JPH0510236B2

JPH0510236B2 -

Info

Publication number: JPH0510236B2
Application number: JP59115437A
Authority: JP
Inventors: Michihiro Tsujimoto; Kyoharu Hasegawa; Makoto Asano
Original assignee: Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Current assignee: Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date: 1984-06-07
Filing date: 1984-06-07
Publication date: 1993-02-09
Also published as: JPS60259491A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は感圧複写紙や感熱複写紙等の記録材料
に用いられる顕色剤に関する。さらに詳細には、
感圧および感熱記録紙に用いられる無色の色素前
駆体（発色剤）との接触により該色素前駆体に呈
色反応を行なわせる顕色剤に関する。感圧および感熱記録紙は公知で、電子供与性色
素前駆体と電子受容性酸性顕色剤との間での圧力
または熱による接触による呈色反応を利用して複
写記録するものである。これらの感圧、感熱記録
紙は事務合理化、フアクシミリの利用増大等の機
運に伴い、広く用いられている。すなわち、広く用いられている感圧複写紙は、
トリフエニルメタンフタリド系又はフルオラン系
などの色素前駆体を疎水性溶剤に溶解させこの溶
液を公知の諸方法でマイクロカプセル化し紙等の
支持体上に塗布したシートと、酸性白土、フエノ
ールホルムアルデヒド重合体またはサリチル酸誘
導体の金属塩などの吸油性又は油溶性の酸性顕色
剤を塗布したシートの塗布面を重ね合わせて、筆
記等によるカプセルの破壊により発色剤含有の溶
剤が顕色剤面に転移し、発色剤と顕色剤が反応し
て呈色するものである。一方、感熱記録紙、とく
に二成分発色系と云われる感熱記録紙はトリフエ
ニルメタンフタリド系またはフルオラン系などの
色素前駆体と２，２−ビス（4′−ヒドロキシフエ
ニル）プロパン（ビスフエノールＡ）、ｐ−オキ
シ安息香酸ベンジルエステル等の酸性フエノール
系顕色剤とをそれぞれ微粒子に分散させ、これら
にバインダーその他を添加して色素前駆体と顕色
剤とをそれぞれ隔離させた状態で紙などの支持体
に塗布したもので、加熱によりその一方または両
者が熔融して接触することにより生ずる化学反応
により発色像を得るものである。しかしながら、上記の広く使用されているフタ
リドまたはフルオラン系色素前駆体と、酸性顕色
剤との呈色反応を利用した感圧記録紙および感熱
記録紙は、(1)色素前駆体および酸性顕色剤の使用
量が多くコスト的に問題が残されている。(2)発色
像の堅牢度が不充分で光、熱または極性溶剤など
との接触により容易に変退色または消色する等の
大きな問題点を有するものであつた。本発明者等は、先にこのような問題点を解消す
る従来とはまつたく異る酸化発色機構による新規
な発色システムを提案した。（特願昭55−183878、
特願昭57−14294）。本発明はこのような新規な酸
化発色系に用いられる、新規な酸化性顕色剤であ
る。本発明者等は、一般式（）（式中、Ｘ、Ｙ、Ｚは置換基を有することもある
フエニル基、置換基を有することもあるナフチル
基、置換基を有することもあるβ−スチリル基あ
るいは置換基を有することもある芳香族異節環残
基を示し、それぞれ同じであつてもまたは異なつ
ていてもよく、Ｘ、Ｙ、Ｚのうち２ケが結合し環
を形成してもよい）で表わされるメチン系色素と
の接触により、該色素を迅速に発色させかつ安定
な発色像を与える酸化性顕色剤について鋭意検討
の結果、一般式（）（式中、R₁はアルキル基もしくはシクロアルキ
ル基を示し、R₂はハロゲン原子、アルキル基、
シクロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アルキレン基もしくはフエニル基を有して
もよいフエニル基、ナフチル基、アラルキル基、
アルキル基もしくはシクロアルキル基を示す）で
表わされるベンゾキノン誘導体が一般式（）の
メチン系色素を極めて迅速かつ濃色に発色させう
る顕色剤となることを見出し、本発明に到達し
た。メチン系色素と本発明のベンゾキノン系顕色剤
との反応は、たとえば次のような酸化反応に基づ
き、ほゞ非可逆的かつ定量的に進行するものと思
われる。この新規な酸化発色系の感圧記録紙または感熱
記録紙において本発明の顕色剤の使用量は従来の
フタリド又はフルオラン等のラクトン系色素を発
色させるのに必要とされていた酸性顕色剤の1/3
〜1/50量の少量でよい。この本発明の顕色剤とメ
チン系色素を用いる感圧または感熱記録紙では、
得られた発色像が光、熱、極性溶剤などの接触に
対して極めて堅牢である。本発明の顕色剤である一般式（）のベンゾキ
ノン誘導体としては、具体的には２−ベンゼンス
ルホニル−３，６−ジメトキシカルボニル−１，
４−ベンゾキノン、２−ベンゼンスルホニル−
３，６−ジエトキシカルボニル−１，４ベンゾキ
ノン、２−ベンゼンスルホニル−３，６−ジ−ｎ
−ブトキシカルボニル−１，４ベンゾキノン、２
−ベンゼンスルホニル−３，６−ジ−シクロヘキ
シルオキシカルボニル−１，４−ベンゾキノン、
２−ｏ−トルエンスルホニル−３，６−ジメトキ
シカルボニル−１，４−ベンゾキノン、２−ｐ−
トルエンスルホニル−３，６−ジイソブトキシカ
ルボル−１，４−ベンゾキノン、２−ｐ−トルエ
ンスルホニル−３，６−ジ−ｎ−ヘキシルオキシ
カルボニル−１，４−ベンゾキノン、２−ｐ−ト
ルエンスルホニル−３，６−ジ−ｎ−オキチルオ
キシカルボニル−１，４−ベンゾキノン、２−ｐ
−トルエンスルホニル−３，６−ジ−ｎ−ドデシ
ルオキシカルボニル−１，４−ベンゾキノン、２
−ｐ−トルエンスルホニル−３，６−ジ−シクロ
ヘキシルオキシカルボニル−１，４−ベンゾキノ
ン、２−（3′，4′−ジメチルフエニルスルホニル
−）３，６−ジエトキシカルボニル−１，４−ベ
ンゾキノン、２−（2′，5′−ジメチルフエニルス
ルホニル−）３，６−ジエトキシカルボニル−
１，４−ベンゾキノン、２−（2′，5′−ジメチル
フエニルスルホニル−３，６−ジ−イソブトキシ
カルボニル−１，４−ベンゾキノン、２−ｐ−ク
ロロフエニルスルホニル−３，６−ジエトキシカ
ルボニル−１，４−ベンゾキノン、２−ｐ−ブロ
モフエニルスルホニル−３，６−ジ−ｎ−ブトキ
シカルボニル−１，４−ベンゾキノン、２−（2′，
5′−ジクロロフエニルスルホニル−）３，６−ジ
イソブトキシカルボニル−１，４−ベンゾキノ
ン、２−α−ナフチルスルホニル−３，６−ジエ
トキシカルボニル−１，４−ベンゾキノン、２−
β−ナフチルスルホニル−３，６−ジイソブトキ
シカルボニル−１，４−ベンゾキノン、２−
（4′フエニルスルホニル−）３，６−ジ−ｎ−ブ
トキシカルボニル−１，４−ベンゾキノン、２−
β−テトラリンスルホニル−３，６−ジエトキシ
カルボニル−１，４−ベンゾキノン、２−β−イ
ンダンスルホニル−３，６−ジエトキシカルボニ
ル−１，４−ベンゾキノン、２−（4′−シクロヘ
キシルフエニルスルホニル−）３，６−ジエトキ
シカルボニル−１，４−ベンゾキノン、２−ｐ−
メトキシフエニルスルホニル−３，６−ジエトキ
シカルボニル−１，４−ベンゾキノン、２−ｐ−
フエノキシフエニルスルホニル−３，６−ジエト
キシカルボニル−１，４−ベンゾキノン、２−ｎ
−ブチルスルホニル−３，６−ジエトキシカルボ
ニル−１，４−ベンゾキノン、２−シクロヘキシ
ルスルホニル−３，６−ジ−イソブトキシカルボ
ニル−１，４−ベンゾキノン、２−ベンジルスル
ホニル−３，６−ジイソブトキシカルボニル−
１，４−ベンゾキノンまたは２−β−フエネチル
スルホニル−３，６−ジエトキシカルボニル−
１，４−ベンゾキノン等があげられ、またハロゲ
ンのクロルがフツ素またはヨードであるそれぞれ
対応する化合物が挙げられる。感圧記録紙用にこれらの顕色剤を使用する場合
は、色素を溶解している疎水性溶剤に対する溶解
度、溶解速度が記録時の発色速度に影響するた
め、一般式（）のメチン色素を溶解している溶
剤への親和性を考慮して、一般式（）のベンゾ
キノン化合物から適宜選択した化合物が顕色剤と
して使用される。また感熱記録紙用顕色剤として
は、用いる色素体並びに顕色剤の融点が感熱記録
紙の発色温度特性を決定するので、好ましい発色
温度領域に応じた化合物を選択するか、他に第３
の感度向上剤または融点降下剤を併用して発色特
性を調節して使用される。本発明の顕色剤を含有する感圧記録紙を作製す
るには、(A)該顕色剤の水性懸濁液を用いた水性塗
料を紙等の支持体上にコーターを用いて塗布する
方法、(B)抄紙時に紙等の支持体中に顕色剤をすき
込む方法、(C)該顕色剤を有機溶剤に溶解または顕
濁させたインキ（以下顕色インキという）を支持
体にコーターで全面塗布または部分（スポツト）
印刷する方法などの公知の方法が何れも使用でき
る。一般には(A)の水性塗料を塗布する方法、(C)の
顕色インキを塗布する方法が好ましい。(A)方法で
用いる水性塗料の調製は該ベンゾキノン顕色剤の
水性顕濁液および必要に応じて感圧記録紙として
の物性を整えるため(1)カオリン類、炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム、コロイダルシリカ、酸
化亜鉛、酸化チタン、酸性白土類、ポリスチレン
デイスパージヨンまたは尿素樹脂フイラー等の無
機又は有機顔料、(2)ポリリン酸塩、ポリアクリル
酸塩などの分散剤、(3)澱粉、変性澱粉類などの水
溶性結着剤、合成または天然ゴムラテツクスエマ
ルジヨン、酢酸ビニル重合体などの接着剤、(4)そ
の他螢光増白剤、消泡剤、粘度調節剤、ダステイ
グ防止剤、スライムコントロール剤、潤滑剤又は
耐水化剤などの各種添加剤を混合し、塗工形式に
応じた適当な粘度、レオロジー特性を有するよう
に調整する。 (C)の方法で用いる顕色インキの調製は、インキ
業界において一般的な調製方法が用いられる。す
なわち、顕色剤に、カオリン、水酸化アルミニウ
ム、水酸化亜鉛、炭酸カルシウムなどの顔料を各
種の有機溶媒、たとえば低級アルコール、低分子
量ケトン、醋酸の低級アルキルエステル、メチル
セロソルブ、エチルセロソルブ、ベンゼン、トル
エンなどに溶解、さらに結着剤として油溶性セル
ロース誘導体（ニトロセルロース、アセチルセル
ロース、エチルセルロース等）、塩化ビニール樹
脂、酢酸ビニール樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂など、および分散剤、ブロツキング防止剤、可
塑剤などの助剤を適宜添加して油性の顕色インキ
とする。上記のように調製された水性塗液または顕色イ
ンキを支持上に塗布またはグラビア、フレキソ、
オフセツト等の印刷方式で印刷して顕色剤を含有
する感圧複写紙を得る。また色素のマイクロカプセルと同一面に顕色剤
層を塗布して、一枚で発色できる単葉感圧紙
（SC紙）とすることも可能である。また本発明の顕色剤を含有する感熱記録紙を作
製するには、色素・顕色剤のほか必要により塗液
中に、カオリン、焼成カオリン、タルク、酸化チ
タン、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、雲母群鉱物、
硅藻土類、尿素ホルムアルデヒド樹脂等の有機又
は無機顔料、水溶性バインダー、耐水化剤、密や
セラツク等の天然ワツクス、石油ワツクス、パラ
フインワツクス、マイクロクリスタラインワツク
スやポリニチレンワツクスなどの合成ワツクス、
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の
金属石ケン類（滑剤、圧力発色防止。）ステアリ
ン酸アミド、パルミチン酸アミド又はエチレンビ
スステアロアミド等の感度向上剤、各種の界面活
性剤、消泡剤、地肌発色防止剤等を併用し塗工適
性、感熱特性を改善することができる。本発明の顕色剤は新規構造であつて、本発明者
等によつて、既に提案された日本特許公開昭58−
219085と類似の構造を有するが、この特許に開示
された化合物に比べ、初期発色速度が大きいとい
う特徴があり、これは印字の際速かに像があらわ
れることを意味し、顕色剤として非常に好ましい
性質である。また、特開昭58−215393に開示の化
合物と比較すると、ハロゲンを含まないという事
から一般的に使用される化合物の安全性という点
で構造上の利点を有し、かつ紙に塗工した場合の
保存性が良好である。このように本発明の化合物
は同系統の化合物と比較しても種々の利点を有し
ている。以下、本発明の顕色剤について、実施
例、比較例および試験方法の記述によつて詳細に
説明する。実施例１顕色剤として、２−ｐ−トルエンスルホニル−
３，６−ジ−イソブトキシカルボニル−１，４−
ベンゾキノン（m.p.112〜114℃）を用い、顕色剤
は予め高分子アニオン系界面活性剤の存在下混式
粉砕しておく。乾燥重量部カオリン 85 炭酸カルシウム 15 顕色剤（水分散液として使用）４スチレンブタジエンラテツクス（水分散液として
使用）６酸化澱粉（水溶液として使用）６の重量組成を有する40％固形分の水性塗料を作成
し、上質紙上に乾燥塗布量が6.0ｇ／m²となるよ
うにマイヤーバーで塗布し感圧記録用CF紙を作
製した。別にトリス（４−ジメチルアミノフエニル）メ
タン（リユーコクリスタルバイオレツト）を３重
量％含有するフエニルキシリルエタン（日本石油
化学製日石ハイゾールSAS−296）をゼラチン−
カルボキシメチルセルロース膜によるコンプレツ
クスコアセルベーシヨン法によりマイクロカプセ
ル化し、18％（重量）の固型物を有する平均粒子
径7μのマイクロカプセル懸濁液をえた。このカ
プセル液100重量部に平均粒子径15μの小麦粉澱
粉粒５重量部および20％（重量濃度）煮沸酸化澱
粉水溶液５重量部およびトリス−Ｎ−（２−ヒド
ロキシエチル）アミン１重量部をよく混合した白
色の水性塗液をマイヤーバーで乾燥塗布量が５
ｇ／m²となるように塗布乾燥して感圧記録用CB
紙を作製した。このCF紙とCB紙を組合せて性能
を評価した。実施例２〜４顕色剤としてそれぞれ２−ｐ−トルエンスルホ
ニル−３，６−ジ−シクロヘキシルオキシカルボ
ニル−１，４ベンゾキノン（m.p.135〜137℃）、
２−ベンゼンスルホニル−３，６−ジ−エトキシ
カルボニル−１，４−ベンゾキノン（m.p.112−
114℃）および２−ｐ−トルエンスルホニル−３，
６−ジ−ｎ−オクチルオキシカルボニル−１，４
−ベンゾキノン（m.p.75−77℃）を用いる他は実
施例１と同様にして感圧記録用CF紙を作製し、
実施例１と同様に作製した感圧記録用CB紙との
組合せで性能を評価した。比較例１顕色剤として、２，５−ジ−ｐ−トルエンスル
ホニル−３，６−ジ−イソブトキシカルボニル−
１，４−ベンゾキノンを用いる他は実施例１と同
様にして感圧記録用CF紙を作製し実施例１と同
様にして作製した感圧記録用CB紙との組合せで
性能評価した。比較例２顕色剤としてｐ−フエニルフエノール−ホルム
アルデヒド縮合物（商品名RBE−40、三井東圧
化学製）を用い、次の組成を有する40％固型分水
性塗料を作る。乾燥重量部カオリン 85 炭酸カルシウム 15 顕色剤（水分散液として使用） 20 スチレンブタジエンラテツクス（同上）６酸化澱粉（水溶液として使用）６これから実施例１と同一方法でCF紙を作り、
このCF紙を市販の感圧複写用CB紙（商品：三菱
NCR Ｎ−40、三菱製紙製）と組合せて性能を評
価した。感圧記録紙の試験法 (1) 発色性能各実施例および比較例のCF紙とCB紙の両塗
布面を重ね合わせ電動タイプライターで打鍵発
色。発色濃度の測定はTSS型ハンター比色計
（東洋精機製）を用いて反射率を測定する事に
より行なう。タイプライター打鍵発色後30秒目
（初期発色濃度）および48時間目（到達発色濃
度）の測定を行い、発色前、発色30秒後および
発色48時間後の反射率をI₀、I₁、I₂とすると、初期発色率（J₁）：（I₀−I₁）／I₀・100（％）到達発色率（J₂）：（I₀−I₂）／I₀・100（％）によつて発色率を算出した。初期発色率、到達
発色率共に高く、かつその差が小さいほど、発
色速度大かつ濃色に発色することを示す。 (2) 発色後の耐光堅牢度前記のタイプライターによる発色紙をカーボ
ンアークフエードオメーター（スガ試験機製）
に２時間曝露し、試験前後の反射率をハンター
比色計で測色し、照射後の発色率で表示した。
照射後の発色残存率が高い程、露光後の像の消
失が少い。 (3) 発色像の耐可塑剤性ジオクチルフタレートを可塑剤に含む市販の
ポケツトフアイル用ポリ塩化ビニルシートに
CF紙発色面を密着させ、100cm²当り１Kgの荷重
をかけて、60℃の恒温槽中24時間保存したのち
ポリ塩化ビニルシートをとり去り発色濃度の変
化を試験前と比較する。発色濃度の測定は試験
直後、試験後１ケ月（暗所保存）について行つ
た。試験後の発色低下が認められない方が、発
色像の可塑剤のごとき極性溶媒に対する耐性が
大で好ましい。 (4) CF面の黄変化傾向従来広く用いられている酸性顕色剤を用いた
感圧記録紙の顕色剤塗布面がNO_X等の酸化性
ガス雰囲気中で黄変化する挙動を次のように求
めた。すなわち、JIS−Ｌ−1055−1941（染色物
および染料の酸化窒素ガス堅牢度試験方法）に
したがつてCF紙をNO_Xガス雰囲気に60分間曝
露し、試験後の黄変化の程度を表示する。試験結果実施例１〜４および比較例１〜２で作製した感
圧記録紙の試験結果は次のようであつた。

【表】この結果から、本発明の化合物を用いた感圧複
写紙は類似のキノン誘導体（比較例 −１）を用
いたものより初期発色濃度大で、かつ酸塩基発色
系（比較例２）のそれに比し発色像耐光性、耐可
塑剤性大でCF紙面の黄基変性がないという、従
来の発色剤よりすぐれた性能を有する事が明白で
ある。実施例５２−ｐ−トルエンスルホニル−３，６−ジ−シ
クロヘキシルオキシカルボニル−１，４−ベンゾ
キノン10ｇ、10％ポリビニルアルコール（商品
名：クラレポバール＃217、K.K.クラレ社製）水
溶液40ｇおよび水50ｇをサンドグラインデイング
ミルで処理して顕色剤分散液を作製した。別にα，α，α′，α′−テトラキス−（1′−エチ
ル−2′メチルインドール−3′−イル）−１，４−
キシレン10ｇを顕色剤と同様な方法で微粒化し、
色素分散液をえた。この色素分散液を用い、次の組成の水性塗料
（固型分15％）を作製した。顕色剤８（乾燥重量部）色素７ステアリン酸アミド 20 炭酸カルシウム 65 ポリビニルアルコール 20 上質紙上に該塗料が８ｇ／m²となるように塗布
し乾燥感熱記録紙を作製した。比較例３顕色剤に２，５−ジベンゾイル−１，４ベンゾ
キノンを用いる他は実施例５と全く同様にして比
較試料を作製した。えられた感熱複写紙は、実施例５のものは淡色
で、比較例３のものはかなり黄味に着色し著しく
外見が見劣りした。試験結果サーマルプリンターにて印加電圧20V、通電時
間1.4ｍsec（くり返し週期1.78ｍsec）でベタ発色
を行い、えた発色物の発色率を測定した。発色率
は次の通りであつた。（赤発色なのでグリーンフ
イルターを用い測定）実施例５……59.0％比較例３……39.4％この結果から、実施例の化合物が比較例よりす
ぐれた顕色効果を有することが分る。本発明の化合物は特願昭58−183878の発色原理
による酸化発色系の顕色剤で、従来の酸塩基発色
系による発色像と比べ、光、水および有機溶剤に
対する安定製が著るしくすぐれた発色像を与え、
かつ従来系の顕色剤の1/3〜1/50の少量で有効で
ある。また、既に本願の発明者等によつて提案さ
れた類似構造の顕色剤に比べ、初期発色速度が大
きいこと、ハロゲン原子を含まないこともしくは
濃色の発色像が得られること等の特徴を有する。

Claims

【特許請求の範囲】１一般式（）（式中、R₁はアルキル基もしくはシクロアルキ
ル基を、R₂はハロゲン原子、アルキル基、シク
ロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルキレン基もしくはフエニル基を有しても
よいフエニル基、ナフチル基、アラルキル基、ア
ルキル基もしくはシクロアルキル基を示す）で表
わされる感圧感熱記録紙用顕色剤。