JPH05106133A - ほつれ防止されたモツプコード糸等の製法 - Google Patents

ほつれ防止されたモツプコード糸等の製法

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JPH05106133A
JPH05106133A JP27119991A JP27119991A JPH05106133A JP H05106133 A JPH05106133 A JP H05106133A JP 27119991 A JP27119991 A JP 27119991A JP 27119991 A JP27119991 A JP 27119991A JP H05106133 A JPH05106133 A JP H05106133A
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twist
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 清掃用モップの用途に使用され、清掃及び洗
浄の反復操作に賦した場合にも、撚糸のほつれ及び損耗
が防止されたモップコード糸を、少ない工程数で生産性
よく製造する方法、特に熱融着糸が撚り込まれた撚糸
を、直接最終使用状態であるコーン巻きされた状態で、
撚り固定加工に賦することが可能なモップコード糸の製
造方法を提供する。 【構成】 複数の原糸と熱接着性繊維とを撚り合わせ、
この撚糸を前記熱接着性繊維が溶融するように熱処理し
て、ほつれ防止されたモップコード糸等の製造するに際
して、上記撚糸を実質上ドライであるが、少なくとも吸
着水ないし極少量(総重量に対し2%以上)の水分が保
持される条件下に、マイクロ波加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ほつれ防止されたモッ
プコード糸等の製法に関するもので、より詳細には、清
掃用モップの用途に使用され、清掃及び洗浄の反復操作
に賦した場合にも、撚糸のほつれ及び損耗が防止された
モップコード糸を、少ない工程数で生産性よく製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、清掃用モップコード糸としては、
原糸の複数本を撚り合わせた撚糸が一般的に使用されて
いる。清掃用モップの形態において、モップコード糸の
末端は撚糸が切断されてフリーの状態であり、この切断
末端から撚りが解け、ほつれや糸の損耗が生じるように
なる。特に清掃用モップにおいては、床面との摺擦のよ
うな過酷の使用条件におかれ、また使用後においても過
酷な洗濯条件に賦されることから、モップコード糸の切
断末端からのほつれや損耗は著しいものとなり、最終的
に使用不能の状態に至るようになる。このことから、モ
ップコード糸の切断末端からの撚りの戻りを防止するこ
とが、モップコード糸の品質及び寿命を長く維持する上
で重要となる。
【0003】従来、モップコード糸の撚り固定方法とし
ては、いくつかの方法が知られている。即ち、綿糸に適
用可能な方法として、綿糸を熱湯または、強アルカリ水
溶液に浸漬し、綿糸を収縮させ固定する方法(マーセル
化法)が知られており、綿糸及びその他の繊維に適用可
能な方法として、複数の原糸を用いて撚糸を行う時点
で、熱接着性繊維(以下熱融着糸と呼ぶことがある)を
撚り込み、これを熱湯中で処理して融着する方法や、上
記と同様の撚糸を高温高圧容器中のスチームにて処理し
融着する方法(融着糸法)が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記マ
ーセル化法では、繊維自体の物理的化学的形態保持力を
利用したものであるため、撚り保持力が不十分であった
り、効果にばらつきがある等、撚りの固定効果において
未だ不満足な点があると共に、大量のアルカリ排水が副
生すると共に、作業員が強アルカリ水溶液の危険にさら
される等、環境上、作業上の問題があり、更に濯ぎ工程
乃至乾燥工程を必要とする等、工程数が多く、エネルギ
ーコストも高くつく等の問題がある。
【0005】また、上記融着糸法は、融着のための加熱
処理及びその後の後処理に問題があり、熱水浴を使用す
る方法では、用いる熱融着糸が、熱媒としての水の沸点
である100℃以下の融点の熱融着糸に制限されると共
に、融着セット後乾燥工程を必要とするという問題があ
る。更に、加圧容器法では、高圧スチームに耐えられる
圧力容器を必要とし、装置が大型化すると同時に高温高
圧スチームによる作業員の危険も伴う等、装置上の問題
があると共に、熱処理時の加圧、減圧に多くの時間が奪
われ、必ずしも効率が良いとは言えない。
【0006】更に、モップコード糸の製造及びモップコ
ード糸からモップへの加工は何れも、モップコード糸を
コーン巻き又はチーズ巻き等にパッケージされた状態で
行われるが、従来のモップコード糸のほつれ防止法は何
れも、外部加熱によるものであるため、熱分散を均一
化、効率化するため、コーン巻き又はチーズ巻き等され
た撚糸上りの状態から「かせ」に取り、このかせの状態
でほつれ防止加工を行い、加工されたものを最終状態で
あるコーン巻き又はチーズ巻き等に巻き直す作業を必要
とする。従って、従来の撚り固定加工はその加工費が何
れもかなり高価につくのに加えて、かせへの巻き取りと
かせからコーン巻き又はチーズ巻き等への巻き戻しとの
余分な2段の巻き取り操作が加わり、工程数の点でも、
装置の点でも未だ不満足なものであり、最終製品コスト
においては、そのかなりの部分を撚り固定加工費が占め
るという問題がある。
【0007】従って、本発明の目的は、従来の撚り固定
加工における上記欠点を防止し、清掃用モップの用途に
使用され、清掃及び洗浄の反復操作に賦した場合にも、
撚糸のほつれ及び損耗が防止されたモップコード糸を、
少ない工程数で生産性よく製造する方法を提供するにあ
る。
【0008】本発明の他の目的は、熱融着糸が撚り込ま
れた撚糸を、直接最終使用状態であるコーン巻き又はチ
ーズ巻き等にされた状態で、撚り固定加工に賦すること
が可能なモップコード糸の製造方法を提供するにある。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、複数
の原糸と熱接着性繊維とを撚り合わせ、この撚糸を前記
熱接着性繊維が溶融するように熱処理することからな
る、ほつれ防止されたモップコード糸等の製法におい
て、上記撚糸を実質上ドライであるが、少なくとも吸着
水ないし極少量の水分が保持される条件下に、マイクロ
波加熱することを特徴とするモップコード糸等の製法が
提供される。
【0010】本発明において、撚糸に保持させる水分量
は、繊維総重量当たり2重量%以上の範囲にあるのがよ
く、上記撚糸をコーン巻き又はチーズ巻き等にパッケー
ジされた状態で、マイクロ波加熱することが好ましい。
【0011】
【作用】本発明では従来の方法と同様に、複数の原糸と
熱融着糸とを撚り合わせ、この撚糸を前記熱融着糸が溶
融するように熱処理することにより、モップコード糸の
撚りの固定加工を行い、これによりほつれ防止されたモ
ップコード糸等を製造するが、この熱処理を、上記撚糸
を実質上ドライであるが、少なくとも吸着水ないし極少
量(総重量の2%以上)の水分が保持される条件下に、
マイクロ波加熱することが顕著な特徴である。
【0012】マイクロ波加熱は、家庭でも電子レンジと
して食品類の加熱調理に広く使用されている。このマイ
クロ波加熱は、水分子によるマイクロ波の吸収の結果と
して生じる水分子の運動による発熱を利用したものであ
り、外部加熱とは異なり、発熱が内部からも行われ、全
体が一様且つ均一に加熱されるという特徴を有する。
【0013】本発明は、殆どの繊維が本質的に吸湿性を
有しており、繊維内或いは繊維表面に水分を有するとい
う事実を巧みに利用し、マイクロ波照射に伴う水分の発
熱を、複数の原糸と熱融着糸とを撚り合わせた撚糸の加
熱源とし、これにより、モップコード糸の撚り固定加工
を行い、そのほつれと繊維の損耗とを防止するものであ
る。
【0014】本発明では、繊維中の吸着水分を利用する
ため、繊維を実質的にドライの状態で処理し得ることが
大きな特徴であり、繊維中の吸着水分だけでは不十分で
ある場合にも、極少量の水分を補給するだけで十分であ
り、見かけ上ドライの状態で撚固定加工を行うことがで
きる。このため、本発明の加工では、熱媒体としてモッ
プコード糸に対して、従来の湯浴又はスチーム加熱のよ
うな著しく過剰の水分を加熱するという熱エネルギーの
無駄を省くことができ、熱エネルギー節約のメリットは
著しく大である。
【0015】更に見かけ上ドライの状態で撚り固定加工
を行うことができるため、過剰の水分を脱水したり、或
いは乾燥したりするのを省略することができるので、熱
エネルギーコストの低減のみならず、操作及び工程数簡
略化及び省資源の意義は非常に大きい。
【0016】加えて、本発明の撚り固定加工では、外部
加熱とは異なり、発熱が内部からも行われ、全体が一様
且つ均一に加熱されるため、上記撚糸をコーン巻き又は
チーズ巻き等にパッケージされた状態で撚り固定加工に
賦することができ、かせへの巻き取りやかせからのコー
ン巻き又はチーズ巻き等への巻き取りが省略され、工程
数簡略化及び装置コスト低減の効果がある。
【0017】
【発明の好適態様】
(素材)本発明においてはモップコード用原糸として天
然繊維、合成繊維又はこれらの混合物からなる任意のモ
ップコード用原糸を使用する。原糸を構成する繊維とし
ては、木綿、レーヨン、アセテート繊維のようなセルロ
ース系繊維やポリビニルアルコール繊維、ナイロン繊
維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル
繊維等の合成繊維を挙げることができる。勿論、これら
の原糸は単独の紡績糸であってもよいし、或いは2種以
上の混紡糸であってもよい。これらの原糸は、天然又は
合成のステープル繊維の紡績糸であってもよいし、又合
成繊維の場合にはマルチフイラメント糸であってもよ
い。
【0018】モップコード原糸としては、繊度が200
乃至10000デニールのものが好ましい。勿論、この
原糸は単糸であってもよいし、種類が同一であるか、又
は異なる複数本の合糸或いは撚糸であってよい。尚、綿
糸の繊度は一般に番手で表されるが、番手とデニールと
は、次の式で換算される。
【数1】番手=5,315/デニール
【0019】清掃作業性や耐汚染性の点で好適な繊維は
重要な順に、木綿、ナイロン繊維、アクリル繊維、レー
ヨン繊維、ビニロン繊維等である。
【0020】本発明においては、上述したモップコード
用原糸を、熱融着糸、即ち熱接着性の低融点合成フィラ
メントを用いて接合する。熱融着糸としては、ポリアミ
ド系、ポリエステル系、オレフィン系等の各種のものが
あり、これらは何れも本発明の目的に使用されるが、熱
接着性ポリアミドフイラメント、即ち低融点ポリアミド
フイラメントが特に好適である。
【0021】低融点ポリアミドフイラメントとは、複数
種のポリアミド形成用単量体、即ちW−アミノカルボン
酸成分又はジカルボン酸成分とジアミン成分との組合せ
からなる共重合ポリアミド類であって、その融点が一般
に80乃至140℃の範囲にあるものであり、この低融
点ポリアミドフイラメントは、吸着水分が可塑剤的作用
をするため、湿熱条件下では乾熱条件よりもかなり低い
温度、一般に20乃至40℃低温域で溶融することが顕
著な特徴の一つである。
【0022】本発明は、熱融着糸、特に低融点ポリアミ
ドフイラメントのこの特性を利用して、モップコード糸
の繊維を損傷させずに、又その柔軟性、自由さ及び風合
いを損なわずに、マイルドな条件で、撚りの固定を行う
ものである。
【0023】低融点ポリアミドフイラメントも一般に繊
度の低いマルチフイラメント糸の形で入手でき、その繊
度は一般に30乃至300デニールの範囲にある。好適
な低融点ポリアミドフイラメント糸は、東レ株式会社か
らエルダーの商品名で、またユニチカ株式会社からフロ
ールMの商品名で入手できる。
【0024】(撚糸の製造法)本発明によれば、前述し
たモップコード用原糸を熱接着性ポリアミドフイラメン
ト糸等の熱融着糸と撚糸することにより、該熱融着糸を
モップコード原糸に絡み合わせる。
【0025】この際、モップコード用原糸を、80乃至
800回/m、特に100乃至600回/mの撚回数の
下撚りと、撚り方向が下撚りと逆で、しかも下撚りの撚
回数よりも少なく且つ50乃至300回/m、特に70
乃至200回/mの撚回数の上撚りとを有するようにす
るのがよい。上撚りの撚回数は下撚りの撚回数よりも1
0乃至80少ないことが、後述する融着処理にも関連し
て、撚りの固定に有利である。
【0026】上撚り、及び下撚りの撚回数が上記範囲よ
りも少ない場合には、後述する処理に賦した場合でも撚
りの固定が不十分であり、反復使用中に糸のほつれや損
耗を生じる傾向が増大する。また、上撚り及び下撚りの
撚回数が上記範囲よりも多いと、モップコードの柔軟
さ、自由さが失われて、ダスト捕集、保持性が低下する
と共に、清掃作業性が悪くなり、また風合いも低下する
傾向がある。
【0027】モップコード原糸と低融点ポリアミドフイ
ラメント等の熱融着糸との使用比率は、かなり広範囲に
変化させ得るが、前者の繊度をd1 、後者の繊度d2
して、d2 /d1 ×100で表される配合性が0.1乃
至15%、特に0.1乃至10%の範囲となるようにす
るのがよい。即ち熱融着糸の使用量比が上記範囲よりも
少ないと、撚りの固定が十分でなく、また上記範囲より
も多いと糸の柔軟性が失われ、またコストも高くなる。
【0028】複数本のモップコード原糸と、熱融着糸と
は、前述した制限を満足する範囲内で、種々の方式で撚
り合わせることができる。例えば、複数本の、モップコ
ード原糸の中心に熱融着糸が位置するように撚糸を行う
ことができるし、また熱融着糸が芯、モップコード原糸
がこれを被覆する鞘の形で撚糸としてもよい。モップコ
ード原糸は一般に2乃至20本、特に2乃至15本の少
ない本数とすることが望ましい。
【0029】本発明の特に好適な態様では、熱融着糸、
特に低融点ポリアミドフイラメント糸として、撚糸の上
撚りと逆方向で、しかも上撚りの撚回数にほぼ対応する
撚回数を有するフイラメント数が5乃至40本のマルチ
フイラメント糸を使用する。このような低融点ポリアミ
ドマルチフイラメント糸を使用すると、撚糸時にマルチ
フイラメンとの撚り戻りを生じて、熱融着糸が撚糸中の
比較的広い部分に分布して、各原糸を多数の点で有効に
接合することが可能となる。
【0030】(撚り固定加工)本発明によれば、このよ
うに製造される撚糸を、熱融着糸の湿熱融点よりも高い
温度でマイクロ波加熱により処理し、原糸相互をそれら
の間に位置する熱融着糸で融着する。
【0031】本発明によれば、撚糸中の水分率を2重量
%以上に維持すれば、マイクロ波による撚り固定加工が
確実に行われることが見いだされた。綿の場合、標準状
態で7%、公定で8.5%の水分率を有するため、通常
水分調整は要らない。又、通常の紡績工程では、糸切れ
等の発生等を少なくするために、加湿された条件下で紡
績、撚糸等の工程を行っている場合が多いから、格別の
加湿を必要としなくてもよい。何らかの理由で、水分率
が不足する場合には、コーン巻き又はチーズ巻きされた
撚糸を加湿室中に保持することによっても行うことがで
きるが、最も簡便には、コーン巻き又はチーズ巻きされ
た撚糸に極小量の水をスプレーするなどの操作で含浸さ
せることにより行うことができる。
【0032】マイクロ波加熱は、大型の電子レンジ等に
使用されているマイクロ波加熱装置を用いることができ
る。用いる電磁波の周波数は、水分の発熱が有効に行わ
れるものであり、300MHz乃至数百GHzの電磁波
が使用される。マイクロ波加熱のために2.45GHz
の電磁波が電波法で割り当てられており、この周波数の
電磁波を用いるのがよい。
【0033】水分調節された撚糸を、マイクロ波加熱装
置の室内に入れマイクロ波の照射を行う。水分調節され
た撚糸は、露出された状態で室内に入れることもできる
が、一般には、水蒸気不透過性の材料、例えばフィルム
等でラッピングした状態で室内に入れることが望まし
い。上記ラッピング法を用いると、水分の揮散を防止し
て、コーン巻き又はチーズ巻きされた撚糸の周囲及び内
部に水分を有効に保持できる為、均一且つ安定な撚り固
定加工を行うことができる。
【0034】マイクロ波加熱の温度は、熱融着糸の湿熱
溶融温度以上の温度であり、マイクロ波の出力や照射時
間は熱融着糸が完全に溶融して、モップコード糸の撚の
固定が確実に行われるように定める。照射時間は、処理
量や電磁波の出力にもよるが、一般的に言って、処理量
1kg当たり500ワットの出力で5乃至10分間程度
で十分である。
【0035】本発明によるモップコード糸には、勿論、
染色、仕上げ加工、オイリング加工等のそれ自体公知の
任意の加工を行い得ることは当然である。
【0036】
【実施例】本発明を次の実施例で具体的に説明するが、
本発明はいかなる意味でもこの例に限定されない。
【0037】実施例1 綿モップコードにおけるコーン卷き状態での加工時のコ
ーン表面及び内部の温度分布及び熱融着糸の融着状態の
確認を行った。2本の1.5番手の綿紡績糸と、溶融温
度が100〜120℃、太さ100デニールのポリアミ
ド熱融着糸1本を撚り合わせ撚糸を作る。この撚糸をコ
ーンに巻き取り総重量2Kgとした。このコーンを市販
のポリエチレンラップによりラッピングし、市販の電子
レンジの中でマイクロ波加熱を行った。この際、綿は水
分率7%を有し、水分補給は行わなかった。
【0038】電子レンジ500ワットにて8分間の加熱
(コーンの表面温度が100℃に達した時点)の後、出
力を100ワットに下げ、この温度を2分間維持した。
加熱の終ったコーンを取り出し、開糸し、融着状態を観
察した。
【0039】このとき、コーン中に撚糸と同時に巻き込
んだサーモラベルは、 コーン表面 103℃ 表面より2cm内部 104℃ 表面より4cm内部 104℃ コーン最深部 103℃ を示しており、融着状態も良好であり均一に加熱が終了
したことを示していた。
【0040】実施例2 上記手法により作成したほつれ防止された撚糸を15cm
長さにカットし、他の方法によりほつれ防止したものと
同時に約100本ずつ布片に縫い付け、家庭用洗濯機に
よって耐ほつれ強度試験を行った。その結果、耐ほつれ
強度は他の方法によりほつれ防止したものと比べ同等も
しくはそれ以上であり、70℃の湯中20分間の洗浄に
おいても、撚り戻り現象は全く起こらなかった。
【0041】実施例3 ナイロンモップコードにおけるコーン卷き状態での加工
時のコーン表面及び内部の温度分布、及び熱融着状態の
確認を行った。2本の1,300デニールのBCFナイ
ロンマルチフィラメント原糸と、溶融温度が100〜1
20℃太さ100デニールのポリアミド熱融着糸1本を
撚り合わせ撚糸を作る。この撚糸をコーンに卷きとり総
重量2kgとした。このコーンを市販のポリエチレンラ
ップによりラッピングし、市販の電子レンジの中で加熱
を行った。この際、ナイロン原糸は水分率3.5%を有
し、水分補給は行わなかった。電子レンジ500ワット
にて5分間の加熱(コーンの表面温度が100℃に達し
た時点)の後、出力を100ワットに下げ、この温度を
2分間維持した。加熱の終わったコーンを取り出し、開
糸し融着状態を観察した。このとき、コーン中に撚糸と
同時に巻き込んだサーモラベルは、 コーン表面 101℃ 表面より2cm内部 102℃ 表面より4cm内部 102℃ コーン最深部 102℃ を示しており、融着状態も良好であり均一に加熱が終了
したことを示していた。
【0042】実施例4 実施例3で作成したほつれ防止された撚糸を15cm長
さにカットし、他の方法によりほつれ防止したものと同
時に約100本ずつ布片に縫い付け、家庭用洗濯機によ
って対ほつれ強度試験を行った。その結果、対ほつれ強
度は他の方法によりほつれ防止したものと比べ同等若し
くはそれ以上であり、70℃の湯中20分間の洗浄にお
いても、撚り戻り現象は全く起こらなかった。
【0043】実施例5 実施例1,2により作成したほつれ防止された撚糸を実
際のモップ形状(長さ30cm幅18cm目付量60g)に
縫製し、他の方法によりほつれ防止したものと同時に実
際のダストコントロールモップの洗浄加工を行い(洗浄
→漂白→染色→ダストコントロール油剤エマルジョン加
工→乾燥)でき上がったモップをある事務所で1週間の
実使用に供したところ、いずれのモップも使用するにつ
れて黒く汚れ十分なダストコントロール性能を発揮し
た。以上の加工使用を10回繰り返したがほつれ防止効
果は、他の方法に比べ同等もしくはそれ以上であり、1
0回の洗浄乾燥後も、撚り戻り現象は全く起きなかっ
た。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、複数の原糸と熱接着性
繊維とを撚り合わせ、この撚糸を前記熱接着性繊維が溶
融するように熱処理して、ほつれ防止されたモップコー
ド糸等を製造するに際して、上記撚糸を実質上ドライで
あるが、少なくとも吸着水ないし極少量の水分が保持さ
れる条件下に、マイクロ波加熱することにより、外部加
熱とは異なり、水分子の運動による発熱を利用して、加
熱が内部からも行われ、全体が一様且つ均一に加熱さ
れ、原糸が強固且つ一様に融着されて撚りの固定された
モップコード糸が短時間の処理で得られると言う利点が
得られる。
【0045】また本発明では、見かけ上ドライの状態で
撚り固定加工を行うことができるため、本発明の加工で
は、熱媒体としてモップコード糸に対して従来の湯浴又
はスチーム加熱の様な著しく過剰の水分を加熱するとい
う熱エネルギーの無駄を省くことができ、更に過剰の水
分を脱水したり、或いは乾燥したりするのを省略するこ
とができるので、熱エネルギーコストの低減のみなら
ず、操作及び工程数簡略化及び省資源の意義は非常に大
きい。
【0046】加えて、本発明の撚り固定加工では、外部
加熱とは異なり、発熱が内部からも行われ、全体が一様
且つ均一に加熱されるため、上記撚糸をコーン巻き又は
チーズ巻きにパッケージされた状態で撚り固定加工に賦
することができ、かせへの巻き取りやかせからのコーン
巻き又はチーズ巻きへの巻き取りが省略され、工程数簡
略化及び装置コスト低減の効果がある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D02J 13/00 M 7199−3B D06M 10/02 15/00 7199−3B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の原糸と熱接着性繊維とを撚り合わ
    せ、この撚糸を前記熱接着性繊維が溶融するように熱処
    理することからなる、ほつれ防止されたモップコード糸
    等の製法において、上記撚糸を実質上ドライであるが、
    少なくとも吸着水ないし極少量の水分が保持される条件
    下に、マイクロ波加熱することを特徴とするモップコー
    ド糸等の製法。
  2. 【請求項2】 上記撚糸をコーン巻き又はチーズ巻き等
    にパッケージされた状態で、マイクロ波加熱する請求項
    1記載の製法。
  3. 【請求項3】 上記撚糸繊維総重量当たり2重量%以上
    の水分が保持された状態で、マイクロ波加熱する請求項
    1記載の製法。
  4. 【請求項4】 上記撚糸のコーン巻き又はチーズ巻き等
    をラッピングされた状態で、マイクロ波加熱する請求項
    1記載の製法。
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Cited By (2)

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