JPH0510223B2 - - Google Patents

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JPH0510223B2
JPH0510223B2 JP59270988A JP27098884A JPH0510223B2 JP H0510223 B2 JPH0510223 B2 JP H0510223B2 JP 59270988 A JP59270988 A JP 59270988A JP 27098884 A JP27098884 A JP 27098884A JP H0510223 B2 JPH0510223 B2 JP H0510223B2
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rust
resin
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mfr
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Hirokazu Kobayashi
Masayuki Tsuruta
Yukio Tsucha
Koji Akeboshi
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TAIYO SEIKO KK
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TAIYO SEIKO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は建築分野又は一般産業分野に使用され
る表面処理金属板及びその製造方法に関するもの
であり、該表面処理金属板は、防錆樹脂層、変性
ポリオレフインからなる接着層、ポリオレフイン
からなる保護層の3層からなる積層樹脂層を有
し、耐食性、加工性、特に屋外耐久性に優れた表
面処理金属板である。 従来の技術 従来、金属板にポリオレフイン、たとえばポリ
エチレンフイルムや、ポリプロピレンシートを直
接ラミネートする技術は開示されている。 しかしながら、これらの技術により、得られた
表面処理金属板は一般に初期の接着力は良く、単
なる折り曲げ等の加工には十分であるが、長期屋
外にばく露したり、高温多湿の環境、あるいは海
岸ふ近での環境を想定した湿潤試験、塩水噴霧試
験で金属が腐食し、フイルムが容易に剥離してし
まう。又耐候性の試験であるサンシヤインウエザ
オメーター、デユーサイクルウエザオメーター試
験で、フイルムにクラツクを生じたりハクリした
りするという現象があり、屋外での用途を考えた
場合欠陥がある。 発明が解決しようとする問題点 本発明者は表面処理金属板の耐候性を向上させ
るため、まず表面に積層するポリエチレン、ポリ
プロピレンの樹脂自体を、二重結合や分岐をもた
ず、しかも高分子量のものとすることにし、紫外
線や熱劣化に対して安定させることにした。また
これらの樹脂に着色顔料を添加してより紫外線劣
化を防止することが有効であると判断した。 ところがこの樹脂に接着性を付与することを試
みたが、接着性を付与すると耐候性が劣つてしま
うという現象があり、接着性と耐候性を同時に満
足することはかなり困難であるとの判断から、接
着層と保護層の2層に分けることとした。 また、表面処理金属板はOT折り曲げ加工した
場合、加工部にクラツクが入らない伸び率が要求
される。加工部にクラツクが入らないということ
は、一般のカラー鋼板(表面処理金属板)では、
加工するとクラツクが入り、その部分では金属が
露出してしまい、耐食性が悪いという欠点がある
が、この問題を解決することができれば飛躍的な
性能向上がみられるのである。 しかもこの伸び率、好ましくはOTノークラツ
クは、一時的なものではなく、それが屋外等でば
く露されても熱収縮等によりクラツクが入るよう
なものではいけない。この点からも一般のカラー
鋼板などで一時的にノークラツクに近い状態のも
のを得たとしても無意味なのである。つまり、長
期間OTノークラツクの状態が保たれることが必
要なのである。膜厚も耐候性の上である一定範囲
が必要なことが確認された。 接着性を向上させる方法としては、一般にポリ
エチレンをコロナ放電処理したり、約2000℃の火
炎を作用させる方法などが公知である。これらは
いずれもフイルム表面を酸化させてカルボニル基
を生成させるものであるが、設備的にも大規模な
装置が必要となるばかりか、得られる接着力も
尚、不十分である。 本発明者は、Tダイより加熱溶融した樹脂を押
し出す方法を検討したがこの場合溶融粘度が低い
ほど接着力は高くなる。しかしその接着力は単に
Tダイ押出しをした程度ではまだまだ不十分なも
のである。例えば絞り加工などを施こせばフイル
ムが剥離してしまうといつた程度の接着力であり
実用性に欠ける。 これに対し、本発明者は、マレイン酸、アクリ
ル酸、メタクリル酸、フタル酸、イタコン酸など
で変性したポリエチレンの接着力が良好であるこ
とに着目し、検討を進めたところ、これらの変性
ポリエチレンを用いて接着したものは、鋼板に対
する耐食性が乏しいことが判明した。 そこでこの変性ポリエチレンにジンククロメー
ト、ストロンチウムクロメートを添加し、防錆効
果を上げることを試みた。しかし、鋼板と防錆顔
料を添加した変性ポリエチレンを接着したものを
テストした結果、逆に接着強度が不安定だつた
り、予期に反し耐食性の向上もほとんど認められ
なかつた。 そこで樹脂積層鋼板に耐食性を与えるために、
鋼板上に防錆顔料を添加した防錆樹脂層を設け、
その上に変性ポリエチレン層を設け、接着力、耐
食性、加工性を共に兼ね備えた優れた特性を得る
ことができた。 すなわちポリオレフインに防錆顔料を添加する
試みは、ポリオレフインでは、水を通しにくいと
いう特徴があるため、これが逆効果となり、可溶
性のクロメートを、ほとんど溶出しないため、そ
の効果が無いことが確認された。このような意外
な結果が得られたので、防錆顔料は水を通し易い
樹脂に添加する必要があろうとの見解から、更に
一層増やして防錆層を設けることにした。 一般に塗料の塗膜は水分、湿気、イオン、腐食
性ガスを通さないように設計されている。しか
し、水分の通し易さは樹脂のもつ特性で決まり、
このような発想はあつても、現実には、完全なも
のは得られていない。たとえば、水は通し易い塗
膜でもガスを通し難いという現象がある。 このような樹脂では折り曲げ加工部の耐食性を
向上させる目的で、防錆顔料を多量に添加する
と、塩水噴霧試験や湿潤試験で、平面部でフクレ
が発生してしまう。このことから、加工部の耐食
性を犠牲にして、平面部とのバランスを保つた設
計となり、綜合的な耐食性が劣つているのが現状
である。 ところが、このような樹脂(たとえばエポキシ
樹脂)であつても、ポリオレフインと組み合わせ
ると有効なのである。なぜならポリオレフインは
水は通し難く、ガスは通し易いという性質がある
ため、水分はオレフイン層で、腐食性ガスは防錆
樹脂層で遮断することが可能となるからである。
しかもオレフイン層は、塗料のように溶剤に希釈
して使用するのではなく、原料を加熱溶融して塗
膜とするので、加熱乾燥時においてもピンホール
が発生することがないので、塗膜に欠陥がなくこ
のことからも、その水分遮断性は優れている。 一般のプレコート金属板では、疵部、あるいは
端部から腐食するという問題がある。これは前述
のように添加する防錆顔料の量がわずかな量に限
定されてしまうからである。 ところが、オレフイン層と組み合せることによ
り、防錆樹脂層には耐湿性をもたす必要がない。
むしろ防錆顔料であるクロムの溶出量を多くする
ことの方が重要である。 加工部の耐食性は、OTノークラツクの可能な
オレフイン層で満足し、端部、疵部、を主として
防錆樹脂層を検討すれば良いことになる。 本発明品の耐食性、従来のエポキシ樹脂層と組
合せないポリオレフイン積層金属板、及び一般の
プレコート鋼板の耐食性を確認するため、塩水噴
霧試験時間の結果と、PH11の緩衝液に浸漬したと
きのCr6+の溶出量との関係を、クロスカツトを入
れたサンプルで、比較した。一般のプレコート金
属板では、緩衝液に一日間浸漬したときのCr6+
出量の好ましい範囲は0.02〜0.05μg/cm程度で
あり、それ以上では、塩水噴霧試験で平面部にフ
クレが発生し、それ以下では、クロスカツト部に
錆が発生している。OT加工部では、このCr6+
出量の範囲内外でも錆の発生が目立つている。 一方、エポキシ樹脂層と組合せたポリオレフイ
ン積層金属板では、0.02〜0.18μg/cmと、溶出
量が多い状態でも、塩水噴霧試験でフクレの発生
はなく良好な状態が保たれている。Cr6+溶出量が
0.18μg/cmを越えても、単に溶出がムダに使わ
れるらしく、それ以上の効果は見られず、若干フ
クレが認められている。一方、防錆層を有しない
オレフイン積層金属板ではクロスカツト部よりフ
イルムが剥離し、錆の発生が著しい。 すなわち、本発明では防錆樹脂層に多量の防錆
顔料を添加することができ、その結果、疵部、端
部の耐食性を、従来のプレコート金属板に比較し
て大幅に向上できることを見い出したのである。 上記のような知見により本発明を完成したもの
である。 問題点を解決するための手段 本発明は、 板厚0.2〜2.0mmの金属板の表面に防錆顔料を含
有した塗料をロールコート塗装し、乾燥膜厚で2
〜20μの防錆層を設け、その上に、MFR7以上の
変性ポリエチレン又はMFR11以上の変性ポリプ
ロピレンの乾燥膜厚2〜30μの接着層と、
MFR0.4以下の着色したポリエチレン又は
MFR0.8以下の着色したポリプロピレンの乾燥膜
厚20〜400μの保護層を同時に加熱溶融しながら
Tダイから押し出し、次いでロールで挟んで金属
板に仮接着し、冷却後又は冷却せず、接着層の融
点〜250℃の範囲で再加熱を施すことを特徴とす
る表面処理金属板の連続製造方法、である。 作 用 以下本発明の構成を作用と共に説明する。 本発明では、まず金属板は不然材、支持補強体
としての役目を果すもので、板厚0.2〜2.0mmの、
冷却鋼板、亜鉛鉄板、亜鉛めつき鋼板、亜鉛合金
めつき鋼板、鉛めつき鋼板、鉛合金めつき鋼板、
アルミニウムめつき鋼板、アルミニウム合金めつ
き鋼板またはステンレス板などが用いられる。こ
の金属板は接着強度を得るため表面は脱脂されて
いることが望ましい。さらにこの上に、0.1〜5μ
程度の化成処理層を有するものも含まれる。化成
処理は、金属板の耐食性、耐酸化性および密着性
を向上させるため、金属板の表面処理として行わ
れるもので、たとえば、リン酸亜鉛処理、リン酸
鉄処理、あるいはクロメート処理などによつて行
われる。 防錆樹脂層は、樹脂積層鋼板の端部、あるい
は、表層の疵部よりの腐食を防止する効果を有す
る。樹脂としては、合成樹脂特にエポキシ樹脂が
最適で、エポキシ樹脂には、エポキシ樹脂で変性
したポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル
樹脂も含まれる。 これらの樹脂に、ジンククロメート、ストロン
チウムクロメートなどの防錆顔料を樹脂100重量
部に対して、5−35重量部程度添加したものが最
適で、膜厚範囲は2〜20μが好適である。 5〜35重量部が好適な理由は、5重量部未満で
は鋼板を不動態化する防錆効果はほとんど期待で
きないし、逆に35重量部を越しても防錆効果は上
がらず、無意味である。防錆顔料の量が下限に近
い場合には膜厚を厚く、防錆顔料の量が上限に近
い場合には膜厚を薄くするなど、製品の用途ある
いは塗装・乾燥作業性などにより、適宜その組み
合せを選択して使用する。膜厚範囲を2〜20μと
したのは2μ未満では耐食性はほとんどその効果
が期待できないし、20μを越しても耐食性の向上
はあまり期待できず、コストが高くなる他、乾
燥・焼付時に、溶剤等の揮発に伴なうブリスター
の発生する現象も起こりうるからである。 次に本発明のポリオレフインとは代表的にはポ
リエチレン及びポリプロピレンである。ポリオレ
フインを保護層として用いる際、乾燥膜厚は20〜
400μが好適である。 膜厚の範囲を20〜400μとしたのは、20μ未満で
は着色して美麗な外観を得ること、および長時間
にわたつてOTノークラツクの加工状態が保持さ
れる耐候性を有するのに不十分だからである。ま
た400μを越えても性能の向上はほとんどみられ
ず、単にコスト高になるだけだからである。 保護層には適当な顔料をもつて着色することが
できる。着色することによつて、紫外線の透過が
防止できるので耐候性がさらに向上する。同時
に、耐食性を向上させるために塗膜がOTノーク
ラツク(JIS G 3312に準ずる試験方法による。)
の加工性を有するようなポリオレフインを選択す
ることが好ましい。 又、本発明の変性ポリオレフインは、マレイン
酸、アクリル酸、メタクリル酸、フタル酸、イタ
コン酸などで変性されたポリオレフインである。 膜厚の範囲を2〜30μとしたのは、2μ未満で
は、満足した接着力が得られず、品質が不安定と
なるからである。また30μを越えても接着力の向
上はみられず単にコスト高になるためである。 上記保護層及び接着層に用いる樹脂において、
保護層のポリオレフインが低MFR、たとえば
0.05〜1.0、接着層の変性ポリオレフインが高
MFR、たとえば1.0〜20.0である樹脂の組合わせ
において適宣選択することが好ましい。 射出成形においてはMFR(メルトフローレイ
ト)が高い方が、樹脂の流れが良く好ましいこと
は公知である。しかし、本発明においてTダイか
ら流出させた場合、高MFRのものは、両端が縮
みネツキングし易いという現象がある。それに伴
なつてフイルム幅が狭くなり、しかも両端の膜厚
が中央部に比較して厚くなり、製品の品質が不均
一となる。 これを防止するため、Tダイ出口と被着体との
距離を近づけることが考えられるが、Tダイと被
着体の距離を0にすることは設備的に不可能に近
い。また樹脂温度を低くして、溶融粘度を高くす
ることも考えられるが、樹脂の溶融不足により、
均一な膜厚のフイルムが得られず凹凸のある外観
となり、さらに被着体との間にエアーが混入し易
く、接着力のバラツキ、エアーによるフイルムの
フクレ(ハクリ)などが発生する。 一方、MFRの低い樹脂は、耐候性に優れるな
どの特長を有しながらも、Tダイから流出した場
合、ネツキングの心配は無いが、フイルムが切れ
易いという欠点があり、耐候性を犠牲にして
MFR値をTダイに適正なように修正するなどの
手段を行なわざるをえないこともある。 本発明では、Tダイから、高MFR(接着層)と
低MFR(保護層)の樹脂を2層にして、押出すこ
とによつて、適正温度範囲で、高MFRの樹脂に
よるネツキングを減少し、しかも低MFRの樹脂
をフイルム切れなく使用できるのである。 膜厚は、高MFR層では、下限は接着力を得る
ため、また低MFR層とのバランスを保ちフイル
ム切れを防ぐのに必要な量だけあれば良い。低
MFR層では、高MFR層のネツキングを防ぐのに
必要な量が下限となる。 一方上限は、高MFR層を厚くするとフイルム
の切れが無くなるなどの利点はあるが、特に限定
するものではなく、効果が飽和することから経済
性によつて決定すればよい。前記保護層と接着層
の乾燥膜厚は、このような観点からも保護層にあ
つては20〜400μ、接着層にあつては2〜30μが特
に好適である。 さて、上記ポリオレフインを積層した表面処理
金属板を、連続高速ラインで、生産するための条
件を確認した。 まず、防錆樹脂層を設ける、これはロールコー
ターなどで適性量塗布し、オーブンで乾燥する。 つぎに、接着層と保護層を別々にあるいは同時
に塗布する。方法としては、120〜250℃に加熱溶
融した樹脂を、防錆樹脂層を有した鋼板上に、積
層するものであり、接着層と保護層は別々のTダ
イから押出しても、同一のTダイから同時に押出
しても良いが、作業の省力化、フイルムの切れが
少ないことなどの点から後者が推奨される。 双方の樹脂は、2個の押出機により押出され、
Tダイの中あるいは外側の押出された直後で溶融
した状態で重ね合わせて2層とする。 こうして得られたポリオレフイン積層金属板を
試験してみると、屋外ばく露試験、長時間の塩水
噴霧試験で、フイルムが剥離する現象が認められ
た。この原因については、さだかでは無いが、エ
ポキシ基を有した防錆樹脂層の表面にはミクロ的
な凹凸があり、接着層が完全には凹凸内部までう
め込まれていないためであろうと思われる。つま
りTダイから押出された接着層を、連続的に塗布
する場合、強制的に接着層を引き落すため、接着
層には縮もうとする応力が存在する。しかも、連
続的に製造するためには、ロール圧着などによる
一時的な接着方式となる。このため、防錆樹脂層
の凹凸の内部まで完全に接着層がうめ込まれなか
つた結果ではないかと考えている。 そこでこの問題を再加熱を行うことによつて解
決した。 再加熱は、接着層樹脂の融点(樹脂が溶融を開
始する温度)以上であることが必要で、上限は樹
脂の劣化を防ぐため250℃以下であることが確認
された。 例えばポリエチレン系では110〜250℃、ポリプ
ロピレン系では130〜250℃の再加熱温度が推奨さ
れる。焼付時間はそのラインのオーブン能力とラ
インスピードの関係によつても異なるが、20〜
300秒で良く、生産性の点からは20〜60秒が推奨
される。こうして、得られた表面処理金属板は、
Tダイから押出された樹脂に存在する応力を緩和
し、長時間の外的な苛酷な条件による、クラツク
の発生を防止するのに非常に有益である。また再
加熱することにより、端面などからフイルムが剥
離することなく接着力が向上し、より安定した性
能が得られるため、初期接着力が向上するばかり
でなく、高温多湿な悪環境においても安定した接
着力が保持され長期の耐久性に優れた製品が得ら
れた。また製品の意匠性を高めるために、再加熱
により、加熱された被膜にエンボスをかけること
ができる。 再加熱温度をたとえばポリエチレン系の場合
110〜250℃としたのは、110℃未満では、変性ポ
リエチレンの融点に近く、長時間の焼付時間が必
要となり、しかも接着力が不安定で、高速で連続
的に大量生産するラインには適さないからであ
る。ポリプロピレン系の場合も同様である。また
250℃を越えても接着力の大幅な向上はみられず
むしろポリエチレン等の熱劣化を生じることから
好ましくない。 この場合、ホツトプレス的な方法による再加熱
は、本発明より除外するものではないが、作業性
が劣り、連続生産には不利である。再加熱時に、
プレス圧力の有無は、接着力への影響は認められ
なかつた。又、再加熱は、塗布後、一旦冷却後再
加熱することがより好ましい。 実施例 1 板厚0.3mmの亜鉛鉄板の表面を脱脂後、クロム
酸処理を施こし、さらに樹脂100重量部に対して、
6重量部の防錆顔料入りエポキシ樹脂液を乾燥膜
厚で3μになるように塗布し、加熱硬化させて防
錆樹脂層を設けた。この防錆樹脂層の上に接着時
の温度が120℃になるように加熱溶融したマレイ
ン酸変性ポリエチレンを3μ塗布し接着層を設け
た。この接着層の上に、接着時の温度が120℃に
なるように加熱溶融したポリエチレンを140μ塗
布し、保護層を設けた。この樹脂積層鋼板を、
130℃の温度で50秒間加熱し、製品とした。 以下、第1表に記載の条件で実施例2〜7及び
比較例1〜10の表面処理金属板を作成し試験した
結果を第1表に示した。 実施例 8 防錆樹脂層の有無による表面処理金属の防錆性
の違い、及び一般カラー鋼板との防錆性の違いを
第2表に示した。 なお、表中部は重量部、※は本発明の範囲外と
なる点を示した。 実施例 9 低MFRと高MFRとの組合せ効果について、第
3表に示した。 実施例及び比較例の試験条件は次の方法で行つ
た。試験結果の○は優、△はやゝ劣る、×は劣る
結果を示す。 (1) 円筒深絞り試験 ダイス径42φ、ポンチ径40φ、ポンチの肩
8R、絞り深さ20mmの条件で、樹脂のはくりの
有無を調べた。 (2) フオーミング試験 加工部1Rのフオーミング機を使用、樹脂の
はくりの有無を調べた。 (3) 万力OT折曲試験:塗膜面を外側にしてOT
折曲、クラツク有無を判定した。 (4) 剥離試験 180度剥離、剥離巾10mm、剥離速度100mm/
minで接着力の測定を行つた。 (5) 塩水噴霧試験 機内温度35℃の条件で、5%食塩水を噴霧、
500時間、3000時間噴霧のOT加工部、クロス
カツト部からの白錆、赤錆の発生の有無、樹脂
のフクレ、はくりの有無を判定した。 (6) 耐候性試験 スタンダード、サンシヤイ、ウエザーオーメ
ーター機にて5000時間実施、樹脂のはくり、お
よびクラツク発生の有無を判定した。 (7) 耐薬品性試験 製品の中央部にガラスリングを置き、20%
HCl、20%NaOHをリング内に満し、100時間
放置、樹脂のはくり(ふくれ)の有無を判定し
た。 (8) 屋外ばくろ試験 南面向、45度の角度で29カ月実施(於 船橋
市)。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 発明の効果 本発明によつて耐候性、防錆性、接着性、加工
性にすぐれた表面処理金属板が得られる。すなわ
ち、 (1) 従来のオレフイン積層金属板においては、耐
候性、加工性にはある程度すぐれてはいても、
防錆顔料が多量に入らず、又水を通しにくいた
め防錆顔料が機能し難く一旦表面疵を生じたと
き、防錆性に限度があり、又、接着性も充分で
はなかつた。本発明においてはこの点が改良さ
れている。 (2) 従来のエポキシ樹脂積層金属板では防錆顔料
となじみ易いが、多量に添加した場合、折り曲
げ加工部の耐食性は向上しても、加工部から侵
入した水のためあるいは水分を透過し易いため
平面部では却つてフクレが発生し、バランスを
保つた設計を行うと、結局総合的な耐久性が充
分でなかつた。本発明においては、水分をオレ
フイン層で、腐食性ガスを防錆樹脂層で遮断す
るため総合的な耐久性が充分である。 (3) 本発明の上、中塗りは、加熱溶融によるホツ
トメルトコーテイングが可能なため、ピンホー
ルの発生が少ないので塗膜に欠陥がなく、この
点からも水分遮断性が優れている。 (4) 加工部はOTノークラツクの可能なオレフイ
ン層で端部、疵部を主として防錆樹脂層で、そ
れぞれ耐食性を付与することが可能なのでトー
タルの耐食性は大巾に向上する。 (5) 再加熱を行うことによつて長期の耐久性が格
段と向上した。 (6) 保護層に低MFRの樹脂、接着層に高MFRの
樹脂を組合わせることによつて、ネツキングの
少ない、且つフイルム切れがせず、耐候性、接
着性、表面状態の良好なバランスのとれた表面
処理金属板を得ることができる。 このように本発明の産業的価値は著大である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 板厚0.2〜2.0mmの金属板の表面に防錆顔料を
    含有した塗料をロールコート塗装し、乾燥膜厚で
    2〜20μの防錆層を設け、その上に、MFR7以上
    の変性ポリエチレン又はMFR11以上の変性ポリ
    プロピレンの乾燥膜厚2〜30μの接着層と、
    MFR0.4以下の着色したポリエチレン又は
    MFR0.8以下の着色したポリプロピレンの乾燥膜
    厚20〜400μの保護層を同時に加熱溶融しながら
    Tダイから押し出し、次いでロールで挟んで金属
    板に仮接着し、冷却後又は冷却せず、接着層の融
    点〜250℃の範囲で再加熱を施すことを特徴とす
    る表面処理金属板の連続製造方法。
JP59270988A 1984-12-24 1984-12-24 表面処理金属板及びその製法 Granted JPS61148046A (ja)

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