の保持力を増大でき、瑪瑙片4の浮き上がりをより一層効果的に抑制できるようになる。
この結果、上記装身具1によれば、複数の凹部3に所定の外形形状に象った瑪瑙片4を嵌め込むことができ、複雑で精巧、かつ、多様性あるデザイン性豊かな装身具1を得ることができる。特に、各凹部3毎に色彩を異ならせることで、より美しい装身具1となる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、凹部3に嵌め込む着色材料を瑪瑙片4で形成した場合を例に挙げて説明したが、瑪瑙以外の天然石や人造石、あるいは七宝を象嵌する変形例の構成とすることも可能である。七宝象嵌の例としては、例えば図7や図8のように、「牡丹の花」や「鶴」をあしらった図柄の部分に七宝7をあしらった装身具6を製作することもできる。この場合、仕切り壁3aは、有線七宝における金属線に相当する「敷居」の代わりとして機能させることができる。有色の透明なガラス質の着色材料(本変形例の場合、青色のガラス質)7を透して3bのジルコニア基材の素地がうかがえ、すがすがしい外観を呈する。手作業によって、金属線を事後的に配置・固定する場合と比較して、機械加工によってジルコニア基材2に仕切り壁3aを予め形成することができるので、品質の安定した七宝の装身具1を量産することができる。
また、係る変形例において図9に示すように、仕切り壁3aに接する七宝7の外縁が底部3b側へ湾曲しながら陥没するように凹曲面8を形成する形態とするのが好ましい。係る構成とすることで、図7や図8で示すように七宝7の外観が光輝を呈する。これにより、装身具6のデザイン効果を高めることができる。
このように上記変形例によれば、複数の凹部3を区画する仕切り壁3aの厚みを薄く形成した場合であっても、凹部3にガラス質の釉薬をのせ、電気炉等で焼成されて溶着させるときに、仕切り壁3aが熱により変形することを効果的に回避できる。この結果、デザインにくずれを生ずることのない、見栄えの良い装身具6を得ることができる。これらの仕切り壁等を、仮に金属基材で一体加工しようとすると、焼成中に仕切り壁3aが変形しやすく、七宝7が割れてしまったり、デザインが崩れてしまったりする可能性がある。
特に、ジルコニア基材2の場合、この仕切り壁3aの厚みは、0.6mm以下とすることが、従来の七宝7の装飾品と遜色ない美しさとするためにも好ましい。なお、本実施形態で説明した超音波加工で無い場合、0.5mm以下の仕切り壁3aを残すことが困難となるので、本実施形態の加工方法を採用する際には、特に好ましくは、0.5mm以下とすることで、七宝の盛り方を工夫すれば、殆ど無線七宝と同様なデザインを表現することが可能となる。更に、この仕切り壁3aの深さは、0.4mm〜0.8mmであることが好ましい。0,4mm未満にしてしまうと、七宝の釉薬を入れても、焼成後に中心部の色が薄くなってしまって均一にならない。一方、0.8mmよりも深いと、釉薬を十分に堆積させなければならず、焼成時にひび割れが発生してしまう。従って望ましくは、0.5mm〜0.6mmの深さに設定する。
また、図9に示すように、底部3bに例えば、銀ペースト等の金属層3eを敷き、その上に七宝7等の着色材料が設けることが好ましい。特に、ジルコニア基材2が、白以外の色彩(例えば黒色)等の場合には、その凹部3内が暗くなるので、七宝7の発色性が低下する。そこで、金属層3eを敷くことにより、金属層3eを反射する光が着色材料を透過して、七宝7等の着色材料が発色され、色彩を増した光輝性ある装身具1を得ることが可能となる。
また、図7に示すジルコニア基材2において、符合Bで示すように、互いに隣接する凹部3同士が共有する仕切り壁3aがほぼT字状に交差して仕切り壁3aを組み合わせる構成とすることが好ましい。係る構成により、相互の仕切り壁3aの強度を高めることができ、加工時の欠損トラブルが抑制され、デザインがくずれることを回避し、材料の歩留まりを向上しつつ、コスト安価に効率よく装身具を製作できる。また、仕切り壁3aの内周壁と底部3bとの角部に形成する逃がし溝3cを、底部3bの全周に亘って連続するように設けたが、間隔を置いてとぎれとぎれに刻設する構成としてもよい。
本発明はネックレス、指輪、ブローチ、ペンダント、ピアス等の様々な装身具に利用される。
1 装身具
2 ジルコニア基材
3 凹部
3a 仕切り壁
3b 底部
3c 逃がし溝
3e 金属層
4 瑪瑙片(着色材料)
5 吊り下げ孔
6 装身具
7 七宝
8 凹曲面
100 超音波ロータリー加工機
L 仕切り壁の厚み

Claims (8)

  1. ジルコニアで形成されたジルコニア基材に、仕切り壁および該仕切り壁で囲まれた底部を有する複数の凹部を隣接させて形成し、該凹部に、前記仕切り壁が形成する輪郭に象られた七宝、天然石、人造石等の着色材料を嵌め込むように設けたことを特徴とする装身具。
  2. 前記隣り合う凹部同士の間に存する前記仕切り壁の厚みを薄く形成したことを特徴とする請求項1記載の装身具。
  3. 前記凹部の底部に、金属層を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の装身具。
  4. 前記凹部の仕切り壁は、互いに隣り合う前記凹部の仕切り壁がほぼT字状に交差する状態で組み合わされることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の装身具。
  5. 前記仕切り壁と前記底部との角部に、逃がし溝を刻設したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の装身具。
  6. 前記仕切り壁を超音波加工により形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の装身具。
  7. 前記複数の凹部の底面に、金属層を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の装身具。
  8. 前記仕切り壁の厚みを、0.6mm以下にすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の装身具。
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