JPH0511702Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、走行速度を無段階に変速可能な無段
変速装置を備えた作業車の変速操作構造に係り、
さらに詳しくは中立側に復帰付勢された無段変速
装置の変速ペダルに固設されたアームと、ブレー
キベダルとを、該ブレーキペダルの踏み込みによ
る制動操作で前記変速ペダルが変速中立位置へ復
帰されるよう連係具を介して連係してある作業車
の変速操作構造に関する。

〔従来の技術〕

かかる作業車において、駐車する場合には、前
記ブレーキベダルを踏み込み状態で固定する固定
機構を設けることが考えられるが、次のような不
都合があつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

つまり、前記ブレーキベダル固定機構を別途車
体に設ける必要があり、これらの部品点数が多く
なつてコスト及び組立て性の点で改善の余地があ
るとともに、駐車した状態でも前記変速ペダルを
操作することは可能であるから、過つて変速ペダ
ルを操作することがあり、その結果例えば変速機
構やブレーキ装置等を破損するおそれがあつた。

本考案は上記の実情に着目してなされたもので
あつて、簡単な構造で駐車ブレーキを構成するこ
とができ、またその際には変速ペダルをも固定で
きることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

すなわち、本考案に係る作業車の変速操作構造
の特徴構成は、連係具の先端をアームに長孔を介
して連係した状態と、このアームから連係具を外
して、ブレーキベダルの踏み込み状態における連
係具の先端を、車体に設けた固定部の固定孔及び
前記アームに穿孔した固定孔に亘つて挿入係止し
た状態とが切り換え自在に構成してある点にあ
り、その作用及び効果は次の通りである。

〔作用〕

連係具の先端をアームに長孔を介して連係した
状態とした場合には、長孔の範囲内で変速ペダル
を変速操作できるとともに、走行時においてブレ
ーキベダルを踏み込み操作すると、変速ペダルが
変速中立位置へ強制的に戻されることになる。ま
た、前記アームから連係具を外して、ブレーキベ
ダルの踏み込み状態における連係具の先端を、車
体に設けた固定部の固定孔及びアームに穿孔した
固定孔に亘つて挿入係止した状態とした場合に
は、ブレーキベダルを踏み込み状態で固定でき
て、駐車ブレーキを構成できるとともに、またこ
の時変速ペダルはアームを介して固定されて操作
されることがない。

〔考案の効果〕

その結果、前記ブレーキベダルと変速ペダルと
を連係した連係具を、駐車及び変速ペダルの固定
に兼用できて、そのための部品点数を少なくで
き、コスト及び組立て性の点で改善できるように
なつた。しかも、駐車した状態では変速ペダルは
操作されることがないから、変速装置やブレーキ
装置等が破損するのを確実に防止できるようにも
なつた。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第３図は作業車としてガーデントラクタを示し
たもので、このガーデントラクタは、左右一対の
操向型前車輪１２，１２及び駆動後車輪１３，１
３を備えた走行車体の前部にエンジン４を搭載す
るとともに、車体の後部に変速ペダル１１及びブ
レーキベダル６を備えた運転部５を設け、前記エ
ンジン４からの動力を静油圧式無段変速装置７を
介して後部ミツシヨンケース８に伝達するととも
に、その後部ミツシヨンケース８から前記後車輪
１３に伝達するように構成し、さらに、前記前後
車輪１２，１３間に芝刈装置１４を駆動可能に配
設して構成されている。

前記静油圧式無段変速装置７は、シリンダ型ポ
ンプの吐出量を斜板の角度変更で調節して変速す
るもので、そのハウジングの外部に突出した斜板
の支軸９には、第１図に示すようにカム板１０が
固設され、このカム板１０と前記変速ペダル１１
の支軸１２に固設されたアーム３とに亘つてロツ
ド１５が連結され、変速ペダル１１を前方又は後
方へ踏み込み操作することにより、ロツド１５を
介してカム板１０の支軸９を操作して、中立位置
を境に前進変速状態と後進変速状態とが無段階に
得られるように構成されている。

前記カム板１０の下端縁にはカム面１０ａが形
成されているとともに、横軸芯Ｐ周りで揺動自在
に設けたアーム１６に前記カム面１０ａに接当す
るローラ１７が設けられ、且つこのローラ１７を
カム面１０ａ側に付勢するスプリング１８が前記
アーム１６に取付けられていて、前記変速ペダル
１１に操作力が加わつていない状態では、無段変
速装置７のカム板１０及び支軸９を中立位置へ復
帰付勢するようになつている。また、前記アーム
３と機壁との間には、前記変速ペダル１１の急激
な踏み込み操作を防止するための緩衝用ダンパー
２１が架設されている。

前記変速ペダル１１に近接して後車輪制動用ブ
レーキベダル６が設けられ、このブレーキベダル
６を踏み込み操作することにより、変速ペダル１
１を、前述のダンパー２１の緩衝作用に抗して速
やかに変速中立位置へ復帰できるように構成され
ている。つまり、前記アーム３には車体前後方向
の長孔３ａが穿設され、この長孔３ａ内に連係具
としてのロツド２先端の係止部２ａが取り外し自
在に挿入係止されているとともに、該ロツド２の
他端部が前記ブレーキベダル６に連結されてい
て、前記ブレーキベダル６を踏み込むと、ロツド
２の係止部２ａが長孔３ａの前端縁に係止した状
態で変速ペダル１１を変速中立位置へ強制的に戻
すことができるようになつている。

また、前記変速ペダル１１の取付部位の近傍位
置におけるステツプ１９上には固定部としてのブ
ラケツト２０が立設固定され、このブラケツト２
０には固定孔２０ａが穿孔されているとともに、
また前記アーム３にも固定孔３ｂが穿孔されてい
て、各固定孔２０ａ及び３ｂ内に前記ロツド２の
係止部２ａを挿入係止することができるようにな
つている。

従つて、このガーデントラクタを駐車する場合
には、前記ロツド２の係止部２ａを前記アーム３
の長孔３ａから外し、そして第２図に示すように
ブレーキベダル６を踏み込み操作した状態におけ
るロツド２の係止部２ａを、ブラケツト２０の固
定孔２０ａ及びアーム３の固定孔３ｂに亘つて挿
入して係止させれば、ブラケツト２０はその支軸
１２部分と固定孔３ｂの２点で支持されるから変
速ペダル１１を操作することができないととも
に、ブレーキベダル６も踏み込み状態においてロ
ツド２を介して固定されることになるのである。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る作業車の変速操作構造の実
施例を示し、第１図は要部縦断側面図、第２図は
駐車時における要部縦断側面図、第３図はガーデ
ントラクタの全体側面図である。 １……ロツド、２……ロツド、２ａ……係止
部、３……アーム、３ａ……長孔、３ｂ……固定
孔、６……ブレーキベダル、７……無段変速装
置、２０……固定部、２０ａ……固定孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中立側に復帰付勢された無段変速装置７の変速
   ペダル１１に固設されたアーム３と、ブレーキベ
   ダル６とを、該ブレーキペダル６の踏み込みによ
   る制動操作で前記変速ペダル１１が変速中立位置
   へ復帰されるよう連係具２を介して連係してある
   作業車の変速操作構造であつて、前記連係具２の
   先端を前記アーム３に長孔３ａを介して連係した
   状態と、このアーム３から連係具２を外して、ブ
   レーキベダル６の踏み込み状態における連係具２
   の先端を、車体に設けた固定部２０の固定孔２０
   ａ及び前記アーム３に穿孔した固定孔３ｂに亘つ
   て挿入係止した状態とが切り換え自在に構成して
   ある作業車の変速操作構造。