JPH07100198B2 - トランスフアプレス - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、深絞り中空体を冷間成形するためのプレスで
あって、アイレットプレスと称されることもあるトラン
スファプレスに関する。前記プレスは直線的な等間隔で
離された一連のラムおよびダイと、各ダイへ突入および
後退するよう前記ラムを往復運動させる手段と、各ラム
に嵌装した上部工具（前記ダイが当該各上部工具と協働
する底部工具を構成する）と、前記ラムとダイとの間に
配置され、一連の加工物トランスファ装置を備えたトラ
ンスファスライドとを含み、一連の前記ラムおよびダイ
に対して前記トランスファスライドを長さ方向に直線的
に往復運動させ、そのため作動時該スライドの後退運動
の終り、あるいは終り近くで前記加工物トランスファ装
置が前記ラムとダイとが作用する各加工物と係合し、該
加工物に対してある順序の成形作業を徐々に行い、一方
前記トランスファ装置の前進時、加工物のトランスファ
装置は各加工物を順次、次の前方のラムとダイに位置さ
せ順序だてて次の成形作用を行えるようにする。この種
のトランスファプレスを以下「前述した種類の」トラン
スファプレスと称することにする。

［従来の技術］ トランスファスライドの往復運動は該スライドの後端に
位置したトランスファカムによって典型的に行われ、該
カムの回転がスライドの必要運動を提供する。また、典
型的にはラムは、その上方のカムシャフトに装着された
カムによって往復運動する。該カムシャフトの回転によ
りカムを回転させ、必要な運動をラムに加える。

トランスファスライドの加工物トランスファ装置は各
々、一対のフィンガを含み、該フィンガは対応する端部
で加工物と係合する部分を有し、フィンガは閉鎖位置へ
弾圧される。この目的に対して、フィンガはその一形態
においてスライドに対して直角の各軸線の周りで回転す
るよう該スライドに枢着され、かつ加工物と係合する部
分を相互に対向して圧接させるようばね弾圧されてい
る。別の形態においては、前記フィンガはスライドの運
動方向に対して横断方向で反対方向に直線往復運動する
よう、スライドの両側に取付けられている。

加工物と係合するフィンガは、一つの加工物を解放し、
次の後続する加工物と係合するようスライドの前後運動
の終り、あるいはその近傍でそれぞれ開閉される。この
ように、スライドの前方位置においては、加工物は、ラ
ムが降下するにつれてフィンガの間で押出され、したが
ってラムの上部工具によりフィンガから解放される。こ
のようにトランスファフィンガは加工物の外面に対して
摩擦してこする。同様に、トランスファスライドの最後
方位置あるいはその近傍において、加工物と係合するフ
ィンガはラムの上部工具上でダイから運び出される。上
昇する加工物と係合しかつ押し開げられる。タイミング
に応じて、加工物は最上方位置あるいはその近傍にあ
り、スライドフィンガの開放はスライドの後退運動によ
り行われる。フィンガの下面は前述の運動を促進する形
状とされている。しかしながら、加工物の外面はフィン
ガとの間で摩擦してこすられることが判る。

加工物がトランスファスライドと係合したり外れたりす
ることによって加工物の外面がこすられると、加工物の
表面に傷をつけ、該加工物を品質的に不合格とする可能
性がある。このような傷はプレスの作動速度が増すにつ
れてさらに倍加され、そのためプレスをその能力をはる
かに下廻った速度で作動させる必要がありうる。傷はま
たスライドフィンガにももたらされ、加工物にさらに傷
をつけることになる。

［発明の目的］ 本発明の目的は、構造が簡単であり、前述の種類のプレ
スの製作中に容易に組込みでき、かつ既存のプレスに装
嵌しうる、プレスの加工物トランスファ装置を作動させ
る改良被駆動手段を提供することである。

〔問題点を解決するための手段］ 本発明は前述の種類のトランスファプレスであって、そ
れぞれ対応するラムの工具と関連のダイとの間で係合さ
れている加工物を解放するようトランスファスライドの
加工物係合装置をスライドの運動の前端あるいはその近
傍において機械的に開放し、かつ前記スライドの運動の
後端あるいはその近傍において前記加工物係合装置が各
加工物と係合できるようにする被駆動手段が設けられ、
該被駆動手段が主駆動シャフトから駆動され、かつブレ
スのフレーム部に取付けられたエレメントと、トランス
ファスライドに担持され、かつ前記フレーム部に取付け
られた前記エレメントと容易に分離可能に協働する加工
物トランスファ装置作動手段とを含むことを特徴とする
トランスファプレスからなる。

スライドに担持されたトランスファ装置作動手段は枢着
レバーを含むことが有利であって、該レバーのそれぞれ
の反対方向の回転によりトランスファ装置を開閉して加
工物を解放および係合させ、一方プレスのフレーム部に
担持された被駆動手段のエレメントがスライドの運動に
わたり前記レバーと係合する往復運動可能に駆動される
部材を含み、そのため一方向に前記被駆動部材が運動す
るとレバーが枢動され、トランスファ装置を開放し、か
つスライドの後退運動の間トランスファ装置を開放状態
に保ち、逆方向に被駆動部材が運動すると、レバーが枢
動してトランスファ装置を閉鎖できるようにし、かつス
ライドの前進運動の間トランスファ装置を閉鎖状態に保
つ。

往復運動可能に駆動される部材は、枢着レバーが係合
し、かつスライドの往復運動の間レバーがその上で横方
向運動をするプレートを含むことが好ましい。

前記レバーはスライドの往復運動を通して往復運動可能
に駆動される部材のプレートと転び接触するローラを適
宜に含む。レバーとプレートとの間の接触は重力により
作用するレバーの重量により保たれることが好ましい。

プレスのフレーム部に担持された被駆動エレメントはプ
レスの主駆動シャフトに取付けられたカムと、往復運動
可能に駆動される部材に担持されたカムフォロアとを含
むことが有利であって、カムのプロフィルは前記の被駆
動部材の必要な往復運動を提供すべくカムの回転に適合
される。カムはその一形態において一つのラムとダイか
ら次のラムとダイまで加工物を前進させるスライドの運
動の終り、あるいはその近傍において加工物と係合する
する装置を開放させ、スライドが復帰し前記係合装置が
後続の次の加工物を前進させるべく加工物と係合できる
ようにするまで前記係合装置を開放状態に保つようにさ
れている。

トランスファスライドの加工物と係合する装置は適当
に、前記スライドの長さにわたり隔置された対の回転可
能に装着されたフィンガを含み、各対のフィンガは閉鎖
位置までばね弾圧され、前記作動手段はクランクレバー
を固定した前記スライドの両側に取付けられた回転可能
のロッドを含み、該ロッドは前記レバーの回転により回
転し、前記スライドは内方に延びるピンを有し、該ピン
はその内端でそれぞれフィンガと係合し、外端において
はクランクレバーが係合することによって、一方の方向
に前記レバーが回転するロッドならびにクランクレバー
を回転させてピンと係合し該ピンを内方に押込むように
して前記フィンガを開放位置まで移動させ、一方逆方向
にレバーが回転するとフィンガのばねがピンを外方に押
出しそのためクランクレバーとロッドとを逆方向に回転
できるようにする。

代替的に、トランスファスライドの加工物と係合する装
置はスライドの長さにわたり隔置され、対となった軸線
方向に移動可能のフィンガを含み、各対のフィンガはば
ねにより閉鎖位置に弾圧され、作動手段がクランクレバ
ーを固定した前記スライドの両側でそれぞれ取付けられ
た回転可能のロッドを含み、該ロッドはレバーの回転に
より回転し、前記スライドは内方に延びたピンを有し、
該ピンはその内端でそれぞれフィンガと係合し、外端で
はそれぞれクランクレバーが係合することによって、一
方向にレバーが回転するとロッドおよびクランクレバー
を回転させてピンと係合し、かつ内方に押込みフィンガ
を開放位置まで移動させ、一方逆方向にレバーが回転す
るとフィンガのばねがピンを外方に押出しそのためクラ
ンクレバーとロッドとを逆方向に回転できるようにす
る。

スライドフィンガは両側の中間で適当に枢着されてお
り、内方に延びたピンがそれぞれ、加工物と係合してい
る端部とは離れた方の端部と係合する。

また、本発明は前述の種類のトランスファプレスに対し
て用いるために、その長さにわたり隔置され、閉鎖位置
までばね弾圧された対のフィンガと、それぞれフィンガ
と係合する内方に延びるピンとを有する往復運動可能の
トランスファスライドを含み、スライドの両端にはクラ
ンクレバーを固定した回転可能のロッドが取付けられて
おり、一方の方向にロッドが回転するとピンを内方に押
圧してフィンガを開放位置まで移動させるようにされて
いる。

スライドにはロッドを回転させてフィンガを開放位置ま
で運動させる、カムにより駆動される手段を設けること
が有利であり、前記フィンガの弾圧ばねが該フィンガを
閉鎖位置まで復帰させ、その結果ロッドを戻り回転させ
る。

本発明を添付図面を参照し例として以下説明する。

［実施例］ 図示するトランスファプレス１の構成部材としては、長
手方向に延びる平行の側部４を有する長方形フレームの
形態のトランスファスライド３を含み、該側部の長さに
沿って、一連のラムおよびダイ（図示せず）との軸線の
間の間隔に対応する等間隔の間隔で加工物係合手段５が
取付けられており、該係合手段は１個のみ示している
が、レバーの形態の一対のアーム即ちフィンガ７を含
み、該フィンガはスライド３に対して直角配置の枢動ピ
ン９に両端部の中間で取付けられている。前記フィンガ
は後方端において、当該プレスを通して一つのラムとダ
イから次のラムとダイへ前進してくる加工物の対応する
円筒形面と係合可能の部分的に円筒形の内面13を有する
加工物係合エレメント11を取付けている。

枢動ピン９にはコイルばね15が取付けられており、該ば
ねの両端はそれぞれスライド３とフィンガ７の各面と当
接し、そのためフィンガ７は加工物係合エレメント11の
閉鎖端に向かって内方に弾圧されている。スライドの運
動方向に対して直角に運動するようにスライド３の側部
にはピン17が摺動可能に担持されており、該ピン17はエ
レメント11から離れた方のフィンガ７の端部とそれぞれ
係合している。以下説明するように、ピンが内方運動す
ることによって弾圧ばね作用に対してフィンガ７を回転
させ、エレメント11を開放位置まで運動させる。

スライド３は、一連のダイの丁度上方であって、かつラ
ムの後退位置の下方の水平面において往復運動するよう
トランスファカム（図示せず）と係合し、該トランスフ
ァカムが約180度相互に離れた２個のカムフォロワと協
働してスライドがその往復運動を通して確実に駆動され
る。一方前記スライドの前端にはヨーク23がボルト21に
よってスライドの側部４に固定されており、該ヨークに
は枢動シャフト25が取付けられている。前記枢動シャフ
トは該シャフト25を延びる平行の脚部29を介してＵ字形
レバー27を取付けている。

前記レバー27にはその両側で、横方向に延びる耳31が形
成されており、該耳の各々に垂直ボルト33がねじ込ま
れ、該ボルト33は耳31の下側でロックナット35がねじ込
まれている。スライド３の運動方向に対して平行の両側
部４にはロッド37がベアリングブロック39において固定
されており、該ブロック39はスライドの側部４にボルト
止めされている。前記ロッド37にはその前端においてス
リーブ41がキー止めされており、該スリーブの各々に
は、対応するボルト33の上に来る、内方に延びた突起43
が形成されている。このように、枢動シャフト25から離
れた方のレバー27の端部を上方に回転させることにより
突起43がボルト33に係合するためロッド37を回転させ
る。

ロッド37は一連のクランクアーム45を担持しており、該
クランクアームはキー47によりロッド37に固定され、か
つグラブねじ49によりロッドに対して軸線方向に運動し
ないよう調整可能に固定されている。クランクアーム45
はそれぞれ、ピン17の１個と係合するよう配置され、そ
のためレバー27のボルト33が持上ることによりロッド37
が１回転すると、アーム45はピン17を内方へ押込むよう
回転して加工物係合エレメント11を開放運動させる。レ
バー27が降下すると、ばね15がフィンガ７をしてピン17
を外方へ押出すようにし、そのためアーム45がロッド37
を逆方向に回転させることによりレバー27が降下位置に
ある間突起43とボルト33との間の接触を保つ。

前記脚29の間の中央にあるレバー27は、その下面の前端
にサドル53が形成され、該サドルにおいて、ローラ55が
シャフト57に取付けられている。ローラ55はプレート59
と係合し、該プレート59はボルト65によりラム63の頭61
に固定されている。前記プレートはラムの頭から後方に
延びているのでローラ55とプレート59との間の接触がス
ライド３の往復運動を通して保たれる。

ラム63はプレスのフレーム69にボルト止めされ、かつス
リーブ73と整合した垂直孔71が設けられており、前記ス
リーブ73にはロッド75が摺動可能に係合している。

ロッド75はその下端において垂直ボルト77によりブロッ
ク79を固定しており、該ブロックはサドル状であって、
垂下側板81が形成されており、該側板をシャフト83が貫
通する。前記シャフト83はねじ87により前記ブロックに
保持されたキープレート85によりブロック79に固定され
ている。側板81の間には、シャフト83にニードルローラ
ベアリング89のケージとカムフォロワ91が装着されてお
り、前記カムフォロワはスライドのフィンガを開閉する
カム93と係合する。カムとカムフォロワとの接触を保ち
やすくするために４個の圧縮ばね95が円筒形くぼみにお
いて前記ブロックの隅に位置し、ラム本体67の共軸線く
ぼみへ延びる。

カム93はボルト99によりプレスの底部駆動シャフト101
に固定されたボス97に固定されている。前記底部駆動シ
ャフトはプレスのフレームの一部103を貫通し、スラス
トベアリング105がフレームの部分103とボス97との間に
設けられている。底部駆動シャフト101は直立した側方
シャフト（図示せず）により駆動され、該シャフトの方
はラム工具を駆動するメインシャフトにより駆動され
る。

第２図から、カムの上昇プロフィル107はカムのプロフ
ィルの概ね180度にわたって延びていることが判る。カ
ムフォロワ91がカムの上昇プロフィル10と係合すると、
カムフォロワはレバー27を上昇位置に保持し、そのため
ピン17を介して作用するクランクアーム45がフィンガ７
の加工物と係合するエレメント11を開放させる。カム93
が回転してカムフォロワ91を下降プロフィル109へ移す
と、レバー27が降下し、クランクアーム45がピン17のフ
ィンガばね15の作用により逆回転し、そのためフィンガ
７のエレメント11が閉鎖位置に持って来られる。

スライドの往復運動に対するカム93のセッティングは、
スライドがその最後方位置に達するか、あるいは近づく
につれてラム工具が加工物をすでにダイから少なくとも
部分的に持上げずみであり、カムフォロワのローラ91が
カムの下降プロフィルと係合することによって弾圧ばね
15を介して加工物に対してフィンガが機械的に閉鎖され
るようにする。この次に、周知の形態の剥離機構（図示
せず）が作動して加工物をラム工具から確実に分離させ
る。フィンガエレメント11は、スライドが前方位置に達
するかあるいは近づくまでスライドが加工物を移送して
いる間閉鎖されたままである。カムフォロワ91はカムの
上昇プロフィル107に移り、フィンガ７のエレメント11
が開放し、加工物を解放させる。この時点で、ダイへ入
る前にラム工具が加工物と係合する。次いで、スライド
が再びその最後方の位置に達するかあるいは近づくまで
開放されたままであり、下降プロフィルと再び係合して
ばね15の作用により加工物に対してフィンガエレメント
が閉鎖できるようにする。

第６図から第９図までから構成される図は前述したもの
と同じ形態のトランスファプレスの加工物係合手段を開
閉させる機構を示す。第１図から第５図までに関して説
明した実施例においては、加工物係合手段は、各フィン
ガがその両端の間で枢着され、閉鎖位置にばね弾圧され
ることによって加工物係合手段がフィンガの回転運動に
より開閉されるレバーの形態の、対のフィンガ７を含む
ものである。

本実施例においては、加工物係合手段の開閉が加工物係
合手段を運動させる手段を介して直線往復運動すること
により行われ、前記の運動手段は第１図から第５図まで
に示す実施例に関して説明したものと同じである。この
点に関して、第６図から第９図までに示す部材で第１図
から第５図までのものと同じものについては同じ参照番
号を付してある。

図面を参照すれば、トランスファスライド３は、一連の
ラムとダイ（図示せず）の軸線の間の間隔に対応する等
間隔の間隔でその長さにわたって加工物係合手段５を装
着しており、該加工物係合手段５はそれぞれの一対の対
向するフィンガ７を含み、該フィンガは、加工物がプレ
スを通して一方のラムとダイから次のラムとダイまで前
進する加工物の対応する形状の円筒形面と係合可能の、
部分的な円筒形の内面13を有する加工物係合エレメント
11を含む。

前記エレメント11から、かつ直角に後方へロッド151が
延び、該ロッド151はスライド３の側部４に対して直角
に延びる孔153の各々と摺動可能に係合している。各ロ
ッド151は外端にねじ部分155を有し、該ねじ部分には対
応するロッド151のストロークを変えるように調整可能
のロックナット157が担持されている。

加工物係合手段５を直線往復運動させるために、各ロッ
ド151には横方向のくぼみ159が形成されており、該くぼ
みにはレバー161の一端が係合し、該レバー161はその反
対側の端部に近いところでスライドに対して直角のピン
163に枢着されている。対応するロッド151から離れた方
の端部において、各レバー161はピン17の１個と係合
し、該ピンはロッド37に固定されたクランクアーム45に
よって内方に運動し、係合した加工物から加工物係合手
段を解放させる。ロッド37はスライド３の往復運動の過
程で回転する。各レバー161はばね165により弾圧されて
おり、該ばねは枢動ピン163を囲み、その各端部がレバ
ーの当接部167と、中にレバーが配設されているスライ
ド３の開口171の側部169と係合する。前記ばねの弾圧に
より加工物係合手段を関連の加工物と係合するよう内方
に弾圧する。

先の実施例について説明したように、ロッド37は逆回転
して加工物係合手段５が加工物と再び係合しうるように
する。ロッド37が逆回転すると、各ばね165はその関連
のレバー161を回転させ、ロッド151を内方へ運動させ、
かつ対応するピンを外方に運動させることにより、ピン
と対応するクランクアーム45との間の接触が保たれるよ
うにする。加工物係合手段の開閉のタイミングは、第１
図から第５図までに示す実施例に関して説明したものと
同じ要領で、かつ同じ機構によって設定される。

本発明による機構は製作が簡単であって、かつフィンガ
を開閉する機構がそのカム駆動装置と別にスライドに取
付けられており、かつ加工物のトランスファ装置の作動
手段、即ちスライドに担持されたフィンガ開閉機構のみ
がレバー27ローラ55とラム63のプレート59との間の接触
によりプレスのフレームに担持された駆動装置のエレメ
ントに接続されているので、既存の機械に前記機構を装
嵌するには、スライドを変え、シャフト101に新しいス
ライド用のカム駆動装置を取付け、カムフォロワのラム
組立体をプレスの主フレームにボルト止めし、プレスの
ボルスタを若干修正するだけでよい。さらに、希望に応
じて、スライドの選定した対のフィンガのみを機械的に
開閉し、一方残りの部分をフィンガと加工物との間の摩
擦係合により従来通り開放しておくようにすることも可
能である。

前述した機構は前述の種類のトランスファプレスに対し
て数々の重要な利点を提供する。まず、加工物とスライ
ドフィンガとの間の摩擦が著しく低下する結果、加工物
の表面に対する傷ならびにフィンガ自体に対する傷が低
下する。また摩擦が低下する結果スライドフィンガに対
するプラスチックインサートの使用も促進され、プラス
チックインサートの使用により加工物の表面に対する損
傷を低下させる。ばね負荷のフィンガを用いることによ
って、プレスを高速作動させても、傷は発生しにくくな
る。したがって、本発明によりフィンガの確実開閉が得
られるためプレスの高速作動、典型的には一分当りスラ
イドを240回往復させることができ、一方、加工物の表
面に対する顕著な傷の何らかの発生わも阻止する。ま
た、加工物に対する表面傷を顕著に増加させることなく
より強力なフィンガ弾圧ばねを採用できる。より強力な
ばねを採用することによりその運動の前端でスライドを
高速停止するので高速作動中もフィンガを開放しようと
しないように保証する。このためによってもより高速の
作動並びにフィンガと加工物との間の摩擦係合を可能と
する。

スライドの運動に対する、フィンガ開放のカムのタイミ
ングは簡単に設定され、かつ開放端でより大きいフラン
ジをそなえた加工物を扱っても、フィンガがフランジの
下で捕捉されることがないようにすることが明らかであ
る。さらに、本発明は、フィンガを枢動させる代りにス
ライドの運動方向に対して直角に運動させるスライドに
ついても均等に適用可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明により作動する、前述の種類のトランス
ファプレスの諸部材の部分平面図、 第２図は第１図の線II−IIに沿って視た、第１図に示す
プレスの諸部材の一部断面の端面図、 第３図は第２図の左側から視た、第１図と第２図とに示
すプレスの諸部材のこれも部分的に断面の側面図、 第４図と第５図とは詳細を示すために、第１図の線IV−
IVとＶ−Ｖに沿ってそれぞれ視た部分断面図、 第６図は前述の種類のトランスファプレスのトランスフ
ァスライドについて別の実施例の部分平面図、 第７図は第６図に示すものよりさらに詳細を示すため
に、第１図のトランスファスライドのある部分について
第６図より増尺した平面図、および 第８図と第９図とは第６図と第８図のそれぞれの線VIII
−VIIIに沿って視た、第７図と同じ尺度の図である。 図において、 １…トランスファプレス ３…トランスファスライド ５…加工物係合手段、７…フィンガ ９…枢動ピン 11…加工物係合エレメント 13…円筒形面、15…コイルばね 17…ピン、21…ボルト 23…ヨーク、25…枢動ピン 27…Ｕ字形レバー、37…ロッド 45…クランクアーム、53…サドル 55…ローラ、57…シャフト 59…プレート、63…ラム 91…カムフォロワ、93…カム 95…圧縮ばね 107,109…カムのプロフィル 151…ロッド、159…くぼみ 161…レバー、163…枢動ピン 165…ばね、171…開口

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プレスフレーム（103）と、直線的に等間
   隔で離されてプレスフレームに取り付けられ、段階的に
   一連の成型作業を行うためのラム及びダイの一連の対
   と、各ダイへ進入及び後退するようにラムを往復運動さ
   せる手段と、各ラムに装着された上部工具（該上部工具
   と協働する底部工具は前記ダイが構成する）と、前記ラ
   ムとダイとの間に配置され、加工物を移送する一連のト
   ランスファ装置（７）、及び、該トランスファ装置を操
   作するための手段（37、45、17）を備えたトランスファ
   スライド（３）と、前記一連のラム及びダイの対が配置
   された方向に沿ってトランスファスライドを直線的に往
   復運動させる手段と、前記トランスファ装置を操作する
   ための手段を駆動するために前記プレスフレームに取り
   付けられた回転駆動されるシャフト（101）を有する駆
   動手段とを備え、 前記トランスファスライドに取り付けられて、前記トラ
   ンスファ装置を操作するための手段（37、45、17）と作
   用的に接続された駆動部材（27）を有し、前記駆動手段
   が前記シャフト（101）によって往復運動されるエレメ
   ント（59）を有し、該エレメントは、前記駆動部材と分
   離しやすい状態で接触されて該エレメントの往復運動が
   駆動部材の変位を生じるようにしてあり、トランスファ
   スライドが往復運動する間、この接触が維持されるよう
   になされており、トランスファスライドがその往復運動
   の後端位置の付近で前記トランスファ装置が対応する１
   つのラム及びダイの対から前記加工物を受け取り、同ト
   ランスファスライドの前進工程の間、同加工物を搬送
   し、同加工物を次のラム及びダイの対に渡して、続く後
   進工程の間、加工物を離した状態とされるようになされ
   たことを特徴とするトランスファプレス。
2. 【請求項２】請求項１に記載のトランスファプレスにお
   いて、前記作動部材（27）が前記スライドに担持された
   枢動レバーを有し、前記往復駆動エレメント（59）がプ
   レート（59）を有し、枢動レバーが該プレートに接触さ
   れトランスファスライドの往復運動の間、該接触が維持
   されるようになされていることを特徴とするトランスフ
   ァプレス。
3. 【請求項３】請求項２に記載のトランスファプレスにお
   いて、前記枢動レバー（27）がローラ（55）を有し、該
   ローラが前記プレートにころがり接触するようになされ
   ていることを特徴とするトランスファプレス。
4. 【請求項４】請求項２若しくは３に記載のトランスファ
   プレスにおいて、レバー（27）とプレート（59）との間
   の接触がレバーの重力によって維持されるようにしたこ
   とを特徴とするトランスファプレス。
5. 【請求項５】請求項１ないし４のいずれかに記載のトラ
   ンスファプレスにおいて、プレスフレーム上に支持され
   た駆動手段（101、59）が、回転駆動されるシャフト（1
   01）に取り付けられたカム（93）と、往復駆動される部
   材（59）に支持されたカムフォロワ（91）とを有し、前
   記カムの輪郭曲線が前記往復駆動される部材の必要な往
   復運動を与えるようにしたことを特徴とするトランスフ
   ァプレス。
6. 【請求項６】請求項５に記載のトランスファプレスにお
   いて、前記カムは１つのラム及びダイの対から次のラム
   及びダイの対へ加工物を前進させるトランスファスライ
   ドの運動の終わりあるいはその近くにおいて前記トラン
   スファ装置の加工物係合装置を開放させ、同トランスフ
   ァスライドが復帰し加工物係合装置が次の加工物と係合
   できるようになるまで同装置を開放したままとするよう
   にされていることを特徴とするトランスファプレス。
7. 【請求項７】請求項２ないし６のいずれかに記載のトラ
   ンスファプレスにおいて、トランスファ装置の加工物係
   合装置が、トランスファスライドに回転可能に装着され
   た一対のフィンガであって、各対のフィンガが閉鎖位置
   へバネ弾圧されているフィンガを有し、前記トランスフ
   ァ装置を操作するための手段（37、45、17）が前記トラ
   ンスファスライドの両側のそれぞれにおいてクランクレ
   バー（45）を固定した回転可能のロッド（37）を有し、
   該ロッドは前記レバーの回転により回転され、前記スラ
   イドは内方に延びるピン（17）を有し、該ピンは内端で
   それぞれフィンガと係合し、外端ではクランクレバーと
   係合し、クランクレバーを一方に回転することによって
   当該ロッドを回転し且つピンを内方に駆動してフィンガ
   を開放位置へ移動させ、一方逆方向にレバーを回転する
   ことによってフィンガのばねがピンを外方に駆動し、し
   たがってクランクアームとロッドとを前記逆回転に付勢
   させることを特徴とするトランスファスライド。