JPH0510993Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は加工部品を数工程順次トランスフアさ
せてそれぞれの工程において順次加工を行いトラ
ンスフア終了とともに部品の一加工を終わるトラ
ンスフアプレス機のフインガ開閉装置に関する。

従来の技術 従来フインガの開閉は上台または可動ストリツ
パに取付けられたスプレツダの衝突によつて行わ
れるが、衝突による種々の問題があるため、改良
されたものに特開昭58−212507号、特開昭62−
16829号が知られている。

考案が解決しようとする課題 特開昭58−212507号では係止爪とトランスフア
ーバとは１個のドラムカムで駆動されており、相
対的な動きの調整ができず、また一対のトランス
フアバーにその直角方向に移動可能に係止爪を設
け、相対移動可能な爪開閉バーに形成したカム溝
により強制的に進退されるものであるワーク搬送
装置である。このものはカム溝が爪開閉バーに一
体に刻設されているため係止爪の開閉タイミング
の調整が不可能である。このため搬送位置におい
て加工内容の差異にともなう開閉時期の微調整を
行うことは不可能である。また付勢するばねを有
せず係止爪は強制的に開閉されるため何らかの原
因で異なる物が供給され係止爪に異常な力が作用
しても逃がすことができず装置の破損の恐れがあ
る。さらに特開昭62−16829号では各フインガの
作動クランクアームはロツドにキー着されていて
調整不能であるためトランスフアに対する作動の
最適状態を見出すことができない等の問題点があ
る。

本考案は上記の問題点に鑑みプレス或いは絞り
作業のトランスフアとのタイミングを各工程毎に
最適に選ぶことのできるフインガ開閉装置を提供
するを目的とする。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本考案のフインガ開
閉装置は、工程間距離を往復動可能に設けられた
案内部を有する２列のトランスフアスライドと、
該トランスフアスライドと同期して移動可能且長
手方向に相対移動可能に前記案内部に設けられた
２個一対の開閉バーと、前記トランスフアスライ
ド上の各工程に対応する位置で垂直軸でその中央
部が枢支され対向する端に加工部品を把持するフ
インガツールを他端にローラを設けた一対でなり
工程間距離をおいて複数対設けたフインガと、前
記トランスフアスライドの案内部に設けられた保
持筒に移動可能に嵌装された押圧ピンがばねで該
フインガツールの裏側を加工部品を把持する方向
に常時付勢する押圧部材と、前記それぞれの開閉
バーに前記フインガと対応して設けられ前記開閉
バーと前記トランスフアスライドとの相対移動で
前記各対のフインガのローラに作用し開閉タイミ
ングが各工程毎にそれぞれに異なる加工部品の高
さに応じて各々単独に調整可能に設けられた加速
度連続曲線のカムリフトを有する開閉カムと、前
記トランスフアスライドの動きと同期するととも
に前記トランスフアスライドの停止時に独立して
前記開閉バーを長手方向に直線移動させる駆動部
材とを含んでなるものである。

作 用 パンチの加工の途中よりフインガを開いた状態
で開閉バーはトランスフアスライドと同期して戻
り、トランスフアスライドが停止すると開閉バー
はドラムカムのカム溝により独立して1/2ストロ
ーク前進して開閉カムとともに移動しカムの谷部
によりフインガのローラが変位されてフインガは
押圧部材の力で閉じ加工部品を把持する。そして
開閉バーがトランスフアスライドと同位置状態に
なつて停止後、共に一体となつて一工程間ストロ
ーク分移動して把持した加工部品を次の工程に移
送し停止する。次いで開閉バーのみドラムカムに
より先に1/2ストローク戻り、開閉カムの山にロ
ーラがのつてフインガは押圧部材の力に抗して開
く。パンチが下降して加工する。フインガが完全
に開いた状態でトランスフアスライドと開閉バー
は共に同期して戻り原位置に復する。

実施例 例えば１個の部品を等距離の所定位置に配した
パンチで順次加工していく周知のトランスフアプ
レス機において、本機フレーム１２上で駆動源よ
り所定のタイミングで所定工程間を直線往復動さ
れるトランスフアスライド１は加工位置を挟む平
行な２列の案内部が形成され、その上にそれぞれ
開閉バー２ａ，２ｂが図示しないローラ若しくは
滑り式ガイドによつて長手方向に移動可能に載置
されている。またトランスフアスライド１の両側
から開閉バー２ａ，２ｂの内側迄延びるブラケツ
ト３ａ，３ｂが対向して設けられている。このブ
ラケツト３ａ，３ｂには垂直軸でフインガ４ａ，
４ｂがそれぞれそのほぼ中央で枢支されている。
フインガ４ａ，４ｂは対をなし八字状に対向して
おり、それぞれのフインガの把持側の対向面に軟
質金属、樹脂、ゴム等の加工部品に傷をつけない
材料でなり把持面を円筒面に形成されたフインガ
ツール５ａ，５ｂが固着されている。そして対を
なすフインガを常時は閉じるようにフインガツー
ル５ａ，５ｂの背面でトランスフアスライドに固
設した保持筒６ａ，６ｂにそれぞれ摺動可能に挿
入され対向する方向に押圧ピン７ａ，７ｂがばね
８で突出するように付勢されている。またフイン
ガ４ａ，４ｂのフインガツール５ａ，５ｂの反対
端にはローラ９ａ，９ｂがそれぞれ枢支されてい
る。開閉バー２ａ，２ｂにはフインガ４ａ，４ｂ
のローラ９ａ，９ｂに当接する板状の開閉カム１
０ａ，１０ｂが各工程毎にそれぞれに異なる加工
部品の高さに応じて各々単独にかつ最適に長手方
向に位置調整可能に設けられており、開閉バー２
ａ，２ｂがトランスフアスライド１に対して第１
図で左方に相対移動したときフインガのローラ９
ａ，９ｂがカムの山に乗り上げてフインガツール
５ａ，５ｂを開放し右方に相対移動したときロー
ラ９ａ，９ｂはカムの谷に落ちる。この開閉カム
はフインガを開けるとき衝突作用を起こすことな
くローラと係合してフインガの運動をなめらかな
ものとすることができる輪郭例えば変形正弦曲線
のような加速度連続曲線のカムリフトを有するも
のである。

これ等一対のフインガ４ａ，４ｂ、その開閉カ
ム１０ａ，１０ｂ、押圧ピン７ａ，７ｂは加工工
程間距離に対応するように必要な複数個が配置さ
れており、そして把持した部品がパンチ軸と一致
するように構成されている。

また開閉バー２ａ，２ｂは一端で連結バー１１
で一体に連結されており、さらに本機フレーム１
２の側面ブラケツトにドラムカム１３を回転可能
に水平に軸承しドラム枠体１４が取着されてお
り、ドラムカム１３の軸端に固定の歯車１５が駆
動下軸１６にキー着の歯車１７と噛合されてい
る。ドラム枠体１４の上部に水平に設けた支軸１
８にレバー１９が枢支されていて、下端のカムフ
オロア２０がドラムカム１３のカム溝に嵌合し上
端はコネクチングロツド２１を介して連結バー１
１に枢結されている。そして開閉カム１０ａ，１
０ｂの作用タイミングは第３図に示すような関係
におかれるとともに加工ステーシヨンでの部品加
工の状態に合わせて対となる各位置間のタイミン
グはさらに微細に調整されるものである。

第３図においてパンチの絞り加工を完了したあ
とに来る下死点を零度としたとき、トランスフア
スライド１は戻り行程を続け40°位置で戻り完了
原位置零となる。これに対し、このとき開閉バー
２ａ，２ｂはドラムカム１３の回転でトランスフ
アスライド１より更に戻り方向に移動しており、
40°の位置で原位置よりトランスフアストローク
の1/2本例では40mm原位置より後退している。こ
の間トランスフアスライド１と開閉バー２ａ，２
ｂとの間が相対移動しており、フインガ４ａ，４
ｂのローラ９ａ，９ｂは開閉カム１０ａ，１０ｂ
の山に乗り上げていて、ばね８の力に抗して押圧
ピン７ａ，７ｂが押し込まれフインガツール５
ａ，５ｂは開放されている。一方パンチは上昇過
程に入り加工部品が引き上げられる。パンチの下
降に同期する駆動源の図示しないカムはトランス
フアスライドを本例では130°の位置迄原位置に停
止させている。これに対し開閉バー２ａ，２ｂは
ドラムカム１３により40°の位置から前進作動工
程に入り、本例では85°の位置で原位置零に復帰
する。以後130°迄はトランスフアスライド１とと
もに停止状態となる。トランスフアスライド１に
対して開閉バー２ａ，２ｂが40°から85°迄の移動
によつてフインガ４ａ，４ｂのローラ９ａ，９ｂ
は開閉カム１０ａ，１０ｂの斜面を下り谷位置と
なりフインガは押圧ピン７ａ，７ｂの押圧により
加工位置にある部品Ｗをフインガツール５ａ，５
ｂが挟持する。40°から62.5°迄の始めの22.5°の間
が開閉カム１０ａ，１０ｂの位置を調整してフイ
ンガ４ａ，４ｂの把持開始位置が絞り加工の状態
に合わせて適当タイミングがとられる。後の22，
5°の間にフインガ閉動作が完了する。85°から130°
迄はトランスフアスライド１及び開閉バー２ａ，
２ｂは停止状態にあり、パンチは引続き上昇す
る。130°より220°まではトランスフアスライド１
は零位置よりトランスフアのストロークの80mm前
進され開閉バー２ａ，２ｂはドラムカム１３によ
りトランスフアスライド１と一体に移動して部品
を次の加工位置に移送する。この途中プレスは上
死点を通過する。220°より265°迄トランスフアス
ライド１及び開閉バー２ａ，２ｂは停止し、パン
チは下降過程を続ける。265°から310°の45°の間ト
ランスフアスライド１は停止し開閉バー２ａ，２
ｂはドラムカム１３により戻り工程に入り1/2ス
トロークの40mmの位置に移動する。このためフイ
ンガのローラ９ａ，９ｂは開閉カム１０ａ，１０
ｂの斜面を昇りカムの山でフインガ４ａ，４ｂを
押圧ピン７ａ，７ｂの力に抗して開けるが、この
45°の間の始めの22.5°がフインガ４ａ，４ｂの開
き始め時期が調整され絞り加工の状態によつてタ
イミングが適宜決められる。すなわち、第１図の
左の位置から次第にタイミングを遅らせる或いは
早めるなど適宜になされる。後の22.5°の間にフ
インガ開放動作が完了する。一方パンチは絞り加
工の深さが50mmであれば275°の位置でダイに挿入
され始め、パンチが挿入して数mmの間フインガは
部品の位置を保つために把持状態が保たれるよう
にフインガの開き始めが調整されている。パンチ
は275°から350°の間に絞り加工を行う。310°から
400°の間トランスフアスライド１は戻り、開閉バ
ー２ａ，２ｂもドラムカム１３によつて40mm先行
した状態でトランスフアスライド１と一体に戻る
ものである。

なお連結バー１１とレバー１９との間にコネク
チングロツド２１に替えラツク、ピニオンによる
倍速機構とすることもできる。

効 果 以上詳述したように本考案は開閉カム位置が単
独に調整可能なことにより絞りなどその工程に最
適なフインガの把持開始位置を設定できる。しか
も開閉バーには開閉カムのみを取付けたので質量
が軽くなりドラムカムの変形正弦曲線等の加速度
連続曲線カムを採用したので両者の相乗効果によ
つて高速運転が可能となる。さらにフインガ開閉
時の衝突がなく静かで滑らかな作動ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はフインガ、開閉バー、ドラムカム等の
平面説明図、第２図はトランスフアスライド、開
閉バー、ドラムカム等の側面説明図、第３図はト
ランスフアスライド、開閉バー、パンチのタイミ
ング図である。 １……トランスフアスライド、２ａ，２ｂ……
開閉バー、４ａ，４ｂ……フインガ、５ａ，５ｂ
……フインガツール、７ａ，７ｂ……押圧ピン、
９ａ，９ｂ……ローラ、１０ａ，１０ｂ……開閉
カム、１３……ドラムカム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 工程間距離を往復動可能に設けられた案内部を
   有する２列のトランスフアスライド１と、該トラ
   ンスフアスライド１と同期して移動可能且長手方
   向に相対移動可能に前記案内部に設けられた２個
   一対の開閉バー２ａ，２ｂと、前記トランスフア
   スライド１上の各工程に対応する位置で垂直軸で
   その中央部が枢支され対向する端に加工部品を把
   持するフインガツール５ａ，５ｂを他端にローラ
   ９ａ，９ｂを設けた一対でなり工程間距離をおい
   て複数対設けたフインガ４ａ，４ｂと、前記トラ
   ンスフアスライド１の案内部に設けられた保持筒
   に移動可能に嵌装された押圧ピンがばねで該フイ
   ンガツール５ａ，５ｂの裏側を加工部品を把持す
   る方向に常時付勢する押圧部材と、前記それぞれ
   の開閉バー２ａ，２ｂに前記フインガと対応して
   設けられ前記開閉バーと前記トランスフアスライ
   ド１との相対移動で前記各対のフインガのローラ
   ９ａ，９ｂに作用し開閉タイミングが各工程毎に
   それぞれに異なる加工部品の高さに応じて各々単
   独に調整可能に設けられた加速度連続曲線のカム
   リフトを有する開閉カム１０ａ，１０ｂと、前記
   トランスフアスライド１の動きと同期するととも
   に前記トランスフアスライドの停止時に独立して
   前記開閉バー２ａ，２ｂを長手方向に直線移動さ
   せる駆動部材１３，１９とを含んでなるトランス
   フアプレス機のフインガ開閉装置。