JPH05105956A - 板幅方向に均一な磁気特性を有する一方向性けい素鋼板の製造方法 - Google Patents

板幅方向に均一な磁気特性を有する一方向性けい素鋼板の製造方法

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JPH05105956A
JPH05105956A JP20729491A JP20729491A JPH05105956A JP H05105956 A JPH05105956 A JP H05105956A JP 20729491 A JP20729491 A JP 20729491A JP 20729491 A JP20729491 A JP 20729491A JP H05105956 A JPH05105956 A JP H05105956A
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  • Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 一方向性けい素鋼板を製造する際、連続鋳造
では、厚み50〜140 mmの薄スラブを鋳造する。この連続
鋳造の冷却過程における1400〜1200℃の温度域では、冷
却速度12℃/min以上で冷却する。また高温加熱に先立ち
予備加工を800 〜1350℃の範囲でかつ次の条件(1) 800
〜1250℃の場合は、加工率2〜20%(2)1250 ℃を超え13
50℃の場合は、加工率Rが加工温度T1 (℃)との関係
で0.03T1 −35.5≦R≦20を満足させて施し、高温加熱
を1340〜1440℃の範囲でかつ保持時間t(min) が加熱温
度T2(℃)との関係で次の条件1340〜1385℃の場合は
−0.2 T2 +278 ≦t≦−0.125 T2 +200 1385℃を
超え1440℃の場合は1≦t≦−0.125 T2 +200 を満足
させて行う。 【効果】 均一でかつ良好な磁気特性を有する方向性け
い素鋼板が安定して得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、優れた磁気特性を有
する一方向性けい素鋼板の製造方法に関し、連続鋳造方
法とスラブ加熱方法に工夫を加えることによって板幅方
向における磁気特性を均一化し、磁気特性の向上を図ろ
うとするものである。
【0002】
【従来の技術】一方向性けい素鋼板は、主として変圧器
およびその他の電気機器の鉄心材料として、いわゆる積
み鉄心又は巻鉄心に使用されるもので、磁束密度および
鉄損値等の磁気特性に優れることが基本的に重要であ
る。該鋼板の表面には、通常、電気絶縁被膜が施され、
積層して使用する際に各鋼板間を電気的に絶縁し、渦電
流損失を低減する方策が取られている。しかしながら鋼
板の表面に疵があって平滑性に劣る場合には、商品価値
が低下するのみならず、占積率を低下させ、また鉄心組
立時の締め付けによって絶縁性が低下する問題が生じ
る。
【0003】一方向性けい素鋼板の製造において特に重
要なことは、いわゆる最終仕上げ焼鈍工程で一次再結晶
粒を{110 }〈001 〉方位、いわゆるゴス方位の結晶粒
に二次再結晶させることである。このような二次再結晶
を効果的に促進させるためには、まず一次再結晶粒の成
長を抑制するインヒビターと呼ばれる分散相が必要であ
る。かかるインヒビターとして代表的なものには、MnS
、MnSe及び AlNのような硫化物や窒化物等があり、鋼
中への溶解度が極めて小さい物質が用いられている。こ
のため従来から、熱間圧延前にスラブを高温加熱して、
インヒビター元素を完全に固溶させておき、熱間圧延工
程以降、二次再結晶までの工程で析出分散状態を制御す
ることが行われている。なお、Sb、Sn、As、Pb、Ge、Cu
およびMo等の粒界偏析型成分もインヒビターとして利用
されている。
【0004】また1回または2回以上の冷間圧延と1回
又は2回以上の焼鈍とを組み合わせて得られる一次再結
晶粒組織を、かかる冷間圧延及び焼鈍の制御によって板
厚方向全体にわたって適当な大きさの結晶粒でしかも均
一な分布にさせることが、上述したゴス方位の結晶粒に
二次再結晶させるために必要であり、かかる二つの条件
を確保することが重要なことは周知のとおりである。
【0005】これまで、一方向性けい素鋼板を製造する
際には、上述した条件を満足させるように、厚み 150〜
300mm のスラブを1250℃以上の温度で長時間かけて加熱
し、インヒビターを完全に固溶させた後、熱延板とし、
ついでこの熱延板を1回または中間焼鈍を挟む2回以上
の冷間圧延によって最終板厚とし、脱炭焼鈍後、焼鈍分
離剤を塗布してから、二次再結晶および純化を目的とし
て最終仕上げ焼鈍を行うのが一般的である。
【0006】ところで近年の鉄鋼製造においては、スラ
ブの製造法が造塊・分塊圧延法から連続鋳造法に大部分
かわってきている。かかる連続鋳造法により得られるス
ラブは、幅が厚みの数倍以上といった偏平な鋳型で急冷
されるため、結晶粒がスラブ表面から厚み方向に伸び
る、いわゆる柱状晶が生じ易いこと、冷却速度が表面よ
りも遅くなる厚み方向中心部近傍ではインヒビター等の
成分偏析が生じ易く、いわゆる濃厚偏析帯を形成し易い
こと等の問題がある。このような濃厚偏析帯が形成され
たスラブを素材として、一方向性けい素鋼板を製造しよ
うとする場合は、偏析が少ない場合よりもインヒビター
の固溶のためのスラブ加熱に高温、長時間が必要とな
る。かかる高温、長時間のスラブ加熱ではエネルギー的
に不経済であるばかりでなく、鋼板に表面欠陥が発生し
易く、また柱状晶粒が異常成長して熱間圧延後に粗大な
延伸粒として残る等の問題があった。この粗大な延伸粒
は冷間圧延及び焼鈍を経た後も再結晶しにくく、たとえ
インヒビターの抑制力効果が十分であっても最終仕上げ
焼鈍での{110 }〈001 〉方位の二次再結晶化が不完全
となっていわゆる帯状細粒組織となり、局所的に磁気特
性の劣化を招く。
【0007】ここに製品の磁気特性の測定は、通常JI
S法に基づき幅30mm, 長さ 280mm寸法の試片約 500 g
(厚み0.30mmの製品の場合24枚又は28枚)をコイル幅方
向に採取したもので行われる。仮に、かかる試片中に幅
30mm程度の帯状細粒組織が1〜2条混入していても、磁
気特性はわずかしか劣化せず、かかる不良部の存在に気
づかないのが現状である。しかも該製品板は最終仕上げ
焼鈍において、二次再結晶、純化およびフォルステライ
ト被膜形成を同一工程で行っているため、一旦製品化し
たものは外見から区別もできず、不良部を容易に除去で
きない欠点がある。特に、通常の製品コイル幅約1000mm
から、50mm又は100mm程度の板幅にスリットして巻鉄心
用材とする場合には、帯条細粒がスリット幅全体に占め
る割合が高まり鉄心の磁気特性を著しく悪化させるうれ
いがある。
【0008】前述したことからわかるようにインヒビタ
ーの固溶化は、高温・長時間であるほど完全状態に近づ
く一方、スラブの結晶粒は粗大化する。この相反する問
題を解決すべく、特公昭49-24766号公報においては、連
続鋳造に際し、薄いスラブ鋳片を急冷することでインヒ
ビターを制御し、スラブ加熱による固溶処理を省き、そ
のままの状態で熱間圧延することを可能にすることが提
案されているが、工業的にスラブ幅方向、厚み方向にわ
たって均一に制御することが難しく、したがって均一に
二次再結晶させることが困難であるという問題があっ
た。
【0009】また特公昭56-43295号公報、特開昭54-836
20号公報には、いずれも連続鋳造に際し、薄いスラブ鋳
片を急冷してインヒビターの状態と結晶組織とを同時に
制御する方法が提案されている。これらの方法は、明細
書中にも記載されているとおり、実際に冷却速度を適正
範囲に制御することが困難であるという問題があった。
このため実際の工業的な生産の際には、できるだけ速い
冷却速度で冷却してインヒビターをほとんど固溶状態に
保ち、後工程で低温に再加熱し、微細にインヒビターを
析出させる方法を取っていて、本発明の高温・短時間の
スラブ加熱によってインヒビターを一旦再固溶する方法
とは異なる。
【0010】また前述した帯状細粒の防止策として、特
開平3-115529号公報では、インヒビターを固溶させる
ためのスラブ高温加熱に先立って該スラブに1000〜1200
℃の範囲で圧下率1〜10%の圧下を加え、さらにスラブ
の粒界偏析の一部が溶融する温度域まで加熱し、結晶粒
成長を抑制する方法が提案されている。しかしこの方法
では、表面疵を発生させないためにはスラブ高温加熱を
1455〜1470℃の狭い温度範囲内に制御する必要があり、
大型のスラブではこの温度範囲内に制御することが困難
であるという問題があった。
【0011】さらに特公昭54-27820号公報、特公昭50-3
7009号公報及び特開昭62-130217 号公報には、連続鋳造
スラブを加熱する前にそれぞれ圧下率5〜50%、30〜70
%及び10〜50%の圧延を施した後、1260〜1420℃に再加
熱し、最終の熱間圧延を行う方法が提案されている。こ
れらの方法はいずれも、連鋳スラブに予め歪みを加える
ことによりスラブ加熱段階で再結晶させることにより、
結晶粒の粗大化を抑えようとするものである。しかし連
鋳スラブには通常、中心部近傍に濃厚偏析帯が存在する
から、その濃厚偏析したインヒビターを溶体化するには
1380℃以上の高温でかなり長時間の保持を必要とする。
そのためスラブ加熱段階で再結晶させたとしてもスラブ
結晶粒は結果的に表層部から中心部まで著しく粗大化
し、この粗大結晶粒に起因して帯状細粒が発生するた
め、期待どおりの磁気特性改善効果が得られないという
問題があった。一方、スラブ結晶粒の粗大化を回避すべ
く加熱処理を低温・短時間とした場合には、濃厚偏析部
のインヒビターに未固溶部分を生じ、熱間圧延工程での
分散状態が不均一となって抑制力を維持できず、磁気特
性はむしろ大幅に劣化しまう問題があった。
【0012】特公昭56-18654号公報には、1260℃以上の
スラブ加熱に際し、1250〜1310℃までの温度範囲を平均
昇温速度 150℃/h以上で加熱する方法が提案されてい
る。この方法は、スラブの加熱温度が1370℃以下の場合
には結晶粒の粗大化抑制効果を現すが、特にMnS, MnSe
系のように、より高温加熱を必要とするインヒビターを
含有するスラブに適用しようとしても、おおむね1380℃
以上の高温側において粒成長抑制効果が急激に弱まり、
1400℃以上ではさらに著しい表層の酸化と著しい結晶粒
の粗大化が起こり、所期した磁気特性や表面性状の鋼板
は得られないところに問題を残していた。
【0013】特開昭63−109115号公報には、スラブ中心
温度が1350℃以上になるように加熱し、この加熱に際し
て表面温度1420〜1495℃で5〜60分保持すると共に、表
面温度が1320℃以上において1420〜1495℃に達するまで
8℃/分以上で急速昇温して結晶粒の粗大化を抑制する
方法が提案されている。この方法はスラブ加熱保持時間
が従来のガス加熱炉のみの方式より比較的短いとはい
え、加熱温度が著しく高いため、このような高温領域で
は粒成長がやはり免れ得ず、結果として製品に帯状細粒
が発生する他、著しい表面酸化や粒界の選択酸化あるい
は部分溶融により、製品価値がなくなるほどの穴や表面
疵が多発することの不利があった。
【0014】特開昭62-103322 号公報には、誘導加熱炉
においてスラブ中心温度を1300〜1400℃に加熱保持する
際、表皮効果によるオーバーヒートを防ぎ、均一加熱を
めざして周波数を50〜200 Hzに変えるものであり、この
発明の目的とは異なる。
【0015】特開昭62-10214号公報に開示の方法は、鋼
板表面と内部の温度差を利用して効率よく加熱する方法
であり、また特開昭62−100128号公報に開示の技術は、
スラブの中心温度を1300〜1450℃に加熱し、後工程の粗
圧延段階で生じる線状へげのごとき表面欠陥を防止する
ために粗圧延開始温度を規制する技術であり、いずれも
帯状細粒を防止する技術とは異なる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述の諸
問題を解決するもので、インヒビターの完全固溶を図り
かつ帯状細粒の発生を効果的に抑制して、均一でかつ良
好な磁気特性を有する方向性けい素鋼板を安定して製造
する方法を提案することをその目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明は、けい素を含
みかつインヒビター成分を含有する溶鋼を連続鋳造して
鋼スラブとし、この鋼スラブにインヒビター成分を固溶
させる高温加熱を行った後、熱間圧延を施し、その後1
回又は中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施して最終板厚
に仕上げた後、脱炭焼鈍、次いで鋼板表面に焼鈍分離剤
を塗布してから仕上げ焼鈍を施す一方向性けい素鋼板の
製造方法において、上記連続鋳造では、厚み50〜140 mm
の薄スラブを鋳造すること、この連続鋳造の冷却過程に
おける1400〜1200℃の温度域では、冷却速度12℃/min以
上で冷却すること、上記高温加熱に先立ち予備加工を80
0 〜1350℃の範囲でかつ次の条件 (1) 800 〜1250℃の場合は、加工率2〜20% (2)1250 ℃を超え1350℃の場合は、加工率Rが加工温度
1 (℃)との関係で 0.03T1 −35.5≦R≦20 を満足させて施すこと及びこの高温加熱を1340〜1440℃
の範囲でかつ保持時間t(min) が加熱温度T2(℃) との
関係で次の条件 (a) 1340〜1385℃の場合は −0.2 T2 +278 ≦t≦−0.125 T2 +200 (b) 1385℃を超え1440℃の場合は 1≦t≦−0.125 T2 +200 を満足させて行うことを特徴とする板幅方向に均一な磁
気特性を有する一方向性けい素鋼板の製造方法である。
【0018】以下、この発明の基礎となった実験につい
て説明する。発明者らは、インヒビター固溶のために行
われるスラブ加熱温度、時間がインヒビター成分の溶解
度積より計算される条件よりはるかに高温、長時間を要
する理由について鋭意実験、調査を重ねた結果、実際の
大型スラブでは厚み中心部近傍にインヒビター成分の濃
厚偏析帯が存在することが原因であることを掴んだ。
【0019】図1にかかるスラブの厚み方向断面の金属
組織写真の一例を示す。なおこのスラブはC:0.33wt%
(以下単に%で示す)、Si:3.05%、Mn:0.72%、S:
0.018 %を含有し、残部は実質的に鉄よりなる成分組成
であり、厚みは215 mmであった。このスラブの表面から
厚み方向70mm深さまでの部分と、厚み方向中心の部分
(70mm)とからそれぞれ小サンプルを切り出し、加熱テ
ストを実施した結果、表層側サンプルは1340℃、10分で
インヒビターが固溶するのに対し、中心部側サンプルで
は1410℃、10分が必要であった。この違いを調査した結
果、スラブ厚みの中心部約75mmにはインヒビター成分の
濃厚偏析帯が存在しているためであることがわかった。
さらに各サンプルについて詳細に調査したところ、中心
部側サンプルは濃厚偏析帯に位置し、インヒビター粒径
が数十μm と粗大に析出しており、一方表層部側サンプ
ルではインヒビター粒径が0.5 μm 以下と細かく、サイ
ズと分散状態に大きな違いが認められた。かかるインヒ
ビターの粒径及び分散状況を写真で比較して図2に示
す。図2(a) は中心部のインヒビターであり、図2(b)
は表層部のインヒビターである。
【0020】そこでインヒビターの粒径が0.5 μm 以下
という、良好な状況がスラブ厚み方向にわたって得られ
る条件を掴む目的で、スラブ厚み方向の冷却速度を検討
した。実験は、前記鋳造スラブの一部分を厚み方向に沿
って切り取り、熱電対をセットして1450℃、20分加熱し
た後、連続鋳造設備と同様の冷却構造を持つ設備にセッ
トし、表面から冷却して、降下温度を測定して行った。
かくして得られた鋼片の、厚み方向毎の温度降下曲線を
図3に示す。この加熱、冷却後スラブの偏析状態を調査
した結果、濃厚偏析を発生させないためには、1400℃〜
1200℃の温度範囲を平均9℃/min以上の冷却速度が必要
なことがわかった。ところが215 mmのような厚いスラブ
ではいくら冷却水量を増やしても中心部では、冷却速度
12℃/min以上が得られず、熱伝達率の点から表面から中
心までは70mm、すなわちスラブ厚みは140 mmが限界であ
ることが判明した。一方、スラブ厚みの下限は冷却速度
からの問題はなく、スラブ加熱での生産性、経済性の観
点から50mmである。
【0021】次にC:0.032 %、Si:3.07%、Mn:0.07
0 %、S:0.017 %を含有し、残部は実質的に鉄よりな
る溶鋼を140 mm厚みの鋳型に中心部冷却速度が12℃/min
以上になるように鋳造速度と冷却水量とを制御して鋳造
し、得られたスラブを1410℃、10分加熱後、厚み2.4 mm
に熱間圧延した。該熱延板を公知の中間焼鈍をはさむ冷
延2回法で厚み0.30mm製品に仕上げ、板幅方向の磁気特
性及び結晶組織を調べた。その結果を図4に示す。同図
から、大部分の領域では二次再結晶の発達が十分に進行
し、磁気特性が良好であるが、部分的に二次再結晶の発
達が不十分な帯状細粒領域が発生し、磁気特性の不良部
分が発生していることがわかった。この原因を製品まで
の途中工程のサンプルで追求したところ、前記鋳造条件
ではスラブ表面から中心部までほぼ完全に柱状晶のみと
なり、この柱状晶がスラブ加熱で異常成長し、熱間圧延
に粗大な延伸粒として残り、冷間圧延、焼鈍処理工程後
でも再結晶することなく、二次再結晶に悪影響を及ぼし
たことを確認した。
【0022】すなわちスラブ加熱でのインヒビター固溶
が十分に行われ、抑制力が十分であってもスラブ結晶組
織が肥大化している場合には、二次再結晶の発達に支障
がでることがわかった。なお発明者らは、スラブ結晶粒
径が20mm以下であれば、熱間圧延、冷間圧延及び焼鈍工
程において微細組織となり、製品板に帯状細粒が発生し
ないことをあらかじめ確認している。
【0023】そこでスラブ結晶粒肥大化の抑制策を種々
検討した。前記組成の鋳造スラブに、インヒビター固溶
目的のスラブ加熱に先立ち800 〜1400℃で圧下率2%の
圧下を加えた後、スラブ加熱工程以降を前記と同様に処
理して製品の磁気特性及び結晶組織を調査した。その結
果、800 〜1250℃であらかじめ圧下率2%の圧下を付与
した場合には、板幅方向全体にわたって二次再結晶し、
磁気特性が良好であったが、1250℃を超えた場合には、
部分的に帯状細粒が発生した。
【0024】このようにスラブ加熱に先立ち予備加工を
スラブに施すことが結晶粒肥大化の抑制のために効果的
であることから、スラブ加熱後の結晶粒径に及ぼす予備
加工温度及び加工率の影響について詳細に調べた結果を
図5に示す。同図から結晶粒径を20mm以下に制御するた
めには、800 ℃以上、1250℃以下の場合には加工率2%
以上、20%以下の予備加工を施し、1250℃を超え、1350
℃以下の場合には、加工率Rが加工温度T1 (℃)との
関係で次式 0.03T1 −35.5≦R≦20 …(1) を満足される加工率で予備加工をスラブに施す必要のあ
ることがわかる。
【0025】ここに予備加工温度が高い場合に粒成長抑
制効果が小さくなる理由については明確になっていない
が、高温では加工組織の回復速度が速くなるためと考え
られる。スラブ加熱に先立つ予備加工率は比較的軽い圧
下率で行うことが好ましく、例えば20%を超える圧下率
では次の点で不利である。すなわち予備加工率を大きく
する代わりに粗圧下率を下げると、組織の微細化不足を
生じやすいこと、また厚み30mm以下にまで予備加工する
と生産性が低下すること等の不利益がある。したがって
軽加工率で結晶粒の微細化が実現されることが望まし
く、そのためには予備加工温度と加工率との適正な組み
合わせが有効であるのは図5に示したとおりである。
【0026】次にスラブの加熱条件に関する実験結果に
ついて説明する。図4に示した実験に用いたスラブと同
一成分、同一鋳造条件のスラブからサンプルを切り出
し、1200℃で5%の予備加工を施した後、該スラブを小
型誘導加熱炉で種々の温度、保持時間で加熱処理した
後、熱間圧延にて厚み2.4 mmの熱延板とし、酸洗後、一
次冷延により厚み0.80mmの中間板厚としてから、水素中
950 ℃、1分間の中間焼鈍を施した。次いで二次冷延に
て厚み0.35mmの最終板厚としたのち、湿水素中820 ℃、
3分間の脱炭焼鈍を施し、MgO を主体とする焼鈍分離剤
を塗布して乾燥させてその後水素中で1180℃、5時間の
仕上焼鈍を施した。かくして得られた各製品板について
磁気特性を測定した結果を図6に示す。同図から明らか
なように、磁束密度B8 を1.85T以上にするためには、
加熱温度が1340〜1385℃の範囲でかつ、保持時間t(mi
n) が加熱温度T2(℃) との関係で次の条件1340〜138
5℃の場合は −0.2 T2 +278 ≦t≦−0.125 T2 +200 …(2) 1385℃を超え1440℃の場合は 1≦t≦−0.125 T2 +200 …(3) を満足させて行うことが必要であることが判明した。
【0027】これに対して加熱温度が1440℃を超えると
粒界がぜい弱になり、穴やへげのような欠陥が著しく増
えるために、上限を1440℃とする必要があり、また下限
はインヒビターが固溶するか否かで決まり、1340℃未満
では短時間で十分なインヒビターの固溶が得られないた
め、1340℃とする必要がある。
【0028】以上の結果から、インヒビターの完全固溶
を図り、かつ帯状細粒の発生を効果的に抑制し、優れた
磁気特性を有する一方向性けい素鋼板を安定して得るに
は、下記の、及びに従う必要がある。 連続鋳造では、厚み50〜140 mmの薄スラブを鋳造し
て、連続鋳造の冷却過程における1400〜1200℃の温度域
では、冷却速度12℃/min以上で冷却する。 インヒビター固溶のための高温加熱に先立ち予備加工
を800 〜1350℃の範囲でかつ次の条件 (1) 800 〜1250℃の場合は、加工率2〜20% (2)1250 ℃を超え1350℃の場合は、加工率Rが加工温度
1 (℃)との関係で 0.03T1 −35.5≦R≦20 を満足させて施す。 上記高温加熱を1340〜1440℃の範囲でかつ保持時間t
(min) が加熱温度T2(℃) との関係で次の条件 (a) 1340〜1385℃の場合は −0.2 T2 +278 ≦t≦−0.125 T2 +200 (b) 1385℃を超え1440℃の場合は 1≦t≦−0.125 T2 +200 を満足させて行う。
【0029】
【作用】次にこの発明の素材である含けい素鋼の成分組
成について述べる。含けい素鋼としては、従来公知の成
分組成のもの、いずれもが適合するが、好適組成を掲げ
ると次のとおりである。
【0030】C:0.01〜0.10% Cは、熱間圧延、冷間圧延中の組織の均一微細化のみな
らず、ゴス方位の発達に有用な成分であり、少なくとも
0.01%含有させることが好ましい。しかしながら0.10%
を超えて含有させると脱炭が困難となり、かえってゴス
方位に乱れが生じるので上限は0.01%が好ましい。
【0031】Si:2.5 〜4.0 % Siは、鋼板の比抵抗を高め鉄損の低減に有効に寄与する
が、4.0 %を上回ると冷間圧延性が損なわれ、一方、2.
5 %に満たないと比抵抗が低下するだけでなく、二次再
結晶・純化のために行われる最終仕上焼鈍中にα−γ変
態によって結晶方位のランダム化を生じ、十分な鉄損改
善効果が得られない。したがってSi量は2.5 〜4.0 %程
度とするのが好ましい。
【0032】Mn:0.02〜0.12% Mnは、熱間ぜい化を防止するため少なくとも0.02%程度
以上を必要とするが、あまりに多すぎると磁気特性を劣
化させるので上限は0.12%程度に定めるのが好ましい。
【0033】インヒビターとしては、いわゆるMnS 、Mn
Se系とAlN 系とがある。MnS 、MnSe系の場合は、S、Se
のうちから選ばれる少なくとも一種:0.005 〜0.60%、
S、Seはいずれも方向性けい素鋼板の二次再結晶を抑制
するインヒビターとして有効な成分である。抑制力の観
点からは、少なくとも 0.005%程度を必要とするが、0.
06%を超えるとその効果が損なわれるので、その下限、
上限はそれぞれ0.005 %、0.06%程度とするのが好まし
い。
【0034】AlN 系の場合は、Al:0.005 〜0.10%、
N:0.004 〜0.015 % AlおよびNの範囲についても、上述したMnS , MnSe系の
場合と同様な理由により、上記の範囲に定めた。ここに
上記したMnS , MnSe系およびAlN 系はそれぞれ併用が可
能である。
【0035】インヒビター成分としては上記したS、S
e、Alの他、Cu、Sn、SbおよびMo等も有利に適合するの
で、それぞれ併せて含有させることもできる。ここに上
記成分含有量の好適範囲はそれぞれ、Cu, Sn:0.01〜0.
15%、Sb, Mo:0.005 〜0.10%であり、これらの各イン
ヒビター成分についても、単独使用および複合使用いず
れもが可能である。
【0036】次にこの発明の製造工程に説明する。素材
溶鋼の精錬は、転炉、平炉及び電気炉のいずれでもよ
い。またこの発明では、鋳造に際してインヒビター成分
の濃厚偏析を発生させないために厚み中心部を1400〜12
00℃の範囲を冷却速度12℃/min以上で冷却する必要があ
る。ここにスラブ急冷の範囲を1400〜1200℃としたの
は、インヒビター成分の過飽和度を高めて微細に析出さ
せ、かつ析出したインヒビターの粗大化を抑制する観点
から、上記の範囲とした。
【0037】また上記含けい素鋼スラブは、スラブの加
熱処理においてインヒビターを固溶させる必要がある
が、該スラブ加熱時に鋳造時にできた柱状晶の異常成長
による粗大粒を抑制するため、該スラブ加熱に先立ち予
備加工を800 〜1350℃の範囲でかつ次の条件 (1) 800 〜1250℃の場合は、加工率2〜20% (2)1250 ℃を超え1350℃の場合は、加工率Rが加工温度
1 (℃)との関係で 0.03T1 +35.5≦R≦20 を満足させて施すことが前提である。このときの予備加
工には、圧延のみならず、プレスや鍛造による幅方向の
加工が含まれることは言うまでもない。
【0038】スラブ加熱によるインヒビターの固溶に際
しては、1340〜1440℃の範囲でかつ保持時間t(min) が
加熱温度T2(℃) との関係で次の条件 (a) 1340〜1385℃の場合は −0.2 T2 +278 ≦t≦−0.125 T2 +200 (b) 1385℃を超え1440℃の場合は 1≦t≦−0.125 T2 +200 を満足させて行う。かかるスラブの高温加熱に用いる炉
構造としては、密閉構造にしやすく、容易に酸素濃度を
下げられること、保護ガスによって酸化を防止できるこ
と、温度制御が容易であること及び高温に効率よく加熱
できること等の理由から、誘導加熱炉や抵抗加熱炉等の
電気的加熱炉を用いることが有利である。上記スラブ加
熱に際して加熱速度は、公知の通常の範囲で十分である
が、速いほうが粒成長の抑制の観点から好ましい。
【0039】スラブ加熱後は、熱間圧延で厚み1.4 〜3.
5mmの熱延鋼帯とする。この熱延鋼帯は酸洗工程、その
後に1回の冷間圧延または中間焼鈍をはさむ2回以上の
冷間圧延、それに続く脱炭焼鈍、焼鈍分離剤塗布および
最終仕上げ焼鈍といった一連の工程を経て製品とされる
が、これらの工程は、公知の手段を用いることができ
る。
【0040】
【実施例】
実施例1 C:0.035 %、Si:3.02%、Mn:0.073%及びS:0.017
%を含有し残部は実質的に鉄よりなる溶鋼を、連続鋳
造して4本(A,B,C及びD)のスラブを得た。この
際A,Bについてはスラブ厚みを140 mmとし、鋳込み速
度と冷却水量とを制御してスラブ中心部が冷却速度12℃
/minで冷却した。一方C,Dについてはスラブ厚みを21
5 mmとし、スラブ中心部が冷却速度7℃/minで冷却し
た。次いで各スラブをあらかじめガス炉にて1250℃で1
時間加熱し、A,Cはそのまま、B,Dは1250℃で加工
率3%の予備加工(ロール圧下)を施した後、誘導加熱
炉に装入し、スラブ厚みに応じて周波数、投入電力量、
保護ガス吹きつけ温度を変えて1400℃で5分間加熱した
後、熱間圧延を施して厚み2.4 mmの熱延板とした。得ら
れた各熱延板を酸洗し一次冷延で厚み0.80mmとし、次い
で水素中で950 ℃、1分間の中間焼鈍を施し、二次冷延
で厚み0.35mmの最終厚みに仕上げた。引き続き湿水素中
で820 ℃、3分間の脱炭焼鈍を施した後、MgO を主成分
とする焼鈍分離剤を塗布し、水素中で1200℃、5時間の
仕上焼鈍を施して方向性けい素鋼板とした。得られた幅
1000mmコイルの両エッジ20mmを除去した後、JIS 法に基
づく幅30mm, 長さ 280mmのサンプル32枚をそれぞれ切り
出して磁気特性を測定した。併せて板幅方向の二次細結
晶状況も調査した。得られた結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1から明らかなように、この発明に従っ
てスラブ鋳造、予備加工及びスラブ加熱を実施すること
により(記号B)、帯状細粒を発生させず、磁気特性の
改善が図れる。
【0043】実施例2 C:0.041 %、Si:3.35%、Mn:0.072 %、Se:0.018
%、Sb:0.025 %及びMo:0.012 %を含有し残部は実質
的に鉄よりなる溶鋼を、連続鋳造して4本(E,F,G
及びH)のスラブを得た。この際E,Fについてはスラ
ブ厚みを120 mmとし、鋳込み速度と冷却水量とを制御し
てスラブ中心部が冷却速度15℃/minで冷却した。一方
G,Hについてはスラブ厚みを215 mmとし、スラブ中心
部が冷却速度6℃/minで冷却した。次いで各スラブをあ
らかじめガス炉にて1250℃で1時間加熱し、E,Gはそ
のまま、F,Hは1250℃で加工率3%の予備加工(幅プ
レス圧下)を施した後、誘導加熱炉に装入し、スラブ厚
みに応じて周波数、投入電力量、保護ガス吹きつけ温度
を変えて1400℃で5分間加熱した後、熱間圧延を施して
厚み2.0 mmの熱延板とした。得られた各熱延板に950℃
で1分間の熱延板焼鈍を施し、次いで一次冷延で厚み0.
60mmとし、次いで水素中で1000℃、2分間の中間焼鈍を
施し、二次冷延で厚み0.23mmの最終厚みに仕上げた。引
き続き湿水素中で820 ℃、3分間の脱炭焼鈍を施した
後、MgO を主成分とする焼鈍分離剤を塗布し、水素中で
1200℃、5時間の仕上焼鈍を施して方向性けい素鋼板と
した。得られた幅1000mmコイルの両エッジ20mmを除去し
た後、JIS 法に基づく幅30mm, 長さ280mmのサンプル32
枚をそれぞれ切り出して磁気特性を測定した。併せて板
幅方向の二次細結晶状況も調査した。得られた結果を表
2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】表2から明らかなように、この発明に従え
ば、製品板厚の薄いものでも帯状細粒を発生させず、磁
気特性の改善が図れることがわかる。
【0046】実施例3 C:0.075 %、Si:3.35%、Mn:0.072 %、Al:0.024
%、Se:0.019 %、Sb:0.023 %、Mo:0.010 %及び
N:0.008 %を含有し残部は実質的に鉄よりなる溶鋼
を、連続鋳造して6本(I,J,K,L,M及びN)の
スラブを得た。この際I,J,Kについてはスラブ厚み
を100 mmとし、鋳込み速度と冷却水量とを制御してスラ
ブ中心部が冷却速度18℃/minで冷却した。一方L,M,
Nについてはスラブ厚みを215 mmとし、スラブ中心部が
冷却速度7℃/minで冷却した。次いで各スラブをあらか
じめガス炉にて1300℃で0.5 時間加熱し、I,Lはその
まま、J,Mは1300℃で加工率2%の予備加工(ロール
圧下)を施し、K,Nは1300℃で加工率5%の予備加工
(ロール圧下)を施した後、誘導加熱炉に装入し、スラ
ブ厚みに応じて周波数、投入電力量、保護ガス吹きつけ
温度を変えて1360℃で10分間加熱した後、熱間圧延を施
して厚み2.7 mmの熱延板とした。得られた各熱延板を酸
洗し一次冷延で厚み1.80mmとし、次いで水素中で1100
℃、2分間の中間焼鈍を施し、二次冷延で厚み0.30mmの
最終厚みに仕上げた。引き続き湿水素中で840 ℃、3分
間の脱炭焼鈍を施した後、MgOを主成分とする焼鈍分離
剤を塗布し、75% H2+25% N2雰囲気中で1200℃、20時間
の仕上焼鈍を施して方向性けい素鋼板とした。得られた
幅1000mmコイルの両エッジ20mmを除去した後、JIS 法に
基づく幅30mm, 長さ 280mmのサンプル32枚をそれぞれ切
り出して磁気特性を測定した。併せて板幅方向の二次細
結晶状況も調査した。得られた結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】表3から明らかなように、ヒンヒビターを
複合添加した場合でも帯状細粒を発生させず、磁気特性
の改善が図れる。
【0049】
【発明の効果】この発明に従う一方向性けい素鋼板の製
造方法は、連続鋳造で急冷してインヒビター成分の偏析
を抑制し、スラブ加熱でのインヒビターの固溶を容易に
し、かつスラブ加熱に先立つ予備加工によってスラブの
粗大粒を破壊して微細化し、続く熱間圧延前のスラブ加
熱において短時間でインヒビターを固溶して粒成長を抑
制するようにしたので、方向性けい素鋼板の品質向上に
大きく寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、連続鋳造スラブの厚み方向断面におけ
る結晶組織の一例を示す金属組織写真である。
【図2】図2は、連続鋳造スラブの厚み方向断面におけ
るインヒビターの分散状況を示す金属組織写真である。
【図3】図3は、連続鋳造スラブの、厚み方向各位置毎
の温度降下曲線を示すグラフである。
【図4】図4は、コイル板幅方向の各位置と磁気特性と
の関係を示すグラフである。
【図5】図5は、予備加工温度及び加工率がスラブ加熱
後の結晶粒径に及ぼす影響を示すグラフである。
【図6】図6は、スラブ加熱温度と加熱保持時間が磁気
特性に及ぼす影響を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 けい素を含みかつインヒビター成分を含
    有する溶鋼を連続鋳造して鋼スラブとし、この鋼スラブ
    にインヒビター成分を固溶させる高温加熱を行った後、
    熱間圧延を施し、その後1回又は中間焼鈍を挟む2回の
    冷間圧延を施して最終板厚に仕上げた後、脱炭焼鈍、次
    いで鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布してから仕上げ焼鈍を
    施す一方向性けい素鋼板の製造方法において、 上記連続鋳造では、厚み50〜140 mmの薄スラブを鋳造す
    ること、 この連続鋳造の冷却過程における1400〜1200℃の温度域
    では、冷却速度12℃/min以上で冷却すること、 上記高温加熱に先立ち予備加工を800 〜1350℃の範囲で
    かつ次の条件 (1) 800 〜1250℃の場合は、加工率2〜20% (2)1250 ℃を超え1350℃の場合は、加工率Rが加工温度
    1 (℃)との関係で 0.03T1 −35.5≦R≦20 を満足させて施すこと及びこの高温加熱を1340〜1440℃
    の範囲でかつ保持時間t(min) が加熱温度T2(℃) との
    関係で次の条件 (a) 1340〜1385℃の場合は −0.2 T2 +278 ≦t≦−0.125 T2 +200 (b) 1385℃を超え1440℃の場合は 1≦t≦−0.125 T2 +200 を満足させて行うことを特徴とする板幅方向に均一な磁
    気特性を有する一方向性けい素鋼板の製造方法。
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