JP2968413B2 - 熱可塑性樹脂被覆金属板の製造方法 - Google Patents
熱可塑性樹脂被覆金属板の製造方法Info
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Description
性、耐食性、外観を有する熱可塑性樹脂被覆金属板の製
造方法に関するものである。
板としては、熱硬化アクリル樹脂塗料やポリエステル樹
脂塗料を塗布して得たカラー鋼板や、樹脂フィルムをラ
ミネートしたラミネート鋼板が知られている。これらは
美麗な色彩、外観と耐食性とから、建築、バス・乗用車
の内装材、家庭電気機器の材料、家具調度品などの用途
に広く使われている。
塗装作業性上の必要から、比較的低分子量のものが用い
られ、塗布後の焼付硬化によっても高分子量化が充分で
なく、また金属基板上の流動が充分でなく、耐久性に欠
ける欠点があった。一方、樹脂フィルムをラミネートし
たラミネート鋼板は、樹脂自体が塩化ビニル樹脂、アク
リル樹脂又はふっ素樹脂といった石油化学工業で一貫し
て高分子量化した樹脂を原料として押出成形されたフィ
ルムを使用するもので、分子量も塗料用樹脂よりも遙か
に高く、従って、基板上の塗膜の耐久性は、塗料塗布の
場合のたとえば3〜5年に比べて、10〜20年程度と
格段に長期である。
問題点が存在する。 (1)フィルムの厚さを薄くすると、基板上に均一なラ
ミネートが困難となり、表面にしわが生じる等の現象が
現れるので、通常50μ厚程度が限度とされること。 (2)基板上にはミクロ的な凹凸があるため、凝固した
フィルムと基板との間に空間が生じやすく、フィルムの
密着性が不充分であること。 (3)一旦フィルムとして成形されるため、フィルム形
成能上、使用樹脂に制約のあることなどである。
〜170℃の範囲内の温度に予熱され、その後加熱ロー
ルと冷却ロールの間隙を進行し、溶融樹脂は加熱ロール
で予熱された金属基板と冷却ロールの間隙に押出され該
冷却ロールによって金属基板上に圧着されることによっ
て、美麗な外観が得られると共に、従来のカラー鋼板や
ラミネート鋼板に比べて、より密着性、耐食性にすぐれ
た表面処理金属板の得られることが報告されている(特
開昭57−203545号公報)。この金属板は、従来
金属板に比べ、基板との密着性および耐食性が格段にす
ぐれている。さらに、フィルムに形成することなく、T
ダイから直接溶融状態で被覆を行うため、フィルム厚
も、従来のフィルム被覆では困難であった50μ厚以
下、さらに35μ厚以下5μ厚程度までの被覆が可能と
なった。
の種類と膜厚によって大きく左右されるので、必要な耐
久性の程度と価格的要求に応じて膜厚を制御しうること
が望まれていたが、薄膜で被覆することが該発明で可能
となった。また、たとえば硬い樹脂などは、フィルムと
することはできるが折れ易く、一旦フィルムに形成した
後、金属板上に圧着することは困難であったが、この発
明では、溶融下、柔軟性を有する状態で被覆するので、
このような硬い樹脂でも使用が可能である。その他、フ
ィルム成形工程が省略されるため、価格の低下ともなる
利点がある。
57−203545号公報に開示された発明は樹脂が被
覆直後に冷却ロールにより冷却されるため、金属板の予
熱温度が低い場合には、密着性に優れた被覆金属板を製
造することができない。本発明は、このような問題点を
解決し、密着性、加工性、耐食性、外観に優れた熱可塑
性樹脂金属板の製造方法を提供する。
圧着ロールを圧接し、圧着ロールと金属板の間隙に、押
出機を経てTダイより溶融したポリエチレンテレフタレ
ート樹脂を流下して金属板に樹脂を被覆し、次いでこの
樹脂被覆金属板を樹脂を結晶化させることのないように
65℃/分以上の冷却速度で冷却し、且つ冷却中に、融
点−150℃以上の温度域で0.5秒以上保持すること
を特徴とする熱可塑性樹脂被覆金属板の製造方法、
る金属板に、圧着ロールを圧接し、圧着ロールと金属板
の間隙に、押出機を経てTダイより溶融したポリエチレ
ンテレフタレート樹脂を流下して金属板に樹脂を被覆
し、次いでこの樹脂被覆金属板を圧着ロールに巻付ける
ことなく通板し、また樹脂被覆金属板を樹脂を結晶化さ
せることのないように65℃/分以上の冷却速度で冷却
し、且つ冷却中に、融点−150℃以上の温度域で0.
5秒以上保持することを特徴とする熱可塑性樹脂被覆金
属板の製造方法、
る金属板に、圧着ロールを圧接し、圧着ロールと金属板
の間隙に、押出機を経てTダイより溶融したポリエチレ
ンテレフタレート樹脂を流下して金属板に樹脂を被覆
し、次いでこの樹脂被覆金属板を圧着ロールに巻付けな
がら通板し、また樹脂被覆金属板を樹脂を結晶化させる
ことのないように65℃/分以上の冷却速度で冷却し、
且つ冷却中に、融点−150℃以上の温度域で0.5秒
以上保持することを特徴とする熱可塑性樹脂被覆金属板
の製造方法である。
説明する。本発明では、まず金属基板として、屋根、
壁、間仕切り等の建材、自動車用材料、家庭電気製品の
材料、家具、缶等に使用される。用途から板厚みの厚
い、鋼板、亜鉛めっき鋼板、亜鉛合金めっき鋼板、錫め
っき鋼板、錫合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼
板、アルミニウム合金めっき鋼板またはステンレス板な
どが用いられる。さらにこの上に、0.1〜5μ程度の
化成処理層を有するものも含まれる。
および密着性を向上させるため、金属板の表面処理とし
て行われるもので、たとえば、リン酸亜鉛処理、リン酸
鉄処理、あるいは電解クロメート処理によって行われ
る。本発明で被覆に用いる樹脂は、ポリエチレンテレフ
タレート樹脂である。このポリエチレンテレフタレート
樹脂は特に耐酸性の用途に有効である。また、樹脂は単
層被覆でも、多層被覆でもよい。多層被覆の場合、たと
えば多層Tダイによって行う。
属基板は、溶融樹脂を被覆するに先立って、予熱してお
く必要がある。たとえばポリエチレンテレフタレートの
場合、融点(255℃)−120℃以上(従って、13
5〜255℃程度)の予熱が好ましい。予熱をすること
によって樹脂の流動性が高まり密着性が向上する。予熱
を行わないとき、又は予熱温度が低いときは、特に冷却
ロールを使用した場合、樹脂の密着性が充分でなく、耐
食性に欠ける結果となる。
るので好ましいが、高すぎると樹脂や接着剤が分解する
ので好ましくない。また、省エネルギーの観点からも好
ましくない。したがって、溶融樹脂の温度以下、好まし
くは、溶融樹脂の温度よりも50℃以上低い温度、通常
50〜230℃程度の予熱温度で行われる。
れた予熱された金属基板1の表面に圧着ロール5を圧接
し、その金属基板表面と圧着ロール5との界面に押出機
を経て、Tダイ2より溶融した熱可塑性樹脂フィルム3
を流下し、金属基板1に熱可塑性樹脂フィルムを塗覆装
する表面処理金属板製造方法を示したものである。
けることなく、巻付けロール4に巻付けて樹脂被覆金属
板を通板する方法を、図7は樹脂被覆後、圧着ロール5
に巻き付けながら樹脂被覆金属板を通板する方法を示し
たものである。この方法はフィルム厚や表面状態の調節
が容易である。たとえば、表面の光沢の調節や、表面に
エンボス模様を付すことも容易である。
は、冷却捲取りが行われる。冷却は、たとえば空冷後、
水スプレーを行ってもよく、又水冷槽をくぐらせても、
冷却ロールを通してもよい。このようにして、本発明の
表面処理金属板が得られるが、本発明においては、樹脂
を結晶させることなく結晶化しない冷却速度以上で冷却
し、且つ冷却中に樹脂の種類に応じた所定温度域で所定
時間樹脂被覆金属板を保持することによって密着性、加
工性、耐食性を向上させる。
定、樹脂の白濁などによって容易に判定することができ
る。樹脂の結晶化するフィルムに歪が発生し密着性が低
下するものと思われる。又結晶化により樹脂が脆くなり
加工性が低下する。又冷却中、冷却が必要以上に進行し
ないよう樹脂の融点以下所定温度以上で所定時間保持を
行う。
いては樹脂の融点(255℃)−150℃以上(従って
105〜255℃程度)で0.5秒以上保持することが
好ましい。この場合、高温保持されることにより樹脂の
流動性が高まり、拡散が進行して金属板との接着面積が
増加して密着性が向上するものと思われる。冷却パター
ンの概念図を図2に示す。
ールを使用したラミネート金属板製造装置を使用して、
金属板として厚み0.2mmの電解クロム酸処理鋼板を
用い、この鋼板を予熱した後、上記鋼板と鋼板が巻き付
いていないロールとの界面に押出機を経て、Tダイより
ポリエチレンテレフタレートを溶融押出流下した。さら
にラミネートされた鋼板は圧接後に配置された空冷装置
により所定のパターンに冷却制御され、その後下流の冷
却装置により水スプレーで常温まで冷却され、乾燥した
から巻き取られた。
融状態から65℃/分以上の冷却速度で冷却すると、結
晶化しない。またポリエチレンテレフタレートの融点は
255℃である。予熱温度、保持温度、保持時間、冷却
速度の影響を図3〜6に示した。なお、性能試験はつぎ
の通り行った。
切り込みを入れ、被覆層を100mm/minで180
°剥離し、状態を観察した(実線)。 (2)加工性・耐食性は、口径D=60mmφ、高さH
=30mm、絞り比H/D=30/60でカップを形成
し、35℃、5%食塩水を1500時間噴霧し、腐食の
進行状況を観察した(点線)。 結果は次の基準によって示した。 ○‥‥非常に良好、△‥‥良好、×‥‥不良。
性、外観に優れたラミネート金属板を製造することがで
きた。
流下して、被覆を行う本発明方法の説明図。
流下して、被覆を行う本発明方法の説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 巻付ロールに巻付けた、予熱してある金
属板に、圧着ロールを圧接し、圧着ロールと金属板の間
隙に、押出機を経てTダイより溶融したポリエチレンテ
レフタレート樹脂を流下して金属板に樹脂を被覆し、次
いでこの樹脂被覆金属板を樹脂を結晶化させることのな
いように65℃/分以上の冷却速度で冷却し、且つ冷却
中に、融点−150℃以上の温度域で0.5秒以上保持
することを特徴とする熱可塑性樹脂被覆金属板の製造方
法。 - 【請求項2】 巻付ロールに巻付けた、予熱してある金
属板に、圧着ロールを圧接し、圧着ロールと金属板の間
隙に、押出機を経てTダイより溶融したポリエチレンテ
レフタレート樹脂を流下して金属板に樹脂を被覆し、次
いでこの樹脂被覆金属板を圧着ロールに巻付けることな
く通板し、また樹脂被覆金属板を樹脂を結晶化させるこ
とのないように65℃/分以上の冷却速度で冷却し、且
つ冷却中に、融点−150℃以上の温度域で0.5秒以
上保持することを特徴とする熱可塑性樹脂被覆金属板の
製造方法。 - 【請求項3】 巻付ロールに巻付けた、予熱してある金
属板に、圧着ロールを圧接し、圧着ロールと金属板の間
隙に、押出機を経てTダイより溶融したポリエチレンテ
レフタレート樹脂を流下して金属板に樹脂を被覆し、次
いでこの樹脂被覆金属板を圧着ロールに巻付けながら通
板し、また樹脂被覆金属板を樹脂を結晶化させることの
ないように65℃/分以上の冷却速度で冷却し、且つ冷
却中に、融点−150℃以上の温度域で0.5秒以上保
持することを特徴とする熱可塑性樹脂被覆金属板の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5109758A JP2968413B2 (ja) | 1992-07-09 | 1993-04-14 | 熱可塑性樹脂被覆金属板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20422392 | 1992-07-09 | ||
JP4-204223 | 1992-07-09 | ||
JP5109758A JP2968413B2 (ja) | 1992-07-09 | 1993-04-14 | 熱可塑性樹脂被覆金属板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0671777A JPH0671777A (ja) | 1994-03-15 |
JP2968413B2 true JP2968413B2 (ja) | 1999-10-25 |
Family
ID=26449470
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5109758A Expired - Lifetime JP2968413B2 (ja) | 1992-07-09 | 1993-04-14 | 熱可塑性樹脂被覆金属板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2968413B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1023175B1 (en) | 1997-05-30 | 2006-02-15 | Alcoa Inc. | Method for coating aluminum metal strip |
JP7376044B2 (ja) * | 2020-03-26 | 2023-11-08 | マツダ株式会社 | 金属部材と樹脂部材との接合構造および接合方法 |
-
1993
- 1993-04-14 JP JP5109758A patent/JP2968413B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0671777A (ja) | 1994-03-15 |
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Date | Code | Title | Description |
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